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ヤマハ R25

ライディングスポーツを買いました。

 久しぶりにライディングスポーツを購入しました。

 56レーシングを応援してくださる方にはお馴染みの、名越哲平さんがJ-GP2で年間チャンピオンを獲得したインタヴューが載っていたからです。
昨年は埜口遥希さんが載っていたり、56絡みのライダーが多く乗る様になって、嬉しく思います。

 後半の方にはKissレーシングのR-25がJP250/国内ライセンスクラスのチャンピオンマシンとして取り上げられていました。こちらは当社で扱うFGも写真で取り上げられていました。

 今年も変わらず56レーシングとKissレーシングに関わる予定なので、各ティームの発表を楽しみにお待ちください。

 

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鈴鹿入り

 木曜日の早朝に出発し、無事鈴鹿サーキットへ到着しました。

 私が関係する走行はJP250だけでしたので、その2本の走行を確認して、ライダーと話し合いを持ちました。一本目は調整なしで車両の状態とコースを把握し、そこからライダーの要望を確認し変更を加えます。

 走行はS時の外側から観察しましたが、気になったのは走行ラインです。小排気量とはいえ、バイクは小さく曲げ早く起こして加速するのが基本です。しかし、松岡選手はS字の二つ目からバイクが寝っぱなしで次の左へ向けてのアプローチがし辛いように見えました。
 ライダーに確認したところ、バイクの向きが変わり辛いと話すので、その問題点を分析してたうえで、担当メカニックの飯高さんとセッティングの話を進め、フロントのイニシャル、リアのイニシャルと車高を変更することにしました。さらに、コーナー出口でアクセルを開けるのを一瞬待ち、向き変えをしっかり行った上でアクセルを開けるようにと、こちらからも要望を出しました。

 迎えた2本目の走行は大きな問題点は解消したようですが、相変わらずS字で向きが変えづらいそうです。そこで、問題はリアにあると目星をつけ、昨年と今年の動画を比較検証し、減衰のダイアルで対応する事を提案しました。

 この後の午後に金曜日唯一の走行が控えています。ここでセットを詰めて明日の予選を迎えたいと思います。

 

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嬉しい総合優勝

 九州のオートポリスで行われたJP250の全日本選手権を手伝いに行ってきました。

 水曜日の朝、足立区にあるキジマさんの会社へ行き、丸一日以上かけてオートポリスへ到着しました。道中、キジマのツイッターの中の人と仕事、思想、哲学に教育など多岐にわたる話をして、新たな考え方を吸収する良い時間を得られました。

 木曜日は天気が良ければ練習走行を予定していましたが、雨、強風、濃霧でとても走れるような状況ではありませんでした。
 従って、走行は金曜日からとなりました。金曜の一本目は早朝ということもあり、雨は止んでいましたが路面はまだまだ湿っていました。とりあえず感触を見るために走り、タイアもドライタイアでタイム云々を論じるような状況でもありません。

 2本目はしっかり晴れて、やっとまともな走行ができました。ここで、前回の練習走行とタイムが変わらないどころか、コンマ数秒遅く2分11秒半ばと正直とてもレースにはならないタイムに、チームとして考えを改なければいけませんでした。
 以下に問題点を列挙します。

 1 ジェットコースターを下りきった右60Rを超え、上りの始まる右90Rから先でリアが高い気がする。
 2 それによりアクセルを開け曲がってゆく場面(いわゆる二次旋回)において、バイクが曲がらない。アクセルを開けても蹴り出し(前に進む力)が弱い。
 3 バイクに機敏性がなく、どちらかと言えばモッサイ(重ったるい)バイクであり、切り返しなどで向きがえがきつい。

 上記三点を分析してゆきます。
 1のリアが高いですが、その時のセットを考えると、「プリロードは緩いのにリアが高い」と感じています。これは動的姿勢(ダイナミック)ではなく静的姿勢(スタティック)が高い証拠です。そこで、車高を下げる提案をしました。

 2の二次旋回において向きが変わらない、においては、リアが高くアクセルを開けた際にまだ一次旋回の続きをしているため、リアに荷重が掛かり難くそのためアクセルを開けても内向性が高まらない。ここではアクセルを開けてリアに荷重が乗りやすくするため、リアの車高を下げる提案をしました。それとアクセル開で素早く加速に移る姿勢を作るため、リアのプリロードをかける提案も同時にします。

 3の機敏性がなく重ったるいバイクには、プリロードをかけ反応を高める提案を行いました。

 1〜3の問題点を合わせた結果は、プリロードをかけ(ダイナミックバランスにおいて)反応をあげ問題2を解消し、上がってしまう車高に対して車高調整(スタティックバランス)で下げ、1の問題点も解消します。これを行えば3の問題は自然と解消します。

 上記のように、ライダーのコメントを解析し現実と照らし合わせ、一つ一つの変更点がどのような効果を生み出し、どこが重なり合うか(オーバーラップ)を考えて総合的な変更量を決定します。この度はイニシャル量を1回転(1.5mm)締め、車高を1回転(1.25mm)下げ対処しました。
 この変更で予選は2分9秒前半と2秒以上も短縮に成功し、総合4番手、クラス2位の予選順位を得られました。

 

 決勝に向けて

 予選では好感触でしたがライダーはまだ若干リアが高いとの印象を持っていました。そのコメントを基にどうやってリアを下げるのか検討します。
 かなり好感触ではあるが、先述のジェットコースター先の連続する右コーナーでリアの高さを訴えるのに、良い部分を殺さず下げる方法は無いものかと思案していました。
「イニシャルを抜いて下げつつ、伸び減衰も弱めリアの反応を保つ」や「車高をただ下げる」などがパッと思い浮かぶのですが、せっかく良いバランスを崩すのが怖い。テストであれば試せることが、本番直前にそこまで変更するのかは、少なくからず危険性を伴います。
 そこまで考え、パッと思い浮かんだのは圧減衰(コンプレッション)を抜く手法です。直進次はほとんど影響がないはずのコンプレッションですが、現実はほんの少しではありますが、リアは下がります。しかも倒し込みではより深く下がるようになり、全てを殺さずに問題を解決できそうです。

 これらの提案は全て担当メカニックであるファイアーガレージの飯高さんを通して、変更を施します。そこで飯高さんと直前まで相談したところ、変更なしでゆくと飯高さんが決断しました。結果はナショナルライセンスながら、インター勢を抑え総合優勝を果たしました。
 しかも最後の二周で先頭に出てからは、譲ることなくチェッカーフラッグを受け、ピットにいた私を含む四人は大はしゃぎとなりました。

 エンジンパワーでは不利とされるヤマハのR25で、登り傾斜がきつくホンダトラックと言えそうなオートポリスでの優勝は、ライダーを褒められると思います。そう言えば、ホンダトラックと言われていたホッケンハイムでも、意外にホンダが勝てなかったのを思い出しました。
 この優勝で、最終戦にノーポイントで終わったとしてもポイントランキング2位のライダーと同ポイント、優勝回数により松岡玲選手のシリーズチャンピオンが決定しました(はずです)。正式アナウンスを待たなければいけませんが、二年連続のチャンピオン獲得は、チームの方向性が正しいことを証明しつつ、FGの性能も立証させてもらいました。全日本では少数派のFGですが、これまでのデータを基にライダーに合わせ個別に作り上げてきた結果が出たのだと思います。
 これに慢心することなく、常に最善を模索してゆきます。

 このように、JP250でもライダー、メカニック、チーム関係者の思考と葛藤が一台のバイクを作り上げ、レースを走っています。今週末の筑波選手権では56レーシングの二台が走ります。そこでもまた、新たな発見や葛藤があるかと思いますが、それもまた楽しみにしています。

 

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キジマの凝った造りのバックステップ

KissレーシングのR25を眺めていたら、ちょっとしたことに気付きました。

バックステップが位置調整機能を持つ、キジマのレース用オリジナルですが、ベースプレートが段付きの一枚物です。
これを造るには、厚みのある大きな材料から削るために、材料代も加工費用も高くつきます。しかし軽量性や剛性を考え手の込んだ造とする辺りに、製作者の強い意図がしっかりと感じ取れます。

簡単に済ませるなら、選択肢はふた通りです。
一つは、平板のベースプレートを一枚とし、そこに位置可変のステッププレートを取り付けます。
簡単に早く出来ますが、ステップの幅が広くなるのが問題となります。この幅が広がると、案外操作性に大きな影響を与えますので、極力避けたいポイントです。

次の手段は、プレートを二枚に分割し、ボルトにより締結する手法です。これなら材料も小さくすみ工数も若干抑えられます。しかし、結合剛性の問題とボルトの重量もかさむので、次善策の域を出ません。

ここに一枚ものでプレートを造る心意気がご理解頂けましたでしょうか?

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九州へ

数年ぶりに九州の地を踏んでおります。

レースサポートを行っているキジマKissレーシングに帯同するためです。

オートポリスの有名な濃霧を眺め初日は終わりましたが、二日目は好天に恵まれ、無事に一本目の走行を終えています。
ライダーの松岡選手との打ち合わせも終え、2本目のタイム次第で再度セットアップの方向性を確認します。

サスペンションに限りませんが、次に起こるであろう問題点を仮定しておき、今のうちから対応策を練っています。

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KissレーシングのFG破損

 前回の全日本で優勝したKissレーシングのYZF-R25に使用するFGが、修理のため帰って来ました。

 FGでは設定のないアルミシリンダーを用いた特別仕様です。今回修理となった理由は、練習走行時の転倒から動きに違和感があると乗り手が訴えたためです。

 車両についた状態での動作確認では、その問題を感じなかったそうです。届いたダンパーを確認して原因を発見しました。車高調整のエンドアイが不自然に見えます。詳細に観察するとネジ山が削れていました。そこで推論を立てました。
 レース車両は車高の変更を俊敏に行うため、これまでの使用によりネジ山が痩せていた。変更を俊敏に行うが故にロックナットは軽く締める程度で、その状態で転倒し強引に引っ張られたエンドアイがネジを飛ばしたため、しっかりと固定されなくなったエンドアイとベース部分のガタが、一瞬の減衰抜けに感じられたと思います。
 分解時の写真からは、シールヘッドを抜いた後の泡立ちもなく、ピストンを抜いてすら少々の泡しか確認できませんでした。これでエア抜きがしっかり出来た証拠です。

 ですが安易に原因を特定するのは次の問題を起こす可能性があるため、ダンパー本体も分解し細かく確認しました。急な力が加わるとシリンダーが変形する事もあるので、特に内壁は入念に調べます。そのほか、ロッドやリザーブタンク、シムなどもその対象です。
 JSBやST600で使われるあるメーカーのシムは、ハイサイドや路面の段差などストロークスピードが想定以上に速いと、シムが変形し孔を塞げなくなり狙った動きをしなくなります。今回はシムには問題がありませんでしたので、そのまま再使用します。
 来年も同じダンパーを使う場合は、シム交換も必要となりそうです。シムは簡単に言えば板バネですから、過酷な使用でへたります。過酷とは大きくたわむ、長い時間使うなどの意味です。

 オイル交換を行い、上下のピロボールを交換して出荷となります。

 

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分解するとエア抜きの精度がわかります。

 今日の午前中は、明日の全日本へ向けKISSレーシングのFGをオーバーホール行いました。

 作業内容としてはプレミアムライン水準の組みです。

 分解してすぐわかるのは、エア抜きの具合です。シールヘッドを抜けば判断がつきます。エア抜きがしっかりできていない、ブラダ型を長期間使ったなどのダンパーはかなり泡立っています。
写真のダンパーはレース用のために、かなり入念なエア抜きを施してありました。そのおかげでご覧の通りの状態です。しかし、オイルは新品なら黄色い有色透明ですが、抜いたオイルは茶色く変色しています。これでは減衰の効きが弱くなるため、オーバーホールとなりました。

 今回も詳細な手順書を作りながらの作業となり、半日かかりましたが、エア抜きもしっかり行え満足のゆく仕上がりです。

 ダンパーは機械であるため、機械加工の精度や設計者の考えがダンパーの動きを決めます。ですが、最後の最後はエア抜きの出来次第で設計者(設計値)の狙った通りに動くかが決まります。
ならば、仕様変更を伴わないオーバーホールでは、エア抜きは最重要項目だと捉え作業にあたっております。

 もしこのブログを見ている同業の方がいらっしゃるなら、その方々に伝えたいのは「一度でも使えば泡がモクモクとなるのは当然」、という認識は間違っているという点です。しっかりしたエア抜きを行えば、シールヘッドを抜いてもエアは出ません。ロッドを抜いても多少泡が出る程度です。

 一味違ったオーバーホールを体感してみたい方は、是非、ご用命ください。

 

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来年は15年目、FGキャンペーン、笑ってしまう写真

 来年の五月で、当社も操業15年目を迎えます。

 節目の年に向け、FGの販売を強化するためキャンペーンを企画しています。発表はもう少し先ですが、決まり次第SNSなどでお知らせして行きますので、楽しみにしてください。

 KISSレーシングの家根谷さんが、JP250で全日本チャンピオンを獲得してくれましたが、お馴染み川野さんが写真を提供してくれましたので、折角ですから皆様にも見てもらいたいと思います。しかし、FGの販促用に狙ってリアサスを撮影してくれるあたりは、職人魂を感じると同時に笑ってしまいました。ありがとうございます。

 

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全日本、鈴鹿

 昨日はJP250の走行があり、夜に大槻から一日の報告を受けました。

 桜井芽依さんは概ね調子よく進んだようですが、ロガーで判明した練習と予選、決勝での差について、今から考えを巡らせているようです。その差をキッチリ詰めた練習を行い、本番へ向けて戦術を練ってほしいと思っています。

 家根谷さんは色々悩んでいるようですが、大槻と相談の上で方向性は決まったため、それをライダーと担当メカニックさんに話をし、進めてゆくつもりです。こちらはダンパー用のロガーを積んでいない為に、ライダーのコメントから方向性を探っています。

 

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JP250、岡山

 岡山で行われた全日本選手権併催のJP250に参戦する、KISSレーシングのサポートに当社大槻が帯同しました。

 詳細は週明けの会議で報告を受けますが、結果は総合5位、クラス2位でした。良い成績を得てとても嬉しく思います。

 

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