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メンテナンス

VTR1000SP2のフロントフォーク

 以前にリアショックをFGで製作したSP2が、フロントフォークの手直しで入庫しました。

 O/Hはプレミアムラインなのでフォークカートリッジの内部を全分解し、さらにこの年代のホンダのスーパースポーツでみられた問題点、イニシャル不足を解消するためにアルミカラーを製作しました。

 まだフロントフォークを車体に取り付けただけの状態ですが、実効ストロークが長くなり姿勢変化を大きく使えそうです。以前にもSP1で同じ手法を採用しましたが、今回はもう少し手を入れてあります。

 月曜日はこの車両の他に、BMWの750GSとS1000RRそれに四輪のM5。Moto GuzziのV9、GSX-R750、DucatiのF1を試乗予定です。車体の入荷が多く忙しくしておりますがなんとか進めてゆきます。

 

 

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ブリヂストンのレーシング・エア・ゲージを買いました。

 業者さんならご存知のグリップ商事さんから、ブリヂストンのレーシングエアゲージを購入しました。

 https://youtu.be/mufJyitKhGc

 ここでは商品名にちなんでエアゲージと呼びます。

 サーキットでは使用率が高めなこのゲージは定価が1.3万円ほどで実勢価格は1万円前後です。しかし一般の方からするとかなり高額な商品であり、普通に生活する中では買いづらい価格帯でしょう。しかし、精度にこだわる私としてはこれが普通であり、さらに精密な測定ができれば面白いので、新たなゲージを探してみようと思います。

 タイアの温度と圧力を視覚的に確認できる機構もあるようで、当社が持っているモーテックにはそれらのモニタリングシステムが用意されています。今後は自分の愛車BT1100にそれらを取り付け、街乗りからサーキット走行で試してみます。買うのは良いのですが、取り付けが面倒でなかなか進行しないのが私の問題点です。前倒しでがんばります。

 

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カワサキのオーリンズ電制ステアリングダンパー

 今回のお題はカワサキのZX-10RやH2に採用される、電子制御ステアリングダンパーを解説します。

 オーリンズのステアリングダンパーはロッド側のシリンダーと、オイルが還流する副筒部分があります。電制ユニットは副筒の調整ダイアルが着く部分に取り付けられていますが、ユニットが大きく張り出し、ロッド部分のオイルシールなどが外せません。

 そこでこのユニットを外す手法を考えましたが、どうにも手段がわかりません。仕方ないのでこの純正採用の電制ステアリングダンパーを新品で購入し、それをお客様に渡します。
預かった中古の品は壊しても良いので、分解を行いました。

 定価では6万円以上の品ですが、それは投資として今後の作業の礎にします。大きなメーカーは他メーカーの品物やバイク、車を購入し分解、確認して更なる技術の向上に役立てるそうですが、当社もこの様な挑戦を続け最先端の機構の理解に努めます。

 

 

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Ducati F1のフロントフォーク改造が進む

 ひっそりと進めていたDucatiのF1、Forcellaのフロントフォークを改造しています。

 カートリッジを追加しイニシャルアジャスター、伸びと圧の減衰を調整可能になります。

 同時にスプリングも交換します。分解した純正フォークのイニシャル量は39mmでした。プログレッシブレートのフロントフォークは正確な値を図るのが面倒ではありますが、39mm圧縮時の数値がわかれば、バネを交換しても初期値を合わせることが可能です。

 減衰の設定は過去に作った車両を基礎にして、F1の動きを想像して合わせてゆきます。

 リアショックも減衰の設定を変更しいますし、細部を詰めて乗りやすさを向上させようと思います。今週中にサスを仕上げ週末に徹底的な試乗でセッティングを仕上げます。今から試乗が楽しみです。

 

 

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ハーレー、XL1200Xのフロントフォーク

 ハーレーのXL1200Xがフロントフォークのオーバーホールで入庫しました。

 試乗して確認

 フロントは純正そのまま、リアにはオーリンズです。タイアなどは特段の変更はみられません。

 そのハンドリングですが、フロントは反発力が弱く常に前下がりです。リアのオーリンズは調整により下げる事はできます。それでフロントの反発が増す訳ではありませんから、根本の改善にはイニシャルを増やすかスプリングレートを高くする必要があります。

 なぜ上記のセッティングを志向するのかといえば、アクセルを開け豪快にグググっと曲がりたいのに、前が低くてスーパースポーツの様です。だからフロントの反発力を増やしたいのです。

 オーバーホールと同時に

 今回はオーバーホールの依頼でしたから、ついでにハンドリングを変えるセッティングを施します。オイルの番手は#10のまま、イニシャルをカラー追加で5mm増やしました。元々のバネがかなり柔らかく0.6K近辺に感じます。かなり特殊なので当社の測定器では測れませんでした。
 5mmの追加でかなり改善し、とても楽しいバイクになりました。883Rではスプリング交換も経験しましたが、予算の都合でカラー追加に留めました。

 そのハンドリングとは?

 減速時のブレーキで踏ん張りやすくなり、丁度良い高さ(姿勢)を保てます。旋回後半のアクセルを開ける場面ではフロントフォークが伸びて、リアタイアにしっかりと重みがかかって心地よい加速ができます。

 前が高くなり後ろに重量が乗りやすくなった為、リアのイニシャルを追加しました。これでメリハリのある加減速ができて、とても楽しいです。ハーレーと言えど二輪車ですから上手な姿勢変化で十分な旋回による楽しみは得られます。

 もしハーレーで楽しいハンドリングを得たいのであれば、一度相談ください。

 

 

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Ducati F1のリアショック完成

 10月に預かったF1の作業が少しづつ進んでいます。

 リアショックは完成

 オーリンズのリアショックが着いていました。かなり初期の品で、多分80年代後半か90年代初期のモデルです。各部の消耗品を交換し、掃除を行い肝となる減衰設定を変更しました。たまたま余っていた新しいピストンもあったので、交換することにしました。

 厳密にはオイルの通路(ポート)寸法が違うために、それに見合ったシム組を行ってあります。バネ定数は試乗の感触から、オーリンズの設定そのままで良さそうです。実測では7.5Kg/mmでした。

 残すはフロントフォークのカートリッジ化となります。週明けには試乗を行えるように進めてゆくつもりです。仕上がったらまた動画で話したいと思います。

 

 

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クアンタム仕様変更

 先月納品し高い評価をいただいたNSF100用にこしらえたクアンタム。この改造リアショックを仕様変更のための作業を行いました。

 改善点は減衰やバネなのど動的な設定ではなく、使い勝手の面です。スプリングコンプレッサー無しでのバネ交換や、ダイアル操作を容易にするための部品配置。他には本体とリザーブタンクを繋ぐためのホースの取り回しの変更などです。

 私は度々、クアンタムのダンパー組み付け時に問題となるエア抜きの手法を取り上げてきましたが、今回はドレンボルトに加工し機械抜きを可能にしています。

 これらの細かい作業は、来年企画している自社製ダンパーの礎になるはずです。大量生産はできませんので、少量を限定生産となるはずですし販売時期は全く未定ですが、少しづつ進めて行こうと思います。

 

 

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KONIのオーバーホールを終えて

 先ほどKONIの作業を終えました。

 KONI

 KONIですが、古くは高性能ショックの代名詞とも言える品でした。現代では懐かしの品ではありますが、基本性能は現代でも通用します。バネの硬さや減衰のヴォリュームを整えれば、十分使えます。

 写真の品は消耗品のほとんどを交換し、なかなか良い動きをします。ワークスパフォーマンスも高性能ではありませんが、必要十分な減衰力を持っていれば、悪い印象はありません。当然、突き詰めたレースシーンでは通用しませんが、ホンワカと普段使いならば文句は出ません。

 ロッドを二本とも交換や再メッキ、バンプラバー、上下ブッシュなど全てを最良にするならば最低でも8万円。高い場合で20万円になる場合もあります。

 当社のKONIオーバーホールは他社比較で高額です。それは基本性能をなるべく引き上げるように細部を作り込み、極力長持ちさせる加工も行うからです。

 KONIを長く楽しみたい方は連絡ください。

 

 

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XJR1300の純正ショックの実力

 ここ数回のブログはバイクやサスに関係ない事ばかりでした。そこで動画を題材にXJR1300のリアショックに言及してみます。

 XJRの純正オーリンズはどうなのか?

 https://youtu.be/eJ6WGZB5PT4

 XJR400と1200の初期型は全く違う寸法、外観の品です。調整箇所もイニシャルアジャスターのみ、しかもそれは3段階の大雑把な機構です。
動画内では説明していませんが、このリアショックにも良い面はあります。それはシリンダー径が40mmと大きい事です。ピストンリングも良質な製品にすれば、かなり動きが良くなります。大径ピストンは減衰を強めても破綻しづらいの強みではありますが、ネイキッドのツインショックでそこまで強力な減衰は不要であり、この強みは活かしづらいのが難点です。

 次に1200の後期以降で採用された、ほぼ社外品と同じ見た目の純正オーリンズはどうなのでしょうか?こちらは内部をみた事のある人、または業界関係者なら知っていると思いますが、社外品と同じ部品をそのまま使っています。従って純正と社外の性能差は、部品の質ではなく純粋にセッティング領域の問題です。
 スプリングの硬さ、減衰の強弱、取り付け部分を焼き付けブッシュにするか、スフェリカルベアリングにするのか?そこだけです。

 結論としては1200後期型以降は、改造するに値する基本性能を持ち合わせています。問題となるのは価格です。オーバーホール、スプリング交換、減衰設定の変更、上下ブッシュの交換を行うと社外品が買えそうな金額となり、それでいて純正の見た目ですから、そこまで資金を投入するのであれば社外品を推奨するのが私の立場です。

 O/Hついでにバネ交換と、小規模な減衰特性の変更程度であれば10万円以下で十分に収まりますから、その価値はあります。この辺りはご自身の用途と懐具合で決めるのが良いとおもますが、その判断材料にブログと動画が役に立てば幸いです。

 

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BMW E60のM5 電制ショック

 E60のM5に使われている電制ショックを分解しました

  ZF,Sachsの電制ショックは二輪でも多用されており、分解して内部を見るのは慣れた作業です。今回も多分にもれず同様の仕組みでした。電制ショックの内部機構は同じでもバイクの場合はシングルチューブ(いわゆるガスショック)で、写真のM5やフェラーリのF430等はオイルショック(と言いつつも低圧ガスは封入されている場合が多い)です。

 根幹となるメインのピストン部分でも減衰調整は可能です。これは予算を考えない前提ですが、加工やその他の技法を用いれば、根本的な減衰の基調を変化させられます。

 否。ツインチューブではメインピストンの他にシリンダー底部にセカンダリピストンを備えるのが普通ですから、そちらでも圧(縮み)減衰の調整を可能としてます。

 M5の基本特性はどうなのでしょうか? 

 O/H前の少々ヘタった状態での評価ですが、私には大いに問題を感じます。それはどういう意味でしょうか?

 私が望ましいと考える動きは、伝統的に言われる圧が3、伸びが7(若干の変更はもちろんありですが)の割合です。しかしM5の比率は圧6、伸び3と理想から大きくかけ離れています。特に疑問符をつけたいのは強すぎる圧減衰です。路面の凹凸をくまなく拾い、乗り心地は極めて悪い。


 圧減衰を強めると反応が高まり、ハンドリングに対する車体側の応答姓は良い、だが前述の通りそれは路面の凹凸を逃すという事ができず、なかなか厳しい乗り心地です。ならばこの応答性はスポーツドライヴィングに最適なのでしょうか。さにあらず、荷重を載せっぱなしで走れるならこのセットアップも良いでしょう。ですが掛かる荷重は必ず抜けます。掛け続ける事は叶わないのです。例えば左コーナーから右コーナーへ切り返す時、左コーナーの外輪に掛かる荷重は右コーナーでは内輪になり、縮方向から伸び方向に変化します。これは荷重が抜けるという事です。

 タイアのグリップは幾つかの複合要素から成り立ちますが、ショックが縮む時は荷重は最大にならず、つまりタイアグリップも最大化しません。圧から伸びに転じた時に最大グリップを発揮し、伸びきるまではそのグリップを維持します。つまり圧縮工程で力を貯め、伸び工程で力を発散します。
 だから強い縮み減衰を持っていば短時間で力をため込める反面、弱い伸び減衰では発散が一瞬で終わってしまうため、タイアはグリップを失いやすくスポーツドライヴにも向いていないのです。

 M5は速度が乗る車だからこれが正解なのか?と考える訳ですが、これまでの経験からこの減衰比率では良い結果は得られません。もどかしい限りです。

 学術書ではないので、この文章にも理論破綻があるかもしれませんが、概ねこの通りと受け取って下さい。
 この前提が正しいとすれば、圧の減衰を弱め、伸びの減衰を強めると滑らかな乗り心地としっとりとしたハンドリング、ギャップの走破性を得られます。

 運転技術、育ってきた環境、タイア、車両の状態で減衰比率は変化しますが、根本を考え直す必要があると思います。これを理想的に体現しているのはMarcedesBenzです。このメーカーは私の理想と合致しています。
実はBMWも近年、メルセデスのバランスに近づいています。私の兄の乗るF30(3シリーズ)、G30型の5シリーズなどです。

 もし、このM5を仕様変更したければ純正電制サスでも可能です。純正は分解不可能なカシメ方ですが、これを分解可能に改めた上で、減衰を変更します。価格は非常に高額になり、安く見積もって一台分で60万円。高いと100万円はかかりますが、一生乗れる最高の一台に仕上げたい欲求に駆られています。

 内装は5シリーズだけあり、所有欲を満たしてくれます。それに加えV10エンジンはF1を彷彿させるメカニズムですし、この車を突き詰めれば最高に楽しそうです。私はE46の318Ciに乗っていますが、5シリーズやEクラスを街乗りで楽しめる仕様に改造して、いつの日か大人のスポーツセダンを作りたいと夢想しております。

 

 

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