ホーム>SACRED GROUND STAFF BLOG>メンテナンス

メンテナンス

Z125Proのフロントフォーク

 https://youtu.be/C7Wtx7SNnQc

 この動画でZ125Proのフロントフォークの構造を説明しています。

 一般的な倒立フォークと違う最たる点は「カートリッジがない」という事です。カートリッジとは減衰力を発生する心臓部です。微細な調整を可能にする高性能ダンパーの代名詞とも言えますが、Z125Proは倒立フォークでもそのカートリッジは有りません。ではどの様に減衰力を発生するのかといえば、昔ながらのピストンバルブ型でした。 

 これはオイル通路の穴径で抵抗を得ますから、速度自乗となり狙った領域を外すと思うような動きを得られません。正立フォークでもカートリッジを採用した車種は多々あります。

 Zのフロントはスプリングを外すのにインナーチューブとブラケットを分解しなければ取り外せないのも、操舵性を変更しづらい難点とも言えます。その構造もありオイル量と油面管理は微細には行なえません。

 それらを踏まえた上で、色々と改造するのも面白いと思います。思い通りの動きを得るのは難しいでしょうけれど、楽しみながら挑戦してもらえれば何よりです。

 

 

2021112315837.JPG2021112315104.JPG20211123151023.JPG20211123151050.JPG

Zシリーズのスプリング再メッキ

 O/Hを終えたお客様からの依頼で、外観を綺麗にするため装飾メッキを施しました。

 ロッドやインナーチューブは摩擦にたえるため、硬質クローム(ハードクローム)を用いますが、装飾の場合はもう少し柔らかいメッキです。特にバネは変形量が大きいため、粘って材料にまとわりつくような特性が必要です。

 価格は送料、消費税を含め2.3万円。納期は4週間弱でしたが、これはバネの傷み具合で下処理が変わりますので、金額と納期は目安にして下さい。

202111416402.JPG

202111416382.JPG2021114163851.JPG

NZ250のリアショック

  以前にも依頼があったNZ250ですが、ブログを御覧頂いたお客様が新たな依頼を下さいました。

  NZの純正ダンパはカシメ型です。一般にはO/H不可となっていますが、当社は技術開発により問題なくO/Hを行います。今回の作業では税込み送料込みで77,400円でした。納期は14営業日程度と、一般的な進行で無事に終えられました。

  O/Hの他に再メッキは割とよくある内容です。さらにガイドブッシュの加工と呼んでいますが、ダンパオイルを含んだ焼結材で保持するロッドガイドに旋盤で加工を行い、ドライベアリングを圧入。これによりロッドは長持ちするし大きな荷重がかかってもなめらかに作動するため、乗り心地も良くなる有益な加工です。金額は高くなりますがカシメ型はO/Hに回数制限がありますので、この加工を行えばオイル漏れの確率を下げられるし、そうなれば長期的な費用もおさえられるため、是非とも実施して頂きたい箇所です。

 カシメ型のO/Hを始めて既に5年以上が経過しました。この1~2年は依頼件数が増加して月に10セット近くを作業しています。純正を作っているメーカーを除けば、日本で一番カシメ型ダンパーに精通していると思いますので、O/Hに悩む方は是非相談下さい。

 

2021114162353.JPG2021114162443.JPG2021114162514.JPG2021114162536.JPG202111416264.JPG2021114162636.JPG

マルゾッキのツインショックあれこれ

 マルゾッキのツインショックを進めています。

 ロッドが傷んでおり再メッキに出荷してその戻り待ちですが、ロッドの話題に乗じていくつか説明します。

 マルゾッキは古い品はロッド径がφ9です。かなり細い部類です。年式により若干太いφ10もあります。そして主流(といっても70~80年代の話ですが)はφ12です。ここまでくるとツインショックとして必要最低限は備えている。といった印象を受けます。

 写真を載せますが、マルゾッキはロッドとガイドが直接接触をしています。そのためにロッドに傷が入りやすいし耐久性も低いのです。そこでご覧いただいているように、旋盤でロッドガイドを加工してブッシュを圧入し、現代的な仕様へと改めます。これにより耐久性と作動性を確保できますので、O/Hの頻度が下がるし乗り心地もよくなり良いことづくめです。
 ですが加工を行う訳ですから金額は高くなります。それでも初回の加工が終われば継続して使用できますため、長期的には負担が減ります。

 写真の部品は古い上に鋳造部品のため、旋盤加工によりスアナが顔をのぞかせました。しかもかなりの数があります。古い部品が過剰とも思えるほどの肉厚を有している理由です。

 マルゾッキは基本的なO/Hとガイドブッシュ加工にロッド再メッキを含んで概ね12~15万円の価格帯で作業となります。再メッキとガイドブッシュ加工がなければ4~5万円は料金が下がります。

 マルゾッキを良くしたい、直したいと思う方は一度相談して下さい。

 

 

20211023154921.JPG20211023154958.JPG20211023155042.JPG20211023155115.JPG

WPのモノショック

 久しぶりにWPモノショックのO/H作業を行いました。

 基本的にはWPやMatris、ナイトロンは依頼を断りますが旧知のお客様であると無下に断るわけにもゆきませんので依頼を受けます。
WPに関しては部品供給が安定している点は問題ありませんが当方がWPを得意としていない事もあり、積極的に受け付けていない訳です。それでも今回の個体は2回めの依頼であり前回の責任を引き受ける意味もあり進めました。

 古いWPは構成部品が多く、それでいて飛び抜けた性能を有している訳でも無いために、なんだかもったいない気がします。もっと単純に簡単に同じ性能を作り出す事が可能なのは、他社の例を見れば明らかですが「オーリンズの真似は絶対にしない」といったような強固な意思を感じます。

 古いダンパのため、エア抜きは機械をつかう前提ではありませんが、アダプタを開発してしっかり作業を行いました。

 「WPは硬い」と言われて久しいのですが、それは簡単な理由です。バネか減衰が硬いからです。そのどちらか、または両方を適切にすれば乗り心地の良い普通のショックになりますので、不満を抱えている方は懇意にしているサスペンションショップに相談してみて下さい。

 

 

20211023152636.JPG20211023152657.JPG20211023152732.JPG

SHOWAの減衰調整ダイアルを作りました。

 CBR929RRのフロントフォークをO/Hする際に、伸び減衰の調整ダイアルを折損したので直して欲しいと依頼がありました。

 ホンダから部品を取ると欲しい部品単体では入手できないので、不要な部品も含めて高額になってしまうため、ダイアル部分だけを造りました。当該箇所はフロントフォーク改造で度々分解しており、構造は熟知しています。そこで写真のような部品を造りましたが、各部の寸法も問題なく、よい仕上がりとなりました。

 この部品の勘所はマイナスドライバの溝切りと、調整部分の長い棒との嵌合部です。旋盤しか持たない当社としては溝切りバイトの咥え方を工夫して、加工を可能にしました。
 後者は何度も改造してきたので、ガッチリと嵌り抜けない手法はすでに開発すみでしたから難なく仕上がりました。

 この手の部品で悩んでいる方は一度問い合わせください。部品製作と調整棒の組み替え工賃を含めて概ね2万円ほどです。アルマイトを希望される方は別途費用がかかります。

 

 

20211022174111.JPG20211022174130.JPG

ZXR250のヤフオク、インナーチューブ

 ヤフオクで安価に販売しているインナーチューブを見つけることができます。

 私もNSR250R用を実際に購入して、検査を行いました。それ程よい品ではありませんが、最低限使える程度の物ではあります。積極的に推奨はしませんが純正部品がなくなり、再メッキをするほどお金を出せないのであれば、手段としては有効です。

 それら前提条件はさておき、ZXR250も設定がありまして、今回お客様から持ち込みでの組み付け依頼がありました。
実は数ヶ月前にも同じ依頼があり作業経験がありましたけれど、今回も同様の問題が発生しています。ここで結論となりますが、長さが違うのでそのまま使うと危険な面があります。

 実測では22mm以上ヤフオク購入品が長いために、ストロークが14mm使えなくなります。特に重要である工程最後で金属同士の接触があり「ガチン」といった感じで動きが止まります。これは非常に危険な状態です。

 そこでインナーチューブを切り、ネジ加工を行うことで純正と同じ長さにし安全に使えるようになりました。

 インナーチューブの加工で概ね2万円、ブラケットの組み換え工賃が2.5万円ほどとなります。

 

 

20211021621.JPG202110216217.JPG

マルゾッキツインショックの新品を手直し

 町田にあるバイク屋さんから依頼があり、マルゾッキのツインショックを手直しです。

 新品で購入されたそうですがオイル漏れが発生したため、その手直し依頼でした。新品ですがロッド研磨を行ってみると表面の荒さに気付きます。打痕があったりと新品としてはいささか疑問を感じる仕上がりです。

 それほど酷い状態ではなく研磨修正でなんとかなりました。ロッドはアルミのガイドと直に接触する構造で、これはマルゾッキでは当たり前の仕組みです。カワサキZ1のような旧車のフロントフォークは同様の構造です。そのままではロッドが早期に傷が入り、それがオイルシールを攻撃してオイル漏れを誘発します。その対策としてガイドを削りドライベアリングを圧入して耐久性と作動性を確保します。
 これは特別な方法でもなく現代の一般的なフロントフォークやリアショックに用いられています。

 これらの加工や修正により古い構造を持つマルゾッキでも、長く安心して使えるようになります。他にもマルゾッキのダンパが何セットか入庫しており、同様の加工を施して出荷します。

 部品の入手などでO/Hは費用が高くなる傾向にありますが、一度仕立てれば長く使えますのでO/Hを検討されている方はこれらの加工を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。

 今回は新品なので最小限の作業ですみましたが、それでも7万円強となりました。ロッドの再メッキ、傷んだ部品を作り直す等が加算されると10万円以上。塗装も行うと20万円の声が聞こえてきます。予算に合わせて対応いたしますので、興味があれば検討ください。

 

 

20211013173311.JPG20211013173339.JPG20211013173358.JPG20211013173414.JPG20211013173428.JPG

特殊工具を作りました。

 オーリンズの、部品を取り外す特殊工具を作りました。

 減衰調整機構を着脱するためですが、これまで使ってきた品は創業当初に手作りした”なんとか外せる程度の品”でありとても効率が良いとは言えませんでした。

 そこで写真からも分かる通りトルクレンチも使える様にしてありますし、ソケットが使えるということは早回しにも対応しています。その他にリザーブタンクやホースがある状況においてもそれらに邪魔されずに早回しが行えるので、とても効率が良い=気が楽になりました。

 こういった手合いの品をこれからも量産して作業性を高めたいと思います。

202110419338.JPG

202110419242.JPG

QJ-1のオーバーホール

 ここ最近はQJ-1の依頼が続いて入ってきました。

 純日本産のダンパですが、創っていた方(いまは亡くなってしまったそうです)はクアンタムの代理店で働いていた方だそうで、その造りは酷似しています。

 色々と寸法上で問題があり、少しづつ加工を行いながら分解組み立て作業を行いますが、ガスバルブの仕組みが特に問題で「ガスが入らない」または「ガスが早期に抜ける」といった事が起こります。減衰を発生するピストンに載るシムも問題で、これはバネ鋼かリボン鋼を用いるそうなのですが耐久性の低い製品を使っているため、シムが割れやすくなっています。予算が許せばこれらも大手メーカーの製品に交換して耐久性を確保しつつもシムの動き自体も改善します。

 十分な資金があればエア抜きも機械化できますから、試してみたいと感じた方は申し出ください。

 

 

2021104185517.JPG2021104185543.JPG2021104185610.JPG2021104185640.JPG

ページ上部へ