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XJR1300の純正ショックの実力

 ここ数回のブログはバイクやサスに関係ない事ばかりでした。そこで動画を題材にXJR1300のリアショックに言及してみます。

 XJRの純正オーリンズはどうなのか?

 https://youtu.be/eJ6WGZB5PT4

 XJR400と1200の初期型は全く違う寸法、外観の品です。調整箇所もイニシャルアジャスターのみ、しかもそれは3段階の大雑把な機構です。
動画内では説明していませんが、このリアショックにも良い面はあります。それはシリンダー径が40mmと大きい事です。ピストンリングも良質な製品にすれば、かなり動きが良くなります。大径ピストンは減衰を強めても破綻しづらいの強みではありますが、ネイキッドのツインショックでそこまで強力な減衰は不要であり、この強みは活かしづらいのが難点です。

 次に1200の後期以降で採用された、ほぼ社外品と同じ見た目の純正オーリンズはどうなのでしょうか?こちらは内部をみた事のある人、または業界関係者なら知っていると思いますが、社外品と同じ部品をそのまま使っています。従って純正と社外の性能差は、部品の質ではなく純粋にセッティング領域の問題です。
 スプリングの硬さ、減衰の強弱、取り付け部分を焼き付けブッシュにするか、スフェリカルベアリングにするのか?そこだけです。

 結論としては1200後期型以降は、改造するに値する基本性能を持ち合わせています。問題となるのは価格です。オーバーホール、スプリング交換、減衰設定の変更、上下ブッシュの交換を行うと社外品が買えそうな金額となり、それでいて純正の見た目ですから、そこまで資金を投入するのであれば社外品を推奨するのが私の立場です。

 O/Hついでにバネ交換と、小規模な減衰特性の変更程度であれば10万円以下で十分に収まりますから、その価値はあります。この辺りはご自身の用途と懐具合で決めるのが良いとおもますが、その判断材料にブログと動画が役に立てば幸いです。

 

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BMW E60のM5 電制ショック

 E60のM5に使われている電制ショックを分解しました

  ZF,Sachsの電制ショックは二輪でも多用されており、分解して内部を見るのは慣れた作業です。今回も多分にもれず同様の仕組みでした。電制ショックの内部機構は同じでもバイクの場合はシングルチューブ(いわゆるガスショック)で、写真のM5やフェラーリのF430等はオイルショック(と言いつつも低圧ガスは封入されている場合が多い)です。

 根幹となるメインのピストン部分でも減衰調整は可能です。これは予算を考えない前提ですが、加工やその他の技法を用いれば、根本的な減衰の基調を変化させられます。

 否。ツインチューブではメインピストンの他にシリンダー底部にセカンダリピストンを備えるのが普通ですから、そちらでも圧(縮み)減衰の調整を可能としてます。

 M5の基本特性はどうなのでしょうか? 

 O/H前の少々ヘタった状態での評価ですが、私には大いに問題を感じます。それはどういう意味でしょうか?

 私が望ましいと考える動きは、伝統的に言われる圧が3、伸びが7(若干の変更はもちろんありですが)の割合です。しかしM5の比率は圧6、伸び3と理想から大きくかけ離れています。特に疑問符をつけたいのは強すぎる圧減衰です。路面の凹凸をくまなく拾い、乗り心地は極めて悪い。


 圧減衰を強めると反応が高まり、ハンドリングに対する車体側の応答姓は良い、だが前述の通りそれは路面の凹凸を逃すという事ができず、なかなか厳しい乗り心地です。ならばこの応答性はスポーツドライヴィングに最適なのでしょうか。さにあらず、荷重を載せっぱなしで走れるならこのセットアップも良いでしょう。ですが掛かる荷重は必ず抜けます。掛け続ける事は叶わないのです。例えば左コーナーから右コーナーへ切り返す時、左コーナーの外輪に掛かる荷重は右コーナーでは内輪になり、縮方向から伸び方向に変化します。これは荷重が抜けるという事です。

 タイアのグリップは幾つかの複合要素から成り立ちますが、ショックが縮む時は荷重は最大にならず、つまりタイアグリップも最大化しません。圧から伸びに転じた時に最大グリップを発揮し、伸びきるまではそのグリップを維持します。つまり圧縮工程で力を貯め、伸び工程で力を発散します。
 だから強い縮み減衰を持っていば短時間で力をため込める反面、弱い伸び減衰では発散が一瞬で終わってしまうため、タイアはグリップを失いやすくスポーツドライヴにも向いていないのです。

 M5は速度が乗る車だからこれが正解なのか?と考える訳ですが、これまでの経験からこの減衰比率では良い結果は得られません。もどかしい限りです。

 学術書ではないので、この文章にも理論破綻があるかもしれませんが、概ねこの通りと受け取って下さい。
 この前提が正しいとすれば、圧の減衰を弱め、伸びの減衰を強めると滑らかな乗り心地としっとりとしたハンドリング、ギャップの走破性を得られます。

 運転技術、育ってきた環境、タイア、車両の状態で減衰比率は変化しますが、根本を考え直す必要があると思います。これを理想的に体現しているのはMarcedesBenzです。このメーカーは私の理想と合致しています。
実はBMWも近年、メルセデスのバランスに近づいています。私の兄の乗るF30(3シリーズ)、G30型の5シリーズなどです。

 もし、このM5を仕様変更したければ純正電制サスでも可能です。純正は分解不可能なカシメ方ですが、これを分解可能に改めた上で、減衰を変更します。価格は非常に高額になり、安く見積もって一台分で60万円。高いと100万円はかかりますが、一生乗れる最高の一台に仕上げたい欲求に駆られています。

 内装は5シリーズだけあり、所有欲を満たしてくれます。それに加えV10エンジンはF1を彷彿させるメカニズムですし、この車を突き詰めれば最高に楽しそうです。私はE46の318Ciに乗っていますが、5シリーズやEクラスを街乗りで楽しめる仕様に改造して、いつの日か大人のスポーツセダンを作りたいと夢想しております。

 

 

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SOQIのフロントフォーク

 V Max用のフロントフォーク

 SOQIのフロントフォークを依頼いただき、オーバーホールを行いました。オイルシール、スライドメタルなど消耗品は問題なく入手可能です。仕様変更も行えますので、乗り味を変化させたい場合にも対応いたします。

 インナーチューブのコーティングは長期使用で剥がれるため、再メッキが可能ではありますが、ゴールドコーティングは倒立のアクスルブラケットの脱着も伴うので13万円程度かかります。

 オーバーホールの価格自体は、消耗品や消費税を含め5万円程度から可能となりますので、必要な方は申し付けください。

 スプリングは

 スプリングは2段バネを採用しています。元来、インナーチューブ径が40mmの車体に43mmインナーの倒立フォークを採用するのは無謀と言えますが、スプリングレートや減衰、ステムの剛性バランスを整えれば纏まるかもしれません。
 Vmaxの依頼はこれまでになかったので、もしセッティングで悩む方がいらっしゃるなら、最高のセットを一緒に作り上げたいと思います。

 

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GSX-Rのステアリングダンパー

 少し古めのステアリングダンパーをO/Hしました。

 オイルシールが出ないので、アダプタを製作し作業を可能にしています。写真をご覧になればわかりますが小さなポッチがあります。ここからエア抜きが行えるので、ヴァキュームポンプを繋ぎ機械抜きで作業を進めました。オイルシールとガイドブッシュなどの消耗品は全交換です。
 基本的にロッドの中央にあるピストンは内壁と接触しないので、シリンダ本体の交換は必要ありません。

 オイルシールのホルダを作ったので、工賃込みで税抜き4.5万円程となりました。
 (価格は予告なく変更になる事がありますので、了承ください)

 

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セカンダリピストンの意味

 オーリンズのセカンダリピストンを例にあげ、何のためについているのかを解説します。

 https://youtu.be/hW_s0LJBsM0

 流体が穴を通過する時、速度が倍になると抵抗は二乗となるために、ダイアル調整で減衰を決めると、ある速度域ではピッタリでも大きな衝撃を受けるとオイルロック(注射器を強く押し出すと硬くて動かない、有名な実験を想像してください)が発生し、サスペンションがほぼ動かないという状態になり得るのです。

 そこで、環状隙間(丸穴と針の先端の隙間)だけでなく積層弁(いわゆるシム)をのせたピストンを用意し、オイルロックが発生した際は、積層弁側にオイルを逃し適切な減衰を発生する様な仕組みが、セカンダリピストンの役割です。

 道路で説明すると、幹線道路が渋滞を起こしたのでバイパスへ逃げるとスイスイ流れてるのに似ています(現実はバイパスもびっちり渋滞していますが)。

 セカンダリピストンはしっかりしたサスペンションメーカーであれば、当然の装備です。車両メーカーに純正採用されるダンパーではここを簡便なチェックバルブとする場合もあります。

 何かしらの参考になりましたでしょうか?仕組みに興味がありましたらYouTubeのコメント欄から質問ください。

 

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選ぶべきリアショックの種類とは?

 オーリンズのカタログを題材に、どの様なリアショックを選ぶべきなのか?を考察します。

 何が適切かは人によって違う

 当然ですが個人の嗜好、車種、目的により何が最適かは変わりますので、ご自分に合うかどうかを判断ください。

 価格で選ぶなら?

 S46ER1などのバネと伸び減衰の調整が可能なモデルです。調整箇所が少ないのですが、価格は安めです。しかしリアショックの基本はスプリングレート、ダンパ自由長(長さ)、バネと減衰の比率で決まりますから、それらがしっかりしているのであれば、問題ありません。

 少し性能を追い求める

 上で紹介した、バネと伸び減衰の調整可能なモデルの次に何を選ぶのか?との問いには追加で車高調整が可能な品を選ぶべきだと考えます。末尾の品番にLが追加されるモデルです。このLとは車高調整が可能との意味です。スプリングと伸び減衰が調整できて車高まで変更できるのであれば、照準を絞った設定を作り出す事ができる様になります。

 最適化を狙う

 上記の調整機構があれば、普通はほぼ問題ありません。しかし、微細な調整を望むのであれば圧の減衰調整も付与したくなります。倒し込みのシットリ感や路面の凹凸を乗り越える際の突き上げを緩和できる様になります。品番にCの文字がつきます。

 オーリンズであれば価格は10〜20万円超と幅広い設定です。同メーカーは一車種で複数の製品群を持つ訳ではなく、メーカーが最適と考えるダンパー形状しかないのは寂しいのですが、自分に合った品かどうかを考える際の参考にして頂ければ嬉しく思います。

 当社は設定のないモデルでも、作り上げる事ができます。使えそうな形状を選び定価から10〜20万円程追加になりますので、総額は20〜40万円にもなりますが、相応の価値はあります。高いのですが興味のある方は是非連絡ください。
 この内容は動画にするつもりなので、アップしたらリンクを貼りますので、どうぞご覧ください。 

 

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旧型CB1000R,SC60のオーリンズ

 ホンダドリーム東大阪様の依頼で、CB1000R・SC60のオーリンズをローダウンするために分解しつつ、減衰特性変更とスプリングを交換します。

 分解して減衰のシム設定を確認すると面白事がわかりました。現行のCB1000Rのオーリンズとかなり似通った設定です。そうは言っても差異はありこれはこれで新たな発見でした。これだけ似た設定なのはフレームやリンクレバー比が共通している事を示唆しています。

 ダンパーの自由長を短くしつつバネ定数を下げ、人間が乗る事による下げ幅を増やし足着きを向上させています。これらの作業は全て含め税込でおおよそ10万円弱です。バイクの動きを大きく変質させる事ができますので、更にバイクを楽しみたい方は問い合わせください。

 

 

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BMW M5 E60の前後ショック

 M5の前後ショックメンテナンスを依頼いただきました。

 今回は概要をざざっと説明するだけですが、先月作業を行ったFerrariのF430と同じ仕組みでした。つまり一筋縄ではゆきません。今回は金銭面の課題もあるので極力簡単に終わるように考えました。

 O/Hを何度でも行えるように改造するのであれば前後で80万円は覚悟して頂きたい。かなり高額なので社外品を選択する事も可能でしょう。

 分解し確認しましたが、純正の圧(縮み)が強過ぎ、伸びが弱い設定は変更する事が可能です。これは以前に二輪のBMWを徹底分解した時に得た知見を基にした発想です。簡単ではありませんので易々とは依頼を受けられませんが、面白い手法です。今後はこのZF・Sachsの電制ダンパーが体勢を締めるようなら、安定した手法を開発してみようと思います。

 

 

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2018年型ZX-10R テスト車両

 事故によりフレームが折れてしまった2018年型10Rを購入しました。

 安くはありませんでした。現状はフレーム交換と幾つかの細かい修理を済ませました。時間が取れないのでフレーム交換は八王子のプレジャーさんにて行いました。ドッグファイトレーシングなどレースに深く関わってきた山地さんという方の営む店なので、任せて安心。特に普通の人では知らないような情報も持っていますので、今回も助けられました。

 プレジャーさんのツイッター @PreasureR
 HP https://www.pleasure-r.com/

 これから前後ショックのメンテナンス、車体の壊れた部品交換などを進め11月中には車検を済ませ、テストを開始してゆきます。

 かなりの大事になりますが、フロントフォークを分解しスプリングレートや減衰の設定を確認し、走り込んでその後に、必要であれば仕様変更を行います。

 購入を希望する方がいるようなら、テスト終了後に170万円前後で販売を考えています。

 動画でもセッティングの方向性や純正サスの評価、みなさんが気になっているBFFの構造についても話をしてみます。お楽しみにして下さい。

 

 

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KONIのオーバーホールを進める

 KONIの部品が少しですが手配できる様になりました

 先日、ウィングコニーのオーバーホールを行いましたが、その際に方々へ手を尽くし、KONIの部品がどうにか入手できないか探りを入れたところ、全てではありませんが、一部の部品を入手可能となりました。オイルシール、バンプラバー、その他にも減衰調整付きの場合はエンドアイに関わる部品も入手可能です。

 極端に古い品はどうするのか?

 上の部品はKONIでも比較的新しい品であれば、かなり揃います。しかし70年代など極端に古い場合はこれまで通り、加工などに頼らざるをえません。それでもバンプラバーなどのゴム部品は共用ですし、かなり楽になったのは間違いありません。

 作業工賃、ロッドの再メッキ、その他含めると5〜15万円程度と価格に幅はありますが、作業は可能です。O/Hで困った際には連絡ください。

 

 

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