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メンテナンス

5.5インチリムに160のリアタイア

 先日の走行会の準備でBT1100の前後タイアを交換しました。

 フロントは3.5インチリムに120なので普通ですが、リアは5.5インチに160のタイアを選択しました。もちろん皆さんに勧めはしませんが、使ってみるとこれはとても心地よい。パワーのないBTは力でタイアを撓ませずらいので、車重と空気圧を上手に組み合わせてタイアのしなりを生み出します。
 排気量の割にはトルクも少ないBTなので上記のようなかなり特別な手法を用いますが、タイアを細くするのも目的の一つですが主たる目的は別にあり、それは荷重指数を下げることにあります。ロードインデックスとも呼ばれますが、タイアの耐えられる最大荷重を下げれば、自ずと撓みやすくなります。街乗りや峠道でも容易に変形を起こすので、低速走行でもグリップを最大限に引き出せます。それに加え選んだタイアも柔らかめで拍車がかかります。

 逆を言えば、サーキット走行でガッチリ荷重が載るような状況において、この選択は最善ではありませんがタイムを詰めるためではなく、楽しいを最優先にするならこの手法はとても有効です。

 タイア選択、空気圧、走る場所を考えて頂ければバイクの楽しさは倍増しますから、皆様も楽しみながら悩んでください。

 

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KYBのコンプレッションアジャスタを説明しながら、写真の質をみる

 GSX-1400のフロントフォークをオーバーホールに改造依頼です。作業の内容は複雑ではありませんが、インナーチューブは金のチタンコート。アウタチューブにはカシマコートを施します。

 問題は80年代後半から2000年代前半まで、KYBのフロントフォークコンプレッションアジャスタは、非分解式でした。圧入された部品が留め金となり、ダイアルが抜け切りません。ですからオイル漏れの際にはOリング交換ができず、アウタアッシの交換となり非効率でした。
 当方では圧入部品を削り取り、新たに部品製作して対応可能です。

 今回は圧入の手法を取りましたが、ネジ式に改め回数制限を無くすような改良も行いますので、困っている方は相談ください。と言うことでキヤノン、ニコンの両機で撮影した写真を参考にご覧いただきながら、他の写真も載せておきます。

 

 

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Z1の純正ショック、オーバーホール。

 Z1の純正ショックはオーバーホール可能です。

 他店では断られる場合もあるそうですが、当方では通常業務なので特段、難しい事はありません。これは昨日のブログで話題にしたTS50のリアショックと同じ構造です。

 今回、ロッドは再メッキを施しました。それに加えロッドガイドと呼ばれる、ロッドを保持する部品が焼結材そのままでベアリングが入っていないため、旋盤による切削加工によりドライベアリングを圧入できるようにして、滑りを良くして耐久性を上げつつ作動性も向上しています。

 オイルはHirokoを選び、基本的な性能を上げつつ長期間の仕様でも極力劣化が起こらない選択をしています。

 最近のカシメ型ダンパ、例えばCB400・NC36などは同じカシメを採用していてもシリンダの肉厚が薄く必要最低限の厚みです。しかし古いZ1などは駄肉とも言えるほどの厚みがあります。メッキも頑丈なようで再カシメを行っても剥がれません。これは作業する私としてはとても嬉しい。
 分解、再カシメを気遣いなく行えるので安心です。写真をご覧いただければわかるように、綺麗に再カシメが行えました。純正と全く同じとは申しませんが、同等と言える位に綺麗です。

 O/H、再メッキ、ガイドブッシュ加工など諸々含めると10〜20万円の価格となりますが、純正を使い続けたい方は依頼ください。

 

 

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TS50の純正ショックO/H

 おはようございます。

 最近はNIKONのZ6と標準ズームレンズ24-70f4を手に入れ、さらにKIPONの完全マニュアルフォーカスの単焦点75mmの金属の質感に唸っている新保です。

 昨日、スズキのTS50のリアショックがO/Hを終えたので、納品へゆきました。
このショックはカシメ型と呼ばれ安価に作れるが、O/Hをするには非常に手間のかかるダンパです。さらに写真からもわかるようにシリンダの横に見える跡は、横からのカシメで分解が難しい方です。

 TS50純正ショックを作業するのは2度目なので、危なげなく作業は進みました。面白いのはイニシャル調整が機械式のアジャスタで、外部からは判別できませんがボルトらしき物を回すと、段数が変化します。ロッド径は12.5mm。ガイドブッシュはなく焼結材を使った低価格な作りは、カシメ型の王道です。
 減衰を発生するピストン径も小さく、オイルと空気が混在するので熱に弱いうえに気泡が混ざりやすいので、性能が安定しません。排気量の小さな車両には価格を抑えやすいので、作り手も買い手も最初は良いのです。それに意外な点として、性能は低い代わりに低値安定と言いますか、最初から高性能ではないが低い性能を長期間(10年20年といった具合に)保持するのは凄と思います。

 TS50はリアショック周りの空間が小さく、社外品で作るのにも制約があるため純正O/Hはそれなりに価値があるはずです。価格はロッドの再メッキ、ガイドブッシュ加工など一番高い場合で10万円程度。ロッドが再利用可能で7〜8万円しますので、おいそれとは進められませんが、直したい方は連絡ください。

 

 

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内径溝入れバイトを作る

 アッサブの8mm角の完成バイトを削り、溝入れバイトを作りました。

 内径バイトは太さの制約(加工する対象物の穴系に左右される)があり、外丸削りより格段に難しいと思います。
今回のバイトはシールヘッド内側を削り、違う寸法のオイルシールを使えるようにするのを目的としていますが、穴の径は16mmで、溝の内径は22mm。最大で24mmまで削れます。これはなかなかの突出量で、慎重に加工を進めないとビビリやバイトが折れるなどの大きな問題に発展します。
 16mmから22mmならば片肉3mm。24mmなら同4mmです。結構厳しい寸法ですが素材が良いためにバイト自体を薄くしても、加工対象をサラサラと削ってゆきます。

 専業の旋盤職人ではない私にとって、加工に際して気になる点があるとついつい作業を先延ばしにする悪い癖があります。今回のバイトにより内径溝入れが気軽に行えるようになり、今後の仕事にも良い影響を与えるでしょう。

 

 

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ドイツのKWをオーバーホール

 ポルシェ用のKWをO/Hしています。

 KWの調整式は2度目となりますが、以前に作った工具が今回も使えたので難なく蓋を外せました。

 このダンパーは評価が高いようです。しかしクアンタムも同様なのですが分解してみると「こんなもんか」という程度の代物です。工業製品としてはなんら特筆すべき点はありません。ならばなぜ高評価なのか?となりますが、それはきっとスプリングと減衰の値が車両に合っているからだと推察します。

 これは非常に大切な点です。二輪、四輪問わずどこに均衡を持って来るのかは大切で、車体とタイアを繋ぐサスペンションシステムなら尚の事、エクイリブリオ(わざと鼻につく横文字を使ってみる)が大切になります。その点がKWの高評価につながるのでしょうが、しかしその裏には問題点も同時に存在します。
 上手な作り込みで綺麗にまとめていはいますが、ダンパの構造、機械的性質は特筆すべき点がなく、つまり追い込んだ性能は発揮できません。

 私は常々、サスペンションシステムの根幹はバネにある。と話していますが、逆にバネが決まると残るのはダンパの性能に依存する訳で、結局は高性能ダンパは重要にります。レース用にはもっと高性能で高価格な製品があるのかも知れませんが、最近考えていたダンパに求められる最終的な性能(スプリングが決まったら、後はダンパ)について、少し話してみたかったので、今回は認めた次第です。

 

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CRMのフロントフォーク

 古いCRM250(94年くらい)のフロントフォークをオーバーホールしました。

 普通の作業内容ですから詳細は省きますが、驚くのはアルマイトです。新品時は青い綺麗な色でしたが、経年劣化によりご覧のような鼠色になっています。

 アウターチューブのオイルシールホルダ部分は一体では無いために、そのままではアルマイトはかけられません。古い車両の外観を維持するのは特に難しいと思います。

 詳しい事は知りませんがアルマイトは太陽光・紫外線により劣化するようで屋外にあると明らかな色の変化が起こります。新車で購入し大切にしたいのであれば納屋(ガレージ)に入れるか、最低限バイクカバーなどで防ぐのが良さそうです。

 

 

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シグナスRAYのリアショックO/H

 ヤマハのシグナスRAYのリアショックを依頼いただき、作業を行いました。

 工賃など全て含めると5.5万円は必要となるため、新品のメーカー在庫があればそちらを進めます。しかし販売店が保証のため納期を優先するとの意向から、O/Hを行いました。

 分解してみると現在同時進行中のZ1(KYB)のリアショックと同じ部品を使っており、そこからKYB製だと判断できます。

 早く安価に済ませるのが第一目標なので、オイルシールとオイルの交換だけに留めました。走行距離はそれ程ではないそうですが、φ10と細いロッドで車体左側で一本支持する車体構成のためかロッドをかなり削っていました。

 カシメ型ダンパのO/Hも手がけ始めて5年くらい経ちますが、最近では分解・再カシメにも慣れ安定して作業が進められますので、困っている方は相談ください。

 

 

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CB400Four/NC36のリアショック

 90年代にCB400SFを基本とした400Fourが発売されました。

 当時はダサいと感じたのですが、今になると4本マフラーに大径のスポークホイールはなんと格好良くと感じる事か。お金があれば欲しい一台です。

 この車両のリアショックは販売が終了し、O/Hもカシメ型と呼ばれる普通では作業ができない構造で多くの方が悩んでいるそうです。代わりになる社外品もないため、オイルが漏れフワフワの状態で泣く泣く乗る方もいるやも知れません。

 5年ほど前に依頼があり作業の手法に悩んだ末、解決策を見出しカシメ型のオーバーホールも難なくこなせるようになりました。今では年間で数十本単位で依頼があります。作業には部品製作や工程数が多く費用が高額になりがちです。低く抑えられた場合でも1台分で6万円から高い場合だと15万円を超える例もあります。

 しかし、一度しっかりとO/Hを行えばなかなか漏れない構造なので、どうにかメンテナンスしたいと要望される方は一度相談いただければ、見積もりを算出しますので連絡ください。

 

 

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YZF-R6 2008年型のコンプレッションアジャスタ

 先日、インナーチューブ交換の依頼があり、TOTレーサーのフロントフォークを作業いたしました。

 その車両はフロントフォークに2008年型のR6を用いていますが、このフォークは多機能です。スプリングイニシャル、伸びと圧の低速、高速の両方を調整可能です。写真をご覧になるとわかりますが、写真右の中心部分に青いダイアルがあり、それは低速を調整します。
 その外周にある6角形の金色部品が高速の調整です。

 この部品はネジになっており、回すとスプリングを圧縮しそれが積層板弁に圧力を載せ、開き難くして流路を狭め動きを鈍化させるのです。ただし、この方法は高速のみならず低速にも明らかな影響を強く与えます。
 設定した減衰の強さが、高速の調整で変化するのではどうにもなりません。先日調整ニードルとシムの関係は動画にしていますので、ご覧ください。

 https://youtu.be/8uILs7G523c

 というわけで、件のレーサーはその事を説明して低速のみの調整にしてあります。ピストンは以前に私が設計したオリジナルピストンを使っています。今ではそれほど高性能ではないと認識していますが、14〜15年前に懸命に図面を引き実車で実験した経験が、シムとピストンデザイン、オリフィスとポートの関連性を実感する良い題材となりました。

 リアショックの様にメインピストンと別にセカンダリピストンのシムに対し圧を掛けるのは問題が起こらないようです。
 R6のフロントはメインピストンのシムに圧を掛けるのが宜しくないのです。後年のR6はKYBフォークを採用し、この低速:高速調整をやや違った手法にしてあります。それでも根本構造は同じなため、部品配置の都合上で一体にしなければならぬようで、ならば低速調整のみにした方がセッティングの正確さが損なわれず良いとはずです。

 低速・高速調整あり。とすれば格好は良いと思いますが、実益を優先するのでしたらこの様な削ぎ落とす改造も選択できます。

 

 

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