ホーム>SACRED GROUND STAFF BLOG>メンテナンス

メンテナンス

Ferrari F430の電子制御 ザックス

 

2020926231349.JPG

フェラーリ F430のショック

 同車種はドイツのZF、ザックスという会社のショックを採用しています。

 磁性流体というかなり特殊な機構を採用し、世間ではオーバーホール不可とされるダンパーです。しかし、そんなことで諦める当社ではございません。
 友人からも手を出すなと忠告を受けていたにも関わらず、手を出しました。ただ、分解してみるとたくさんの情報を得られます。ネットで流布している情報も取り入れ、O/Hが可能だと判断し依頼を受ける運びとなりました。

 これまでに数多くの機構、メーカーを手掛けてきたのが活きて、十分に対応できる品です。そうは言っても工数が多く、壊した場合の費用も高額であり作業工賃もそれに見合った価格となりますが、新品の半額前後で作業可能となりそうです。

 O/Hが完了したらブログでも詳細を報告します。

2020926231425.JPG

 

 

VFR1200F ホンダでは珍しい・・・

 VFR1200Fの前後ショック

 この車両は改めていう必要もありませんが、ホンダです。ホンダといえばSHOWAのサスですが、希少ですがKYBを採用していました。

 KYBのサスペンションを採用している場合、指定オイルがKHL15−10であるなら気をつけてください。このオイルは倒立フォーク用と呼ばれるSAE表記で五番に相当します。

 フロントフォーク

 特殊な作りではありませんでした。普通の倒立フォークですが、調整はスプリングイニシャルと伸び減衰が可能でした。スプリングレートを測定しましたが、複合定数で初期は0.85Kから最終的には1Kを超える範囲です。シングルレートへ交換もできますので、興味のある方は連絡ください。

 リアショック 

 リアショックもKYBです。シリンダー径40mmで極めて一般的です。バネは基本、単一定数ではありますが、実際は14Kスタートで17Kへ変化する「ほぼシングルレート」です。
 相対的に硬いスプリングを有するため、減衰も強めです。この形状はエア抜きが簡単ではないため、ジグを用意して機械でのエア抜きを可能にすることで安定し高い性能を実現しました。

 ガスバルブの増設は会社により手法は様々です。当社は外観からそれとはわからないような、超小型化を果たしました。

 総論

 フロントフォーク、リアショックは難しい作業ではないものの、脱着に手間のかかる車両です。リアショックを外すために外装を多く外さなければなりません。センタースタンドがない場合は、リアショック脱着はさらに困難な作業となります。 
 バイク自体は魅力的に思いますので、サスペンションのメンテナンスでより楽しめるようになりますので、オーバーホールを考える方は参考にしてください。

 

2020926225656.JPG2020926225821.JPG

テスターの誤差を解消する原始的な手法

 本日はフロントフォークのスプリングを測定しました

 当社のテスターは最低単位が0.5Kからです。つまり0.9Kの値は測定できません。ではどうすれば測定可能になるのか?簡単な話で測定単位を上げます。0.9×10mmで9Kとなりますから、スプリングの圧縮量を1mmではなくもっと増やせば良いのです。

 測定誤差を解消するのにも、この手法は役立ちます。10Kのスプリングを10、20、30mmと圧縮量を増やしてゆけば、小数点以下の数値が繰り上がり、測定可能になり誤差も解消に近づきます。

 リアショックでは問題となりづらいのですが、フォークスプリングは圧縮量が増えるに従い、たわみが大きくなりやすい傾向があり、そうなると測定値に変動が起こります。従って圧縮量を増やしつつもたわみが現れない範囲での測定が必要となります。

 

 スプリング測定に興味がある方は、是非当社を活用ください。

 

 

2020921232120.JPG写真はリアスプリングの測定風景

 

GPZ900Rの純正エアサス

 初期のGPZ900R・ニンジャは一般的なコイルスプリングの他に、エアで加圧し調整を可能にする機構が採用されていました。

 このダンパーは当社でもO/H不可としていましたが、近年では古い物を古いままに乗りたいと考える方が増えた様で、多様な旧車の純正ショックをオーバーホール可能にしてきました。
 この度の依頼でGPZのエア加圧型も作業可能にし、いくつかのオプションも設けることでなるべく価格を抑える手法からトコトン手を尽くす内容など、選択肢を用意できました。

 金額よりも純正そのままという点にこだわりを持つ方には推奨いたします。

 

 

202092004725.JPG

スプリングテスタで知る

 米国からスプリングテスタが届きました

 これまで外注さんに測定をお願いしていたのですが、テスタを購入し自社測定を可能にすることで素早く、それなりの精度で数値を得られる様になりました。

 この結果、O/Hついでに測定する追加作業(オプション)が可能となり、お客様にも喜んでいただける様になりました。
もちろん仕様変更の大幅な時間短縮につながりますから、お客様にも大きな便益をもたらします。

 バネの現実

 https://youtu.be/GBp68t4DuKI

 https://youtu.be/N-n3Issc_SU

 二本の動画で検証し説明していますが、シングルレートのスプリングでも端の一巻きが密着していなければ、本当の単一定数とはなりません。本来なら得られるはずの反力が想定よりも小さい値となり、これがメーカーの違いで同じ値でも柔らかい、固いの評価に繋がるのだと推察できます。

 今後はダンパーテスタも購入し、さらに微細に検証を行って行こうと思います。

 

 

20209200269.JPG

オーリンズのフロントフォークをO/H

 今年はオーリンズ祭り

 オーリンズのオーバーホールは以前から沢山依頼がありました。今年に入り販売も多くなりました。ですが、右から左へそのまま流すというよりも仕様変更や設定のない車両へ作り替える事も多くあります。

 今回の話は通常O/Hに関してです。写真は旧倒立フォークです。難しい構造ではありませんので、作業は捗ります。気をつけなければならないのは、オイル粘度が一般的な倒立ようとは若干違います。
 専用のオーリンズフォークオイルは税別定価が4800円とかなり高価です。しかし代理店との約束があり、オイルは専用品を用います。

 性能面でも悪くないと思います。非公式にはMotoGPと同じオイルだそうです。

 部品代も高く、作業工賃も相応に高額なのでオーリンズのフォークを高級する際は後々のメンテナンス費用も事前調査を行った上で、購入を決定するのが良いと思います。

 改造しセッティングを詰めサスで遊びたい人には良い品なので、どうぞ楽しんでください。

 

 

20209160250.JPG

MVアグスタF3のフォークカートリッジ・キット

 F3のフォークカートリッジキット

 数年前に販売したF3のフォークカートリッジキットですが、街乗りように製作したこのフォークでした。それを筑波TTに出走するため中古として購入したお客様からO/Hの依頼があり、作業を行い無事に終えました。

 このカートリッジは圧力が変化しないためにプレっスィオーネ(圧力)ゼロという面白い仕組みです。簡単にいうと、ステアリングダンパーにシムをのせたピストンが入っているのですが、元全日本でメーカー契約をしていた様なライダーさんからも高評価をいただけました。

 価格は26万円ほどもしますが、これは到着してから車種別に合わせ込む作業に加え、全分解で点検を行うためです。

 O/Hも普通のフロントフォークと比較し高額になります。カートリッジとフロントフォーク全体のO/H費用は約8〜10万円です。ただし格別な乗り味を提供できる自信がありますので、イタリアブランドに拘りを持つ方には最適な一品です。

 一番面白いのはトップキャップです。非常に凝った作りで、減衰調整、スプリングプリロードの他に車高調整も可能にしています。これは説明が難しいので省きますが、突き出しの変更を行わず、トップキャップにある調整箇所を使い変更できる様になります。

 この利点は0.1mmの変更にも容易に対応可能な事にあります。しかもバイクに跨ったままで変更可能であり、素早く微細な調整が行えればライダーの思うままにセットアップが仕上げられる訳です。

 興味のある方は一度問い合わせ下さい。

 

2020912202632.JPG

959Panigaleのオーリンズ

 959パニガーレのオーリンズを改造

 純正でザックスとオーリンズの二種類のリアショックがある様です。今回は純正オーリンズを改造します。社外品のオーリンズもあり、そちらはTTxGPなどハイエンドが用意されています。

 純正TTxも悪くないが、仕様変更を行います

 購入いただいた方は、自分でセットアップを行いますし、かなり微細な情報を嗅ぎ分けます。その様な方には面白い事を提供してみようと思います。スプリングを三種用意し、その場でスプリングを交換、試乗を繰り返し自分に一番あったバネを選ぶのです。

 普通の方は同日でスプリングを組み替えて、セットアップを繰り返す様な事はなかなかできない経験です。ですからそれは経験値を大いに高め、二輪車の理解をより深めるはずです。

 今回は内部の減衰設定も変えておきます。スプリングの設定をより詳細に構築できる様になると、次に見えてくるのは減衰です。ですからこの仕様変更を行った設定でも足りなくなれば更に乗り手に合わせた仕様変更が求められるはずです。

 

 体験を提供してゆきます

 今回の様にダンパー(20万円)を購入し、スプリング交換、サスペンションの脱着などフルセットで行うと総額は40万円を超えます。しかし、これだけ価値のある体験を提供できればお客様は飛躍的に経験値を高め、ご自身のセッティング能力もそれに合わせて高まります。こういう経験は他ではできませんからご自身の予算に合わせて相談くだされば、最適な経験を可能にする企画を提供します。

 

 

 

なぜオーリンズなのか?

 ここ最近、オーリンズの販売を強化している理由を話します。

 オーリンズは本当に良いのか?

 当社は創業当初からFGの販売とオーバーホールを手がけてきました。しかし昨年からオーリンズにも力を入れています。それはなぜなのか?

 1 性能が”良くなった”
 これまでもオーリンズの良い面と悪い面を見つめてきました。しかし、本当に良いと思える品は数が少なかった。この数年のフロントフォークは本当に素晴らしいと言える品質であり、それに触れる機会が多くなるにつれ、フロントフォーク、カートリッジキットなどは他メーカーに勝と感じています。
 ピストンのデザイン、表面処理、精度、製品の安定性(要するに品質)などがその主因です。FGは発想は良いのですが、精度、品質に問題があり手直しを行うと価格が大幅に高くなってしまう大きな課題が未だに解決できません。

 2 入手が容易で安定している
 販売しているお店も多く、入手経路が多いのは買い手にとっては良い事です。製品群として販売されていれば性能は同じですから、あとは価格競争となり買い手にとっては良い環境が生まれます。逆に売り手には厳しい競争が課せられます。
 当社は定価販売しか行いませんし、手直しやセッティングを含めると定価の2倍となる場合もありますが、他ではできない事をして競争相手を排除する事で生き残りをかけています。

 3 どこでもオーバーホールできる
 販売量が多いだけにオーバーホールを行うお店は多く存在します。これも良い反面、作業水準の高低も多いため作業するお店を厳選しなければ、痛い目に合うこともしばしばです。

 4 固定観念が良い
 皆さんも”オーリンズ”と聞けばレースやGPを思い浮かべるのではありませんか。これはブランディングの成功事例として典型です。レースで勝ち販売量を増やし利益を出す。そしてまた同じ循環を繰り返す。ロレックスに代表される寡占企業の優位な点です。これにより皆さんのオーリンズに対する固定観念はより向上するわけです。

 これからの方針

 当社のオーリンズ販売方針は良い物、お客様の求める物を販売し、その良い点・悪い点の情報発信を行いお客様の選択の一助になるよう心掛けます。

 もちろん継続してFGの販売も行いますが、こちらはかなり高額なのであり、普通とは違った逸品を求める方の選択肢として大切にしたいと思います。

 

 

20209402715.JPG20209403014.JPG

 

クアンタム

 一昨年から当社の主要なオーバーホール業務であるクアンタムについて説明します。

 Quantum クアンタム

 イギリスのメーカーで90年大はかなりの人気があったようです。私がサスペンションに関わり始めた2000年代の前半ではまだまだ元気の良かった会社です。しかしながら多種の問題があったようで現在ではあまり活発な活動はしていないようです。

 オーバーホールを行う日本代理店もあるようなのですが、お客様からの情報では現在は連絡が取りづらい、取れないそうで当社に作業依頼が多く回ってくる状況となっています。

 作業に関する問題点は?

 クアンタムはインチとミリが混在する品です。そのため日本では入手の難しい部品が多くあります。この辺りはクアンタムに限らずインチサイズを採用するメーカーに共通する課題ですが、クアンタムに関してはそれらを解消する手法を発案し、O/Hを可能にしています。

 一番の問題はシリンダーが削れる点にあります。アルミは柔らかいですから、そのままでは早期に摩耗します。それだけでなくアルミの削れかすはオイルを派手に汚し、性能の低下は必至であり、減ってしまったシリンダーは要交換となります。
 クアンタムのシリンダーは材質、酸化被膜両方ともあまり質が高くないために、耐久性は高くありません。一番の問題は材質で次に被膜の質です。幾らアルマイトを良くしても、母材が柔らかければ意味をなさないのです。

 シリンダー交換が必要な場合、当社ではステンレスで作り直します。より質を高める場合はイオンプレーティング(いわゆるチタンコート)も行います。

 また機会があればクアンタムに関する情報を公開しますので、またブログをご覧ください。

 

 

202093235058.JPG202093235243.JPG

ページ上部へ