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走行200Kmのリアショックを分解

 テスト用に購入したオーリンズですが、動画やブログで取り上げ、骨までしゃぶる勢いで記事にしております。

 走行200Kmのリアショック分解

 走行距離が短くとも、オイルにエアが混入しているとほんの少しの走行でも激しく泡立つのを確認できます。

 当社は車両メーカーの純正ショックの新品分解も経験していますし、オーリンズの新品分解も見ています。写真のように綺麗なオイルが出てくるのはしっかりエア抜きが行われた証左です。リアショックはエンジンと違い、それほど金属粉は発生しませんが、それでもある程度の距離を走ったらオイル交換すると、汚れが一掃され良いと思います。製造会社によっては部品の洗浄が完璧に行われておらず、ペーパータオルで吹けば黒ずむなどは枚挙に暇がありません。
 実はFGも同様に部品の洗浄は未熟です。そのため当社では新品においても、完全分解し洗浄する作業内容を提案しています。

 新品分解でこそ、メーカーの力がよりわかりやすいと思います。今後も新品分解を行う機会があれば、その内容を後悔してゆきます。

 

 

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カワサキH2のフロントフォーク

 前後ショックのO/Hを依頼があり、カワサキのH2を進めています。

 2年ほど前にサスのベースセットを依頼くださった方が、今回はO/Hで預かりました。

 リアショックはハイラインと呼ぶ、消耗品を全交換する内容ですが実質のフルO/Hです。フロントはプレミアムラインで、完全に全てを分解する作業内容で進めました。

 H2はスーパーチャージャーが備わっているだけあり、恐ろしく暴力的な加速を見せます。それだけに減速の重要性が高くフロントのスプリングレートも減衰もがっちりしています。YZF-R1も同じ機構のKYBフォークを採用しており、作動性は極めて良好です。H2はインナーチューブにDLCを施してあり(少々の課題はあるものの)耐久性も高く私としては高評価を与えています。

 それだけに部品点数が多く分解作業は工数が増え、当然工賃も高くなります。部品点数が多いという事はそれらを完全分解し洗浄するのは極めて有効な作業と申せます。

 R1の動画でも少し話しましたが、フロントフォークの作りが良いだけにリアショックの安っぽさが目立ちます。普通に売っている車両の中では良い出来と言えるリアショックですが、反してフロントの出来が良いために見劣りするのが現実です。

 H2の前後ショックを制限なしの改造をするなら何から手をつけるのか?先ずはリアショックに性能の高い品、つまり思い通りのセッティングが叶う製品を取り付けます。フロントは難しいでしょう。純正フォークのセッティングを変更したり社外品に交換しても、あの加速からの原則には手を焼く筈です。
 

 どこでテストをするのかも難しい問題です。サーキットを含め私の経験では290Km/hしか出した事がありません。400Km/h出るというバイクのフォークセットは簡単には出ないでしょう。ですから街乗りでのセット問題なくとも300Km/hを超える超高速域からの減速をどれだけ短時間で簡単に、安心して(怖くない)行えるかはとても難しい難題でしょうが、いつか挑戦してみたい題材です。

 

 

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S1000RRの試乗評価

 昨日はS1000RR,ZX-10R,CBR1000RR-Rの試乗を行いました。

 試乗の印象は、エンジンはかなり穏やかでオートシフターの反応がかなり上質。ポジションも概ね良さそうですが、前後ショックはあまり作り込まれた印象持ちませんでした。
 前後ショックの作り替え、交換とセットアップでライダーの思い通りに動く、上質な車両になりそうです。

 以前は感じなかったのですが、今回の試乗では舵角のつき方が特異に感じました。ハンドルが切れ過ぎます。これはステムオフセットが大きすぎる際に起こる現象です。
 サーキットを走ったことのある2型では感じなかった現象です。一応簡易測定を行い、今後の判断材料にしますが、40mm位あるのではないか?と疑うほどに切れます。

 これは車両姿勢、サスセットも色濃く反映される部分なので、明日、試乗しセッティングを詰めて解消を狙ってゆきます。

 

 

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S1000RR

 S1000RRの前後ショックが仕上がり、近日試乗をおこないます。初期型のS1000RRをフォークカートリッジをBitubo、リアは純正改造でセッティングを進めてより快適な乗り味を作り出すつもりです。

 今回のフォークスプリングはBituboの設定は良かったのですが、純正のリアショックはスプリングレートが少々硬く、それ以上に減衰の設定に大きな偏りがあります。伸びと圧の工程切り替えで影響が出ない様にする仕掛けが入っていましたが、それがせいで圧がキツくなっており、硬いスプリングレートと合わせてガサツな動きをします。それを解消するためのシム組を進めました。

 その試乗の印象も近日ブログと動画にまとめますので、お待ちください。

 

 

12月はクアンタムの入荷が多くありました。

 今月はなぜかクアンタムの入荷が多くありました。

 この依頼は納期と価格を優先し、ロッドは研磨仕上げ。シリンダーは使い回しです。全てを完全に仕上げるなら10万円を超えますが、今回は前述の内容であり大凡4万円で終わりました。

 シリンダーが大きく削れた写真をご覧ください。ロッドもアルミと直に触れる品で摩耗が激しい状態です。

 クアンタムの仕様は細かい違いが多くあり・・・と言うより大きな違いも沢山あるため、一概に決まった金額を伝えられません。仕様が違い作業内容も変わってくるからです。今回のショックはなぜ摩耗(損傷)が激しいのかといえば、ロッドはガイドブッシュがなくアルマイトの耐久性のみで性能を保証しています。アルマイトが剥がれると傷みは急速に進み、隙間寸法が広がり角度のついた部品は関連した箇所を急速に攻撃しながらショックを壊してゆきます。

 クアンタムはこの様に注意点の多いメーカーです。しっかり直すには金額も高くなりますし、時間も必要です。ただし好きな方に諦めきれないショックで、相応の金額を出す価値がある様です。二輪、四輪問わずクアンタムをどうにか使える様にしたい方は連絡ください。

 

 

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GSX-R1000,ZX-10RのBFサスペンション

 ST1000のレースで使うGSX-R1000のBFFリアショックを作業しました。

 BF機構はバランスフリーの略ですが、これは何が良いのでしょうか?通常のシングルチューブと呼ばれる機構は圧力の高い部屋と、圧力が低い部屋に別れます。それはオーリンズのTTx、FGのFFXなど現代版ツインチューブはオイルが還流する機構により、圧力が下がるピストン裏のそれが解消され、キャビテーションの発生を抑えます。
 物理法則に従った作りは無駄なく美しい作りです。

 FGのFFX.T.はSHOWAのBFに習った作りです。そのためBF機構のリアショック、フロントフォークの減衰力発生ユニットと丸ごと交換し特性変更を可能にしています。

 FGの方が良いのか?との問いには、絶対の答えはありません。FGが優れている点もありますが、それは調整ダイアルの簡便さだったり、ピストンの形状です。脱着も容易になるため仕様変更も手早く行えます。

 ツインチューブ機構はピストン直径が小さく、つまり接触面が減る事で摩擦抵抗も小さくなります。そしてダンパーロッド内部に調整機構を持たないため、ロッドを細くしても剛性を十分に確保でき、それはピストンと同じくあらゆる接触が小さくなるので低抵抗となり、動きの良さにつながります。

 キャビテーションの原因はオイルの流れる部品形状、圧力差などが主な理由です。高圧下ではキャビテーションの発生は抑えられますので、オイルを加圧(圧力をかける)する理由の大きな要因はここに有ります。

 このBF機構やツインチューブの紹介動画も近々撮影しますので、どうぞご覧ください。

 

 

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SP2のフロントフォークとサスセット

 二ヶ月前にリアショックをFGに交換したSP2ですが、フロントフォークのO/Hと仕様変更で再入庫しました。

 変更点

 変更点はスプリングのイニシャルのみです。純正スプリングレートは1.05kでした。これは少々Vツインには硬いように思います。なぜ純正値がこれほどなのかは推測ですが、イニシャル不足で大きく沈むフロントフォークを支えるためこれほどの値を選んだのではないでしょうか。
 イニシャルを適度にするなら、フォークスプリングは0.95K辺りが街乗りからスポーツ走行まで使いやすいと思います。

 O/Hはプレミアムラインで作業を進めました。カートリッジ、トップキャップなど分解できる殆どを外し、組み直しています。SP2(SP1も同様に)は部品点数がとても多くかなりの手間がかかります。まさに1日仕事で朝から晩までかかりますが、その分だけ見返りも大きく、組み直した後の動きは極めて滑らかです。

 セッティングを向上させるなら前後の均衡を図らねばならない

 今回、最初にリアショック、次いでフロントフォークを手直ししました。しかし大きく設定の外れたフロントフォークをそのままにリアショックの作り直しでは良いサスセットは仕上がりませんでした。お客様においても、可能であれば一度に前後の変更を行うように推奨いたします。

 SP1/SP2ほどフロントの設定が大きく外れていない、普通の車両では個別の仕様変更も問題ありません。特定の車種において例えばCBR929,954などは前記の前後同時進行が望ましいと考えます。

 それで仕上がった車体はどうだったのか?

 とても楽しいバイクになりました。減速時のフロントの沈み込みとリアの持ち上がり。車体を倒し込む際の適度に腰の入った沈み込み。自分の足で反復横跳びをするかのような、スッと沈んでグッと踏ん張る感触は極めて気持ちの良いものです。
フロントのイニシャル値は内密ですが、純正は内部で23mm遊んでいます。その遊びをどれほど解消するのかが大切なのですが、硬過ぎる純正スプリングに対し過剰なプリロードは禁物です。トップキャップの調整部分でも10mm以上は追加できるので、程々に抑えることが大切となります。
 更に洗練された乗り味を望むなら、フォークスプリングの変更、フォークカートリッジの交換、タイアサイズの変更(6インチリムに180のタイアが私の好み)。予算に余裕があればブレーキ関連とホイール交換もできたら飛び抜けて楽しくなると思います。が、しかし!これらの変更には100万円のお金が必要になりますので、おいそれとは勧められません。
 これらの改造は私自身が実践しています。前後ショックの交換は終えましたし、フロントブレーキマスターシリンダーも交換しています。あとは前後ホイールとブレーキキャリパは交換予定です。これら一つ一つをブログや動画にして皆さんに届けたて行きます。それを参考にご自身の改造を企て、できれば当社に依頼下さるとこれ以上の希はございません。

 

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ムルティストラーダ、試乗と納車。

 一昨日に仕上がり、サイドスタンドの長さを調節し最終試乗を終えたドカティのムルティストラーダを無事に納車し終えました。

 ただいまは、東大阪の宿にてブログを書いております。

 数日中には動画で話したいと思いますが、ここでは大まかな内容をまとめ動画の導入とします。

 変更点
 お客様の依頼であるインナーチューブのコーティングを行ってあります。オーリンズをイメージしたゴールドです。これで動きはかなり滑らかになります。しかもムルティストラーダはインナー径が48mmと太いためにゴムとの接触量が大きいので、効果は大きく出ます。

 シート高を下げるため機械的に40mmサスペンションを縮め、そこから人間が乗って沈下する量も増やした事で約50mmの下げ幅としています。
 この下げ幅によりサスペンションはロードスポーツ程度のストローク量となりオフロードの外観を持ったスーパースポーツとなりました。
 MT-09などが直接の敵となるのでしょうが、それと比較してもパワフルなエンジンと併せ引けを取らない車両にできたと思います。

 やはり肝はバネ定数

 やはり大切なのはスプリングレートです。純正のフォークスプリングを測定しましたが、0.65Kでした。この車格としては極めて柔らかい。ちょっと使えない程です。
 そこで0.8Kを超える値を選定しました。

 リアスプリングは悪くない定数です。しかし圧縮量(イニシャル・プリロード)が多すぎて、ただただ硬い。10mm近く過剰だと感じました。

 サイドスタンド

 元々傾きの大きいバイクなので、サイドスタンドは下げた車高ほどは短くする必要はありません。純正は足を引っ掛ける突起の形状が好ましくないため、一般的な出っ張り棒にして乗り手に楽をさせるように改造しています。

 今回は総額40万円強の金額でした。インナーのコーティングがなければ30万円前後ですが、それでも決して安くはありません。ただし金額に見合った素晴らし走りを実現できました。
 減速、旋回から加速まで交換したバネの恩恵で、あるべき車高を保持します。お試しで作ったフロントフォークの減衰発生機構も少しは役に立って面白効果を生み出しています。

 今年は30〜40万円のサスペンション改造を多数依頼を受けましたが、一台一台、良い仕上がりにできて嬉しく思います。動画にまとめたらまた報告いたします。

 

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F1が仕上がりました。今回は動画に対する考えをしたためました。

 ドカティのF1が仕上がりました。

 その詳細な内容は動画で話していますので、そちらをご覧ください。
 https://youtu.be/fs92Go40oks

 今回の動画は依頼くださったお客様に向けて、指向性の強い動画です。このブログでは動画の内容ではなく、動画の作り方を話します。

 普段は撮影した写真をそのまま使いますが、少し凝って撮影した写真の色合いを調整し、色味を好みにしました。普段の倍の尺で20分ほど話しています。私は極力カット編集を行わずに流れを途切れないようにしたいと考えています。それは西部邁さんが夏目漱石の話をした30年前のTV番組を参考にしているからです。

 動画で話をしていると、ある題材を60分も話すのはかなり難しい事です。そのような訓練も受けていませんし、大学の研究室等で資料を作り発表を行った経験のない私には尚更です。しかしながらそのような経験を40歳を超えてできるのは、とても新鮮で楽しいし、更に、動画で自分を映像と音声の両面から見つめ直すことができるのは営業職として素晴らしく有益です。

 最後に編集した写真をご覧ください。

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VTR1000SP2のリアショックを追加で仕様変更

 先日ブログに記したSP2ですが、リアショックの硬さが解消されませんでした。

 そこで仕様変更を行います。純正ショックのバネ定数は10.5Kでした。FGには100Nm(10.2K)を選びましたが、妙に硬い。減衰を伸び圧、共に最弱まで弱めても硬い。これらを踏まえお客様の要望はスプリング交換でしたが、減衰の仕様変更を行うと決めました。
 お客様の希望に応えるため、言われた事をそのまま進めるのではなく、希望した行為により得られる結果(この場合、ふんわり柔らかい動きを実現する)を提供するのが最終目標であり、そのためには減衰の仕様変更がそれに叶うと考えました。

 果たして狙い通り、減衰の仕様変更で気持ち良いリアショックの動きとなり、作り手としても極めて満足度の高い結果を得られました。

 やはり前後ショックの調和が大切

 前回の仕様変更はリアショックのみでした。SP2の極めて重要な「フロントフォークの改善」を行う前にリアショックに着手すると、セッティングの明瞭さが現れないため最終的な目標に到達できません。やはりお客様を口説いて、同時に調整するべきでした。

 言い訳になるかもしれませんが、私の技術水準では純正フロントフォークの状態では最善の結果は得られませんでした。
 このVTR1000SP2は近日試乗を行い、仕上がりとセッティングの方向性を伝えようと思います。

 

 

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