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SACRED GROUND STAFF BLOG

MotoGPの進化を観る。

 昔の本が出てきました。

 MotoGPの遍歴を追った本です。

 電子制御が取り沙汰される昨今ですが、その競争はすでに20年近く前から始まっていました。2ストロークのインジェクション化にも積極的だっホンダですが、実戦ではキャブを重んじる結果となった様です。
 4ストローク化により、四輪でも実績があるフューエルインジェクションが投入され、それらを統合したマネジメントシステムが登場しました。

 サスペンションを触る毎日では、やはりフロントフォークとリアショック に目がゆきます。写真からでも寸法はある程度類推できるため「この車両は何Φのピストンだな」などと予想しています。
 MotoGPや、JSBのワークスマシンに用いるフロントフォーク、90年代のGPフォークなどの内部部品を本当にごく稀に見たことがあります。正直、驚くほど普通の部品を使っています。ピストンなどは削り出しの想像もつかない様な形状かと、勝手に考えていましたが、実は街乗り用の部品と共通だったりする事も多々あります。
 その違いはシムの重ね方だけ、という事もザラです。

 逆を言えば、WGPで使っていた形状を街乗り用に落とし込んだのかもしれません。それにしても何かスペシャルな雰囲気を感じる事はありませんでした。やはり大切なのはバイク、タイア、路面、ライダーに合わせてゆく作業だと今では強く実感します。


 

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問題解決方法。

 私の父は昔小さな会社を経営していました。そのせいか、普段はあまり耳にしない様な言葉を子供の頃から聞かされていました。

 その一つに問題解決方というのがあります。

 先週の金曜日、久しぶりに作業に従事する従業員が全員揃ったこともあり、社内勉強会を開きました。その主な議題は、減衰力を発生する「ピストンを逆さまに組んでしまった」という内容です。

 これは許されない失敗です。本来はエア抜きの時などにそれに気づくのが普通で、そうでなくとも完成後に他の人間に確認させればその違和に気づいたかも知れません。ですが残念なことにそれらの確認がなされず、そのままお客様の手元に届いてしまい、変なので確認してほしいと先方からの連絡により発覚しました。
 ピストンを逆さまに組むと起こりうる問題はいくつかありますが、今回はオイルの通路を塞げないため、減衰力がほとんど発生しないというものでした。

 同じ問題を起こさないためには、どの様な手段が有効か?それを一同で話し合いました。私は自分の中に答えを持っていましたが、一応のヒントを与えあとは皆に意見を出させて、彼らの考えを尊重し早速翌日の作業からその手法を取り入れました。

 問題がおこったらその場で周知し、可能な限り早い段階でその対応策に着手するのが、問題解決法の第一だと思います。 

普通の仕事で差が出る

 こんにちは。

 当社の作業手順は、届いた段階で入荷システムにデータ入力を行い、そこからバネ外し洗浄、分解、組み立て、発送(または納品)となります。
 これらの手順は細かく分ければ20行程以上に分かれますが、ここではそれを論じません。

 一般の方に向けて一番重要視されるのは、先ずその外観です。手元に戻ってきた際、ピカピカで新品の様なダンパーが帰ってくれば、やはり嬉しいと思います。
 しかし、それは心理的な要素を満たすだけで本質はダンパーのオーバーホールにあるはずです。オイル漏れやヘタリの原因を的確に見抜き、丁寧な作業と良質なオイル、グリス、それらの品質を最終的に決定づけるエア抜きがオーバーホールにおいて本当に大切であるはずです。

 写真のCB400SFはその数量の多さから、当社としては一番基本となる構造と捉えています。しかし、数が多いから基本となるだけでなく、多様な要素が含まれていると思うのです。このダンパーをしっかり組めれば、一人前になるための階段を登ったと言えます。

 作業に対する考え方は会社により変わってきますし、違って当然です。当社は個人の能力に頼ることなく、会社という箱で品質を上げてゆこうと考えております。
 作業工程を細かく腑分けし、説明書を用意し、完成度を高めてゆく。誰が作業しても同じ品質を届けられる様にしたい。しかも誰が作業しても同じ「高品質」を提供したいのです。
 それを達成するには、私自身が一人で作業を行い、その全ての品質を整えるのではなく、全行程を管理するシステムを構築し、箱(会社)の力で高品質を多く提供できる様にするのが、目標です。

 しかし、一人で作業すれば確認がおろそかになる場合もあるし、多数の作業者がいれば、それはまた別の問題を起こすことも多々あります。
 システムに頼りすぎず、個人の能力を過信しない、常に自分たちの行動に疑問を持って行動するのが大切だと思います。これは先日、問題が起こりその解消方法を社内勉強会で話し合った時に再認識しました。

 次のブログでは、起こった問題の内容とその対策方法を書き記します。

 

 

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新型ツインチューブのFFX.T

 FGがツインチューブの新型FFXを公表しました。正式にはFFX.Tと呼びます。

 旧型と一番の差はSHOWAのBFF(バランスフリー・フロントフォーク)の様な、伸びと圧の減衰調整が同軸にあり、これまでリザーブタンクがあった場所は何もなくなり、大幅に空間効率が向上しました。

 現在FFXを依頼頂いている方には、FFX.Tを提供する予定です。

 このFFX.Tの調整部分はSHOWAのBFF用にも設定があり、現在アフターマーケットでは交換部品の設定がない同フォークをアップデート可能です。
 交換にはガスを抜いたりエア抜きが必要だったりと、一般の方がご自分で交換することはできませんが、カートリッジまるごとではなく、ピストンのみ交換すれば良いのは大きな利点です。
 このピストン・ダイアルユニットを使い、新たな展開ができないかも考えて行くつもりです。

 ZX-10RやGSX-R1000に乗っていらっしゃる方は、是非相談ください。

 

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探求心

 当社のアルバイト梅山が、学業を怠け落第スレスレなのにハスクバーナを購入し遊んでおります。全くけしからん大学生です。

 そんな彼に提案し、来年はエンデューロに出ようと話しました。
 その目的はただ一つです。下に貼り付けた四輪WRCのYouTubeをご覧ください。33秒付近のジャンプ着地の安定性を二輪車においても実現したい。ただその一点です。

 しかし、二輪と四輪では大きな差があります。その中の一つは駆動方式です。車は四輪駆動で前輪が着地し前がひっぱり安定し、リアも駆動します。しかし、通常バイクは後輪駆動のため、その前輪の引っ張り効果は期待できません。

 もう一つ大きな障壁があり、それはホイールベースと重心高です。短いホイールベースに高い重心を備えた二輪車は少しの重心移動が大きな変動を生みます。それはタイトなコーナーでは素晴らしく半径の小さいコーナーリングを見せますが、安定性を欠きます。
 そこで、エンデューロを題材とする事により、オフロード走行においての強い接地感をどの様に演出するかが今回の企画の焦点となります。商売の秘密となるため公表はしませんが、完成すればその姿から想像できる事と思います。

 前後ショックは可能な限り作り変えて遊んでみたい欲求があります。前後ともWPのサスペンションであり、当社としてはそれほど経験の多くないメーカーです。これを違うダンパーに置き換えるのか、それともそのまま作り変えるのか、楽しみな点でもあります。

 昔モトクロスを1年ほど乗っていた経験から、オフロードバイクは好きですが、会社の商売としては考えておりません。ただ、サスペンションを通して上質な乗り味を探求する意味で、オフロードで作り込むのはとても有意義なはずです。
 ジャンプはオンロードにおいて考慮する必要がない上に、街乗りでの疲労度を経験する意味ではフラットダートの多いエンデューロでテストするのは最前の環境だと考えます。来年の夏が本番となるはずですが、少しづつ自分の体とバイクの準備を進めて参ります。

 参考に二輪のモトクロスもリンクを貼っておきます。これはヨーロッパのモトクロスです。私はSupercrossよりも屋外の自然の地形を利用したコースの方が好みです。路面のあれもこちらのほうが大きい傾向にあり、バイクの基本特性を知るには持ってこいです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=dJpf7VeJOeA

https://www.youtube.com/watch?v=HaDMSoS7Sao

 

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新品ショックを分解

 昨年の末に依頼いただいたBilsteinですが、新品で購入し設定を確認するために試乗を行い、その後すぐに分解しました。

 メーカー設定を確認する意味で、一度そのまま取り付けて試乗を行った後に仕様変更を施しました。

 3回ほどは内部のシム組変えて、その後ブレーキの効力を増したいと相談されたのでパッド交換と、更にマスターバックを自作して対応しましたが、その時にもまたダンパーを組み直しました。

 国産車はマスターシリンダーとキャリパーの比率がどうもおかしい様で、効きかたが唐突です。FFならではの重量バランスの悪さとホイールトラベルの少なさが合わさり、ブレーキ時でリアは早めに限界を迎えます。

 フロントはそこそこ粘るのですが、後20mmくらいストロークが取れると、かなり良くなりそうです。それに合わせてリアもストロークを伸ばせばブレーキの効き方も変わり、かなり変貌しそうです。ちょっとラリー車っぽい雰囲気です。
 更に、エア抜きの道具を改良し機械で完璧に抜ける様にすれば、その面白みと楽しみは長らく楽しめる様になります。次回O/Hの時はそれを課題にします。

 私の所有するBMWにもビルシュタインを用意しましたが、これにはリザーブタンクを取り付け、エア抜きと減衰調整を追加して狙った動きを実現しようと思います。まだまだ完成は遠い様な気がします。が、諦めずに仕上げてまいります。

 

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ワークスパフォーマンス

 ここのところ、ワークスパフォーマンスの依頼が多く入っています。

 以前は代理店のPMC様に純正の交換部品が殆ど在庫されておらず、自作したり代替え品を探したりしましたが、最近はPMC様にかなりの細かい部品まで在庫されているようで、価格も時間も節約できてお客様にも良い事が増えました。

 2セット続けてリザーブタンク有りのツインショックが入庫してきましたが、新型と旧型で大きく構造は違っています。
旧型は昔からあるモノチューブで、ごく一般的な仕組みです。ただ、伸び減衰は積層シムで制御しますが、圧縮行程はボールを使ったチェックバルブが担っており、殆ど減衰を発生させません。昔は路面も悪くタイアもグリップしなかった上に、車体全体が華奢なので、圧縮行程で減衰を強めると簡単にタイアが滑るために、そのような設定が多く見られました。
 現代では路面、タイア共に向上しそのままでは減衰が不足気味だと思いますが、過剰よりは過小な方が問題は少ないと思います。

 もう一方の黒ツインショックはツインチューブです。これはモダンな作りですが、最新の仕組みと比較して違っている点は、オイルの流れを制御するバルブです。
 現代ではピストンと積層シムでコントロールするオイルの流れを、このワークスパフォーマンスはもっと簡単な方法で制御しています。
 こんなので本当に良いのかと思いますが、それなりには機能しているようです。

ワークスパフォーマンスは80年代のAMA好きの方には喜ばれるメーカーなので、部品供給も安定した今、安心してお客様から依頼をいただける環境が整いました。

 オイル漏れ修理からとことん部品交換を行うフルオーバーホールまで選択可能となりましたので、気兼ねなく依頼ください。

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タブレットからPCへ

 今年の2月から、社内の情報統合機構を大きく変えるため、アルバイトに依頼してアプリ開発を進めてきました。

 当初、アプリを開発し各作業員にタブレットを持たせる事で、作業記録等をつけさせる予定でした。実際にアイパッドを二つ用意し、不要になったアイフォーン6を使い普段の作業を進めてきましたが、私自身はそれらのITシステムが面倒であったため、入力業務などはいっさい手をつけませんでした。

 ある時、パソコンのマウスを買いにアルバイトとアリオ柏へ行った際に、アップルのお店へゆき、そこでマウスを買わずにiMacを買いました。常々、大画面PCの重要性を考えていたため、これだと直感し購入した次第です。

 会社へ戻り私の作業台へパソコンを置き、普段から使う中で「タブレットではなく、PCだ」との思いが強くなり、タブレットからPCへ移行し、結局iMacを5台購入し、MacBookも買い足し都合4台のiMacと一台のMacBook、ウィンドウズパソコンが2台に、タブレットが3台となりました。

 アルバイト梅山の知人が、当社のツイッターをみて「タブレットからPCへの切り替えが早かった」と言ってくれたそうです。
 好意的に受け止めてくださったようですが、一見すると朝令暮改のように、言っている事に一貫性を欠くと思わせますが、実はそうではありません。
 つまり、作業や社内における情報の共有で達成される均一化、データ検索の高速化など、システムとしてより洗練された方を選ぶならPC化だったという事です。

 見える形でタブレットかPCか紙かは問題でなく、利便性の高い方を選んだ結果が今に落ち着いたという訳です。使いやすいという本質を追求すれば、見える形は重要でなく、中身を追求した結果が形になるのが重要だと思います。

 サスペンションにおいてもそれが本質です。ダンパーの構造から考えるのではなく、求めた動きの結果が形になる。それを忘れずに車両作りを行ってゆきます。

エア抜き、フリーピストン位置

 今回もエア抜きの重要性を説きつつ、当社の失敗事例を紹介いたします。

 写真はダンパー分解時のオイルを撮影しました。エア抜きが不十分だったり超長期使用で分解時に炭酸の様に泡が溢れ出します。

 雑誌等で散見する「長期間使うとオイルが泡の様になり、性能が劣化する」というのは半分は正しく、半分は誤りがあります。しっかりエア抜きを行えば、写真の様な綺麗な状態を数年単位で持続できるからです。不十分なエア抜きにおいて、前述の炭酸水の様な泡が、たった一度の走行でも発生します。
 ですから、当社はエア抜きを事さらに重視しています。これにより、設計値の性能を発揮できますし、それが長期間持続させられるからです。オイル漏れがなければ数年はそれほどの劣化なしに、その乗り味を楽しめます。

 失敗というのは、当然ですがダンパーはオイルが入っていなければ成り立ちません。しかもその量が十分である必要があります。FGやオーリンズ の様にフリーピストンでオイルとガスを仕切る構造の場合、ピストンの位置によりオイル室とガス室の容量を変化させられます。
 ガス室の容積を大きく取ればロッドストローク時の変化が小さくなる為、一定の作動感を得られます。これはフロントフォークにおける油面高さと同様です。
 このフリーピストンの位置を間違えると、オイルに圧力をかけるはずが、それが達成できない場合があります。これは無知ゆえの産物ですが、構造を理解しないまま作業を行うと犯してしまう失敗です。当社も作業初心者に任せると、この様な失敗をしでかす場合があります。

 そうならない様に、完成後に検査員による完成検査を行う様にしています。

 

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企業理念の動画を作っています

 YouTubeの自社チャンネルを作りました。

 人手の問題と内容と技術的な障害(大体において私自身の能力という意味ですが)もあり、更新頻度は高くありません。しかし、せっかく作るのだから一つ一つの動画を丁寧に仕上げ、継続して更新して行ける様に心がけています。 

 現在制作中の次の動画は、企業理念をナレーションで読み上げる内容です。文章で読むとなかなか頭に入ってこない内容も、音と文字の両方で入力があると理解が早いと感じています。文章を読むことに慣れていない方でも、わかりやすく理解して頂きたいと考えた結果です。
 企業理念のため堅い文言も多いので、文字でも見える様にしておけば、気になる単語も確認で、音声だけに頼らないことも重要だと考えます。

 動画の質を上げるために、ナレーションはプロの声優さんにお願いしています。

 椰凪 @_8nagi_ さんという方です。検索すればTwitterが出てきますので、よろしければご覧ください。

 プロのナレーターの方に読んで頂くことで、心地良い響きを提供したいとも考えています。私は昔アニメが好きで、映像を見ずに音声だけのドラマCDで散々聴き込みました。音楽も好きなのでその為か音に対する執着強いのかもしれません。
 ですから、みなさんにご覧いただく動画でも、音が良ければ楽しくみてもらえるのではないかと考え、声優さんにお願いする事にしました。

 いま構想しているのは、フロントフォークやダンパーの部品構成を説明する内容です。構造に詳しくなければ理解できないのでは、せっかく書いたブログも徒労に終わりますので、それらを動画で説明してブログの理解を深める一助になればと思います。

 亀の歩みの様ではありますが、もし興味をもたれた方は、チャンネル登録して頂けると嬉しく思います。下記リンクを活用ください。
 
https://www.youtube.com/channel/UCBGEnN9Nbcal5phO1yt54KA?view_as=subscriber

 もし、動画の内容に要望がありましたらTwitter、フェイスブック、YouTubeから質問をお願い致します。

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