SACRED GROUND STAFF BLOG
Ducati F1のリアショック完成
10月に預かったF1の作業が少しづつ進んでいます。
リアショックは完成
オーリンズのリアショックが着いていました。かなり初期の品で、多分80年代後半か90年代初期のモデルです。各部の消耗品を交換し、掃除を行い肝となる減衰設定を変更しました。たまたま余っていた新しいピストンもあったので、交換することにしました。
厳密にはオイルの通路(ポート)寸法が違うために、それに見合ったシム組を行ってあります。バネ定数は試乗の感触から、オーリンズの設定そのままで良さそうです。実測では7.5Kg/mmでした。
残すはフロントフォークのカートリッジ化となります。週明けには試乗を行えるように進めてゆくつもりです。仕上がったらまた動画で話したいと思います。
クアンタム仕様変更
先月納品し高い評価をいただいたNSF100用にこしらえたクアンタム。この改造リアショックを仕様変更のための作業を行いました。
改善点は減衰やバネなのど動的な設定ではなく、使い勝手の面です。スプリングコンプレッサー無しでのバネ交換や、ダイアル操作を容易にするための部品配置。他には本体とリザーブタンクを繋ぐためのホースの取り回しの変更などです。
私は度々、クアンタムのダンパー組み付け時に問題となるエア抜きの手法を取り上げてきましたが、今回はドレンボルトに加工し機械抜きを可能にしています。
これらの細かい作業は、来年企画している自社製ダンパーの礎になるはずです。大量生産はできませんので、少量を限定生産となるはずですし販売時期は全く未定ですが、少しづつ進めて行こうと思います。
KONIのオーバーホールを終えて
先ほどKONIの作業を終えました。
KONI
KONIですが、古くは高性能ショックの代名詞とも言える品でした。現代では懐かしの品ではありますが、基本性能は現代でも通用します。バネの硬さや減衰のヴォリュームを整えれば、十分使えます。
写真の品は消耗品のほとんどを交換し、なかなか良い動きをします。ワークスパフォーマンスも高性能ではありませんが、必要十分な減衰力を持っていれば、悪い印象はありません。当然、突き詰めたレースシーンでは通用しませんが、ホンワカと普段使いならば文句は出ません。
ロッドを二本とも交換や再メッキ、バンプラバー、上下ブッシュなど全てを最良にするならば最低でも8万円。高い場合で20万円になる場合もあります。
当社のKONIオーバーホールは他社比較で高額です。それは基本性能をなるべく引き上げるように細部を作り込み、極力長持ちさせる加工も行うからです。
KONIを長く楽しみたい方は連絡ください。
XJR1300の純正ショックの実力
ここ数回のブログはバイクやサスに関係ない事ばかりでした。そこで動画を題材にXJR1300のリアショックに言及してみます。
XJRの純正オーリンズはどうなのか?
XJR400と1200の初期型は全く違う寸法、外観の品です。調整箇所もイニシャルアジャスターのみ、しかもそれは3段階の大雑把な機構です。
動画内では説明していませんが、このリアショックにも良い面はあります。それはシリンダー径が40mmと大きい事です。ピストンリングも良質な製品にすれば、かなり動きが良くなります。大径ピストンは減衰を強めても破綻しづらいの強みではありますが、ネイキッドのツインショックでそこまで強力な減衰は不要であり、この強みは活かしづらいのが難点です。
次に1200の後期以降で採用された、ほぼ社外品と同じ見た目の純正オーリンズはどうなのでしょうか?こちらは内部をみた事のある人、または業界関係者なら知っていると思いますが、社外品と同じ部品をそのまま使っています。従って純正と社外の性能差は、部品の質ではなく純粋にセッティング領域の問題です。
スプリングの硬さ、減衰の強弱、取り付け部分を焼き付けブッシュにするか、スフェリカルベアリングにするのか?そこだけです。
結論としては1200後期型以降は、改造するに値する基本性能を持ち合わせています。問題となるのは価格です。オーバーホール、スプリング交換、減衰設定の変更、上下ブッシュの交換を行うと社外品が買えそうな金額となり、それでいて純正の見た目ですから、そこまで資金を投入するのであれば社外品を推奨するのが私の立場です。
O/Hついでにバネ交換と、小規模な減衰特性の変更程度であれば10万円以下で十分に収まりますから、その価値はあります。この辺りはご自身の用途と懐具合で決めるのが良いとおもますが、その判断材料にブログと動画が役に立てば幸いです。
フォトショップ、ライトルーム、遊びが仕事を成長させる
先週の土日は、諸般の事情から会社で過ごしておりました。
土曜日の夜にAdobeのライトルーム(写真を加工するソフト)で現像し遊んでいましたが、フォトショップ(これも同様に写真加工ソフト)でも現像ができるという事で、試していました。各ソフトには初心者向けの基本操作の案内があり数十分掛けてそれを学んだのですが、そのおかげで動画の表題を加工が上達したようです。
フォトショップは半年くらい使っていましたが、写真の大きさ調整と文字を書き込む程度でしたが、今回の初心者向け練習のおかげで基本操作の理解が進みました。
使い始めて直後に、同じ内容の履修を試みましたがサッパリ理解できませんでした。しかし単純な作業でも半年以上も続けていると余裕が出来るもので、新たな機能に対する理解が容易でした。
どんな事柄にも共通するのでしょうが、私のような凡人は初期には単純な作業の繰り返しを行い、その後で少しづつ肉付けをするのが良いみたいです。
では下で私の初めての合成写真をご覧ください。フォトショップを用いて、驚くほど自然な写真が完成しました。
機械式の手巻き腕時計
腕時計
2年前の年末に腕時計を買った話をしました。
先日、動画でその事を取り上げました。https://youtu.be/eQOibp6ysaE
車とバイクはMT、腕時計は機械式手巻き時計、コーヒーにはクリープ(実際はブラック派ですが)が私の基本です。
好みの問題なので、他が悪いとか批判をする気はありません。私は折角の機械式時計なら手巻きで、自分の関わる領分が大きいのが好きなだけです。
そう言えば、面白い話を聞きました。テック企業やデジタルを推進する人たちはスマートウォッチを販売するが、自分たちはアナログな高級機械式時計を身につけていると。この事から商売と自分の事は別だとわかります。真のお金持ちはアナログを好むのにデジタルを売る。
私はそういった事とは別に、ただ機械式に対する愛着があるだけです。
カメラは?
最近購入したキヤノンのEOS RPはミラーレスのフルサイズセンサーを搭載した撮影機です。旧来の一眼レフが良いのか、ミラーレスが良いのか?好き嫌いと扱いやすさ等、使い手にとっての最良は違うと思います。カメラに対して細かいこだわりが無いため、ミラーレスの扱いやすさは好ましく思います。
フルサイズセンサーは綺麗に写るし、写真をとるのが楽しく感じます。ならば一眼レフでもフルサイズセンサーなら同様の楽しみがあるのか?中古でも良いので、EOS 5Dクラスのカメラを買って試してみたいと思いますが、中古でも安くはありませんから、簡単には買い足せないですね。
この事から、ある分野においては機械式を徹底するのに、他の事柄に関しては無頓着である。ならば人それぞれ固執している分野が違うだけの事でしかない。だから他人の拘り(拘りとは本来、良い意味の言葉ではありません。という事で単語が持つ本来の意味における)固執に対してとやかくいうのは不毛であると思います。
二輪、四輪に腕時計の文脈で行くなら、私はフィルムの一眼レフを好むべき、となるのが実際はミラーレスを許容するのは人間の矛盾、一貫性の無さを自己証明しています。
年末年始の予定を考えています。
先ほどは政府批判の長い文章を上梓(って別に本ではありませんが)したのですが、今回は年末年始の休みに関して、現段階でも考えをしたためます。
最も長い場合で12月30日から1月11日までを休みとする案。これはコロナで休業が望まれている事も鑑みています。
最短の場合は31日から5日まで。私は家でじっとしているのは落ち着かないので、この内容で進めたいのが本音です。ただし、従業員は上の案で良いかと思います。
折衷案は31日から8日まで。
今週中に決めて発表いたします。
この動画がヤバイ!!
馬鹿臭い表題ですね。ヤバイを良い方向に使う思考回路を持ち合わせない私は、当然文字通りヤバイ動画を発見したわけです。
飲食店の悲鳴
たまたまですがYouTubeでレンストランの動画を二つほど観ました。内容はコロナによる影響で閉店や撤退に関する話ですが、中小に大企業の倒産の報を聞くたびに腹立たしく思うのです。
コロナの影響が落ち着くまでは政府支出(税金ではないし、税金は政府、国家の財源ではない)で企業の粗利保証を行い、現在の供給能力(つまりは存在する全ての企業、個人)を失わないようにするべきだと考えるのですが、政府は誤った貨幣感と、愚かな助言者(竹中平蔵さんに代表される利益相反を平気で行う俗物や、中小企業は半分なくせと宣うイカれたイギリス人アトキンソン)のせいで、国民を殺す気でいます。
自己責任という言葉がもてはやされてはや20年近く経ちますが、これは自分の行動の範疇に限定されるべき単語だと解釈しています。
例えば台風で家屋が吹き飛ばされ、命を失ったらそれは自己責任でしょうか?そんなところに住むのが悪い。と橋下徹くんならいうでしょう。しかしそれは明らかな間違いです。
災害がきても被害を最小限に留める努力は国単位でしかなし得ません。それは国家が通貨発行権を持っているからです。お金がなければ人は動かせない。
お金があってもできない事は多々ありますが、お金で解決できる事がほとんどなのもまた事実。
もし、国家ではなく地方(例えば県、または道州制などのある程度のまとまり)に通貨発行権を持たせれば、あらゆる不便に加え、最後は内乱が起こる可能性が高まると私は判断します。
商売人は政治と宗教の話は禁句と言われますが、幾度も繰り返して申し上げている通り、私はその様な考えは持っておらず、従って自由な発言をしている訳です。
現在の主流は経済学と呼ばれる貨幣感は間違いでありMMT(ジョブ・ギャランティー・プログラムは必ずしも必要とは考えません)の貨幣と租税の関係を私程度の触りでも理解すれば、現在の政府の愚かしさに腹が立ち、そして見殺しにされる企業(それはつまり「人」そのものである)に同情するのです。
はっきり申し上げますが、菅首相(小渕元首相を除く中曽根以降の首相は全員、それにグローバリストと緊縮財政派)は国崩しの売国奴(まさに中国やアメリカに売らんとする行動がハッキリと読み取れるし、実際その様に行動している)と断言しましょう。
今回のブログは完全に政府批判の内容でしたが、自殺者が増え企業が倒産し、GoToで感染を広めておいて、感染者が増加すると責任を他になすり付ける小学生並みの政治家、それに気付いていない方々に警鐘を慣らすために書き記しました。
政府の政策で国民の行動は変わる
政治家は誰が成っても一緒。とは昔から言われてきた事です。しかし緊急事態宣言(それ自体に法的な拘束力ない)やGoToキャンペーン(こちらは拘束力などかけらもないし倫理観すらない)で国民の行動が変わったのを目の当たりにした人も多いでしょう。
つまり政治家は誰が成っても一緒ではなりません。馬鹿が首相を務めると(1997年の消費税増税以降)GDPが伸びずにアメリカに追いつくどころか中国に抜かれ、国民一人当たりのGDPは韓国にも抜かれ先進国ではなく発展途上国に成ってしまうという現実を冷静に受け止める必要があります。
自民、維新、公明の支持者の方には嫌われるでしょうが、あえて書き記しました。そして私は立憲も好きではありませんし、他の政党も問題だらけだと判断しています。
皆様もご自分で情報を収集し判断して頂きたいと思います。
BMW E60のM5 電制ショック
E60のM5に使われている電制ショックを分解しました
ZF,Sachsの電制ショックは二輪でも多用されており、分解して内部を見るのは慣れた作業です。今回も多分にもれず同様の仕組みでした。電制ショックの内部機構は同じでもバイクの場合はシングルチューブ(いわゆるガスショック)で、写真のM5やフェラーリのF430等はオイルショック(と言いつつも低圧ガスは封入されている場合が多い)です。
根幹となるメインのピストン部分でも減衰調整は可能です。これは予算を考えない前提ですが、加工やその他の技法を用いれば、根本的な減衰の基調を変化させられます。
否。ツインチューブではメインピストンの他にシリンダー底部にセカンダリピストンを備えるのが普通ですから、そちらでも圧(縮み)減衰の調整を可能としてます。
M5の基本特性はどうなのでしょうか?
O/H前の少々ヘタった状態での評価ですが、私には大いに問題を感じます。それはどういう意味でしょうか?
私が望ましいと考える動きは、伝統的に言われる圧が3、伸びが7(若干の変更はもちろんありですが)の割合です。しかしM5の比率は圧6、伸び3と理想から大きくかけ離れています。特に疑問符をつけたいのは強すぎる圧減衰です。路面の凹凸をくまなく拾い、乗り心地は極めて悪い。
圧減衰を強めると反応が高まり、ハンドリングに対する車体側の応答姓は良い、だが前述の通りそれは路面の凹凸を逃すという事ができず、なかなか厳しい乗り心地です。ならばこの応答性はスポーツドライヴィングに最適なのでしょうか。さにあらず、荷重を載せっぱなしで走れるならこのセットアップも良いでしょう。ですが掛かる荷重は必ず抜けます。掛け続ける事は叶わないのです。例えば左コーナーから右コーナーへ切り返す時、左コーナーの外輪に掛かる荷重は右コーナーでは内輪になり、縮方向から伸び方向に変化します。これは荷重が抜けるという事です。
タイアのグリップは幾つかの複合要素から成り立ちますが、ショックが縮む時は荷重は最大にならず、つまりタイアグリップも最大化しません。圧から伸びに転じた時に最大グリップを発揮し、伸びきるまではそのグリップを維持します。つまり圧縮工程で力を貯め、伸び工程で力を発散します。
だから強い縮み減衰を持っていば短時間で力をため込める反面、弱い伸び減衰では発散が一瞬で終わってしまうため、タイアはグリップを失いやすくスポーツドライヴにも向いていないのです。
M5は速度が乗る車だからこれが正解なのか?と考える訳ですが、これまでの経験からこの減衰比率では良い結果は得られません。もどかしい限りです。
学術書ではないので、この文章にも理論破綻があるかもしれませんが、概ねこの通りと受け取って下さい。
この前提が正しいとすれば、圧の減衰を弱め、伸びの減衰を強めると滑らかな乗り心地としっとりとしたハンドリング、ギャップの走破性を得られます。
運転技術、育ってきた環境、タイア、車両の状態で減衰比率は変化しますが、根本を考え直す必要があると思います。これを理想的に体現しているのはMarcedesBenzです。このメーカーは私の理想と合致しています。
実はBMWも近年、メルセデスのバランスに近づいています。私の兄の乗るF30(3シリーズ)、G30型の5シリーズなどです。
もし、このM5を仕様変更したければ純正電制サスでも可能です。純正は分解不可能なカシメ方ですが、これを分解可能に改めた上で、減衰を変更します。価格は非常に高額になり、安く見積もって一台分で60万円。高いと100万円はかかりますが、一生乗れる最高の一台に仕上げたい欲求に駆られています。
内装は5シリーズだけあり、所有欲を満たしてくれます。それに加えV10エンジンはF1を彷彿させるメカニズムですし、この車を突き詰めれば最高に楽しそうです。私はE46の318Ciに乗っていますが、5シリーズやEクラスを街乗りで楽しめる仕様に改造して、いつの日か大人のスポーツセダンを作りたいと夢想しております。