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CB1300SB,楽しいバイクを創り上げる

 先日、メールを下さった方が本日お越しくださいました。

 CB1300SBの前後サスペンション・オーバーホールに関しての問い合わせでしたが、挨拶を済ませ早々に現車に触れ問題点を確認できました。前輪の空気圧が低いようなので確認したところ、2Kを下回っていたため前後共ゲージを使い適正な値を入れ、動きを確認して問題が解消したことをお客様にも感じていただきました。
 その次に、リアの減衰を伸び圧共に一段づつ、フロントの伸び減衰は1/4回転変化させました。自分に変化が体感できるのかとお考えだったお客様も、その程度の変化を明確に感じ取っていました。

 私のバイクに対する考え方、セッティングの方向性、料金と優先順位を伝えメニューが決まり依頼も正式に頂けました。お客様に満足を届けるためには十分な予算をいただきました。それなりに高額になりますが、微に入り際に渡り造り込み走る楽しさを追求してみます。

 この車両の方は50代でした。私自身も四十を迎えるにあたり、そろそろ残された時間を計る年頃になった事もありまして、壮年期の方が少ない時間において高い満足感を持って乗れる車両を作ってゆきたいと、強く考えるようになりました。

 ただ乗って楽しい以上の何かをバイクや車に求める方は、一度相談ください。何かの切っ掛けくらいにはなるかもしれません。

 

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ハーレーの883Rフロントフォークの続き

 みなさまごきげんよう。

 今日は883Rのフロントフォークを進めていました。プレミアムライン・プラスの多岐に渡る作業でかなりの時間を費やしましたが、この手のフロントフォークとしてはなかなか面白い仕上がりになりました。

 減衰を強めるために以前から追加バルブを入れてありましたが、今回はSGVFと呼ぶ追加バルブを投入する運びとなりました。カートリッジ化の前に、追加バルブで乗り味を変え楽しんでもらった次に、カートリッジ化により一段と乗り味を高める算段です。
 追加バルブの効能はどこにあるかを説明すれば、一「圧減衰を発生させられる」、二「伸びと圧の比率を変えられる」の二点です。旧来の減衰発生機構では、ほぼ伸び減衰のみを発生させ、縮む際はスプリングと油面(結局はスプリング効果)で動きを作り出すしかないため、少々面白みに欠けます。そこで、圧減衰を自在に設定できれば格段に楽しさが増します。

 883Rのフロントフォークは太さこそ違え、内部の寸法はCBR250R(MC41)の部品が丁度ハマります。スプリング交換を考えてらっしゃる方は、そちらから選んでも良いのではないでしょうか。

 今週末には納車できそうなので、楽しみです。

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883Rのフロントフォーク

 付き合いの長いお客様が乗るハーレーの883Rを作業しております。

 リアショック はFGのFSM11PR36、フロントフォークは純正のインナーチューブにクロームナイトライドのチタンコート(イオンプレーティング)を施し、スプリングをシングルレートに交換し、トップアウトスプリングはNSR50用に試作し、無駄骨に終わったスプリングを取り付けたらあら不思議、良い感じになりました。

 今回、好きな内容で作業しても良いと言われており、色々試してみます。カートリッジ化は次回のお楽しみに取っておいて、SGVFと呼ぶ減衰発生機構を追加し、プレミアムラインの更に上を目指すプレミアムライン・プラスで作業を進めています。
 以前の記事にも載せたSC54のフロントフォークで試した、多くの追加作業により得られる飛び抜けた作動性を実現するため、今回も同様の手順を踏みます。違うのはインナーがコーティング済みなので、もっと上を狙える点です。


 ただ単に作動性を向上させると、動きすぎて忙しないサスペンションになってしまうため、減衰力を強め狙いを定めます。作動性を高めたのに減衰を強め動きを抑えたのでは、本末転倒なのではないか?と疑問を持つ方が居るのは当然だと思おいます。その違いがわかるのは体感した者だけに許される特権です。
 この特権を皆様の物にして頂ければ、望外の喜びですが、相応の金額を負担しなければならないので、その片鱗を少しでも感じてもらえるよう、プレミアムライン・プラスで得た知見を少しでもスタンダード・ラインへ活かせるよう、考えて実行して行きます。

 アウターチューブは塗装の傷みがあり、粉体塗装で塗り直しました。これもお客様の満足度が高まり有効な作業の一環と捉えております。

 

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MMT、インフレとデフレ。ほぼ雑記。

 ここ数ヶ月、MMTの理解が進んでいます。

 モダンマネタリーセオリーは「現代貨幣理論」と訳されますが、現実には現代貨幣「解説」と訳す方が正しいのかもしれません。

 過去、金兌換(きんだかん)性のあるお金、例えば金貨や銀貨は貨幣の流通量が、採掘量に限定されます。ドルが金本位制だった時分は、交換レートが設定されおり相対交換が約束されていました。

 現代は金本位制が崩れ紙幣それ自体には何の価値もないのに、なぜ紙幣に価値があるのかと言えば、国家が保証しているから紙幣価値が約束されているのでなく、自分の属する国家に対する納税義務を果たすことが可能なために、日本人ならば円を求める。と説明するのがMMTです。

 国家の財政破綻が騒がれる昨今ですが、自国通貨建ての国債であれば財政破綻がないことは財務省自体が認めています。

 実は、無税国家は実現できます。ならば、なぜそうしないのか?問題はインフレ率の上昇にあるようです。インフレ=物価の上昇と捉えると、何だかよくわかりませんがインフレ=需要過多、デフレ=供給過多と考えれば、簡単に現状認識できます。
 税負担がなければ使えるお金が実質で増えます。使えば供給が足りなくなりインフレ率が上昇するため、2~4%のインフレ率が適正だとされているようです。

 消費税は逆進性が強く、低所得者の負担が大きい税です。所得税、法人税は累進課税と言われるように、高所得者になるほど負担が増え、低所得者に優しい税制です。「ビルト・イン・スタビライザー」と呼ばれています。

 先日、市役所で納税しました。その際に窓口係りの人に「税金で給料もらってるくせに!」とか言われますか?と質問したところ、想像通り度々言われるそうです。税金が景気の過熱(インフレ率の上昇を抑える、つまりは需要過多を鎮める)を抑える事を目的とするならば、公務員に対して前記の言葉は虚しく響きます。

 選挙や国会を開催する費用が「税金の無駄遣い」とは度々耳にする言葉ですが、デフレ(インフレ率が0%台)の現状では、お金を使うことはインフレ要因になるため、素晴らしいことだと思います。政治家の公費を削ることはデフレ要因になるため、気持ちは分かるものの、それを批判するのは馬鹿げていると考える次第です。

 サスペンションやセッティングだけに留まらず、色々な事に興味を持ち調べるのはとても楽しい時間です。最近は「海はどうしてできたのか」という本を読み進めております。地球の成り立ちから、海の構造、材質など予想外の面白さに舌を巻いております。

 注意 緻密ば勉強の上に成り立つ解説ではありませんので、興味を持った方はご自分で調べてください。間違いに対する指摘は受け付けておりません。

 

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リザーブタンク無しのダンパー

 部品点数を減らす目的で、リザーブタンクを持たないダンパーは多々あります。
 主たる目的は価格を抑える事だと思いますが、リザーブタンクの設置場所が設けられない場合もあるようです。

 リザーブタンクが無いダンパーに対して感じる問題点は、エア抜きが行いずらい点にあります。昔からある簡素な作りの気液混合型(エマルジョン)はオイルとガスが混ざり合うため、気泡が発生しやすく減衰力の低下を招きます。これは全ての性能が低く、時間と金額面以外に有益性は認められません(しかしこれも重要な性能と言えますが)。

 オイルとガスを分けるフリーピストンを持つ場合は、エマルジョン型と比較し大幅に性能が向上します。但し、フリーピストンからエア抜きが可能な高性能タイプとそうで無いものもあり、これは分解しなけらば判別が付きません。
 写真でわかるように、フリーピストンに専用の穴が空いています。

 フリーピストンを持っていても車両メーカーが純正採用するような、シリンダーとアッパーマウントの支持部分(シリンダーヘッド)が一体のダンパーは、エア抜きがフリピからは不可能です。当社はこのようなダンパーでもエア抜きをバキュームポンプで行える加工を施し、驚くほど安定した性能を現実にします。純正ショックそのままでも作業次第では作動性はかなり完全できます。

 質の高いオーバーホールを味わってみたい方は、一度連絡ください。

 

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細部を詰めて

 昨日作業を終えたTZM50用のYECです。

 今回、車高調整機能を追加するための依頼でしたが、組み終え改めて動きの良さを実感しました。この個体はピストンリングをYEC(YHS)の高価な品へと交換し、オイルシールをFGにしてあります。ガイドブッシュもいくつか選べる中から最良と考える品にしました。

 サスペンションシステムの中において、スプリングを含むダンパー系の主役は明らかにスプリングです。その選んだスプリングの効用を最大化するためにダンパーがあると思います。動かし方は減衰ですが、その前段階である作動性は材質、剛性等の役割です。


 オイルシールの収まる通称シールヘッド(シールホルダなど呼び方はいろいろです)は歩留まりを高めるため公差は意外に大きな数値です。具体的な値は秘密ですが、これを詰めてゆくとある点から摩擦抵抗が大幅にましますが、その直前が狙いどころです。


 有名メーカーの品でもシリンダーとシールヘッドの隙間はかなり大きく、スプリングを外した状態でロッドを円周方向に動かせば、そのガタは明瞭に感じ取れます。これを可能な限り詰め行き着く先は滑らかな作動性です。オイルシールもこの滑らかな作動性に大きく影響を及ぼします。


 ロッドにシールを通した状態で測定するのと、完成品として作動させるのでは、体感がかなり変わります。Xリングなどは締め代が小さく低抵抗なのですが、実際の使用においては締め代の大きなパッキン型か想像以上に艶のある動きを見せます。私見ではシールの材質がかなり重要です。
 これに加え、ヒロコーのオイルが気持ちよく絡まりスプリングを外した状態でダンパーを押し引きすると、なんとも言えない色気のある手触りです。他にもアッパマウントの焼き付けブッシュをドライベアリングに交換しステンレスカラーと組み合わせ直接的でスルスル動くようにしました。

 エア抜きの為にはバンジョーボルトをFGのステンレス製化粧ボルトへ交換してあります。外観も良いのですがエア抜きの質が向上します。

 改造の手法は多岐に渡ります。投入する費用に対し得られる効果が高いとは言えませんが、この改造でしか変えられないのも事実です。話だけでも聴きたいと言う方は、いつでも質問ください。

 

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母語、イタリア語、英語

 昨日、友人とツイッター上で意見を交わしましたが、その主たる話題は英語についてでした。そこから久しぶりに英語の扱いについて考えてみました。

 私は小学生の英語教育に反対の立場をとっています。母語の扱いでさえ曖昧な若年層に英語を教えても価値がないと考えるからです。これに関しては妻とはかなり意見の開きがあり、未だにその溝は埋まっておりません。

 評論家の中野剛志さんは「パターン化された文言を沢山覚えれば、話せた様に思える」、「母語ですら自分の考えを伝えるには、言葉が途切れたり、考えに詰まることがある」と言います。
 ツイッター批判をする気はありませんが、現代人は会話ではなく「つぶやき」の様な文章ではない、ごく短い言葉を積み重ねる事により、一聴すると会話の様に聴こえるつぶやき合戦をしているかに思えます。しかし、子供の頃ならこれでも良いのでしょうが、このつぶやき会話により、文章を考える思考力が育まれず、浅はかな思考が生み出されてしまうのではないかと危惧します。

 思考力を鍛えるべき幼年期に、パターン化された言葉を積み重ね会話ができる様になった気になってしまう英会話を教えるのは、日本人を育てるのに非常に大きな害を与えてしまうのではないでしょうか。最近の大学や学校に関して耳にする「大学が就職予備校になっている」との意見には大いに賛同します。それと同様に、なぜ英語を覚えさせたいのかと言えば、「これからのグローバル化に対応するため」などと聞きます。そこには他者との意思疎通による喜びや学ぶ事で広がる世界の面白さは語られていません。
 

 フィリピンやインドは英語化が進み素晴らしいと吹聴する方もおる様ですが、これらに代表される国々は米国や英国の支配下にあり、英語を話せなければ良い仕事に就けないなど、苦しい事情の上に成り立つ現状があります。
 高等教育を自国の言葉で学ぶのは先進国にとっては至極当たり前のことですが、英語に代表される他言語でなければ高等教育を受けられない国は、かなり沢山ある様です。先人が残してくれた言葉を捨てて社内公用語を英語にしたり、授業を全て英語で学ぶの事は、私の目には非常に愚かしい行為と映ります。
 

 京都大学の准教授、柴山桂太さんは「自分の考えは自身から生まれて来ると考えていたが、その実、日本語に立脚している」等の趣旨の事を語られていました。工業デザイナーの奥山清行さんは「山形弁、標準語、イタリア語、英語、ドイツ語で話す時、言語毎に自分の思考方法や個性が変わる」と話しておられました。この感覚は私もイタリア人と話している時に感じた事があります。
 つまり、日本人を日本人たらしめんとする重要な要素は、日本語で思考する事にあると結論づけられます。その形成期に他言語を半端に覚えさせるのはかなり怖いと感じるのです。
 イギリスに留学し英語をかなり解した夏目漱石さんは、逆に日本語の理解を深める意義について語っていたそうです。余談ですが夏目漱石さんの書籍の中において内容も忘れたのですが、「こころ」だけが私に影響を与えています。

 英語が世界の共通語であり(お金儲けには)有益な言語だという事は充分に理解しているつもりですが、その安易な金儲けを選択すれば日本の独自性が失われ、行き着く際は発展途上国(なんてアホくさい表現でしょうか。端的に言えば後進国)に成り下がるのは確実です。といよりも現状は確実に後進国の仲間に片足を突っ込んでいるのではないでしょうか。二十年以上前は世界経済の18%近い経済力を誇った日本が今では5%強とだいぶ落ちぶれています。

 これらの凋落ぶりは、「英語」が悪いのではなく安易な選択によって生み出された結果です。従って英語批判をしたいのではなく、安っぽい思考を避け、面倒でも議論を尽くす姿勢(これは他者に限らず自身の内省におていの議論も含めます)が大切です。
 他人と議論を尽くすのは衝突起こり得るため気がひける一面はありますが、会話、意見交換からしか得られない発想もあるため、私は恐れずに自身の思うところを露わにしています。

 ここからはまさしく雑記ですが、黒田龍之介さんという言語学者の書籍に書いてありましたが、学会で集まり少人数で会話をしていたら、ふとしたきっかけで共通言語がロシア語とわかり、その後はロシア語で話をした。とあり、これは格好良いなと思いました。後年、ローマで女性から話しかけられ、少し話をしたらスペイン人でした。その場はイタリア語が共通言語でした。少しでも複数言語が話せると楽しい経験ができるのも事実です。


 

 

 

 
 
 

 

KZ1300のリアショック が完成

 みなさまごきげんよう。

 先日、長期間お待ちいただいたカワサキのKZ1300が作業を終え、無事出荷致しました。

 このダンパーは左右をホースで連結してあります。これは加圧した空気が左右で不均衡にならない様にするためです。そのため、圧力調整用のバルブは1箇所のみとなっています。

 外観からは想像が難しいほど減衰を発生させるカートリッジは小振りです。内部にスプリングがあり、その外周にシールなどを備える同ダンパーは内部寸法の制約が大きく、それが原因で減衰発生機構の足枷となっています。
 しかし、現代の高圧力(5バール以上)を封入したダンパーと比較し低圧(2バール程度)を用いるこの品は、オイル漏れの危険性が低く、減衰も緩いために長持ちするという利点があります。昔の道路事情とタイアを考慮すればこの程度でも良かったのかもしれません。
 逆に現代のスーパースポーツはかなりしっかりした減衰を発生させるため、オーバーホール期間を短くしなければならず、楽しい乗り味を維持するには俊敏なメンテナンスを必要とします。

 最近は旧車や他店で断れた特殊なダンパー、特別な自分仕様を作りたいなどの依頼を多く頂いております。サスペンションで何か出来ないかとお考えの方は、ぜひ一度問い合わせください。

 

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カートリッジキット完成。その後・・・

 昨日完成したカートリッジキットの報告です。

 オーリンズのFKRシリーズをTZR250RSP用に仕立て直す、当社の中では割と大仕事でした。

 取り付け可能か分からない品を購入し、各部の寸法を検討しながら最小限の加工にとどめ、価格と納期を抑えます。そうは言ってもこのフロントフォークの総額は80万円に迫る価格となりました。以下に詳細と狙いを書き記します。

 インナーチューブはヤマハR6を用いました。これには二つの理由がございます。TZRなど90年代の倒立フォークは製造メーカーも破損に対するデータが少なかったためか、過剰に重く頑丈でした。時代が下がるに従い必要十分な剛性バランスを理解し、軽量化を図つつも形状により剛性を確保することが可能になり、大幅に軽くなりました。
 そのため、TZRのインナーチューブよりもR6の方が薄肉で軽量で、これが採用理由の一つ目です。二つ目の理由は、使用するキットがオーリンズのR6用であり、寸法の問題を極力起こさないためにもR6のインナーを使いました。

 トップキャップはネジ寸法が全く違うため、オーリンズの部品を加工しました。アウターチューブを加工した方が楽なのですが、外径が太く旋盤の貫通穴に収まらず、仕方なくトップキャップの加工となりました。アルミのネジ切りは特段難しい訳でもなく、特に相手方のアウターもあり現物合わせで寸法を作り込めるのは気が楽です。ただし、トップキャップを旋盤で咥えるのは意外に難しく、その問題点は芯だしでなく咥え代の少なさが一番気を使うポイントとなります。
 旋盤で加工を行った方は知っていると思いますが、薄肉パイプのチャッキングや掴み寸法が少ない品などは、工作物が外れチャックで壊してしまう事があります。高価なオーリンズの部品はトップキャップの在庫など持っている訳もなく、多少の緊張感を伴い加工に当ります。

 スプリングの値はNSR250やCBRカップ、JP250、NSF250R等でかなり経験を積んでることもあり、難なく決定しました。ただし、そのまま使わずスプリング表面を研磨して摩擦抵抗を減らすと同時に、金属の削れカスも抑える様に配慮しています。

 FKRシリーズはトップアウトスプリングのオプション設定が無く、部品を削り違うバネがハマる様にすることで、使いたい品を嵌めました。

 このカートリッジキットのピストンは少々面白い形をしています。近年、友人と共に開発を進めている乗り味を作り出すため、シム組を多く試していますが、その友人はダンパー開発の現場に身を置く方なので、珍しいシム組で私を驚かせてくれました。
 FKRはそれとは違う狙いだと推察しますが、これまでとは大きく異なったピストン形状に仕上がりが楽しみになりました。

 カートリッジのロッドは8mmとかなり細く、これは摩擦抵抗の低減と共に減衰をしっかり発生させる狙いのはずです。ここまで細いカートリッジロッドは初めて見ましたので、面白いと思います。

 オーリンズの良い点は部品製造の観点から読み解くと、設計者の望んだ通りに部品が作れる事です。反面、減衰の設定は極めてワンパターンだと感じています。レース用のカートリッジからストリート用までヴァリエーションが無く、違うのは減衰のヴォリューム(必要量)を満たしているかどうかで、あとは使う側が何とかするといった様相です。
 一品一品その車両、時代に合わせてはないと思います。ですが、素材として考えれば高い素質を備えており、作り込む予算と時間の許す方にはかなり面白いため、サスペンションをしゃぶり尽くしたい方に勧めてゆこうと考えます。

 早速取り付けを行ったお客様から、少々硬いので伸び圧ともに弱めたいと連絡を頂きました。早々に組み直して再度のテストを行います。

 

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オーリンズのカートリッジキット

 今回のフロントフォーク改造は、オーリンズの部品を使います。

 当社はFGの販売も行っておりますが、セイクレッドグランドは「お客様に最良の選択肢を提供し、その選択を最高の仕上がりで届ける」を行動原則としています。オーリンズの最高峰カートリッジキットFKRを勧めたところ、了承いただき改造となりました。

 インナーチューブ交換、カートリッジ交換、それらの大幅な改良、改造による仕様変更で取り付けるバイクと乗り手にピタリと合わせて行きます。
純正のフォークに少々手を入れるだけでも乗り手の求める水準に到達する事も可能ですが、それはセッティングの幅が狭くピンポイントで針の穴を狙うかの様な狭い領域においてのみ、調和が取れます。今回の様にスプリングレートは当然として、改良によりフリクションを大幅に低減し、重量を抑え、減衰の発生機構を変える事でその調和の取れる領域を、針の穴から野球のストライクゾーンの様に(もしかしたらサッカーゴール程に)広げる事が可能になります。
 ここまで調和点の領域(バランスポイントゾーンとでも呼ぶのか?)を広げるのは多くの手順を重ねた上で、更には多大な予算が掛かります。しかしそれを乗り越えたなら、驚く様なバイクの乗り味に驚かれること請け合いです。

 サスペンションの新たな領域を知りたい方は、お越しください。試乗車としてBT1100も用意しておりますので、試乗にお越し下さい。

 

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