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SACRED GROUND STAFF BLOG

従業員に助けられ

 今年入った小野寺にはとても助けられております。

 昨日の土曜日は半日休日出勤してもらい、パソコンやプリンタの再設定をお願いしました。Windowsで動かしていたプリンタをGoogleドライブで動かせる様にできたそうです。これにより、余ったノートPCを事務所へ持ってゆきました。

 私はタブレットやスマートフォンよりPCを重用しています。それには明確な理由があり、処理速度の高さと情報量の多さです。

 機械や発想に関する事ではそれほど苦労しないのですが、ことインフォメーション・テクノロジーに関わることはどうにも理解の外です。そこに努力の時間を注ぎ込む力もないのです。
 そう言った訳で、私の劣った部分を補ってくれるアルバイトを含む社員には、心底感謝しています。

 当社は初期投資を抑えるため、古い工場を改装して始めたのですが、その外観も少しは改善し見栄えを良くしてゆこうかと考えております。そこにはカミさんの美的センスが活かされてゆくはずです

 

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曖昧さこそ必要

 世間一般では「曖昧さの回避」という言葉があるように、厳密性がより求められる世の中に思います。

 あるテレビプログラムにおいては「世界は数式でできている」などと表現される様に緻密、厳密、再現性、確証など確かな事が正義だとする節がある様に、私は感じています。

 確かにバイク、車を含む機械全般、それに物理法則を読み解こうと思えば、その厳密性や正確性はとても重要です。ただ、その厳密性は絶対的な正しさではないと、私は断言します。

 人間の感性は数値化できない部分があり、その数値化できない曖昧な部分をどうセッティングに落とし込んでゆくのかが、楽しくもあり難しい部分なのです。
 数値化するとは究極はデジタル表現で、そのデジタルの合間を繋ぐ文脈こそ、一番価値のある部分であろうと考察します。ですが可能な限り数値化しておけば、かなり細かい部分まで視覚化したり簡単に再現できるのも事実ですから、それ自体を単純に否定する訳ではありません。
 ただ、いくら数値を極小化しても0.01と0.02の間には隔絶した世界があり、1,000分台に細分化してもその先には10,000分台が控えています。

 エンジニアリングはその合間を埋める作業だと理解はしていますが、エンジニアはその合間を埋める手段(この場合、数値の細分化)に没頭し過ぎているのではないかとの疑義を感じずには居られません。

 この合間を埋める文脈はどの様に繋げて行くのかと言えば、私が得た答えは「芸術的表現」に他なりません。思考と行動により得られる経験を多く積む事により、直感力を高められます。と同時に音楽、文学(この二つが私にとっての主な芸術ですが、もちろん絵画や写真、漫画にアニメなど芸術的要素を含んだ全て)を対象として、美意識を鍛えなければ良いバイクや車は作れないと、これも断言します。

 私が大切にしている三つのP、哲学、規範、思想(フィロソフィー、パラダイム、ポリシー)の枝葉であるポリシーすら持たない乗り物が、質感の高さを持ち得るはずがありません。
 ですから、芸術性が大切になるのだと思います。しかし逆説的に芸術性を高めるには何が必要なのかと考えれば、そこにある種の厳密性が必要となります。対象を観察し分析して、得られた情報を再構築しなければ再現性のある芸術ではなく「偶発」でしかないからです。
 そうなれば、先ほどから展開していたエンジニアリングとしての緻密性は、その必要性を十分に帯びてきます。つまり結論はいつも中庸となりますが、エンジニアリングを高めつつもアートの要素も同時に高なければ、求める質感を得る事が叶わないはずです。

 どちらか一方に偏らず、同時進行であるべきです。ただ、私自身はエンジニアリング的緻密性が欠如している様で、芸術性の方法論をエンジニアリングに用いている事が、最大の特徴であり、それは他者比較で非常に優位であると同時に大きく劣った部分と言えます。
 その劣った部分を補うのは私自身ではなく、周りにいる友人知人を頼り、彼らの知見を自分の一部とする事で大きな飛躍がなされる(し、なされてきた)のです。

 これからも曖昧さを求めつつ、そこに内在される厳密性を読み解く事により、最良のパッケージを車両に落とし込んで行きたいと思います。

 

56レーシングのライダー育成について

 56レーシングと一緒にレースを戦う意義は、監督が話す様に世界で通用するレーサーを育てたい。その場を通して私自身も色々と吸収したいとの思いからです。

 その一方で監督とそのお父さんが常々おっしゃっているのは、人間教育です。単に走るのが速いライダーに育てれば良いのではなく、社会人として一人の人間として立派な人格に育てば、レースを離れた後でも、社会で、世界で、通用する人材になる。そう話しています。

 前回のレースは全日本併催のCBRカップを二人のライダーが参戦しました。田中選手は初日の走行で転倒し、脳震盪により出場できませんでした。

 もう一人のライダー、梶山選手はチャンピオンシップがかかったレースに緊張しながらも、自信を持っている様に見えました。練習走行、予選へと少しづつタイムも詰めて決勝は優勝を狙っていたはずです。しかし、レースが始まり一周目を終える頃にマシントラブルでリタイアになりました。

 すぐにティームテントを尋ねましたが、お通夜よりも沈んだ空気に、かける言葉もありません。周りにいた人たちに状況を尋ね、リタイアの原因を知りましたが、梶山選手はトランポの中で苛立ちと悔しさが入り混じり、泣いていたそうです。
 そんな時間が15〜20分続いた後、親御さんに促され梶山選手が表に出てきました。皆の前で「誰も悪くありません。応援して頂いた皆さん、ありがとうございます」と状況を受け入れ、挨拶をしました。

 野球の野村監督が度々「野球選手を引退した後の方が人生は長い。だから社会人としてしっかり選手を教育しなければならない」と話されています。今回の梶山選手も全く同じ状況だと感じました。
 悔しい気持ちはあって当然ですが、そこで気丈に振る舞うのは大人としての礼儀です。

 私はレーシングティームの雰囲気は監督ではなく、ライダーが作る(醸し出す、または醸成するとも表現できる)物だと思います。だからこそ、ティームが沈んでいたり雰囲気の悪い時こそ、ライダー自らそれを打破しなければなりません。
 若い梶山さんは自身の置かれた状況において、最大限の事をしてのけたと思います。これはつまり、56レーシングのライダー育成が狙い通り進んだ結果なのです。

 トラブルが発生し、それによりライダーが抱えた苦悩は監督以下、ティーム一丸となり対処しなければならないでしょうが、期せずしてライダーの成長を強く実感させられました。

 以上はティームから一歩離れたて観た、私の感想です。監督も当然ですが、メカニックの3名は本当に苦しいはずです。これにめげる様な構成員ではないと知っていますので、次回のNGK杯では万全の状態でレースに挑めると信じています。

今日は加工ばかり。

 今日はTZM50のYECを作業し、エア抜きのためのドレンボルトを改造しました。

 

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 クアンタムのシリンダーも完成し、内径の仕上げに本日出荷しました。

 

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 CBX1000のリアショックも作業を進めています。このダンパーはWGPで500を走った経験もある宮城光さんの品です。以前もCB750のダンパーを依頼いただきましたが、新たな作業を手掛けています。

 

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 GPz750のリアショックは完成しました。旋盤で部品を作り、再使用が可能になり今後のメンテナンスは多少安価に進められます。

 

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 11月に入り、天候が良い日が多く週末はツーリングのライダーを沢山見かけました。そのおかげか、普段なら暇な11月が少々慌ただしくなっています。納期も遅れない様に張り切って作業にあたります。

 

 

論文を読む

 友人がサスペンションに関する論文を発表し、今日はそれをさらっと読みました。

 学がないので細部を理解する事は叶いませんが、大枠の部分ではなんとなくわかります。若い時分に学習を怠ったのが響いてきます。しかし、そこで大学などへ進学し勉強していたならば今の自分があるとも思えません。理解したいという強い思いがあれば、今から学べば良いだけの事。と考え、当社の若い従業員か友人に講義してもらえば良いな。と都合よく捉えております。

 必ずしも高等教育を受けなければいけない。とは思いません。大切なのは対象を細部まで分析し、再構築する能力であり、それは学校に行くから学べるのではなく、対象の本質を理解する手段が必要で、それはどこでも学習可能です。
 師事する方によりその学習効果にかなり差が出ます。私は幸い周りに恵まれており、仕事や遊びの場で学習できています。幸運な事です。

 ※写真に意味はありません。

 

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思考の階層 

 今日はサスペンションセッティングを進める際の、考え方を考察してみます。

 考え方には順序があり、それを段階別に進めてゆく事を、私は思考の展開と呼んでいます。展開は水平と垂直の二方向にとされ、垂直方向には階層があります。その深度(または高度)を掘り下げる事が重要だと思います。水平方向は考え方の幅と規定しています。

 例えばサスペンションセッティングとは?との設問に対し、答え・前後サスのバランス。
 前後サスのバランスとは?答え・ピッチングセンターの調律。
 ピッチングセンターの調律とは?答え・バイクの仮想回転軸を任意の位置に設定する。
 バイクの仮想回転軸を任意の位置に設定するとは?ライダーが感じる丁度良い位置へバイクの回転軸を合わせる。
 ライダーが感じる丁度良いとは?これは三半規管を指します。

 上記の点を総合した答えは、ライダー(すなわち三半規管)が感じる心地よい動きを作り出す。の意味になります。この場合、4回展開して5階層の思考があった事になります。
 勿論これらの階層を繋ぐ階段とも呼ぶべき文脈(Contesto)があり、それは経験と学習により培われ導き出されます。たった4度の展開で5階層を作り出すのに、10年以上の歳月の中で幾度となく疑問が浮かび、仮説を立て、検証し、確信へ変わりました。

 結局は乗り物とは人間が操るものであり、どれだけ操り手に寄り添う事が出来るか否か?それが「現場」では一応の答えとしています。

 サスペンション屋がセッティングを語れば、なんとなく分かりやすい処方箋や解決策(Soluzione)が用意され、簡単に理解できると思われるかも知れません。理論的には理解できてもそれを体感し、それを自らの血肉にしなければ本当にセッティングを理解したとは言えません。

 最近の風潮、と言うよりも大衆(オルテガの言うところ、考えない人たち)は常に複雑な事を簡単に説明される事を望み、その分かりやすい説明をする人間を頭が良いともてはやします。
 ですが、それは本当に頭が良いのか?と、常々自問してきました。そこで私がたどり着いた結論は、複雑な事を複雑に考え、単純な事は単純に考える。と言う、極めて当たり前の事でした。

 単純な事を複雑に、複雑な事を単純に語る。大衆はこれを求めます。しかし、私はそれを(全ての説明が、とは申しませんが)ペテンだと断じます。目の前の事象を見えるままそのままに受け入れ、考え、答えを出すのが一番正解に近いのではないかと、そのように思うのです。

 私は自分の説明が長くある意味では冗長に思えるのですが、それには勿論意味があります。前提条件とも捉えていますが、ある事柄を説明するのであれば、特にサスペンションセッティングと言えば、バイクの基本特性を踏まえた上で、車高調整、スプリング、伸び減衰、圧減衰のそれぞれを更に前後で考え合わせる必要があります。その複雑系を簡単に説明出来るのでしょうか?答えは否です。
 ですから、自明の理として説明は長くなります。その理論仮説を自分自身で咀嚼し、新たにライダーそれぞれで独自のセッティング理論、この理論を手順や段取りと言い換えても良いのでしょうが、それを構築してゆかなければなりません。
 それが面倒であれば、代金を頂戴しセッティングを私共のような専門業者が代わりに行います。

 明日は上記の内容を踏まえ、セッティングを行う前段階として思考の階層について動画で話をしてみたいと思います。人が直感により複雑な思考パターンを跳躍して結論へたどり着くように、私の経験による跳躍についても解説してみたいと思いますが、上手に説明出来る自信はありません。この辺りは羽生善治さんの「直感力」という本で詳しく述べられていますので、参考にしてください。

 説明は勿論長くなりますので、興味のある方はどうぞご覧ください。
 

 

BMW F30を長距離乗りました。

 昨日は夜中に大阪へ、納品に出かけました。

 兄のBMW3シリーズのF30を借り、片道550Kmを走破しました。これだけの長距離を乗ると、普段使いでは気づかない点が見えてきます。

 足回りの評価は大きく変わりませんが、加速減速は100Km/h以上の速度でも余裕がありました。ターボが付いているので、E90のNAエンジンとは比較になりません。しかし残念なのはエンジンや排気音が抑えられているせいで、車内、車外問わずに若干物足りなさがあります。
 これも普段使いを考えれば良いのだと思いますが、ちょっとだけ残念でした。

 空気抵抗もかなり向上した様で、風切り音がかなり抑えられていたので、長距離移動の疲労はかなり低減しています。シートも程よい硬さなので、腰も痛くなりませんでした。

 他の年式、グレードで違いがあるのかは知りませんが、特筆すべき素晴らしい点を発見しました。それはマニュアルモードでシフトダウンを行った場合の、操作に対する忠実性です。E90やメルセデスのW211ではシフトダウンを行っても、操作に反応せずエンジン回転が下がるのを待ち、シフトダウンが行われます。
 しかし、F30のオートマはシフトダウンに即座に反応し、しっかりとギアが下がります。これを可能にしているのはインジェクション化と、ドライブバイワイアー、オートブリッピング機能の進化の併せ技だと思います。
 エンブレの効きも悪くありません。バックトルクリミッターを備えた様な、程良いバックトルクの逃し感もあります。

 アルバイトの梅山が教えてくれたのですが、最近のATはトルコンながらロックアップ機構があり、ロスが少ないそうです。ATに関してはかなり良いと思いました。

 ダンパーの動きですが、スプリングは低めのレートです。これはロール量から推定できます。それに反して圧減衰はちょっと強めで、伸び減衰は弱すぎます。そのためふわふわ感が強めにです。BMWの基本特性は前述の減衰比が多く、そこが私には合いません。これはすぐに作り直したくなります。兄から依頼があれば、ぜひ試したいですね。

 燃費が良い点も助かります。金銭面もよりも、給油の回数が減り面倒がなくなります。今回は満タンで出発してから大阪をまわり、帰路の浜松で入れました。
 合計1,200Kmの距離を走りました。出発前と浜松の二回しか給油しなかったので本当に楽でした。

 バイクも車も長距離を走らなければわからない事が沢山あります。皆様もたまには長距離ツーリングやドライブへ出かけてみては如何でしょうか?きっと楽しめるはずです。

 

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シリンダー製作が進む

 本日は、クアンタムのシリンダーのテスト本番品が仕上がってきました。

 確認のため一本目は細部を慎重に測定しながら削り、この試作品が問題なかったのでこのまま残りの3本も製作にかかります。NSX用のダンパーですが、この長さが製作可能になったので、二輪用も作るのは問題なくなりました。

 長いため材料代と加工の難しさが重なり、製作費用は少々高くなります。ただ、ステンレスを使う事で急激に減る事なく長期使用に耐えることを念頭に、作りました。
 重量面では圧倒的に不利ですが、一度作れば(乗り方によりますが)数万Kmは大きなトラブルなく使用できるはずです。

 価格の問題もあり、今回はコーティングを行うか微妙ですが、作動性よりも耐久性を考慮してイオンプレーティングやDLCを施しても良いと思います。
 今後も、高性能で高品質な部品を作り、お客様の困ったを解決して行くつもりです。

 

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ビルシュタインの分解

 フェラーリの456GT用Bilstein(ビルシュタイン)をオーバーホール中です。

 こちらも動画で紹介しようと思いますが、写真でご覧いただける通りかなり泡立っています。オイルもかなり汚れているので、性能の劣化は激しいはずです。逆を言えばオーバーホール作業の効果はかなり感じ取りやすいと思おいます。

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昨年ですが、911タイプ996の純正ダンパーを作業した時も、お客様が慣れた近所の道を走った際に、ギャップが感じられなくなったと連絡くださいました。

 456GTは4座と言えども本質はレーシングカーですから、その乗り味はかなりスポーティーです。私が感じた限りではバイクと同じくらいのエキサイティング(イタリア語では動詞でeccitarsi,名刺はeccitazione)を得られました。この最上のエキサイトを感じるためにはエンジンは当然の事とし、サスペンションも重要な役割を果たします。そのためしっかりとしたエア抜き作業、最適なオイルシールを用い上質な動きを作り出せば、その楽しみをより多く感じられるようになります。

 ロッドの表面処理、ケース・ロッドガイド(シールヘッド)、オイルシール、ガイドブッシュ、ピストンリング、フリーピストン、エア抜きの手法、各種治具を含め純正をベースにとことん作れば110万円の見積もりとなってしまいました。

 今回はそこまでの作業は行いませんが、重要な部分に手をいれる内容です。それでもなかなかの価格になりますが、それは性能に直結しますので、お客様には喜んでいただけると自信を持って作業しています。

 

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 写真でご覧いただいているのはガスとオイルを隔てるフリーピストンです。このフリピ(写真左)はOリングのみでピストンリングを持ちません。これを写真右のピストンリング有り交換する事で動作を安定させて、更に動きをよくすることも可能です。高さは純正と同じなので、寸法上のデメリットはありません。むしろギリギリの設計の中で作られた、456のフロントにはストロークの余裕を作る事が可能になります。

 

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 ロッドと相対するドライベアリングは、長期使用により地金(バックメタル)が現れています。こうなる前に早期のオーバーホールを推奨します。
シールヘッドを新造すれば、オイル室側にベアリングを持って行く事で潤滑性を高め、磨耗を遅らせるような特別な仕様にも作り替えられます。

 

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 将来的にはFGの様にイタリア製でフェラーリのダンパーを作ってみたいと考えています。ツインチューブのFFX.Tの最新機構により、スポーツとコンフォートを高い次元で両立させるのが目標です。

 

宮崎駿さんとサザンオールスターズ

 私が幼少の頃から好きな物を上げるなら、宮崎駿さんとサザンオールスターズです。

 ラピュタ、カリオストロの城、ナウシカ、紅の豚、魔女の宅急便、耳をすませばが私の好きな宮崎作品です。

 サザンオールスターズは、1990年までが大好きで「サザンオールスターズ」と「人気者で行こう」を頂点に「Kamakura」も素晴らしいと感じています。

 上に挙げた作品以降、宮崎さんもサザンも作品の質が低下し、悪くなった、質が下がったと感じていました。しかしそれは時を経るにつれ、間違っているのではないかとの疑問が頭をよぎる様になりました。
 自分の好きでない形に変化した彼らは「質の上下」ではなく、単なる変化、換言すれば「左右方向への変化」をし、私の好きな形から変質しただけではないか、その様に思えたからです。時代の風景、作家が感じている空気(雰囲気)、持てる技術(作品として落とし込める能力)が受取手としての私の感性に(その時)たまたま合致した結果、私的に最高の作品だと結論に至ったのではないでしょうか。

 であるなら、多くの物事は変化の中でたまたま私の感性と交わり、絶対的な良し悪しではなく(その時代のその個人における)相対的な良し悪しの中で評価され、愛されていくのだと思います。

 車両も同じです。実はなぜかバイクや車の「乗り味」は時代性という、なんだか曖昧な事が色濃く反映されています。技術という制約があるせいなのか?同時代の先端を行く人間は同時に似た様な事を模索し探し当てる様に思います。
 ある科学者が言うには、アインシュタインが居なかったとして、暫くすれば代わりになる人間が現れ相対性理論を完成させた。と言うのです。これはとても説得力があります。他の先端科学や研究の分野は、似た研究をしている人間が多数おり、ほんの少しの差が名を知られるかどうかになって現れる様です。

 私は自分の仕事を他者と比較する機会がなく、どの立ち位置で(ある種の研究ともいえる)仕事をしているのかわかりませんでしたが、ある同業者の友人と知り合えた事が、自分のポジションを明確にしてくれました。それは大きなメーカーが求めている事と変わらぬ部分を目指し、本質の部分では求める終着点に割と近づけている様な気がしています。それを知れたのはとても大きな自信になりました。

 この終着点は近づけば近づく程、距離が遠くなると言う大きな矛盾を孕んでいます。一般的に言えば無知の知と言うやつですね。知れば知るほど無知な自分を知ってしまう。悲しい現実です。しかしこれが楽しいから、仕事を続けていられるのです。
 もし、転職を繰り返し自分が情けない人間だと感じているのであれば、求道者よろしく、一心不乱に求めれば道が開けるかも知れません。

 結論は、なんなのか分からなくなるのが私の悪い癖。閑話休題。要は芸術も科学も時代性と雰囲気が、大きな要素であると理解しています。

 

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