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マルゾッキのO/H

 リザーブタンクのない古いマルゾッキをO/Hしました。

 オイルシールの部分が特徴的な取り付け手法になっており、この形状のマルゾッキはO/Hができないお店も多いと思います。これを解消する手法は既に開発済でしたから、難なく作業を行えました。
お客様にはいつも提案するのですが、ロッドを保持するロッドガイドという部品は、俗に言う当時物(現代のコピー品でも)の場合ガイドブッシュというドライベアリングが使われていません。そのため、硬質クロームメッキとアルミが直接に摩擦する状況にあり、長持ちしません。これを解消するために、旋盤加工でドライベアリングが使えるようにします。
 動きがなめらかになり乗り心地も良質になると同時に、ロッドへの攻撃性が著しく低減するため耐久性、詰まりO/Hサイクルも長期化します。

 しっかり作り直すと予想以上に良い動きをするダンパーなので、O/Hを希望する方はなるべく手を掛ける事を奨めます。
 今回のO/H金額は塗装等を除き、機能面をしっかり回復するために12万円程度でした。

 

 

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クアンタムのリアショック、ブッシュ製作も

 この数年で依頼が急増しているクアンタムの話題です。

 今回はO/Hと併せ、上下のブッシュも製作する運びとなりました。
 クアンタムの上下取り付け部分は、ゴム、プラスティック、ベアリングなど様々ですが、主にゴムの場合はひび割れを起こして本来の性能を損ないます。これは他社でも同様ですが、ゴムブッシュを採用しているダンパーは気をつけて下さい。

 そういう訳で、穴の内径とステインレスカラーの外径を測定し、制作するプラスティックカラーを圧入したあとの寸法を想定して作ります。
 圧入するとその歪でブッシュの内径も小さく変化します。この変化の割合は自分で造ったことの有る方なら実感していると思いますが、私も最近は上手になり寸法の調整が思う様に進められます。やはり加工は現物の寸法をしっかり確認しながら調整しなければなりません。怠けて手を省くと結局使えない品物となり、二度手間で余計に時間がかかります。

 プラスティックカラーは滑りの良さと耐衝撃性も悪くないので、ゴムと比較して若干鋭敏な印象になりますが、バネと減衰の調整を綿密に行えば、私見ではゴムブッシュよりもバイクを楽しむことが出来ます。

 一台分だと部品点数が8個となります。価格は概ね2万円ほどです。O/Hだけでなくこの部分のゴムブッシュ交換に頭を悩ませている方は相談して下さい。

 

 

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CBX400FやCBR400Fのリアショック

 この2ヶ月ほどはSHOWAのエア加圧型リアショックが多数入荷しています。

 何度も当ブログでは取り上げていますが、ショックが伸び切った際に衝撃を和らげるリバウンドストッパーが砕けてしまい、それがオイルの通路に詰まり過剰な減衰を発生し、動かなくなります。

 そこで完全に分解して粉々になったプラスティックのような部品を掃除して組み直します。部品点数は多くないので、分解さえ終われば手間ではないのですが、その分解が手間なのでなかなか一般のサスペンション屋さんでは手を出さない様です。内部にはカシメもあり、一度分解すると戻すことも儘なりません。
 カシメ型をかなりの本数手掛ける当社では、そこを解消できたのが大きな差になっています。

 価格は送料税込で6~8万円が相場となります。低価格では有りませんが、純正を再使用したい方には朗報だと思います。

 

 

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クアンタムを作業中

 クアンタムなど、少数派の依頼が増えています。

 当社は他でO/Hできない、し難い製品を好んで作業し、まるでランチェスター戦略のようにマイナーな品物に対し経験を増やしてきました。

 クアンタムはその筆頭です。数年前は作業するのが面倒に感じていましたが、特殊工具を増やし作業を楽にして効率を上げ、依頼に対して積極的になれる環境を構築しました。
経験が増せば、そのダンパーのもつ問題点も把握しやすくなり、シリンダーやロッドの制作にも着手し、困っている多くのお客様の助けになれたと感じています。

 クアンタムはモノショック、ツインショック、四輪用など多様な品がありますが、大抵はO/Hが可能です。作業工賃は4万円からと一概に価格を明示しずらいので、問い合わせ頂ければ過去履歴から細かい見積もりを提示いたしますので、問い合わせ下さい。

 

 

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MC18,NSR250のFGリアショックO/H

 当社で企画し制作したNSR250のFGですが、回り回ってO/Hに入ってきました。

 それほど沢山の数量を作ってはおりませんので、造ったときの状況や情景が思い浮かびます。

 この個体はFGとしては珍しくアルミシリンダーを用いました。車高調整機能はダンパー本体には有りませんが、車高調整リンクロッドを自作してそれと組み合わせる形で調整を可能にしてあります。
依頼があれば写真のようなNSR用リアショックは製作いたします。価格は仕様により変わりますが16~25万円程度となります。興味の有る方は問い合わせ下さい。

 

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GSX-R1000/K1のリアショックFG

 昔からの友人が小さな代理店を行っており、当社にO/H依頼を送ってくれます。

 今回の依頼はK1のFGです。

 FSM11と呼ばれるφ46シリンダーの油圧アジャスターを備えたモノショックで、ツインチューブが主流の現在では普通のリアショックですが、20年ほど前は最高峰の仕組みでした。FGはオイルシールとロッドが頑丈なのでオイル漏れが(イタリアの工場で組み間違えない限りは)少ない事が特徴に挙げられます。
 それだけでなく、オイル漏れが起こりづらいオイルシールはただ硬いだけでなく、ロッドのストロークも滑らかな動きを実現するなんとも不思議な感覚です。現在はその謎を解き明かしたのですが、その助けとなってくれたのはメーカー勤務の友人でした。

 話はそれましたが、FGの基本特性の良さは現在でもしっかり受け継がれています。今回はロッドの状態も良く研磨だけで再使用が可能となります。エア抜きの穴が開いておらず、旋盤で加工してバキュームポンプで簡単に作業が行えるようにしてあります。ダンパーの仕組み、精度、部品の質は前提条件として大切ですが、最終的にそれらを設計値の通りに動かすためにエア抜きが重要課題となります。
 そのためにも前述の加工を行った次第です。

 FGに限らずご自分のリアショックを精度高くO/Hを行いたい方は、ぜひ連絡下さい。

 今回のO/H料金は送料税込で5万円弱でした。

 

 

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シャークなる謎のリアショックをO/H

 SHARK FACTORYのKHL1なる謎のリアショックをO/Hいたしました。

 タイか台湾のメーカーと聞き及んでおります。

 構造は一般的ですが、これまで観てきた大陸アジアメーカーの品としてはかなり良質です。数年前から日本メーカーの立場も危ういとは感じていましたが、すぐ後ろまで迫っているのは間違いなさそうです。

 使われている部品や仕組みは特殊なこともなく、O/Hは無事に終わりました。片側だけの作業依頼でしたが、料金は税込みで概ね3.5万円です。

 

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Z125Proのフロントフォーク

 https://youtu.be/C7Wtx7SNnQc

 この動画でZ125Proのフロントフォークの構造を説明しています。

 一般的な倒立フォークと違う最たる点は「カートリッジがない」という事です。カートリッジとは減衰力を発生する心臓部です。微細な調整を可能にする高性能ダンパーの代名詞とも言えますが、Z125Proは倒立フォークでもそのカートリッジは有りません。ではどの様に減衰力を発生するのかといえば、昔ながらのピストンバルブ型でした。 

 これはオイル通路の穴径で抵抗を得ますから、速度自乗となり狙った領域を外すと思うような動きを得られません。正立フォークでもカートリッジを採用した車種は多々あります。

 Zのフロントはスプリングを外すのにインナーチューブとブラケットを分解しなければ取り外せないのも、操舵性を変更しづらい難点とも言えます。その構造もありオイル量と油面管理は微細には行なえません。

 それらを踏まえた上で、色々と改造するのも面白いと思います。思い通りの動きを得るのは難しいでしょうけれど、楽しみながら挑戦してもらえれば何よりです。

 

 

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NZ250のリアショック

  以前にも依頼があったNZ250ですが、ブログを御覧頂いたお客様が新たな依頼を下さいました。

  NZの純正ダンパはカシメ型です。一般にはO/H不可となっていますが、当社は技術開発により問題なくO/Hを行います。今回の作業では税込み送料込みで77,400円でした。納期は14営業日程度と、一般的な進行で無事に終えられました。

  O/Hの他に再メッキは割とよくある内容です。さらにガイドブッシュの加工と呼んでいますが、ダンパオイルを含んだ焼結材で保持するロッドガイドに旋盤で加工を行い、ドライベアリングを圧入。これによりロッドは長持ちするし大きな荷重がかかってもなめらかに作動するため、乗り心地も良くなる有益な加工です。金額は高くなりますがカシメ型はO/Hに回数制限がありますので、この加工を行えばオイル漏れの確率を下げられるし、そうなれば長期的な費用もおさえられるため、是非とも実施して頂きたい箇所です。

 カシメ型のO/Hを始めて既に5年以上が経過しました。この1~2年は依頼件数が増加して月に10セット近くを作業しています。純正を作っているメーカーを除けば、日本で一番カシメ型ダンパーに精通していると思いますので、O/Hに悩む方は是非相談下さい。

 

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マルゾッキのツインショックあれこれ

 マルゾッキのツインショックを進めています。

 ロッドが傷んでおり再メッキに出荷してその戻り待ちですが、ロッドの話題に乗じていくつか説明します。

 マルゾッキは古い品はロッド径がφ9です。かなり細い部類です。年式により若干太いφ10もあります。そして主流(といっても70~80年代の話ですが)はφ12です。ここまでくるとツインショックとして必要最低限は備えている。といった印象を受けます。

 写真を載せますが、マルゾッキはロッドとガイドが直接接触をしています。そのためにロッドに傷が入りやすいし耐久性も低いのです。そこでご覧いただいているように、旋盤でロッドガイドを加工してブッシュを圧入し、現代的な仕様へと改めます。これにより耐久性と作動性を確保できますので、O/Hの頻度が下がるし乗り心地もよくなり良いことづくめです。
 ですが加工を行う訳ですから金額は高くなります。それでも初回の加工が終われば継続して使用できますため、長期的には負担が減ります。

 写真の部品は古い上に鋳造部品のため、旋盤加工によりスアナが顔をのぞかせました。しかもかなりの数があります。古い部品が過剰とも思えるほどの肉厚を有している理由です。

 マルゾッキは基本的なO/Hとガイドブッシュ加工にロッド再メッキを含んで概ね12~15万円の価格帯で作業となります。再メッキとガイドブッシュ加工がなければ4~5万円は料金が下がります。

 マルゾッキを良くしたい、直したいと思う方は一度相談して下さい。

 

 

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