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オーバーホール

Z400FX

 カワサキ・Z400FXのリアサスペンションオーバーホールを行いました。

 カシメ型と呼んでいる品ですが、純正の外観を崩さずに整備を行うには、幾つかの課題があります。去年の8月にその問題点を解消し、商業ベースに乗せることが出来ました。それより前は、複雑な構成で寸法誤差の許容範囲が狭い、難しい方法で対応していたのですが、現在は手法を変えることで価格も納期も下げられました。これは発想を変えて出来た事なので、作業者である自身の満足感も高い仕事です。

 古いダンパーなので、ガイドブッシュや摺動部の粗さが目立ちます。ガイドブッシュの追加工や使用部品の高品質化により、作動性を上げています。ロッドを新品に交換して、上下のブッシュなどあらかた新品にした場合は、バイク一台分で10万円が目安となります。

 

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25年

 先日依頼を頂いたお客様の車両は、CB400SFのNC31でした。初期型のシリンダーにフィンが無い型です。

 25年前に新車で購入したまま、ずっと乗り続けている車両でしたが、驚くほど綺麗な良い状態でした。殆ど文句のつけようもありませんでしたが、前後ダンパーのオーバーホールと、若干の仕様変更を提案し、ブレーキ関連のメンテナンスも同時に行う事となりました。

 フロントはオーバーホールに、3mmカラーを製作しイニシャルを追加したところ、大槻が試乗し若干張りを感じるとの報告から、1.5mmを造り直し交換しました。リアは、伸び圧の減衰共にシムの配列を変えることで部品代を掛けず、仕様変更を施しました。リアのばねは最近の車両と違い、シングルレートを採用しているため、自然な感触があります。これはとても好ましく思えます。

 変更を施した車体に合わせ、リアのプリロードを変え、前後タイアの空気圧を様々に変更し、最良の状態を模索した結果をお客様につたえ、今後の参考になるよう提案させていただきました。

 ブレーキもマスターシリンダーをNC39へ交換していると聞いていたのですが、無効ストロークの極めて少ない当たりのマスターのようで、純正品とは思えないくらいに、良質な効き方を体感しました。NC31はタイアサイズやシート高などがバランスよく、とても良く出来た車種だと思います。年が下るほどに色々な要望を取り入れ、ちぐはぐな車になる気がします。初期型の本質を突いた車造りは、心を打たれます。

 自分のCRMでも感じましたが、強くブレーキを握りながら倒し込み、レバーを戻しながらフロントの荷重を抜くのは、横置きマスターでは少々繊細さに欠けるようです。レバーを握るとピストンとこすれる面が横移動と共に前後方向にも摩擦が生まれるため、無駄の多さが繊細な作業を邪魔するようです。見た目が嫌いでなければ、ラジアルマスターも良いかもしれません。しかし、CBのようなネイキッドには横置きマスターのタンクもさり気ない感じがして好きなので、見た目を選ぶか性能重視かで悩むところです。

 

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レガシーのビルシュタイン

 兄の乗るBL/BP系のレガシーに純正採用されているビルシュタイン・BILSTEINを改造しました。

 サスペンション形式はフロントがスラットなので、二輪車のフロントフォークと似た構造です。リアはマルチリンクのため、バイクのリアと同じ仕組みと言えます。

 フロントの問題点は、そのままでは窒素ガスを封入する口がない点ですが、これは簡単に改造可能です。以前にも車のダンパーを作業した時に経験済でした。リアも同様に窒素ガスの封入口を設ける必要があり、こちらも既存の手法をとりました。

 一番の難関は、リアのカシメによるシールヘッドの固定方法です。シリンダー先端を折り曲げるのではなく、シリンダー外周部を凹ませてあるので、一筋縄では行きません。そこで、カシメ部分から先を切り落とし、シリンダー内部にネジを切り、それに相対する部品を製作しました。時間が無い中でも各部の寸法が狙い通り仕上がり、自分の旋盤の腕が上がったと、悦に入りました。

 乗り味については、一般的にごつごつすると言われているようです。乗ったことが無いため詳細は不明ですが、幾つかの点で改善の余地があるようなので、ガス圧力と、シム組を少しだけ変更してみました。取り付けは少し先になるため、試乗の際には乗り味を報告致します。

 本当はスプリングのイニシャル量を変更したかったのですが、リアは簡単でもフロントはスプリングの受けを一度取り、再度溶接する面倒な作業になってしまいます。実を言えば、過去にも再溶接でセット位置の変更をしたことがあります。試乗の後に必要とあらば、検討します。

 リアはストッパリングの溝を切り直すだけなので、すぐにでも作業可能でした。金額の算出はしていないのですが、改造するか社外品へ交換するかは微妙な金額になりそうです。アイデアとしてはピストンの変更など出来ることは多々あります。エア抜きも真空引き可能な改造を行えます。興味のある方は、問い合わせください。

 

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RZ350のリアサスを改良

 RZの純正サスをオーバーホールしました。

 ロッドは自作のSGSA14です。このダンパーはエア抜きの機械化により、メーカー出荷時よりも高い質を得ています。更にピストンリングの追加工や、ピストン自体を交換して現代的なダンパーに改造できます。値は張りますが、純正の外観を保ったまま乗り味を良くしたいと考える方には、最良を選択だと思います。

 ロッドを造る際のネジの切り込み量を調整して、短時間で造れるようになりました。ネジ表面の仕上がりもかなり綺麗にでき、満足しています。

 

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有益な情報、SC54

 数日前にお客様か電話を頂き、話す機会がありました。

 数年前にCB1300SBのリアサスを当社でオーバーホールしたのですが、その時は販売店を通したそうで、今回はセッティングについて詳しく知りたいので、直接電話を下さいました。

 セッティングの話は脇に置きますが、お客様の言葉の中で「性能が長期間安定している」との評価を頂きました。これは昨日のブログにも書いたのですが、エア抜きの質が設計値の性能をしっかり発揮させられる要であり、それに加え良質なオイルが大切だと考えています。もちろん組む技術も大切ですが、比率としてはエア抜き4割、オイルが4割、組みが2割の印象です。

 純正は2万キロで減衰が効かなくなったが、当社でオーバーホール後は2.9万kmを走行した現在でも減衰が効いているそうです。ダンパーが効かなくなると、ダイアルを締めて硬くしても、サスペンションの動きが収まらない印象です。

 SC54と言えば神奈川県のお店が、ブログで当社のSC54のオーバーホールを褒めて下さいました。ホンキートンクさんです。自分のオーバーホールがどのような評価を受けているのかは、良い悪いを問わず大切な情報です。自社製ロッドもSC54を皮切りに発展した経緯もありますから、思い入れのあるダンパーです。

 

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NSRminiのクアンタム

 NSRminiのクアンタムを依頼頂き、部品交換と改造を行いました。

 オイル漏れの修理が主な内容ですが、おせっかいながら少し改造を施しました。クアンタムはエア抜きを機械で行わない造りなので、それを改め、真空ポンプでの作業を可能にしています。これはどのような効果があるかを例えるなら、ガソリンタンクに言い換えられます。

 容量50Lのタンクに満タンならば、航続距離500kmだとします。40Lなら400kmです。100から0になるか、80から0になるかです。出発点を同じとするなら、縦軸に容量、横軸に航続距離とすればその差が分かりやすいと思います。

 最初からダンパーがしっかり効き、その性能が機械を使わない手法と比較して持続します。

 

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TZMのYEC、ちょっとした加工

 またTZMのYECを依頼頂き、作業しています。

 TZMのYECは当社しかオーバーホールを行っていないのかと思うほど、沢山依頼を頂き嬉しく思います。私も10代の頃にTZMにYECで乗っていた縁かも知れません。

 今回は大した事ではありませんが、シリンダーの蓋を少々加工してみました。鋳造の部品の表面を旋盤で舐めただけですが、仕上がりが綺麗なため、部品交換したかのように格好良くなったと思います。

 お金はかかりませんので、同様の加工を希望する方は、一言おっしゃってください。

 

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加工あれこれ

 CRMの乗り味はかなり良く、書き始めると相当長くなりそうなので、週末に譲ることにします。

 今日は旋盤加工が多く、新しバイトも造ったのでそれらを紹介します。

 FGの部品を製作していましたが、突っ切りに油を使わずゴリゴリ刃押し切ったら、写真のような汚い面になりました。これは後で端面加工をするので、問題ありません。その次に突っ切りで仕上げる品には、ワコーズのTCを存分に使いましたところ、綺麗な仕上がりとなりました。これは薄くてつかみずらいため、一度の加工で終わらせるために、切削油を用いています。

 アッサブの完成バイト8mm角を削り、正面から溝を掘るバイトを製作しました。横移動により、リブ加工もできます。シールヘッドにトップアウトスプリングやリバウンドストッパーを取り付ける加工に便利です。仕上がり面は思いのほかきれいです。8mmを正面から押し込むので、かなりビビると予想したのですが、かなりシャープな仕上がりに、大変満足しています。出来てきたキリコは大槻の表現を借りるなら「チョコレートの包み紙」です。

 

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ヤマハ・SZR660

 鎌ヶ谷のお店から依頼があり、ヤマハのSRZ660純正ダンパーをオーバーホールしました。

 ザックス特有の造りは、純正部品が手に入らない立場では作業が不可能なため、造り物で対応しています。今回はオイルシールのはまるホルダに、新たな仕組みで対応し、製作時間を短縮できました。ザックス純正に似た造りながら、一般的なパッキンを採用し、長持ちするようにしています。ザックス純正のオイルシールも長持ちする良い品ですが、ガイドブッシュがない焼結材とロッドが直に触れ合う仕組みは、簡素化以外の何物でもないと考えています。製作した部品は、滑り軸受を圧入してあります。

 ピストンリングも樹脂製から樹脂コーティングの金属製へ交換してあります。これは性能向上よりも、交換可能にするための変更です。シム組も変更し乗り味を少し変えました。そのほか、ロッドは自社製のSGSA14です。

 

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日々の仕事

 通常業務で多いのは、何と言ってもオイル漏れの修理です。

 中古車販売店様から売れた車両の補修や、長期間の使用で漏れたなどが大半の理由です。車種はスーパーフォア系が圧倒的に多く、オーリンズを含めツインショックは全体の半数を占めます。そのほか、フロントフォークや車体預かりの改造など、珍しい物では機械による部品製作のみなどもあります。

 

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