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ダンパー仕様変更

HO8904 NSR/NSFなどのTTx

 オーリンズのNSRminiやNSF100用のTTxですが、四月ごろに発注しておいた品が届きます。

 スプリングはアイバッハ、ハイパコ、ハルスプリングなど色々と選べますが、今回は在庫の有無などで入手しやすかったハイパコを選択しました。

 新品ダンパーを分解し減衰特性の変更、自由長変更、バネ交換などを行います。オーリンズは正規品を使わないと取扱停止となりますため、内部部品に関しては取り決めに従い進めます。スプリングもオーリンズ純正を求められますが設定がない定数であり、お客様自身に交換していただく前提で販売を行なっております。

 減衰特性変更やストローク延長を含め税抜きで18〜20万円となりますが、最初から過不足なく使えると思いますので、必要の際は申し付けください。

 

 

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アプリリア、RS660の純正ショックを分解

 ちょっとした依頼がありまして、アプリリアの新型車両RS660のリアショックを分解する機会に恵まれました。

 最近の欧州車は日本製ショックを使う事が増えて、Ducatiの安価なモデルと同様にこのアプリリアもKYBを採用していました。とはいっても近年のKYBは非常に優れた性能を発揮するので侮れません。ダンパ開発に携わる知人からもKYBの基本性能の高さをきいています。

 RS660に使われているボデーはシリンダの内径が40mmなので最低限の性能を担保している程度です。それに伸び減衰調整を備えており、なんとか使える仕様です。シムの外径も一般的な寸法で特色がないとも言えますが、使い勝手が良いと捉える向きもありますから、汎用性が高く部品の入手も容易で便利な作りです。

 ダイアル調整で伸び減衰を強めると圧も同時に強まる両効きなため、基本設定が大切になります。しかしこの車両においてはやや圧減衰が立っており、伸び減衰を強めると同時に強まる圧減衰を邪魔に感じると思います。
 そこで今回は圧のシムを抜いて動きが自然になるよう整えました。

 その他にロッドの表面はかなり荒い仕上げで、仕上げ加工は一切行っていいない様に見えます。本当のところは分かりませんが、オイル漏れが早期に起こるのは避けたいと考え研磨を行なっておきました。

 リザーブタンクはありませんが、ガスバルブは最初から備えており最近のKYBは作業性が高く、好ましく感じています。

 リアショックの取り付け位置からレバー比を算出し、逆算してスプリングレートを想像しました。その値は13.9Kでしたが実測値は13.5K前後と、ほぼ予想通りでした。これに関しては法則を理解できていれば外さない部分ですが、知っているかどうかは大きな差です。
 逆に予想に近い(各部の誤差を考慮しても)ということは、メーカーの思想も理解できて、自分で一からスプリングレートを設定しなければならぬ状況に陥った際に、基準値を持っている訳でそれはとても安心感があります。

 もしRS660で何かしら仕様変更を望む方がいらしたら、問い合わせください。

 

 

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VTR1000SP2

 https://youtu.be/gp9iMOE-2Bs

 本日の動画ではSP2の前後ショックを仕様変更した話を、長々と語りました。

 これまでに何度も説明していますが、SP1・2問わずに最大の懸案事項はフロントフォークのイニシャル量不足です。これを解決するだけで、足回りに抱える問題は大半が解決し後は作り込みというか、細かい好みを仕上げてゆく作業になります。

 と言う訳で動画内でも話していますが、ブログにて文章化して自身の思考をまとめたり動画では伝わらない部分を解説してみようと思います。

 これまでとは違った感触を求めて、新たなセッティング手法を取り入れました。しっかり目のスプリングレートでイニシャル量を少なめにすれば、サスの動き出しはふんわり柔らかく、奥の踏ん張りはスプリングレートで演出できます。使い古された手法ですが実効性が高いので、価値はありますし私も好きな手法です。

 ただ、奥の踏ん張りに関して初心者の方にはやや扱いづらい面があります。それは意図して入力を行わないとサスが動かしづらいので、知らない方は曲がりずらいと感じる事でしょう。
 新たに採用した手法は上記と逆で、硬くないバネにプリロードを適量かけて動き出しからボトムまでを平均的な動きとして、二次曲線にならないよう配慮してあります。
 初期のスプリング圧縮量がそれなりにありますから、動き出しはやや(ほんの少し)張った感じを持ちます。しかしブレーキを握れば軽く沈み、そのまま動きを止めずにムニャムニャと動きます。

 この動きを取り入れるための契機となったのは、動画で観ていたショックの動きです。マン島の荒れた路面を走る車両やトライアル車。それにモトクロッサーなどです。一定の動きを演出できれば新しい世界が開そうだと閃き、これまでも近いセットアップを試してきました。今回はそれを明確にしてより推し進めるセットになっています。

 メーカー純正の前後サスペンションの多くは、明確に弱いバネにプリロードを沢山かけています(最近はこの傾向から逸脱する例が多くなってきましたが)。だからストロークの深い位置でも半力が弱く、ブレーキを握り込むような場面であったり、ギャップの走破性が高くありません。
 バネが柔らかいので乗り心地は良いのかと考える向きもありますが、さにあらず。衝撃吸収性が不足しており乗り心地も良いとは言えません。なぜあのようなセッティングが主流なのかは理解に難いが、否定も批判もする気はありません。ただ自分の好みに合わなければ変更する他に、しようがないのです。

 冒頭に説明した硬めのバネに少ないプリロード。その逆。両者の差はそれほど大きくはありません。前者ならフォークスプリングを0.95~1Kを選び、後者ならば0.9~0.95Kです。
 この差の中でどの様にショックの動きを演出するのかが勝負になります。そう言った意味で、今回のSP2は極めて満足のゆく仕上がりでした。

 SP1と2を合わせて4台ほど前後ショックの仕様変更を行なってきましたが、その経験から知り得たのは「純正の減衰設定でもそれほど悪くない」です。今回の依頼では減衰に関しては全くの手付かず。それでもかなり良い感触です。
 フロントは純正のスプリングレート1.05Kでは沈み込みが重ったるいので、圧減衰を強められません。そこでバネの値を弱めて減衰の自由度も獲得できます。減衰を弱めてバネの自由度を確保する事も手段としては可能ですが、二気筒のリッタースーパースポーツを街乗りするには硬いとの判断から、バネを弱める手法を選んでいます。

 写真の入ったSDカードを会社に忘れて、自宅でブログを書いております。後日、写真も載せますのでお待ちください。近日、リアに関する記事も上げますので楽しみにしてください。

GSX-S750の前後ショックを改造

 昨年、ローダウンの依頼で作業を行なったGSX-S750が、ハンドリングを向上させたいとの意向により預かりました。

 40mm下げだったのを慣れてきたから20mmほど上げ、それ以外は自由にさせてもらえるので前後ショックを仕様変更する運びとなった訳ですが、予算もそれなりに潤沢でありましたから、リアショックは在庫で持っていたFGへ交換です。FQEというイニシャル、伸び減衰、車高の基本3点を抑えた割と好きなモデルです。

 今回の依頼でのべ3台目となるGSX-Sなので勘所は把握していました。各部の寸法は問題なく収まり、スプリングレートが決まっていれば使い慣れているピストンデザインなら減衰設定も簡単に決まります。とは言いつつも初めて作る車両にはそれなりの熟慮は存在します。

 フロントフォークはスプリングレートに0.9Kを採用しました。ストロークがそれなりに確保できる20mm下げなので、硬すぎる値を選んで操舵性が悪化するのを嫌った結果です。
 アクセル開けまくりの人にはほんの少し柔らかく感じそうですが、それにしても悪くない値です。それに減衰も変更したのですが、単純に硬めるよりも、低速域を少し太らせつつ軽い入力ではスーッと動くようにして、更にグイッと大きな入力に対しては減衰を持ち上げる事により、ズボッと一気にフォークが沈み込まないように設定しました。

 内部の細かい話になりますがGSX-Sのフロントフォークは片側のみ減衰を発生し、反対はスプリングだけです。カートリッジは入っていますがダンパーの伸び切り寸法を規制しているにとどまります。そのため、インナーチューブ、アウタチューブのみの剛性に依っています。そこでカートリッジロッドの先端にシムを省いたピストンを取り付け、剛性部材になるよう改造を行いました。

 他方、減衰発生側のフォーク(今回は右フォークに当たります)は減衰調整機構を追加しています。これにもかなり悩む部分はありましたが、部品取りで在庫していた部材が都合よくあり、すんなりと作れました。
 単に調整機構を追加しても動きは良くなりません。調整を可能にするためにはピストン・シム系の減衰も変更しなければ良くならないのです。それだけでなく、根本の動きを変更したかったのでシム組を変更した次第です。

 一番考えたのは調整機構における調整方法です。この車両、ハンドルがフォークの直上にありマイナスドライバではかなり効率が悪い、というか不可能に近い感じでした。
 どうしたものかと思案した結果、イニシャル調整の部品に手を加えそれを減衰調整に改めました。そのため、右は減衰調整のみで左はイニシャル調整のみ。
 この着想の発端は同日に作業を行っていたカワサキのZX-6R、SFF-BFから得たのです。最近は左右でスプリングレートが違うのは当たり前、減衰もバラバラなので、今回の改造はそれに習いました。倒立フォークで剛性の高いアクスルシャフトを採用しているおかげで、このようなバラバラな部品構成が可能になっています。

 実際、車両に組み込み跨り前後ショックを動かした刹那、設定がかなり高い水準にあると確信できました。走り出しても印象そのままにとても楽しい。
 お客様も交えて意見を伺うと、直立付近から倒し込んである程度バンクするまでフロントが落ち着かない。その原因は前が高く、後ろが低いと見極め、リアの伸び減衰を抜いてなるべくリアショックが高い位置にあるよう変更し、改善できました。

 自分が試乗する前にお客様に乗って頂くの面白い経験です。サーキットでは当たり前ですが街乗りのお客様においては、殆どの場合においてお客様が乗るのは一番最後です。
 今回のように納車時はお客様の意見を取り入れ、ほんの少し手直しを行います。

 サイレンサーがヨシムラに代わって、燃料マネジメントにも変更が加えられており、タイア、チエン、ホイルベアリングも新品でした。走るには最高の状態に、今日の天気は絶好の試乗日和。試走も本当に楽しかったので施主が喜ぶのも納得でした。

 自分でも買いたくなるほどの楽しさ。スズキの750直4は至宝ですね。

 

 

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試験車両のZX-10Rに進展あり。

 BFFシステムを体感しようと購入したZX-10Rに進展がありました。

 一番大きな変更点はスプリングレートです。純正は実測値で1.2Kでとても硬いため、0.95Kへ交換しました。これだけだと実際に使えるストロークが減るのでトップアウトスプリング(伸び切り時に働くバネ)も交換です。

 減衰特性はGSX-R1000Rが街乗りではかなり良さそうなので、それを教科書がわりに大幅に減じるシム組を行ってあります。

 この後は車両に組み込み、実車で評価した後にリアショックの仕様変更を視野に車両をまとめ方を決めるつもりです。連休明けには何かしら報告できるはずなので、動画も含めて注視してもらえると嬉しいです。

 

 

2017年型ZX-10Rのフロントフォークを改造中。

 自社の試験車両のフロントフォークを改造中です。

 依頼が多く忙しいので、思うように進行しておりませんが亀の歩みで進めております。
 当該車両のフロントフォークにおいてストローク量が少ない原因はトップアウトスプリングが硬すぎて、120mmのストロークの内で実際には100mm以下になっているのが大きな要因です。そして主スプリングの定数は1.2Kgf /mmと飛び抜けて硬い値を用いています。
 これはなぜかと推察するならば硬いトップアウトスプリングでストロークが少ないので、その短いストロークで衝撃吸収を行うとなれば柔いバネでは不十分なのでレートが高くなったのではないか?と勘ぐっております。であればトップアウトを適切な長さと硬さに変更し、さすれば主スプリングの自由度が増すのは自明の理。

 ということでトップアウトは私が寸法と硬さを決めた独自製品がありそれを用いました。主スプリングは9.5Kgf /mmにしようかと思案しております。

 減衰もかなりキツいのでGSX-R1000Rを参考に割と動くように仕立て直しました。という訳で連休中に車体へ組み付けたいと考えています。

 

 

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VFR800Fのローダウン詳細

 最近は頻繁に話題に上げていたVFR800Fが完成、最後の動画を撮影しました。

 https://youtu.be/pQ-mWNCINR0

 この動画で詳細を話しています。

 前後ショックで50mm下げ、シートで10mm下げました。これだけ下げても想像以上に乗り心地はよく仕上がりました。正直相当いいです。もちろん範囲は限定されており、速度域は100Km/h以下だと思います。なぜ思うなのかと言えば、街乗りだけな上に、新車から走行距離がまだ60Km程度なので、あまり回転数を上げられないからです。

 そう言ってもこれまでの経験からある程度の予測は立ちますので、120Km/h位までは、まあ行けるだろう。と想像します。100Km/h以下なら間違いないだろうと確信がある訳です。もちろんそれ以上の速度を出すと怖いとか危ないではなくて、良い操舵性を担保できるのは。という意味です。

 しかしこれだけ車高を下げてもV4のクランク幅のおかげか?何ら違和感がなく極めて自然は操舵性を感じさせるのはV4エンジンとVFR800Fの素性の良さだと思います。この車両でローダウンではなく走安性を向上させるために20mm程の車高を下げ(これはストロークを下ずに)、前後ショックを仕様変更を行えば街乗りとツーリングでゆったり楽しみながらも、峠道では安定性と機敏性を両立した気持ちの良いバイクに仕上がると思います。

 もし、VFR800で面白い動作性を模索しているなら、ぜひ連絡頂きたいと思います。金額は15万円位から果ては青天井で色々と作り込めると思います。

 

 

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VFR800Fのシート高を60mm下げる

 VFR800Fのローダウンでシート高を下げる仕様が完成いたしました。

 ショック自体で50mm下げ、シート加工で10mm下げることにより合計で60mm下げられました。

 シートに関しは高さだけでなく幅も狭めたので、数字で見るよりも足つきは向上しています。サイドスタンドも同様に切り詰め、車高に合わせたスタンドの高さを出してあります。
 今回は簡単な紹介だけですが、動画とブログでまた試乗の感想を記しますので、お待ちください。

 

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VFR800FとGSX-S750

 GSX-S750とVFR800Fが同時期に入荷しました。

 中間排気量のこの2台。って以前は400〜600ccがそれに当たると感じておりましたが、今では一段階上の排気量に移行したようですね。

 2台を試乗する動画を撮りました。

 VFR800とGSX-S750の比較動画 https://youtu.be/I1GbpioHj9khttps://youtu.be/I1GbpioHj9k

 GSX-Sを主に評価した動画 https://youtu.be/Gyy902XUzBE

 大きく違う2台ですが、その詳細は動画に譲ります。この場では排気量に焦点を合わせて話をして参ります。車名に排気量が示されており、カタログスペックを確認するとGSX-Sの方がやや出力が大きいようです。ですが現代では二台とも極端な高出力ではありませんので、扱いやすく穏やかです。
 低回転からしっかりとトルクが乗り、街乗りに向いています。リッターバイクほど力強くない点が扱いやすさを生み、とても好ましく感じられる。ここ数年GSX-R750RK,2011年型のR750、GSX-S750に今回のVFR800と中間排気量を多く乗る機会を得て、自分の好みもより鮮明になりました。
 私自身、C型9Rを所有しています。速いかどうかといえば、カタログ値で140馬力ほどですから今なら大した性能ではないけれど、度が過ぎない程度にしかし十分力強く、1000cc以下のバイクが自分には合うと認識できました。そういえば昔は900モンスターも乗っていたし、友人の乗るドカテイ996も良い感じでメーカーも大排気量・高出力の傾向を抑えて現実的な速度域で楽しめる車両を持っと作ってもらえるといいなあ。と考えています。
 カワサキのW650も遅いからこそ楽しいバイクで、古めかしい旋回性は乗りつければ飽きそうに思いますが、そこは前後ショックを作り変え、新しい面を演出できればさらに10年楽しめるバイクになると確信していますから、欲しい一台だとここ数年、ずっと羨望の眼差しで眺めています。

 排気量とエンジン出力は、特定の傾向を好ましく感じると最近数値化できました。それは「小さい排気量でトルクの数値が高い」と言う事です。例えばVFRとGSXの2台は排気量の小さなスズキの方が最大トルクは高い。C型9Rは排気量が900ccなれど最大トルクは10.3Kg-mとカタログにあります。エンジンに明るい方には釈迦に説法でしょうが基本的に排気量100ccに対してトルク1Kが相場ですから、特筆すべき高トルクエンジンだと言えます。
 このエンジンは今まで乗ってきた車両の中で一番好きだと言えます。低回転から力強い加速をみせてくれますが、これは馬力では演出できないトルクの強い車両ならではです。

 そう言った意味で低回転でトルクに溢れる二気筒が自分には合っているようなのですが、9Rだけはその中でも別格でした。

 例えば鬼トルクと言えるMT-01はどうなのであろう?と乗ったことのない方は疑問に思うでしょうか。実はMT-01は数値こそ高いのですが、体感ではスルッと加速してあっという間に速度が出てしまい、圧倒的なトルク感、を体感できません。もちろん楽しいバイクなので否定する気はありませんが、私の好みには、トルクの乗り方が今一歩でした(逆に車体はかなり好み)。

 車両の基本配置(要するにジオメトリと呼ばれる代物)は後から変えられない場合がほとんどですから、車両選びには慎重になります。原動機の形状と出力特性が二輪車の基礎をほとんど決定しますから、そう言った意味でカタログスペック、例えばトルクや出力特性、横から見た時の各部の配置をじっくり眺め、バイクを選んで見てはどうでしょうか?と提唱します。

 長い脱線を経て話の本筋に戻ると、VFRとGSXの2台。私にはスズキの方が原動機の特性は好ましいし、車両の軽さも良い点ではあります。ただVFRのややリア下がりで車重が重い鈍重な操舵性もなかなか味がありオツです。この2台のどちらを選ぶかは難しい選択ですが、仕事で同時に比較試乗できたのは、人生の幸運でした。

 また面白い比較ができたら動画やブログにして、皆さんに伝えてゆきます。 

 ちなみに依頼の内容はVFR800Fが50mmシート高を下げる。GSX-Sは30mmシート高下げでした。

GSX-S750を30mmローダウンと前後ショックの改造

 スズキのGSX -S750のシート高30mmローダウンの依頼があり、新車を預かりましたのでその顛末を記します。

 この車両。エンジン特性はとても好ましく感じており、私も好きな車両です。ただしサスペンションを含めた車体には課題があると私は感じましたため、それを話します。

 基本の車体姿勢とスプリング

 前のスプリングは柔らかく、リアスプリングは適度。だがイニシャルがやや多めにかかっていました。この状態、つまりメーカー出荷時の操舵性はアクセルオフ(またはブレーキ)で車両前部が大きく沈み込み、楽にイン側へ曲がってゆきます。その時、リアショックの沈み込む減衰は強く効いており、張り気味なイニシャルと合わせ突っ張った印象です。このリアセクションの動きは楽な向き変えに大きく貢献しています。
 ですがブレーキを強く握りながらの旋回は苦手です。2段バネを採用したフロントセクションは頼りなく、強い入力には答えられません。2段バネにより動き出しは驚くほど軽く、ボトム付近は急激に反力が立ち上がってくるので使いづらさがあり、シングルレートスプリングが好きな私には勝手の悪い仕様です。

 リアはバネ値は良いものの、圧減衰が過剰に強く、これを抜くだけでもかなり改善がみられます。それに加えて純正同等のバネ値を使いながらもイニシャル(バネの圧縮量)を少なめに取れば、動き出しの柔らかさと、奥の反発を両立させられるため、その点に留意してセットし直しました。

 作り変えた後の操舵性

 上記の点を変更した操舵性は如何なるものか、と言えば「普通になった」でお終いです。
 アクセルオフでスッと自然に鼻先(車両前部)が沈み、ブレーキを使い大きく沈ませる時にも思い通りのストロークを取れます。

 リアは乗車1G(車両に跨った時の沈み込み)を必要充分に取れるようになり、減速時に前が沈み後ろが伸びる際、リアタイアの荷重が抜けないために穏やかな特性と強い安定を感じ取れます。
倒し込みでも滑らかにリアが沈み、悪路走破性が大きく向上するとともに、その相乗効果として乗り心地も大きく向上します。そしてスッとリアが沈めば向き変えの準備が整う訳ですから、アクセル開で伸びやかな加速を見せるようになります。

 まとめ

 今回はローダウンとともに前後ショックの仕様変更も行いました。ローダウンをしても乗り心地を純正以上にする事は十分可能です。そうは言ってもローダウンせずに操舵性(ハンドリング)を追求すればもっと上質に軽快性と安定性を両立させられます。

 妄想
 フロントフォークに純正改造か社外品の減衰調整機構を追加し、リアショックは交換しれば最高に楽しめので、もし自分でこの車両を買うならばそうしたいと思いました。

 

 

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