ホーム>SACRED GROUND STAFF BLOG>ダンパー仕様変更

ダンパー仕様変更

挑戦から得る物、思い出

 4年前に自作ダンパーでレースを戦いました。

 ライダーは56レーシングでも走った渡辺瑛貴君です。56レーシングの桜井芽依さんが駆ったCBR250Rを改造し、筑波TTに参戦するべく数か月を掛け、ライダーのトレーニングとダンパー開発を行いました。

 このダンパーを考えた切っ掛けは、ダンパーロッドの簡素化を目的とし、シリンダーヘッドにすべての調整ダイアルを持って行く事にあります。いわゆるFFX,TTxのようなツインチューブ構造はあえて選ばずに、モノチューブ構造の限界を探ってみました。ツインチューブは最新テクノロジーではなく、実は昔からある方法論の中で現代版に再構築した技術だと、私は考えています。任天堂で活躍した横井軍平さんが「枯れた技術の水平思考」という言葉を残していますが、この言葉を土台にモノチューブの水平思考とは何かを探った一品が、写真の品です。

 発想は悪くなかったのですが、狭いシリンダーヘッドの通路が常に高圧になり、空間効率の都合で通路もそれほど広く取らなかったため、オイルの流れにも問題が発生しました。ダイアルの操作に鈍感で思うような変化を得られず、製作費や掛けた時間を考えると200~300万円を消費しました。

 しかし、この計画から自社製ロッドSGSAの基となるアイデアを得て、レースにおける耐久性も実験することが出来ました。新しい構造を試す重要性や副産物にもありつけて、とても良い実験でした。

 この前年は売り上げも好調で、結婚し家庭に時間を費やした事もあり新しい挑戦を全くと言ってよいほど行いませんでした。そのために、この自作ダンパーでレースを走った年は業績が落ち込みましたが、レースで得た技術や経験を発信し、皆様の目に留まるようになったのか、翌年にはV字回復を達成し現在の成長路線へシフトすることが出来ました。

 日々、攻撃的な姿勢で仕事に臨むのはこの経験があったためです。考えられる最善、最良を出し惜しみなく発信し提供すれば、自ずと自分のレベルも上がって行くはずです。

 

 2018919145248.JPG2018919145422.JPG2018919145444.JPG

いよいよ始動

 自分の318Ciが昨日で車検が切れました。

 これを機に、先日投入したビルシュタインの減衰調整式ダンパーを、オーバーホールと改造、シムの組み換えによるモディファイを行い、自分の考える理想を追ってみます。

 車検が切れた事もあり昨晩はE90で帰りましたが、こちらはやはり出来が良いと、改めて感じました。普段使いではサスが割と動きます。少し速度を上げて行き、荷重が強めにかかりだすと、グッと踏ん張り安定します。基本の減衰もばねも柔めな感じですが、前記の様な場面でぐっと踏ん張る二面性を上手に演出するのは、流石メーカーの仕事といったところです。

 そうは言っても不満点もあり、それを自分のE46に取り入れ上手に活かしてゆきたいと思います。ダンパーだけでなく、ブッシュ回り、ブレーキ関連もメンテナンスを行い、年内には車検を通す予定です。 

 

 201891892116.JPG201891892139.JPG20189189220.JPG

精密なセッティング

 今日納車したZX-10Rは、セッティングに割と多くの時間を割きました。

 純正状態が問題だと感じたので、お客様に提案し予算は大幅に増えてしまいましたが、最善の乗り味を提供すべく組み換えを行う事が出来たのは、お客様がご自分のバイクを良くしたいという強い思いのお陰です。

 数日前に大まかなセットアップを行っていたので、今日は最後の詰めだけです。前後サスの動かし方次第でバイクは大きく動きを変えます。同じサスを使いながら、全ての個所を一段づつ変えて行けば、一つの変化は少量でも、それは足し算ではなく掛け算で変化して行き、大きな違いを生みだします。詰めのセッティングになると、イニシャル調整は1/4回転以下で調整を行うようになります。

 私と、今日は自分のバイクを直しに来ていたアルバイト梅山が試乗を行い、かなり納得のゆく仕上がりになりました。そこにお客様がお越しになり乗って頂いたところ、不満を述べられました。その大きな要因は所有者は女性であり、私たち男とは10Kg 以上体重が違う事に加え、手の長さも違違い、重量配分が大きく異なる点にあると思いました。

 そこで、今度は持ち主本人のコメントを基に調整を重ねてゆきます。リアのイニシャルを抜き、リアのイニシャルを少し戻し、フロントのイニシャルを抜き、フロントのイニシャルを「殆ど」戻し、フロントの圧ダンを抜いて完成となりました。

 上手く調整が進み、戻ってこられた時のオーナー様のヘルメット越しの顔つきで、セットが上手く決まったと確信しました。

 いくら私どもセットアップする方が良いと感じても、持ち主の方が笑顔になるセッティングが一番です。今回は女性の方という事もあり体格が著しく違ったため、とても良い事案となりました。

 

 2018916211214.JPG

Z1の手直し

 2年程前に造ったZ1の足回りが、手直しで入庫していました。今年は例年になく忙しいため4カ月も放っていたため、お客様にお叱りを頂いてしまいました。こういった点は会社組織としての問題点であり、改善方法を考えました。

 この個体はフロントに当社独自のカートリッジ機構を取り付け、リアはWPのツインショックを改造してロッドを当社独自のSGSA14へと太くし、スプリングを柔らかくしてあります。

 タイアはコンチネンタルのラジアルタイアで、とても乗り心地がよく、操縦性も素晴らしいものです。四輪でもコンチネンタルの評価は高いようなので、二輪、四輪問わず今後はテストを行ってみたいメーカーです。

 

 201891422227.JPG20189142247.JPG20189142258.JPG

題名に困る内容です。

 前後サスのオーバーホール依頼で、セッティングキャンペーンに入庫頂いた車両が昨日作業を終え、試乗を行いました。

 乗る方は女性で一般的な体系の方なので、男性と比較し当然体重は軽いため、その1000ccのスーパースポーツがとても乗りずらく怖いと仰っていました。試乗を始めて驚いたのですが、フロントフォークの異常な硬さを感じます。細々した説明を省くと、減衰がとにかく効きすぎています。この硬さは経験から申し上げて、スリックタイアを履かせてサーキットを走るにしても、かなりガッチリしている印象です。スーパースポーツとは言え、これを街乗りバイクのサスペンションとして販売するのは、メーカーの造る姿勢に問題がる思います。正直非常に腹が立ちました。なぜかと言えば、楽しくないとか面白くない以上に、危険だからです。開発した担当者と話をして、なぜこの様な仕様にしたのか問い詰めたくなります。

 真面目にバイクと向き合えば、絶対にこんな仕上がりになる訳がありません。担当者、開発ライダー、責任者の無知、無責任が生んだ結果だと思います。サーキットも走る車両だと言い訳をするならば、現行のYZF-R1のように、とてもエレガントな乗り味を持つスーパースポーツもあるので、言い逃れは出来ません。

 今回の大きな収穫は、減衰力が不足しているよりも過剰な方が、より危険度が高い事を実感できた事です。

 

 201891320632.JPG

CBX400用のオーリンズ、その他にも

 先週はCBX400のオーリンズを製作しました。

 お客様がCBX用に購入された品の寸法が全く合わない上に、スプリングレートもかなり違うため、推奨値を提案して完成しました。ホースやスプリング、その他にも変更点が多く、10万円以上も掛かりましたが、取り付けとバネ定数には問題の出ないようには納品出来ました。

 他に、減衰調整のない36Pや、諸々のダンパーをオーバーホールしています。昨年、一昨年と比較して依頼頂く作業内容が大きく変わってきているため、会社としてどの様に作業を円滑に進めるか、研究と対策に追われています。

 

 2018912102113.JPG2018912102215.JPG2018912102241.JPG2018912102329.JPG

ラリー、ダートラ用オーリンズ

 当社のアルバイト金岡は、トヨタ・スターレットでダートラに参戦しています。

 予備で所有するオーリンズをオーバーホールしてみたいと申し出があり、指導しながら分解させました。ストラット型の俗に言う倒立式です。バイクに例えると、スプリングを外に置くフロントフォークです。

 これもまたエア抜きを機械で行えないという、非常にもどかしい構造です。特にダートで使うなら、二輪四輪問わずダンパーの負担は大きいため、この問題を改善すれば、狙った動きを出せるようになります。今後の課題は機械抜きをどのように取り入れるかです。

 

 2018912101336.JPG

今週は車体とセッティングが多め

 8月と9月のキャンペーンで依頼頂いた前後サスのオーバーホールとセッティングが好評なのは嬉しいのですが、納期が遅れているのは申し訳なく感じます。他にも溜まっている作業が多くあり、今週は少し無理して作業を進めて参ります。

 写真のCB1300SFも2~3日でセッティングを終わらせます。エンジンオイルも届き、セッティングの方向性も整理がついたため完成させるつもりです。

 高い質感を持った車体に仕上げるため、試乗は神経をとがらせます。

 

 2018910112825.JPG2018910112847.JPG

車高をあげてみると

 318Ciのダンパーをビルシュタインにかえ、車高調整が可能になり、コニーよりも大幅に上げてみました。

 不要に低いのは良い事がないと考え、純正値は分かりませんが、とりあえず上げてみました。ここで大きな副産物があり、MTのギアの入りが大幅に良くなり、クラッチのつながりも極めて滑らかになりました。

 車高を上げたために重心が上がりロール量は多めですが、不快感は有りません。ダンパーの設定もこれまでの「縮み勝ち」から「伸び勝ち」となり、上屋の動きが穏やかになりました。減衰調整は効きますが、抜けはある様で動きが大きいのも感じ取れます。これらの動きはエア抜きが機械で行えずに、新品状態から設計値を出せていない事が大きく響いています。この問題も解消したいので、後々改造を考えます。

 調整があると楽しいので、ついつい大回りしながらの通勤になります。早く自分のBTを動くようにして、これもまた乗って楽しみたいと思っています。

 

 2018910112239.JPG201891011234.JPG

MT-07の改造

 フロントフォークのカートリッジキットを入れたが、怖くて走る気がしない。と連絡を頂き、改良する事になりました。

 フォークキットはイタリアのムーポです。基本的な作りは特別ではなく、普通の構造です。しかし、大きな問題を抱えていました。それは、メーカー指定の油面では低すぎ、カートリッジにオイルが供給されずに、減衰が発生しませんでした。油面を問題ない程度まで高めると、今度は圧減衰が効きすぎてリジットの様です。反して伸びは全く減衰が足りずにフォークが伸び切でガチャンとなる程です。

 イニシャル量も過多で、それは乗らずに押しただけでも分かります。

 これを解消するために予算を頂きました。油面高さに悩み、イニシャル量は、下げられない油面と帳尻を合わせるために少なめに設定し、足りない伸び減衰はシム増しとオイル粘度変更で対応しました。減衰過多の圧側は、カートリッジボディーにバイパスを開け、丁度良い動きを出せるようにしてあります。

 リアにはYSSのダンパーが装着されていますが、これは微調整でそれなりに走れるようになり、改善を施したフロントと相まって、楽しく走れるようになりました。

 厳しい言葉を使わざるを得ませんが、ムーポという会社は、まだメーカーとは呼べる域にないようです。先ず、キットを実際にフロントフォークへ装着すればまともな人間なら、問題を把握できるはずです。そうすれば解決方法も自ずと分かります。その次に、まともに動き出したら、圧の加減衰と伸びの減衰不足は乗れば分かるはずです。実車に取り付けるどころか、フロントフォークにすら取り付けを行わず、理論だけで製品を造るととんでもない事になるという見本です。当社で同様のカートリッジキットを造るならば、現車合わせで20万円以上頂いています。最高の性能、パフォーマンスを臨むのであれば30万円は掛かります。それは部品代よりも時間がかかるからです。ただし、お客様の臨んだ以上の仕上がりを提供できますので、どうしようか悩む方は、相談ください。

 写真のMT-07は調整機能が多くあり、なんだかんだと良い乗り味を創り込めました。

 

 201899163249.JPG20189916358.JPG20189916365.JPG201899163626.JPG

 

ページ上部へ