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ダンパー仕様変更

ZX-6R 636のフロントフォークとリアショック

 今年は636の前後ショックを沢山仕様変更しています。

 スーパースポーツですが、フロントのスプリングレートが0.9Kgf/mmとやや動きやすいため、先づバネを交換します。そして有効ストロークを減らすトップアウトスプリングを交換したりゴム性のリバウンドストッパへ置換して、使えるストロークを増やします。これだけで車両前部の印象は大幅に良くなります。

 リアショックは純正で9.5Kgf/mmで特に硬すぎ柔らかすぎは感じませんが、サーキット等でハードに走りたい方にはやや物足りない様です。これは体重やコースで変わりますが、10〜10.5Kを用います。

 これらの仕様変更で峠道からサーキットまでとても楽しく、快適に走れます。価格は前後で概ね15万円程度(フロントはO/H,リアはガスのみ封入)となりますので、リアショックを交換するよりやや安価で済みます。何か不満を抱えている方は、とりあえずこれらの仕様変更から試して、徐々にお金をかけて行くと楽しくなりますので、不満を感じている方は一報ください。

 

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実店舗で実機を触れるのは良いですね。

 最近のメインカメラはNikonのZ6です。

 これを選んだ理由は柏のビックカメラで実機を触り、一番手に馴染んだからです。重量や剛性が自分には好ましく感じました。

 私もインターネットを用いて買い物をしますが、細部に思いを馳せない品ならまだしも納得した買い物を要求する場合はやはり実物を手にしたいものです。このたび中古ではありますがNSR/NSF100用のTTxを入手しました。

 これを自分の考える理想の仕様に作り変えます。もちろんそのために私の考える良いライダー数人に試験を依頼しています。そしてこのダンパをお客様に貸し出してリアショックを購入、改造における指針にしてもらってお客様の役に立てたいと考えます。

 もちろんそれをテコに当方から購入や改造の依頼を頂ければ、まさに願ったり叶ったりです。

 年内にはある程度形にできると思います。テストに参加したい方はメール、Twitter、Youtubeの書き込み欄から連絡ください。

 

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スプリングを替えて遊ぼう

 オーリンズはスプリングが豊富に揃っています。

 バネ交換は車両の動きが変わるので、分かりやすく効果的です。減衰はスプリングを交換してまとまりのある車両運動を実現した後に変更するのが利口です。

 服に例えるなら、バネは尺。減衰は生地の質と例えられます。いくら良い生地で仕立てても、寸法が合わなくては服として成立しません。だから先にバネを合わせるのです。

 オーリンズに限らず純正サスペンションでもバネ交換は可能です。寸法を合わせる変換アダプタは必要になりますが、一度作ればあとは汎用品を使えるようになりますからおすすめです。
サスペンションセッティングに悩んだら、先ずはバネから合わせて行くのはいかがでしょうか?上手に仕立てれば思いの動きを実現できると思います。

 

 

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NSF/NSRのTTxを改造

 新品で購入したNSF100/NSRminiのTTxを改造しました。

 ストロークの延長3mm。減衰特性を少々変えました。このクラスはバネ定数が圧倒的に不足しており、最近では20K以上が当たり前になっているようですが、オーリンズの販売状態では18Kを少し超える程度です。そのために皆さんはアイバッハ、ハイパコなどに交換しています。

 新品を仕入れて減衰特性変更とストロークの延長で税抜き20万円ほどになります。「これで最高!」などと言わないのが当方の奥ゆかしいところであります。バネと車高が合っていればそこそこ走れるし、最後はやはり乗り手次第。これが私の率直な考えですが、それでも自分の好みに合わない部分があると感じれば、それは仕様変更を行うのが最善です。

 ある程度の蓄積に則り、そこを下地にしたい方は当方の新品販売時の改良仕様も良いと思います。そうでなければO/H時に依頼いただければ十分間に合いますので、使い方、考え方に照らし合わせ、依頼いただければ幸いです。

 

 

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NSRmini/NSF100のTTxに使えるスプリング

 かわいちゃんRのおかげでミニバイクのショックを手がけることが増えた昨今。クアンタムとTTxを改造する機会が多いのですが、TTxに使えるスプリングを作りたいと考えています。

 例えば近年はダンパー自由長が220mmを超えるが当たり前で、バネ定数も20K越えも当然になっています。そこで20K、21K、22Kなどを性能を突き詰めるのではなく、性能と購入しやすい価格の帳尻合わせを行い、セッティング出しのバネとして販売。そこで狙い目が見えてきたら高性能と評価されるアイバッハ、ハイパコ、ハルスプリング等に移行する。といったような提案ができるのでは無いかと考えています。

 実際に着手するには数十万円かかるので安易に取り掛かれはしませんが、お客様の動向を考えながら機会があれば挑戦してみようと思います。

 

 

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HO8904 NSR/NSFなどのTTx

 オーリンズのNSRminiやNSF100用のTTxですが、四月ごろに発注しておいた品が届きます。

 スプリングはアイバッハ、ハイパコ、ハルスプリングなど色々と選べますが、今回は在庫の有無などで入手しやすかったハイパコを選択しました。

 新品ダンパーを分解し減衰特性の変更、自由長変更、バネ交換などを行います。オーリンズは正規品を使わないと取扱停止となりますため、内部部品に関しては取り決めに従い進めます。スプリングもオーリンズ純正を求められますが設定がない定数であり、お客様自身に交換していただく前提で販売を行なっております。

 減衰特性変更やストローク延長を含め税抜きで18〜20万円となりますが、最初から過不足なく使えると思いますので、必要の際は申し付けください。

 

 

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アプリリア、RS660の純正ショックを分解

 ちょっとした依頼がありまして、アプリリアの新型車両RS660のリアショックを分解する機会に恵まれました。

 最近の欧州車は日本製ショックを使う事が増えて、Ducatiの安価なモデルと同様にこのアプリリアもKYBを採用していました。とはいっても近年のKYBは非常に優れた性能を発揮するので侮れません。ダンパ開発に携わる知人からもKYBの基本性能の高さをきいています。

 RS660に使われているボデーはシリンダの内径が40mmなので最低限の性能を担保している程度です。それに伸び減衰調整を備えており、なんとか使える仕様です。シムの外径も一般的な寸法で特色がないとも言えますが、使い勝手が良いと捉える向きもありますから、汎用性が高く部品の入手も容易で便利な作りです。

 ダイアル調整で伸び減衰を強めると圧も同時に強まる両効きなため、基本設定が大切になります。しかしこの車両においてはやや圧減衰が立っており、伸び減衰を強めると同時に強まる圧減衰を邪魔に感じると思います。
 そこで今回は圧のシムを抜いて動きが自然になるよう整えました。

 その他にロッドの表面はかなり荒い仕上げで、仕上げ加工は一切行っていいない様に見えます。本当のところは分かりませんが、オイル漏れが早期に起こるのは避けたいと考え研磨を行なっておきました。

 リザーブタンクはありませんが、ガスバルブは最初から備えており最近のKYBは作業性が高く、好ましく感じています。

 リアショックの取り付け位置からレバー比を算出し、逆算してスプリングレートを想像しました。その値は13.9Kでしたが実測値は13.5K前後と、ほぼ予想通りでした。これに関しては法則を理解できていれば外さない部分ですが、知っているかどうかは大きな差です。
 逆に予想に近い(各部の誤差を考慮しても)ということは、メーカーの思想も理解できて、自分で一からスプリングレートを設定しなければならぬ状況に陥った際に、基準値を持っている訳でそれはとても安心感があります。

 もしRS660で何かしら仕様変更を望む方がいらしたら、問い合わせください。

 

 

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VTR1000SP2

 https://youtu.be/gp9iMOE-2Bs

 本日の動画ではSP2の前後ショックを仕様変更した話を、長々と語りました。

 これまでに何度も説明していますが、SP1・2問わずに最大の懸案事項はフロントフォークのイニシャル量不足です。これを解決するだけで、足回りに抱える問題は大半が解決し後は作り込みというか、細かい好みを仕上げてゆく作業になります。

 と言う訳で動画内でも話していますが、ブログにて文章化して自身の思考をまとめたり動画では伝わらない部分を解説してみようと思います。

 これまでとは違った感触を求めて、新たなセッティング手法を取り入れました。しっかり目のスプリングレートでイニシャル量を少なめにすれば、サスの動き出しはふんわり柔らかく、奥の踏ん張りはスプリングレートで演出できます。使い古された手法ですが実効性が高いので、価値はありますし私も好きな手法です。

 ただ、奥の踏ん張りに関して初心者の方にはやや扱いづらい面があります。それは意図して入力を行わないとサスが動かしづらいので、知らない方は曲がりずらいと感じる事でしょう。
 新たに採用した手法は上記と逆で、硬くないバネにプリロードを適量かけて動き出しからボトムまでを平均的な動きとして、二次曲線にならないよう配慮してあります。
 初期のスプリング圧縮量がそれなりにありますから、動き出しはやや(ほんの少し)張った感じを持ちます。しかしブレーキを握れば軽く沈み、そのまま動きを止めずにムニャムニャと動きます。

 この動きを取り入れるための契機となったのは、動画で観ていたショックの動きです。マン島の荒れた路面を走る車両やトライアル車。それにモトクロッサーなどです。一定の動きを演出できれば新しい世界が開そうだと閃き、これまでも近いセットアップを試してきました。今回はそれを明確にしてより推し進めるセットになっています。

 メーカー純正の前後サスペンションの多くは、明確に弱いバネにプリロードを沢山かけています(最近はこの傾向から逸脱する例が多くなってきましたが)。だからストロークの深い位置でも半力が弱く、ブレーキを握り込むような場面であったり、ギャップの走破性が高くありません。
 バネが柔らかいので乗り心地は良いのかと考える向きもありますが、さにあらず。衝撃吸収性が不足しており乗り心地も良いとは言えません。なぜあのようなセッティングが主流なのかは理解に難いが、否定も批判もする気はありません。ただ自分の好みに合わなければ変更する他に、しようがないのです。

 冒頭に説明した硬めのバネに少ないプリロード。その逆。両者の差はそれほど大きくはありません。前者ならフォークスプリングを0.95~1Kを選び、後者ならば0.9~0.95Kです。
 この差の中でどの様にショックの動きを演出するのかが勝負になります。そう言った意味で、今回のSP2は極めて満足のゆく仕上がりでした。

 SP1と2を合わせて4台ほど前後ショックの仕様変更を行なってきましたが、その経験から知り得たのは「純正の減衰設定でもそれほど悪くない」です。今回の依頼では減衰に関しては全くの手付かず。それでもかなり良い感触です。
 フロントは純正のスプリングレート1.05Kでは沈み込みが重ったるいので、圧減衰を強められません。そこでバネの値を弱めて減衰の自由度も獲得できます。減衰を弱めてバネの自由度を確保する事も手段としては可能ですが、二気筒のリッタースーパースポーツを街乗りするには硬いとの判断から、バネを弱める手法を選んでいます。

 写真の入ったSDカードを会社に忘れて、自宅でブログを書いております。後日、写真も載せますのでお待ちください。近日、リアに関する記事も上げますので楽しみにしてください。

GSX-S750の前後ショックを改造

 昨年、ローダウンの依頼で作業を行なったGSX-S750が、ハンドリングを向上させたいとの意向により預かりました。

 40mm下げだったのを慣れてきたから20mmほど上げ、それ以外は自由にさせてもらえるので前後ショックを仕様変更する運びとなった訳ですが、予算もそれなりに潤沢でありましたから、リアショックは在庫で持っていたFGへ交換です。FQEというイニシャル、伸び減衰、車高の基本3点を抑えた割と好きなモデルです。

 今回の依頼でのべ3台目となるGSX-Sなので勘所は把握していました。各部の寸法は問題なく収まり、スプリングレートが決まっていれば使い慣れているピストンデザインなら減衰設定も簡単に決まります。とは言いつつも初めて作る車両にはそれなりの熟慮は存在します。

 フロントフォークはスプリングレートに0.9Kを採用しました。ストロークがそれなりに確保できる20mm下げなので、硬すぎる値を選んで操舵性が悪化するのを嫌った結果です。
 アクセル開けまくりの人にはほんの少し柔らかく感じそうですが、それにしても悪くない値です。それに減衰も変更したのですが、単純に硬めるよりも、低速域を少し太らせつつ軽い入力ではスーッと動くようにして、更にグイッと大きな入力に対しては減衰を持ち上げる事により、ズボッと一気にフォークが沈み込まないように設定しました。

 内部の細かい話になりますがGSX-Sのフロントフォークは片側のみ減衰を発生し、反対はスプリングだけです。カートリッジは入っていますがダンパーの伸び切り寸法を規制しているにとどまります。そのため、インナーチューブ、アウタチューブのみの剛性に依っています。そこでカートリッジロッドの先端にシムを省いたピストンを取り付け、剛性部材になるよう改造を行いました。

 他方、減衰発生側のフォーク(今回は右フォークに当たります)は減衰調整機構を追加しています。これにもかなり悩む部分はありましたが、部品取りで在庫していた部材が都合よくあり、すんなりと作れました。
 単に調整機構を追加しても動きは良くなりません。調整を可能にするためにはピストン・シム系の減衰も変更しなければ良くならないのです。それだけでなく、根本の動きを変更したかったのでシム組を変更した次第です。

 一番考えたのは調整機構における調整方法です。この車両、ハンドルがフォークの直上にありマイナスドライバではかなり効率が悪い、というか不可能に近い感じでした。
 どうしたものかと思案した結果、イニシャル調整の部品に手を加えそれを減衰調整に改めました。そのため、右は減衰調整のみで左はイニシャル調整のみ。
 この着想の発端は同日に作業を行っていたカワサキのZX-6R、SFF-BFから得たのです。最近は左右でスプリングレートが違うのは当たり前、減衰もバラバラなので、今回の改造はそれに習いました。倒立フォークで剛性の高いアクスルシャフトを採用しているおかげで、このようなバラバラな部品構成が可能になっています。

 実際、車両に組み込み跨り前後ショックを動かした刹那、設定がかなり高い水準にあると確信できました。走り出しても印象そのままにとても楽しい。
 お客様も交えて意見を伺うと、直立付近から倒し込んである程度バンクするまでフロントが落ち着かない。その原因は前が高く、後ろが低いと見極め、リアの伸び減衰を抜いてなるべくリアショックが高い位置にあるよう変更し、改善できました。

 自分が試乗する前にお客様に乗って頂くの面白い経験です。サーキットでは当たり前ですが街乗りのお客様においては、殆どの場合においてお客様が乗るのは一番最後です。
 今回のように納車時はお客様の意見を取り入れ、ほんの少し手直しを行います。

 サイレンサーがヨシムラに代わって、燃料マネジメントにも変更が加えられており、タイア、チエン、ホイルベアリングも新品でした。走るには最高の状態に、今日の天気は絶好の試乗日和。試走も本当に楽しかったので施主が喜ぶのも納得でした。

 自分でも買いたくなるほどの楽しさ。スズキの750直4は至宝ですね。

 

 

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試験車両のZX-10Rに進展あり。

 BFFシステムを体感しようと購入したZX-10Rに進展がありました。

 一番大きな変更点はスプリングレートです。純正は実測値で1.2Kでとても硬いため、0.95Kへ交換しました。これだけだと実際に使えるストロークが減るのでトップアウトスプリング(伸び切り時に働くバネ)も交換です。

 減衰特性はGSX-R1000Rが街乗りではかなり良さそうなので、それを教科書がわりに大幅に減じるシム組を行ってあります。

 この後は車両に組み込み、実車で評価した後にリアショックの仕様変更を視野に車両をまとめ方を決めるつもりです。連休明けには何かしら報告できるはずなので、動画も含めて注視してもらえると嬉しいです。

 

 

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