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レースサポート

キジマの凝った造りのバックステップ

KissレーシングのR25を眺めていたら、ちょっとしたことに気付きました。

バックステップが位置調整機能を持つ、キジマのレース用オリジナルですが、ベースプレートが段付きの一枚物です。
これを造るには、厚みのある大きな材料から削るために、材料代も加工費用も高くつきます。しかし軽量性や剛性を考え手の込んだ造とする辺りに、製作者の強い意図がしっかりと感じ取れます。

簡単に済ませるなら、選択肢はふた通りです。
一つは、平板のベースプレートを一枚とし、そこに位置可変のステッププレートを取り付けます。
簡単に早く出来ますが、ステップの幅が広くなるのが問題となります。この幅が広がると、案外操作性に大きな影響を与えますので、極力避けたいポイントです。

次の手段は、プレートを二枚に分割し、ボルトにより締結する手法です。これなら材料も小さくすみ工数も若干抑えられます。しかし、結合剛性の問題とボルトの重量もかさむので、次善策の域を出ません。

ここに一枚ものでプレートを造る心意気がご理解頂けましたでしょうか?

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九州へ

数年ぶりに九州の地を踏んでおります。

レースサポートを行っているキジマKissレーシングに帯同するためです。

オートポリスの有名な濃霧を眺め初日は終わりましたが、二日目は好天に恵まれ、無事に一本目の走行を終えています。
ライダーの松岡選手との打ち合わせも終え、2本目のタイム次第で再度セットアップの方向性を確認します。

サスペンションに限りませんが、次に起こるであろう問題点を仮定しておき、今のうちから対応策を練っています。

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ラリー用ショックの考察

 こんにちは。アルバイトの金岡です。


 今回は、私が考えるラリーに求められるサスペンションの要素についてお話しします。
 

 ラリーでは主としてグラベル、ターマック、スノーを走ります。

グラベルでは、砂利道を走る訳ですので、あまり硬すぎず、接地性を高めるためにストロークのあるサスペンションが求められます。

硬くないと言っても、日本車の純正ショックのようなただ柔らかいという感覚では車が暴れてしまい、車をコントロールすることが難しくなってしまいます。
 私個人のイメージとしては、圧を緩くして伸びを強めることで、衝撃を吸収したあと姿勢の急激な変化を抑えるという感覚です。

また、砂利道と言っても硬い砂利道やぬかるんだ砂利道など路面の質は多種多様ですので、ちょうど良いセッティングを見つけ出すことが重要になってきます。また、狙ったセッティング通りの動きをしてくれるサスペンションが必要です。

 

 ターマックでも、舗装路とは言え走る道が林道という特性上、路面のギャップ、アンジュレーション(路面のうねり)は一般に走る道路よりも激しいものとなります。そのため、基本的にはグラベルと同じ考え方ですが、ストロークが長く、柔らかいとロールが増え、応答性が低下するためストーロークを短くし、硬いサスペンションにします。


 私が今乗っているシビックは、リアのサスペンションストロークが短く、バンピーな路面だとリアが暴れるのがネックですが、これからテストや実践を重ねてより良い動きになるようにして行きたいと思います。

 

 

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二つのレース

 先週は56レーシングの鈴鹿サンデーロードレースと、茂木ロードが重なりました。

 私は柏で電話、メッセージでティームから連絡をもらい対応しました。鈴鹿には当社に在籍していた大槻が参加していた為、現場の細かいセッティングに関しては心配の必要がなく、茂木の松山選手が乗るNSF250Rのセットをライダーと中野監督の両者から聴き取りをし、方向性を伝えていました。

 NSFのフロントはかなり良い感触を得られたそうですが、リアが決まらずにアレコレ試す中、最後は車高を変える提案をしました。走った印象はまだ確認していませんが、三位はティームとってもライダーにとっても満足の行く内容ではないともいます。リアのフィーリングがもう少し改善させられたら良かったと、今更ながらに脳内でセットを変更しています。

 松山選手は日本GPと併催されるATCを走るため、その練習も兼ねた参戦でした。今回の内容、結果はきっと彼の危機感を煽り、次のレースではもっと成長してくれると思います。

 

 鈴鹿サンデーロードレースを走った二人のライダー、田中選手と梶山選手については、当社のfacebookに簡単な感想を書き記しましたので、興味をお持ちの方はそちらをご覧ください。
今年、この両者について感じる点はその成長ぶりです。
 私も人のことを叱るほど立派な人間ではありませんが、立場上、必要にかられその役を演じなければなりません。今年の春に鈴鹿サンデーロードレースをサポートへ行った際、二人のライダーに危機感が無いと言う事で、夜の食事会において少々きつく、その行動を戒めました。
 梶山選手はその次の日から行動を変え、それが直ぐにタイムとレース内容に反映されました。
 田中選手はその時点においては、意味を理解できていなかったように思います。彼は梶山選手よりも3歳若い中学生ですから、それを理解するのにもう一戦必要でした。が、その理解に必要だった一戦でとても悔しい思いをしたようで、それ以降は取り組む姿勢が大きく変わりました。

 埜口遥希君も出会ってから、5年が経ちました。彼の精神的な成長は著しいと感じます。大人だから成長しない、などと言う気は毛頭ございません。が、子供が大人になりつつある、その変革期の変貌っぷりは見ていて頼もしく感じます。
 私の子供はまだ9歳と4歳なのですが、中学生から高校生になる大きな子供の成長を疑似体験させてもらえて、とても面白い時間を一緒に過ごせています。

 

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自由長を変えました。

 オーリンズのツインショックのダンパー自由長を変更しました。

 6mm短くしましたが、これは下げる余地を増やすことでセッティングの自由度を上げるためです。タイアの銘柄を交換した際に数mmの補正のためにも、下げ幅を持っているダンパーの方が私は好きです。

 写真のツインショックはACサンクチュアリ様のオリジナルフレームレーサー用です。ライダーの要望で車高を下げ方向に持ってゆくための措置として、今回は短くしました。近々テスト走行も予定しているため、結果が楽しみです。

 

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レース用のリアショック、仕様変更

 本日は通常業務の納品へ、柏のACサンクチュアリ様へ行って来ました。

 ナイトロンのダンパーを納品しましたが、都合よく昨日のテストを終えたオリジナルフレームレーサーのオーリンズを預かり、若干の仕様変更を行う予定です。

 ダンパーの自由長を短くするのが最大の目的ですが、他にもデータ採取を行うつもりです。今回も分解時にエアの混入がどの程度なのかを調べ、把握しておきます。走行は40〜50分程度なため劣化はほとんど無いと予想していますが、そんな短時間での分解する機会はあまり無いと思いますので、写真に撮って皆さんにご覧頂き楽しんでもらえれば幸いです。
 因みに仕様変更を行うと、その辺を試走しすぐに分解という事は多々ありますので、レース関係や仕様変更を主に扱う業者さんからすれば、当たり前です。

 オーリンズのグランドツインと呼ばれるツインショックは、街乗りからサーキットまで広い範囲で使える万能な減衰を備えています。ライダーの國川さんはスーパースポーツやレーサーを乗り継いで来られた方なので、今後、もう少しレーサーっぽい減衰に仕上げるのもありかと考えています。

 

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ACサンクチュアリ様のオリジナルフレーム、筑波へ

 今日はACサンクチュアリ様のオリジナルフレームを走らせる、第2回目の走行でした。

 前回の走行は色々とトラブルが起こり、ほとんど走行が出来なかったそうで、今回が実質的な慣らし走行となりました。 

 走行をコース脇で確認しました。ライダーは国際ライセンスを持ち、海外レースにも参加経験のある方だけあって、無駄のない洗練された走りをしていました。足回りのセットはエンジン関連がまとまった後に行うものだと國川さんも仰っていましたが、粗取りだけでも終わらせておきたいと考え、なるべく進めておきました。
 これまで56レーシングで培ってきた方法論を伝え、ライダーの國川さんも了承くださり、というよりもご自身も同様の進め方でセットを詰めるという事でしたので、簡単に話がまとまりました。

 1本目の走行で発見した課題をライダーと確認し、私はチーフメカの鈴木さんと簡単な打ち合わせを行い、方向性と変更するならAとB。のような具合で、自分では触らずにチーフメカの方が主導して変更を行うようにしました。
 その変更により、動きが安定するようになり良い動きをしている様でした。また新たに発見した問題も伝え、ライダーに還元し、ライダーからも新たな言葉を貰い、その循環を繰り返します。

 具体的には、リアのイニシャルを抜き動きが出てコーナー進入が穏やかになったのですが、ブレーキを握りこみながら倒し込む1コーナーの入りが窮屈そうだったので、そこを本人に確認したところエンジン関連の問題で倒し込みが難しいとの事でした。
 他の部分でも観察した結果を話し、3本目の走行ではフロントの変更を進めました。イニシャル、伸び、圧全ての調整部分を柔らかくする方向に改め、もっと動きを感じられるようにする狙いがあります。

 果たして、思った程は動きが大きくは成らなかったが、最重要視していたアクセルを開けた際のフロントフォークの伸びは少し出てきたそうです。
 これを基に、次回はイニシャルを強め、圧の減衰は弱め、伸び減衰はそのまま走る提案をしました。これでもっと動き感が出ると仮定しています。

 本日の3本を無事に終え、食事を皆さんと摂り色々な話をさせてもらえました。國川さんはフレームが硬そうだと言い、サスを動かす方向に調整してもその印象は変わらなかったそうです。タイムアップしたら変わるとは思うが、第一印象は大抵の場合そのまま変わらないので、多分硬いのではないか?と教えてくれました。
 このフレームの硬さは縦剛性、横剛性共にだそうです。この剛性感をどこで感じているのか?との質問にも丁寧に答えて頂き、私も新たな知見を得られました。

 初めてのライダーと仕事をするのは、緊張感もありますがこれまでに無かった経験を得られため、今後もこの様な新しい挑戦を続けて行こうと思いました。

 

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KissレーシングのFG破損

 前回の全日本で優勝したKissレーシングのYZF-R25に使用するFGが、修理のため帰って来ました。

 FGでは設定のないアルミシリンダーを用いた特別仕様です。今回修理となった理由は、練習走行時の転倒から動きに違和感があると乗り手が訴えたためです。

 車両についた状態での動作確認では、その問題を感じなかったそうです。届いたダンパーを確認して原因を発見しました。車高調整のエンドアイが不自然に見えます。詳細に観察するとネジ山が削れていました。そこで推論を立てました。
 レース車両は車高の変更を俊敏に行うため、これまでの使用によりネジ山が痩せていた。変更を俊敏に行うが故にロックナットは軽く締める程度で、その状態で転倒し強引に引っ張られたエンドアイがネジを飛ばしたため、しっかりと固定されなくなったエンドアイとベース部分のガタが、一瞬の減衰抜けに感じられたと思います。
 分解時の写真からは、シールヘッドを抜いた後の泡立ちもなく、ピストンを抜いてすら少々の泡しか確認できませんでした。これでエア抜きがしっかり出来た証拠です。

 ですが安易に原因を特定するのは次の問題を起こす可能性があるため、ダンパー本体も分解し細かく確認しました。急な力が加わるとシリンダーが変形する事もあるので、特に内壁は入念に調べます。そのほか、ロッドやリザーブタンク、シムなどもその対象です。
 JSBやST600で使われるあるメーカーのシムは、ハイサイドや路面の段差などストロークスピードが想定以上に速いと、シムが変形し孔を塞げなくなり狙った動きをしなくなります。今回はシムには問題がありませんでしたので、そのまま再使用します。
 来年も同じダンパーを使う場合は、シム交換も必要となりそうです。シムは簡単に言えば板バネですから、過酷な使用でへたります。過酷とは大きくたわむ、長い時間使うなどの意味です。

 オイル交換を行い、上下のピロボールを交換して出荷となります。

 

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写真をジッと眺める

 56レーシングではお馴染み、川野さんのフェイスブックを眺めていたら、格好良い写真を発見し了承ももらいダウンロードしました。

 こういった写真は、単純に格好良いなと感じつつもやはり細部に目がゆきます。

 まずはライダーの姿勢です。一般のライダーでこれほどバイクと体を密着させる人はなかなか居ません。レースを走り慣れているライダーでも意外に少数です。もちろん56レーシングのライダーはフォームの矯正を受けますので、かなり写真に近い姿勢をとります。
 アクセルを開ける右手は棒を握るのではなく、剣道の竹刀や野球のバットを握るようにしていようです。私とほぼ同じ身長の中野さんですが、この写真では肘と膝が触れ合うほど体をバイクに密着させています。


 コーナー出口で加速状態にあり、フロントタイアは路面と離れています。明らかに右コーナーの出口ですが、体は左側に移動していることから、この先に左コーナーが控えているのか?それともただ早くバイクを起こしたかっただけなのか?などと想像します。
 先日、中野さんの先輩ライダーである岸田さんの話を聴きましたが、56レーシング所属の田中君に「バイクの起こし方がちょっと雑」と教えていました。早く起こしてフル加速すれば良い訳ではなく、丁寧に起こして行く意味があるようです。

 写真一枚でとても楽しめるので、皆さんが写真で遊んでもらう切っ掛けになれば幸いです。

 

 

 

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筑波選手権の結果

 昨日は筑波選手権の本番でした。

 前日の練習走行から調子の良かった二台は、なんとか乾いた路面に合わせ、ドライセットで予選に臨みました。

 梶山さんは前日の走行姿勢をもとに、車両の静的姿勢(スタティックバランス)を変え、動的姿勢(ダイナミックバランス)もほんの少し変更を加えました。外から見か印象では少し曲がりかな?と推察したのですが、ライダーの弁ではこれまでの中で一番好印象との評価でした。

 このまま決勝も走りレース中に自己ベストを更新し、CBRカップのベストタイムも出したので車両もライダーも良かったみたいで一安心でした。しかし、スタートで出遅れて前走する車両に仕掛けられなかったのが少し残念でした。
 ですが過去の経験からわかることですが、今いる位置を保持したままゴールするのもまた難しいことです。焦って無理をすれば転倒し、折角のポイントを逃してしまいます。この冷静さもまた、ライダーにとっては重要な要素だと思います。

 

 田中くんは前回のレースが相当悔しかった様で、この間の努力は傍目で見ても分かる程でした。
 前日の雨走行で変更したセットはフロントのイニシャルだけ変更し、予選へと臨みました。結果は総合二位のクラス一位でした。ずっと先頭を走りスリップも使わない単独走行の中で出したタイムは立派だと思います。

 決勝はうまくスタートが決まり(他車が失敗したこともありますが)、レース後半までずっと先頭を保持していました。しかし、JP250の車両に追いつかれ最終周に先頭に出る場面もありましたが、結果は二位に終わりました。クラス一位だったので少しの悔しさはありますが、十分な結果だと思います。
 帰り際、二度の世界チャンピオンを獲得した坂田和人さんが両ライダーに助言を下さり、このレースにおける優勝の仕方などを解説してくださいました。厳しくも若いライダーに速く強くなって欲しい気持ちが伝わる、重みのある言葉を頂戴しました。

 坂田さんが言うレースに勝つ方法は重々納得したのですが、それでも一ヘア出口からダンロップアーチで仕掛け、前に出た場面は観ていてかなり興奮しました。あの場所で前に出るのはかなりの実力差がなければ出来ない芸当ですから、とても格好良く思います。

 レース後の表彰台で、JP250の優勝したライダーさんの言葉は重みがありました。
 全日本と日程が重なり、速いライダーが不在のため運良く優勝できたと、本人談でした。確かにライダーの力量はずば抜けて高いものではありませんでしたが、素直にそれを認め、優勝できる立ち位置に居たことを運も含めた実力だと思います。と語るその姿勢とご自身の所属するティームに対する謝辞も、本心からのものだとしっかり伝わってきました。

 今回、前日練習で二台の車両姿勢を変化させ、それが両ライダーに好印象に受け止めてもらえました。監督のお父様から「新保さんのセッティングがはまりましたね」と褒めていただきましたが、その為にはライダーを支える両親と、環境を提供する56レーシングというティームがあり、そこで皆を支えるスタッフさんが動いた上で、最後の微調整で私が少しだけ助言をしたに過ぎません。
 いつもいう、インフラストラクチャーという名の下部構造(チーム)が上部構造たるライダーやセッティンを支えてくれるお陰で、それらが充分に機能すると確信しています。今後も邪魔をしない様にそっと優しくティームに寄り添えるように活動してゆきます。

 

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