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完成へ一歩近づく、ニンマリ

 E46のリアダンパーをエア抜きしました。

 各部を研磨により滑らかな作動を狙いましたが、ダンパーにオイルを入れてエア抜きを行いましたところ、なんとも言えぬ良い動きをしています。

 本来はリザーブタンクのないモデルで、減衰調整ダイアルで変更すると伸びと圧の減衰は両方変化します。これを嫌いリザーブタンクをつけその辺りに幅を持たせたつもりですが、もう少し変更を行うべきだったような気もしています。ですが乗ってみなければ分からない部分も大いにあるため、今後の仕様変更のお題として取っておくことにします。

 リザーブタンクをつける、エア抜きを完璧に行えるようにする。これは一体何のためかと申しますれば、一義に性能を安定させるためですが、副産物としてガス圧を下げられるというのもあります。エアがしっかり抜けていればキャビテーション(エアレーション)が起こりづらいので、低いガス圧でも成立します。それは路面からの入力をしなやかに受け止める(受け流す)事ができます。

 本日もラリーに参戦する当社の金岡と話をしていました。彼のシビック・タイプR用のオーリンズを改造しグラベルを走り、先日は茂原ツインサーキットにおいてアスファルトを走ったそうですが、縁石を超えて着地した際の安定感はかなり向上したそうです。

 友人たちが横乗りで同乗したそうですが、スタビリティの高さをみなさん感じ取れたようです。正しい方向性の地道な努力は、必ず実を結ぶと嬉しくなりました。

 

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E46のダンパー改造を進めていたら

 一昨日、電話で問い合わせをいただきました。

 私が自身のBMW・E46に使うビルシュタインのダンパー改造記事をご覧になった方が、ご自分の乗るNBロードスターの仕様変更と改造に関しの連絡でした。

 自分の46が目標とする乗り味は、しっとりと縮みながら伸びは適度にかかる様な、どちらかといえばBMWよりおPorscheや Marcedesの様な路面に吸い付く乗り味です。
 私自身はBMWが打ち出すスポーツ性よりもベンツ・ポルシェの様なしっとりした足回りの方がよりスポーツ性が高いと判断しています。それは路面に吸い付くとは「タイアと路面が離れない」状態であり、つまりは接地能力が高く、加速、減速、旋回を高度にバランスさせます。

 この乗り味を目指しダンパーの作り替えと、基本部分の整備を進めています。バイク用のリアショックやフロントのカートリッジを自社製で製造してゆくつもりですが、実は四輪のダンパーも自社製品のランナップに考えています。
 大量に売るための品ではなく、売れなくても自分が欲する乗り味、外観や質感を持った良い製品を考えています。それをご覧になったアッパークラスの方が、自分もそれと同じのが欲しいと感じ、依頼くださればこれ以上の喜びはありません。

 そのため細部の作りを研究し、本丸であるピストンも今年から製作に改良を重ねてゆくつもりです。

 完成したらE46は試乗車として、興味のある方に自由に乗っていただける様にします。現在の自家用車であるW211のE350ベンツは代車などに活用しますので、四輪でも改造に興味を持たれましたら、是非連絡ください。

 

318Ciで実験します。

 昨日はBMW・E46の318Ciを進めるべく、金岡が動いてくれました。

 ダンパーの製作は私の仕事ですが、車体周りはラリーで体得した車体整備能力を発揮して、整備に勤しんでいます。
現在はリア周りを主に作業しています。その項目はブレーキキャリパのO/H。パッドはプロジェクトμへ交換。当然フルードも交換です。

 リアダンパーはリザーブタンクを増設し、調整部分を増やしエア抜きも容易に精度を上げて行えるように工夫します。私の気が乗れば、オイルシールのホルダ(シールヘッド)を金岡のラリーショックのように、ネジ締結へ変更するか、クリアランスを詰めるための部品製作を行います。
 他にもナックルのベアリング交換のため、治具を作りスライドハンマで引き抜けるようにしました。大きな材料を持っていて良かった。

 

 フロントはショックの改造。エンジン他のブッシュ関係とアームも交換です。これはベアリング一体なので面倒を避けるための措置です。さらには燃料フィルターやクラッチ板も用意してあります。

 エンジン本体以外は可能な限り整備を行いたい。そして、窓の縁に使われているゴムがかなり劣化しており、これも交換したいのです。欲を言えばオーデオも今時の画面が大きく電話と通信できれば便利ですが、古い車なのでそこはあえて純正のMDとラジオのままが格好良いかとも考えます。

 エンジン、インジェクションを含むマネジメント系、排気。希望を話せばキリないのですが、2Lのままダウンサイジングターボのように、ごく低速域から太いトルクを発生し、高回転は捨てた使用で街乗りを面白い車にしてみたい・・・高速道路で飛ばせば、免許も命も亡くなります。そこで現実的な速度で楽しい車を目指したいのです。
 しかし一度に全てを行えるほどの経済的余裕はありませんので、目先は手の届く範疇で作業を行い、将来的にエンジンまで改造できれば最高です。が、M3を買って湾岸MDのように首都高を(ゆっくり)ドライブして気分に浸るのもまた一興。

 とりあえず仕事を頑張って稼ぐことにします。

 

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明日から通常営業

 明日一月六日から通常営業を開始します。

 まずは細々として業務を片付け、厚木まで一件納品を行い、動画の撮影を予定しています。

 今年は大きな買い物などで新規の開発などは行いませんが、昨年までに購入したPCやデータロガーを用いて、新たな開発やサービスを進めて参ります。ペーパーレス化を更に進め収集したデータをスプレッドシート等で相関を調べてみるなど、これまでとは違った方向の開発を考えています。

 業務に関しては、昨年までサーキットで使っていたMoTeCを街乗りで使える様にして、お客様のライディングを分析したり、クローズドコースではない市街地で実際にサスペンションを含めた車両に何が起きているのかを測定してみます。

 四輪においては金岡のラリーをサポートし、過酷な状況でも問題の起こらない製品と手法を模索しつつ、一方では街乗りにおいてBMW・E46/318Ciでスポーツ性と快適性を同居したおじさんに優しい車を探求し、試乗車や台車として貸し出せる様に準備します。

 よりお客様に快適な車両を提供すべく、地道な作業を続けて参ります。

 

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BMW R1100S、セッティングについて

 YouTubeのセッティング動画の続きをどのようにしようかと考えていましたが、本日BMWのR1100Sを試乗セッティングした事により、良い解決案が生まれました。

 この度依頼があったR1100Sは前後にFGが使われており、O/Hとセッティングを同時に進めました。内部のシム組やスプリングを確認しながら、気になる部分は変更を加えました。キャンペーン期間中という事もあり、リアの減衰特性は割と大胆に使用変更を施してあります。
 それ以外は前後とも丁寧に組み直し、ガス圧を見直す事でふんわりと動くサスペンションを目指しました。

 お客様は休日の関係で26日までしか猶予がなく、小雨が降る中での試乗となりましたが、楽しく走れました。元来私は雨の中で走るのを怖いと感じません。濡れるとか事故の確率が上がる意味では面倒とは思いますが、接地感が希薄などの理由で雨天走行を遠ざけません。
 お客様から雨天走行の了承をいただき、早速走り出しました。

 走り出してすぐ、フロントの高さを感じました。高いとどのような感触なるかと言えば、フロントタイアが外へ逃げてゆく感じです。それを厳密に表現すると、ハンドルが切れているのにキャスターが寝ているせいで実舵角が減り、曲がらないのです。
 Ninja900のように設計段階でキャスターが寝ていれば、リアとの調律は保たれ、曲がらないが不快感は感じないこともあります。しかし、サスペンションやスプリングを交換して、もともと良い設定だった車が変化すると、非常に不愉快な感触を得ます。

 反対にフロントが低い(リアが高い)と内向性が高まり、不必要にフロントがインへと入って行きます。これは実舵角が大きくなり起こる現象です。つまり私は車高の高さをハンドルの切れ込む量、舵角で判断しています。

 車高に関しては絶対値と相対値がありますので、以前のブログを読むか、また改めてブログか動画で解説いたします。

 話が長いのは私の欠点なので今日は短めに、ここで終わらせますが、セッティングにおいて私が重要視しているのは、つまりは車高です。その車高は加速、減速、停止、旋回と各々の場面により最適な姿勢があり、その場に合わせた車高(姿勢)を作り出すのがセッティングだと定義しています。

 

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BMW F30を長距離乗りました。

 昨日は夜中に大阪へ、納品に出かけました。

 兄のBMW3シリーズのF30を借り、片道550Kmを走破しました。これだけの長距離を乗ると、普段使いでは気づかない点が見えてきます。

 足回りの評価は大きく変わりませんが、加速減速は100Km/h以上の速度でも余裕がありました。ターボが付いているので、E90のNAエンジンとは比較になりません。しかし残念なのはエンジンや排気音が抑えられているせいで、車内、車外問わずに若干物足りなさがあります。
 これも普段使いを考えれば良いのだと思いますが、ちょっとだけ残念でした。

 空気抵抗もかなり向上した様で、風切り音がかなり抑えられていたので、長距離移動の疲労はかなり低減しています。シートも程よい硬さなので、腰も痛くなりませんでした。

 他の年式、グレードで違いがあるのかは知りませんが、特筆すべき素晴らしい点を発見しました。それはマニュアルモードでシフトダウンを行った場合の、操作に対する忠実性です。E90やメルセデスのW211ではシフトダウンを行っても、操作に反応せずエンジン回転が下がるのを待ち、シフトダウンが行われます。
 しかし、F30のオートマはシフトダウンに即座に反応し、しっかりとギアが下がります。これを可能にしているのはインジェクション化と、ドライブバイワイアー、オートブリッピング機能の進化の併せ技だと思います。
 エンブレの効きも悪くありません。バックトルクリミッターを備えた様な、程良いバックトルクの逃し感もあります。

 アルバイトの梅山が教えてくれたのですが、最近のATはトルコンながらロックアップ機構があり、ロスが少ないそうです。ATに関してはかなり良いと思いました。

 ダンパーの動きですが、スプリングは低めのレートです。これはロール量から推定できます。それに反して圧減衰はちょっと強めで、伸び減衰は弱すぎます。そのためふわふわ感が強めにです。BMWの基本特性は前述の減衰比が多く、そこが私には合いません。これはすぐに作り直したくなります。兄から依頼があれば、ぜひ試したいですね。

 燃費が良い点も助かります。金銭面もよりも、給油の回数が減り面倒がなくなります。今回は満タンで出発してから大阪をまわり、帰路の浜松で入れました。
 合計1,200Kmの距離を走りました。出発前と浜松の二回しか給油しなかったので本当に楽でした。

 バイクも車も長距離を走らなければわからない事が沢山あります。皆様もたまには長距離ツーリングやドライブへ出かけてみては如何でしょうか?きっと楽しめるはずです。

 

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舵を入れる刹那

 昔読んだ本に書いてあったので正確ではないかも知れませんが、「刹那」とは1/60秒程度の事を言うそうです。

 昨日、営業で江戸川区を回ってきました。既存のお客様から新規のお店まで7件ほどに顔を出しましたが、そのうちの一件はBMWのE24専門店であるシルキーシックス様です。
 滑らかな回転フィールを評して、シルクの様な回転をする6気筒という意味で「シルキーシックス」と呼ぶそうです。

 同社の社長、原様とは初対面でしたが事前に電話で約束を取り付け、約束の18時に伺いました。最初は現在懇意にしているO/H店があり、仕事は出せないと仰っていましたが、話が進むうち原様の方から要望が出され、それに対してこちらもアイデアを出しつつ、原様の抱えていた欲求に対しての回答が導き出され、もしかしたら理想の足回りに一歩でも近付けるのではないかと言う事になり、今後も少しづつ話し合いを進めて行く予定です。

 二輪、四輪を問わずにサスペンション(ショック、ダンパーの意で総称としてサスペンションと表現しますが)におて重要な要素を、経験から得た話をする中で抵抗(フリクション)について話が及びました。

 舵を入れる刹那、サスペンションが引っ掛かりなくスッと動き綺麗にロールが始まる車。それがどれ程ハンドリングに影響し、車両の質感を高めるのかを力説しました。それは原様も感じてらっしゃる様で、とても共感くださいました。
 この感覚をあっさりと理解してもらえた事には、大袈裟かもしれませんが少々感動を覚えました。本当に車好きで細部に気を配る方ならば、やはりそこにも気づくのだと解りました。

 エンジンは組む技術の大切さは当然の事とし、その前提条件に部品の仕上がりや精度が扱われます。原様の話では、四輪のダンパー屋でその機械的要素を話す人にはあった事がないそうです。当社は友人が勤める会社に依頼し、エア抜きの精度やシム組の変化、ロッド研磨の仕上がり具合を調べてもらい、それらが実際にどれ位変化をもたらすのかを視覚化し確認しています。

 その友人に色々と教えてもらいながら、スライドメタルやロッドガイドの寸法精度が摩擦抵抗に直接影響し、それを人間は質感の高低としてかなり直接的に感じ取る。と言う点に着目しました。そういった事情から、現在はセッティングの下地として機械的要素の底上げ、充実を測っています。それも原社長に話たところ、エンジンに例えることで容易に理解して頂けました。

 細かい説明なしに話がダイレクトに通じる人は、やはり少数です。それはお互いのレベルが高い低いも関連しますが、生きている世界や考え方がより密接に関係している様な気がします。

 面白い方に出会えるのが、営業の1番の面白味ではないかと、改めて考える良い切っ掛けとなりました。

 

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雑文

 今年手がけたBMWの523iF10を思い出していました。

 ホイールベース2970mmはかなり大柄に感じました。しかし思いの外曲がる感触はあります。

 Mスポーツの車両でしたが、一番気になったのは伸び減衰の不足です。ギャップや路面のうねりで沈んだ車体(ショック)がスッと落ち着くのではなく、ポーンと弾かれるような落ち着きのない動きです。直進時においても路面とタイアは離れそうな、安心感を得られない車体です。

 タイアの接地感を得るには、常に路面へ荷重をかけ続ければ良いのですが、そうは問屋(路面状況)が許さずに、サスペンションは常に上下動を繰り返します。
 サスペンションが沈み切り伸び始めた瞬間が、その時与えた入力の最大荷重となり、伸び切った時が最小荷重となります。伸び減衰が弱いと、折角沈んで掛けた荷重が素早く抜けてしまいます。そこで減衰を適度にかけることで、ゆったりと穏やかに荷重を残してストローク頂点まで動いてゆきます。そのため最小荷重となるポイントでも急にぬけず緩やかに安定しています。

 この辺りの作りが上手いのは、ポルシェとベンツです。どの速度域でも適度に入れ(サスペンションを縮め)、適度の抜いてゆく(伸ばす)。これが歩くような速度から300km/hまで可能であれば、非常に素晴らしし車体という事になります。ルノー・ルーテシアも安価に作った車体の中に、抑えるべきポイントをキッチリついて、良い仕上がりでした。

 この車体を路面に押し付ける力はどこから生まれてくるのか?一番大きな要素は車重です。つまり車重の思い車(バイクも)は操作をせずとも自重によりタイアへ荷重が強くかかり、接地感の高い安定したハンドリングを比較的簡便に実現できます。ダウンフォースは街を走る車にはほぼ無縁なので、ここでは論じませんし、論じる能力も持ち合わせていません。
 重い車重はブレーキ性能を常に試す事になりますし、エンジンも同様に負担が大きくなるため、大きなトルクを必要とします。

 エンジンといえばバイク程では無いにしろ、四輪においてもエンジンの形状と重さは、その車両を決める程の大きな要素となります。最近のダウンサイジングターボは、排気量を抑える効果がある反面、エンジン重量も小さくなるためその存在感は薄くなります。
 車重が重くなればなるほど、エンジンの重量比は小さくなります。エンジンが車両中央によっても似たような効果が出ます。車両重心に重量物がよってゆくとその重みを感じ取りづらいと私は感じます。

 BMWはエンジンを後ろに持ってゆき、とにかく静止状態の重量比を前後50/50にしよう心がけています。バイク乗りの私はそれに若干の違和を感じます。いま乗っているメルセデスのE350はV6でその車両の中心はダッシュボードとバルクヘッドの辺りと感じ取れます。
 BMWはそれがもう少し後ろのシフトノブ辺りにだと思います。そのため軽快感は強いのですが、フロントタイアの接地力を出すにはしっかりした荷重移動、つまりはエンジンブレーキやフットブレーキを必要とします。上級者はスリリングな楽しみを覚えるはずです。
 反面、一般的なドライバーはATと合わさった前後荷重移動の少ない運転が常です。そうであるならば前輪に荷重をかけるのは難しく、安心感を得難い車体と表せます。メルセデスはそれを踏まえ、少し前方寄りの重量配分なのだと考えます。

 バイクも大抵の場合でフロント荷重の方が大きい乗り物です。しかもホイールベースが短いのに重心は高い位置にあり、荷重変化を起こしやすい作りなので、減速でフロントタイアからグッと接地感を得られ加速ではリアに大きく荷重が移動し、こちらもまた良い接地感を得られます。
 それに反して四輪は(FRの場合)リアのアンチスクワットに加え、ピッチングでどれ程の荷重がリアに映るのかはわかりませんが、E350は意外なほどリアタイアの食いつきを強く感じます。長めのリアオーバーハングの影響でしょうか?
 F10の2970mmのホイールベースに対しW211は2855mmです。しかし全長は20~30mmしか変わりません。ほぼ同じ全長の中でホイールベースだけ100mm近く後退した事になります。この差は大きいです。エンジン位置が変わらなければホイールベースを伸ばすと前輪荷重は増えますので、BMWはそれを狙ったのでしょうか。しかしF10もその後のG20もその重心は車両中央近くです。

 前述の重量配分はもう少し車両を乗り込み、分析が必要そうです。

 特に目的を持って書き出したブログではありませんが、まとめるとサスペンションだけをみるのではなく、その構成を知りセッティングするのが大切だと考え、事にあたっております。

 

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電動シートの好ましい点

 最近の四輪車には電動シートを採用する車両が多くなっている様に思います。

 電動シートは重い、動きが遅い、バッテリーが心配などあまり好ましく思っていませんでした。ちょっと一休みしようとシートを倒すのもバッテリー上がりが心配になります。単に私が小心者なのかもしれません。

 しかし電動シートにも良い点があります。それは調整を微細に行えるのです。機械式の場合は内部のラチェット機構が働き、レバーを引くまでは一方向にしか動きません。つまりラチェット機構の歯の一コマが最小単位となっています。

 電動シートの構造は知りませんが、ロック機構の一コマが微細で、そのため好みに近ずける事が容易です。バイクにおいて着座位置、ハンドル、ブレーキ、ステップ、ペダルなどかなり詳細に詰めてゆきますが、四輪車のドライビングポジションも同様に調整可能な箇所は徹底して変更します。車種によってはアクセルワイアーの遊びをなくせば、かなり車の印象も変わります。べダルの位置でも自分の操作を車に伝える「伝達率」は大幅に向上させられます。

 未だ浮きっぱなしのBMW318Ciは調整箇所が多く、ドライビングポジションの調整は楽しいです。

 

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BMW 3シリーズ F30試乗

 先週の土曜日に初めて兄の買ったBMW3シリーズのF30という型を運転しました。

 現行のG20型はホイールベースが2850mmと一昔前の5シリーズ、ベンツのEクラスに匹敵します。試乗したF30はそれよりも若干短いのですが、それでも2810mmと十分大きな車両です。
 F30の前E90にも乗っていましたからそこは直接比較が可能で、読んでくださる方にも有益だと思います。

 試乗した車両は320iラグジュアリーです。直列四気筒のターボモデルで最大トルクは270Nmと2.7Lクラスのエンジンと同様です。車のスペックを読み解く際に私はホイールベースと最大トルク(発生回転数も含め)を重視しています。この二つの数字が車両の特性を決定する二大要素だと考えるからです。
 ホイールベースの長さがサスペンションでは誤魔化しきれない車両運動を決め、エンジントルクが動力性能を決定します。パワーは力ではなく仕事量であり、常用域で乗員はトルクを強く感じています。車が動くときに軽さを感じるには実際の重量以上に、トルク特性が重要だと考えます。

 F30はすぐに軽さを感じる車でした。その要因はトルクの厚さもありそうですが、BMW特有のサスペンションセットもかなり影響していそうです。BMWは伸び減衰が必要量に対し不足気味で、逆に圧減衰は強めです。
 路面に対する反応は良いのですが、ショックを吸収せずに路面からの入力を(感覚的には)増幅して跳ね返します。跳ね返す相手は車体ですから車は大きく動きます。ベンツやポルシェは逆に伸びを強め圧縮側は弱めます。こうすればサスペンションはスッと沈み、スーと戻るので穏やかな動きを演出します。

 F30はフロントサスペンションがリアとの相対比較で弱く、特に伸び減衰は前後共に不足しています。旋回を開始すると内輪が伸び、外輪はあまり沈まないのでロール軸は外輪寄りの高い位置にあります。ベンツは逆に内輪寄りの低い位置にロールセンターが位置します。

 F30は前後のバランスにおいてはフロントは柔らかく動かしつつ、逆にリアはあまり動きを感じさせません。
 ここでサスペンションについてまとめると、絶対値として伸び減衰が不足しており、圧減衰は高速側を抜きたい。スプリングは悪くないのですが、リアは若干イニシャルが強めのようです。相対比較でフロントは柔らかくリアは硬い。この中間が良さそうです。フロントのプリロードを強め、車高を取り直せばとても良くなりそうです。


 フロントが柔らかくリアが硬いということは、前後のねじれは後輪よりにあるという事です。

 これまでに乗ったE46、E90、F10、G30と比較しブレーキはとても良いと感じました。ABSの効きどころも操作性もとても好感触です。ただ、フロントのダンパーが合っていないのでブレーキペダルを話すと「ピョコン」と動きます。これでは運転手も同乗者も楽しくありません。
 社外品のダンパーに交換すると大抵スプリングが硬すぎて、減衰も縮み側ばかり強め正直ゲンナリします。やはり好みの車に仕上げるには自分で作るしかありません。

 これまで乗ったBMW,Porsche,Benz,AudiそしてFerrariで嬉しく思うのはAピラーの位置です。とても上手に配置してあり曲がる際に顔を向けても、邪魔な位置にありません。反して日本車の殆どは、悪意を持って配置したのではないかと疑うほど、視界の中央にAピラーがあります。これは私には許せない事です。設計に関わる方には是非とも改善してほしいポイントです。

 この車両はオートマ(AT)です。E90やいま私が乗るベンツW211のATでギアを変更すると、その意思に従いギアをなかなか変えません。F30はATでも切り替えになるべく従うように頑張ってくれている気がします。このおかげで少しはリアタイアの存在感を得られます。

 乗降車のし易さはとても好感触です。E46のクーペはそれがとてもし辛く感じました。

 BMWはどの型でもエンジンをなるべく後ろに寄せる努力をしている所為で、ミッションも連動して後ろに寄るため運転席は狭くなります。逆にそのタイトな感じがスポーツ性を感じられるので、私には好ましく思います。体感で判断する車両の前後スタティックバランスは、運転席あたりに思います。ベンツはもう少し前、ダッシュボードかその若干前あたりのようです。これはどちらが良いわけでもなく、思想の違いです。
 ただ、私はベンツの方がフロントの安定感を得られるため、BMWもエンジンをほんの少しでも前に積んだ方が、より上質になるのではないでしょうか。しかしそれをすれば、BMWらしさも失われるでしょから、そうはならないはずです。
 そこで、私の所有するE46318Ciではサスペンションセッティングで可能な限り、重心位置を前に持ってゆこうと考えています。

 まとめると、F30は基本の作りはとても良いと感じました。特にブレーキの質を大幅に向上させたのは、目をみはるポイントです。エンジン特性も悪くありません。あとはダンパーの動かし方で車両をどのように演出するか、これでもっと楽しい車になると思います。

 純正ダンパーの改造、社外品を改造する場合でもF30をもっと楽しみたい方は問い合わせください。

 

 

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