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2022年2月

MT-01のセッティング変更

 MT-01のセッティング変更を進めています。

 先週、試乗して問題点を概ね把握しました。そして昨日リアショックのスプリングを160Nmから140Nmへ交換し、操舵性の変化と乗り心地を確認したので、これからセットを変えてゆきます。

 フロントにOHLINS・FGRカートリッジ、リアはOHLINSのO/Hとシムの設定変更では狙い所へたどり着けませんでした。まずリアが常に高い。これはバネ定数が高くその影響が大きい。それならフロントを上げれば良いのでは?と疑問が浮かぶわけですが、いつもリアショックの最大ストロークを確認するとギャップで沈み込みが足りない。つまりリアのばね定数が高すぎる訳です。

 しかし、上記の状態であってもフロントの車高を上げるとリアへ車重が移るので、リアのばね定数が下がったような(重量が載るために)効果が得られ、問題が解消する場合もあります。今回もそれを試した上で、それでも問題が解消しなかったのでバネ交換を行いました。

 バネ交換により後ろがしっかり下がり、タイアに重量が乗ります。アクセルを開ける時の安心感が大幅に変わります。それだけでなく乗車1G(いわゆるサグ)がしっかり取れるため減速時の安定感も段違いに演出できるのです。リアの安定感が強いとリアブレーキを強くかけても破綻しないために、安全性も高まります。

 フロントへ話を移しましょう。
 フォークスプリングの定数とイニシャルは、トップアウトスプリングに大きく影響されます。今回は0.95Kgf/mmから始めました。イニシャルや減衰調整でそれなりにまとめましたがそれにより、どうしても解消できない不満点が露呈します。それはストロークの奥の部分で粘りが足りない。一般にこれはばね定数を上げて解消するのですが、減衰、ばね定数、油面を自分で設定しているからこそどこを調整すべきかわかります。今回は油面を上げて解消します。それにスリングレートを落とす予定です。レートを落としつつイニシャルはもっとかけたい。こうすることで面白い効果が生まれます。

 次回はフロントの仕様変更と、リアの減衰設定による変化を話します。

 

 

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MT-01試乗

 昨年の秋に預かり、今月部品が届いたのでMT-01の仕上げを進めておりました。

 詳しい車両の状態は写真をご覧いただければ、概ね理解いただけると思います。前後のブレーキキヤリパ。マスターシリンダ。ウィールなど改造は多岐にわたります。

 当社が依頼いただいたのは、オーリンズのリアショックO/Hと仕様変更。それにフロントフォークの大幅な改良です。インナーチューブはすでにコーティング済でしたので、主にオリンズのカートリッジキットFGRを組み込みリアとの相性を整える事でした。

 MT-01用にはFGRのキットは販売されておりません。そのため組み付けにあたり仕様変更を施してMTの寸法に合わせて改造を施しました。

 スプリングレートと減衰は一から手探りで作り込んだわけですが、その下地となったのは同じヤマハのFZ1フェザーです。3年前に同じFGRカートリッジキットで作り込んだ経験があり、おおよその方向性は決めてありました。
 それもあり、初回のベース作りから想定通りの良い仕上がりとなっています。試乗し微調整を進める中で十分な手応えを感じられ「このまま納車しても十分満足いただける」手応えを持てました。

 しかし、それは80点という及第点よりやや上の水準であり、今回は予算を潤沢に用意いただいており、時間と部品代をまだ費やせます。そういった事情もありフロントのバネ交換と減衰の仕様変更により95点を目指します。

 具体的には減速で強くブレーキをかけた際の沈み込み具合に不満を覚えます。その領域ではもっと減衰が立ち上がって欲しい。しかし1000回中に大きめのギャップを拾った際は「スル」っといなしたい。この両立を目指します。
 現状では大きめのギャップをスルッといなすものの、減衰の立ち上がりが弱い。この点を改良します。

 それにバネ定数は悪くないものの、トップアウトとの相性もありイニシャル量と沈み込みの量。そして定常走行時のフロントの高に微調整が必要です。チグハグと言う程ではないものの、ピタッと全てを同調させるには全ての材料(バネ定数、トップアウトの定数、イニシャル)が合わせ込めない感触なので、それを改善するには前述のパラメータを変化させる必要があります。それら変数の要素として主スプリング、トップアウト、イニシャル、それに減衰力の変更が必要となります。

 リアに関してはオーリンズが設定する160Nmのバネはそれほど酷い値ではありません。では何が問題なのかと言えば、イニシャル量(バネセット長)です。
 もっとイニシャルを抜きたいのに、最大にイニシャルを抜いても掛かり過ぎの印象です。あと5mm抜ければ調整代が十分に取れるので満足できる設定になりそうです。
 バネも用意してありますので、先ずはバネ系を決め、最後に減衰のセットを何度か詰めて行きたいと考えます。

 明日は動画で現状を話し、私自身も思考をまとめたいと思っています。来週は減衰設定の組み替えと実走でセットを詰めて行きます。

 納車してお客様が喜ぶ姿を想像すると、今から楽しみです。

 (写真は後日アップします)

MT-01のフロントフォーク改造

 MT-01のフロントフォークを改造しています。

 二枚の写真を見比べればわかりますように、シリンダー、ロッドの太さが明らかに違います。そしてそれぞれの部品の質。オーリンズはアルミ部品に高品位なアルマイトが施されており、極めてなめらかに動きます。一方純正はロッドが鉄の生材でその手触りはザラザラです。もちろん動きは良くありません。

 裏話的な内容となりますが、オーリンズは部品加工を許していません。そのためすべてオーリンズの部品を用い無加工で取り付けるように部品等を用意し、MT-01の純正フォークへ取付を可能にしました。
 着いてしまえば後は実走によるセッティングを仕上げるのみ。という訳で明日以降に試乗を行いセッティングを進めてゆきます。

 

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F430のZFSachs分解

 F430のザックスですが、作業が進んでおります。

 カシメ型(最初の写真で形状を確認してください⚠️写真は後日アップロード予定)なので、通常では再利用不可能です。細かい話をすれば長くなりますんので割愛しますが、寸法も厳しく一度分解すると再利用は極めて難しいのが現実です。
 二輪車のリアショックを長く手掛けてきたわけですが、今から5年ほど前になんとかカシメ型を再利用する手立てはないかと、必死に思案して開発したのを発端とし、いくつかの手法を開発しました。

 その中でもF430をO/Hする手法は際立って特殊です。まさに企業秘密ですが、普通の手段ではありません(カシメ型のO/H自体が普通ではありませんが)。
 かなり難しいのですが、少ない空間の中でオイルシールなどを詰め込むために現物加工(既存の部品に加工を施し再利用可能)を行います。

 分解時にはオイル量や部品の採寸など可能な限りの採寸を行い、問題が発生し際に取り返せるように準備を行います。ヨーロッパ車は二輪四輪問わずZFザックスが多く、その中でも電制は同社がかなり進んでいるようなので、採用例がとりわけ多いのです。

 二輪のBMWもこれまでにザックスを採用しており(現在はマルゾッキに移行しつつあるようです)、その影響もあり当社ではザックスの電制を数多く手掛けた経験が活きて、F430の電制ショックに手を出せるようになりました。

 カシメ型ショックの再利用は、60年代の車両の純正部品を使えるようにするため開発したわけですが、フェラーリにも転用できるのは面白い点でだと感じます。

 

 

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フェラーリF430純正ショックのアッパーマウント

 表題の部分ですが、ブッシュが特殊な形状をしています。

 下の写真をご覧頂ければ分かる通り突起が水平垂直では有りません。そのため、考えなしにブッシュを抜くと取り付け時に困った事になります。

 写真で記録しておき角度を確認し、取り付け時に問題が発生しないよう十分な下準備が大切です。電子制御の配線もあり、誤った手法ではカプラを破損したり配線内部が断線する可能性も大いにあります。

 前回の依頼時にブッシュを抜き取るための治具は制作してありましたので、作業自体は簡単に進みました。以前は工具を造りながら手順を考えてなど、数時間を要しましたが今回はかなり時間短縮でき、経験は重要だと痛感します。その経験を無駄にしないためにも、手順書を事細かに作成しています。

 写真と説明文を併せ「初心者でも作業可能」ではなく「手慣れた作業者が手順を知って、無駄な時間を省く」ための手順書としています。それほど簡単なショックではないため、初心者に作業をさせられません。実務経験が数年あり2~3千本は作業をこなした人間でなければ任せられない、案外難しいダンパーなのです。

 今回はブッシュ部分だけですが、次回からは少しずつ分解作業を紹介します。

 

 

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2020年型S1000XRのローダウン

 2020年型のS1000XRをローダウンしました。

 シート高で40mm弱さげましたが、その手法はこれまでと同じく前後ショックを分解し、バネの交換やカラーの加工で対応しています。
今回、2時間ほど街乗りをして設定を確認しましたが、純正の減衰設定はリアの伸びがやや動きすぎのように思います。ダイナミックとロードの二通りから選べますが、柔らかくするとかなりポワンポワンと動きすぎて、硬めに設定すると若干動きが感じ取りづらい難しい仕様です。

 そのような訳で、リアの内部設定を変更して減衰特性を変えればもっと楽しめる車両になりそうです。フロントもスプリングレートを改めれば減ったストロークの密度を増して、少ないストロークで十分な吸収量をまかなえます。それにより前後の(リアのスプリングは交換済)動きがより同調するために、乗り心地と走破性が同時に向上して、楽しさが倍増します。

 40mm程度のローダウンであればサイドスタンドは無加工で丁度よい程度です。

 S1000XRは前後ショックを付き詰めればもっとすごい操舵性を得られると確信しました。新たな依頼があった際には、そのあたりを提案してより質感の高い車両を提供できるようにと考えています。

 

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フェラーリF430の前後ショック

 最近受注があり、フェラーリのF430ザックスをO/Hしています。

 以前にもブログに取り上げましたが、今回の依頼では作業工程書を制作し、各部を細かく観察しながら作業を進めています。

 その都合もあり、ブログでも何回かに分けて細かい解説をしながら取り上げようと思います。
 今回は序章という事でこれにて締めますが、次回は写真を交えて少しづつ掘り下げて行きますので楽しみにしてください。

 

時間管理

 最近は15時に作業を切り上げて退社しております。

 作業時間は概ね6時間と決めているために、かなり詰め込んで作業を進めます。終わり時間が決まっている切迫感は案外気持ちよくて、退社直前まで全力疾走のように過ごしています。

 以前、他社に納品へ行きましたが従業員の方が仲良く椅子に座って雑談をされておりました。当社も数ヶ月前は同じような行動をしていましたが、ここ数ヶ月はそのような事がなくなりました。
 その代わりに従業員は9時から15時まで休憩なく一気に駆け抜けて、そのままズバッと帰宅します。私も彼らより早く帰宅する事も多く、どちらかと言えば彼らより早く退社できるようにと、動いています。

 残業しない、と決心して行動するのは意外に簡単ですが、一番難しいのは制限時案内に作業を終わらせ利益(売上)を達成する事にあります。制度を敷くのは紙に書いて張り出す(チャットやメールで一斉送信)だけで事足りますが、経営者や上に立つ人間が自ら実践しなければ、従業員がついてこず有名無実に成り果てます。

 そういった訳で時間を限定して作業する毎日ですが、大切になってくるのが時間管理です。
 無駄な作業を極限まで省くにはどうすれば良いのか?それを探るためにどこにどれだけの時間を投資(浪費)しているのかを炙り出し検証する必要があります。

 そこでスプレッドシート(エクセルとほぼ同義)で簡単な足し算引き算の票を作りました。そこに記入するとなると、余計な作業が増えてしまい、動く気になりませんし、それ以上に余計な時間を使うため私の本意ではありません。
 

 何か妙案はないかと考えたところで、作業指示書と時間集計書を一体にすれば手間が省けるし、必ず見る必要があると気づきました。
 そういった訳で明日からその指示書を試してみようと思います。

 上手く行くのか?または途中で投げ出すのかはわかりませんが、自らも使い改良して従業員と共に時間の無駄遣いを見極めようと思います。そして利益目標を達成するだけでなく、時間を余らせるくらいにしようと目論んでおります。その意味は週5日勤務の作業を4日で終わらせて、余った1日は技術開発や遊びにあて、より高品質で上質な仕事を提供するための原資にしようと思います。

 

オーリンズのFGKカートリッジキット

 以前からオーリンズのFGKカートリッジを使っていますが、価格以上の動きを体感させてくれます。

 また仔細にブログで取り上げるつもりですが、アルマイトにより滑りが極めて良く、ピストン径が以前よりも大径化されており、それらの要素が相まってなめらかな作動を得られます。
20年前とは比較にならない上質さです。見た目だけでなく乗って体感できるのが一番素晴らしい点であり、ドレスアップパーツとは一線を画します。

 ドレスアップパーツではない。と言いつつ、トップキャップだけでも替わっていると満足感はかなり高いと思いますし、お客様の車両を試乗する際にも感じるのは、常に目につく場所にあるフロントフォークのトップキャップが替わっていると相当な満足感が有りました。

 以前は加工して取り付けを行っていましたが、代理店契約の都合上、加工ができなくりましたので無加工でつけられる車両のみ対応しております。今回は寸法を吟味して専用車種でない車両に無加工で取り付けます。バネの値や減衰の設定は小変更して対応します。

 

 

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AWS、Azure、Google Cloudを学ぶ

 当年とって43の私ですから、いきなりインターネットに関わる難しい事はわかりませんが、概要だけでも把握しようと本を買いました。

 クラウドのきほん、いちばんやさしいGoogleアナリティクスの教本、AWSしくみと技術がしっかりわかる教科書、の3冊です。

 ほとんど目次を眺めるだけに等しいほど、ざざっと眺めただけです。3冊読んで2時間もかかりませんでした(なにぶん内容を理解できないので、本当に流し読んだだけなので)。

 それにしても、一体どのような事がこれらサービスで可能になるのか?と概要を知ることが経営者としては重要だと考えます。なぜなら自分が望むシステムを組む際に、何を使えば可能になるのか?が把握できるからです。
 自分が希望する仕組みも大切ですが、できること(提供されているサービス)から自分に合ったシステムを探すのも勉強になります。

 現在はYoutubeのチャンネル登録者が1600人近くなり、Youtubeのアナリティクスをチラチラと眺めています。当ブログや最近個人で解説したブログの内容もこれらサービスで分析、解析を行えばもっと効率的に進められるのではないかと期待していおります。

 一番実現したいのは社内のメール、お客様の依頼など、これまで蓄積された社内データを分析し入荷管理を自動化できれば、かなりの部分で人手を省けます。
 自社でプログラマを養成するのは現在の規模ではかなり難しいため、ランサーズやクラウドワークス等で基礎を作り細かい手直し等を自社で可能にするのか?と構想を練っております。

 自分に達成可能な作業ではありませんが、経営者としては実現するべき業務です。1〜2年の時間をかけてでも達成したいと思います。

 

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