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2021年5月

KYBのコンプレッションアジャスタを説明しながら、写真の質をみる

 GSX-1400のフロントフォークをオーバーホールに改造依頼です。作業の内容は複雑ではありませんが、インナーチューブは金のチタンコート。アウタチューブにはカシマコートを施します。

 問題は80年代後半から2000年代前半まで、KYBのフロントフォークコンプレッションアジャスタは、非分解式でした。圧入された部品が留め金となり、ダイアルが抜け切りません。ですからオイル漏れの際にはOリング交換ができず、アウタアッシの交換となり非効率でした。
 当方では圧入部品を削り取り、新たに部品製作して対応可能です。

 今回は圧入の手法を取りましたが、ネジ式に改め回数制限を無くすような改良も行いますので、困っている方は相談ください。と言うことでキヤノン、ニコンの両機で撮影した写真を参考にご覧いただきながら、他の写真も載せておきます。

 

 

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受け身の動詞

 数年前からTwitterを見ていますが、やはり気になるのは「納車しました」です。

 そんな些細なことはどうでも良いと言われますが、言葉を気にする身としては、どうにも気持ち悪いものです。ではなぜ「納車しました」が間違っているのかを説明します。

 納車はする方と、される方の二者がいて成り立ちます。バイク屋さんや販売側は納車「する」側。買いて・受け取りては納車「される」側。これを言い換えると追突事故でぶつける側とぶつけられる側に分けられます。前者は「する」側。後者は「される」側となるのは理解いただけるでしょう。

 それでは事故でぶつけられた人が通常「ぶつけました」と表現するのでしょうか?しないでしょう。「ぶつけられました」というはずです。このことから買い手側は「納車されました」が正しいのです。「された」がやや嫌な表現に感ずるならば「納車していただきました」等の丁寧表現をすれば良いのです。イタリア語を学ぶ中で日本語の文法も気になり出したのですが、これは受け身の表現です。する、ではなく、される。

 ならばなぜ「納車しました」と表すのでしょうか。時代の流れですね。言葉は変化するものですし(私はそれを是としませんが、100年前の人からすれば私の日本語も品格にかけることでしょう)、現代の教育が国語を蔑ろにして米国語を推奨しているのですから、言語の衰退はより顕著です。

 本日は整備に関わる試験を受けましたが、そこの問題ではカタカナ英語に溢れていました。横文字をそのままカタカタにするのは簡単なのでしょう。その所為で文章はカタカタ英語で溢れ、カタカタ英語を日本語の助詞、接続詞でつなげるなんとも悍ましい文章になっていました。

 巷に溢れる文章も同様です。平仮名、カタカナ(カタカナも古くからある日本語だそうです)、漢字で構成される文章を発見するのは現代においては困難です。それもあり、私の文章では極力カタカナ英語は忌避している訳で、殆ど見当たらないのです。仮に使うのならば単語の意味を調べ、仕方なく使う程度の代物です。例えば上に文にある「バイク屋さん」も二輪車屋さんと言い換えたいくらい。ですが、やや不自然なのでここはグッと堪えてバイク屋と表現するわけで間違ってもバイクショップなどとは言いたくない。

 他にも小池都知事が「パラダイム」と言って少し騒がれていました。私はパラダイムの意味を知っていますが、知っているなら日本語で規範とか模範などと言えば良いだけで、カタカナ英語にする必要性が私には理解できない。そういう輩は大衆が理解し難い単語を持ち出してケムに巻こうとしているのでしょう。だからそういう人間を私は信用しない。

 そう言えば懸架装置(ショック、ダンパ)やカメラなどにおいて「ダイナミック」という表現があります。これを皆さんはどのように訳すのでしょうか?私はイタリア語の字引から学んだ「活動」または「活動領域」といつも脳内変換しています。なんだかよく分からないカタカナ英語で理解した気になって、本当の意味を知らないままというのは私自身も度々経験しうる事態です。もう少し言語を学び頭が良くなりたいと感じています。

キヤノンからニコンへ、機械好きならニコンは合うかもしれません。

 長らくキヤノンを使っていましたが、先月の末、ニコンのZ6を買いました。

 伴貞良さんやUzumaxさんフォトヨドバシの作例を観るにつれ、ニコンへの憧れが高まり購入した訳です。当初はキヤノンと使い分けるつもりでしたが、操作系の違いや操作感、撮れる絵の違いからEOS RPは売ることに決めました。

 子供を撮影するには綺麗な写りをするので良い面もありますが、私が撮る写真の中で子供や人物は極めて限定的なので、予備機として中古で安くZ50も入手できたので完全にニコンへ移行しようと決めた訳です。そうは言ってもお客様に提供する記録用にはこれまで通りKissX7とKissX8iを残しますが、これらは従業員用。私はニコンを使います。

 もしかしたらZ50や噂れるZ30が入手しやすい価格ならば完全移行も考えていますが、そこまでの投資は不要なので当面はこの体制で行くと思います。

 EOS RPの為にに購入した85mm、50mm単焦点と24-105mmのレンズ、エクステンショングリップも売るので上手くすれば20万円近くになるはずです。これは貯金して次の機材へ向けて取っておきます。

 両社を使い比べて感じたのは、ニコンの製品に対する安心感です。まずボデー剛性が高い。持った感触が明らかにかっちりして、私にはレンズの重量感も心地よい。バイクも重くて大きめなのが好みですから、カメラも同様みたいです。
 正直、操作の利便性においてはキヤノンに分があると感じますし、オートフォーカスも明らかにニコンは劣ります。しかしキャブ車のように自分の感覚に合うのがニコンなので面倒を承知で使う訳です。

 コスパって言葉は嫌いだけれど

 コスパ、費用対効果。私の一番嫌いな言葉です。しかしあえて表現するならニコンは対キヤノンで費用対効果は高いと感じました。同じグレードを購入するなら安いと感じます。まあ、私はカメラに精通していないので厳密に突っ込まれるとなんとも言えませんが、例えばEOS RPとZ5を比べるとか、R6とZ7などです。
 そうは言いつつも他者比較というより絶対値としてニコンが合う、好きだから選んだのであり、結局はコスパとは縁のない私です。皆様も金額を軸に製品を選ぶより、欲しい・使いたい品が結果として〜円だった。の方が幸せになれると思いますから、どうぞその様な選択の手法を採用ください。
 さすれば金額で見ると割高な当方に依頼をするのに、精神的な障壁がなくなりますから不思議です。これからも依頼をたくさん待っていますので、どうぞ連絡ください。

 

 

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VTR1000SP2

 https://youtu.be/gp9iMOE-2Bs

 本日の動画ではSP2の前後ショックを仕様変更した話を、長々と語りました。

 これまでに何度も説明していますが、SP1・2問わずに最大の懸案事項はフロントフォークのイニシャル量不足です。これを解決するだけで、足回りに抱える問題は大半が解決し後は作り込みというか、細かい好みを仕上げてゆく作業になります。

 と言う訳で動画内でも話していますが、ブログにて文章化して自身の思考をまとめたり動画では伝わらない部分を解説してみようと思います。

 これまでとは違った感触を求めて、新たなセッティング手法を取り入れました。しっかり目のスプリングレートでイニシャル量を少なめにすれば、サスの動き出しはふんわり柔らかく、奥の踏ん張りはスプリングレートで演出できます。使い古された手法ですが実効性が高いので、価値はありますし私も好きな手法です。

 ただ、奥の踏ん張りに関して初心者の方にはやや扱いづらい面があります。それは意図して入力を行わないとサスが動かしづらいので、知らない方は曲がりずらいと感じる事でしょう。
 新たに採用した手法は上記と逆で、硬くないバネにプリロードを適量かけて動き出しからボトムまでを平均的な動きとして、二次曲線にならないよう配慮してあります。
 初期のスプリング圧縮量がそれなりにありますから、動き出しはやや(ほんの少し)張った感じを持ちます。しかしブレーキを握れば軽く沈み、そのまま動きを止めずにムニャムニャと動きます。

 この動きを取り入れるための契機となったのは、動画で観ていたショックの動きです。マン島の荒れた路面を走る車両やトライアル車。それにモトクロッサーなどです。一定の動きを演出できれば新しい世界が開そうだと閃き、これまでも近いセットアップを試してきました。今回はそれを明確にしてより推し進めるセットになっています。

 メーカー純正の前後サスペンションの多くは、明確に弱いバネにプリロードを沢山かけています(最近はこの傾向から逸脱する例が多くなってきましたが)。だからストロークの深い位置でも半力が弱く、ブレーキを握り込むような場面であったり、ギャップの走破性が高くありません。
 バネが柔らかいので乗り心地は良いのかと考える向きもありますが、さにあらず。衝撃吸収性が不足しており乗り心地も良いとは言えません。なぜあのようなセッティングが主流なのかは理解に難いが、否定も批判もする気はありません。ただ自分の好みに合わなければ変更する他に、しようがないのです。

 冒頭に説明した硬めのバネに少ないプリロード。その逆。両者の差はそれほど大きくはありません。前者ならフォークスプリングを0.95~1Kを選び、後者ならば0.9~0.95Kです。
 この差の中でどの様にショックの動きを演出するのかが勝負になります。そう言った意味で、今回のSP2は極めて満足のゆく仕上がりでした。

 SP1と2を合わせて4台ほど前後ショックの仕様変更を行なってきましたが、その経験から知り得たのは「純正の減衰設定でもそれほど悪くない」です。今回の依頼では減衰に関しては全くの手付かず。それでもかなり良い感触です。
 フロントは純正のスプリングレート1.05Kでは沈み込みが重ったるいので、圧減衰を強められません。そこでバネの値を弱めて減衰の自由度も獲得できます。減衰を弱めてバネの自由度を確保する事も手段としては可能ですが、二気筒のリッタースーパースポーツを街乗りするには硬いとの判断から、バネを弱める手法を選んでいます。

 写真の入ったSDカードを会社に忘れて、自宅でブログを書いております。後日、写真も載せますのでお待ちください。近日、リアに関する記事も上げますので楽しみにしてください。

GSX-S750の前後ショックを改造

 昨年、ローダウンの依頼で作業を行なったGSX-S750が、ハンドリングを向上させたいとの意向により預かりました。

 40mm下げだったのを慣れてきたから20mmほど上げ、それ以外は自由にさせてもらえるので前後ショックを仕様変更する運びとなった訳ですが、予算もそれなりに潤沢でありましたから、リアショックは在庫で持っていたFGへ交換です。FQEというイニシャル、伸び減衰、車高の基本3点を抑えた割と好きなモデルです。

 今回の依頼でのべ3台目となるGSX-Sなので勘所は把握していました。各部の寸法は問題なく収まり、スプリングレートが決まっていれば使い慣れているピストンデザインなら減衰設定も簡単に決まります。とは言いつつも初めて作る車両にはそれなりの熟慮は存在します。

 フロントフォークはスプリングレートに0.9Kを採用しました。ストロークがそれなりに確保できる20mm下げなので、硬すぎる値を選んで操舵性が悪化するのを嫌った結果です。
 アクセル開けまくりの人にはほんの少し柔らかく感じそうですが、それにしても悪くない値です。それに減衰も変更したのですが、単純に硬めるよりも、低速域を少し太らせつつ軽い入力ではスーッと動くようにして、更にグイッと大きな入力に対しては減衰を持ち上げる事により、ズボッと一気にフォークが沈み込まないように設定しました。

 内部の細かい話になりますがGSX-Sのフロントフォークは片側のみ減衰を発生し、反対はスプリングだけです。カートリッジは入っていますがダンパーの伸び切り寸法を規制しているにとどまります。そのため、インナーチューブ、アウタチューブのみの剛性に依っています。そこでカートリッジロッドの先端にシムを省いたピストンを取り付け、剛性部材になるよう改造を行いました。

 他方、減衰発生側のフォーク(今回は右フォークに当たります)は減衰調整機構を追加しています。これにもかなり悩む部分はありましたが、部品取りで在庫していた部材が都合よくあり、すんなりと作れました。
 単に調整機構を追加しても動きは良くなりません。調整を可能にするためにはピストン・シム系の減衰も変更しなければ良くならないのです。それだけでなく、根本の動きを変更したかったのでシム組を変更した次第です。

 一番考えたのは調整機構における調整方法です。この車両、ハンドルがフォークの直上にありマイナスドライバではかなり効率が悪い、というか不可能に近い感じでした。
 どうしたものかと思案した結果、イニシャル調整の部品に手を加えそれを減衰調整に改めました。そのため、右は減衰調整のみで左はイニシャル調整のみ。
 この着想の発端は同日に作業を行っていたカワサキのZX-6R、SFF-BFから得たのです。最近は左右でスプリングレートが違うのは当たり前、減衰もバラバラなので、今回の改造はそれに習いました。倒立フォークで剛性の高いアクスルシャフトを採用しているおかげで、このようなバラバラな部品構成が可能になっています。

 実際、車両に組み込み跨り前後ショックを動かした刹那、設定がかなり高い水準にあると確信できました。走り出しても印象そのままにとても楽しい。
 お客様も交えて意見を伺うと、直立付近から倒し込んである程度バンクするまでフロントが落ち着かない。その原因は前が高く、後ろが低いと見極め、リアの伸び減衰を抜いてなるべくリアショックが高い位置にあるよう変更し、改善できました。

 自分が試乗する前にお客様に乗って頂くの面白い経験です。サーキットでは当たり前ですが街乗りのお客様においては、殆どの場合においてお客様が乗るのは一番最後です。
 今回のように納車時はお客様の意見を取り入れ、ほんの少し手直しを行います。

 サイレンサーがヨシムラに代わって、燃料マネジメントにも変更が加えられており、タイア、チエン、ホイルベアリングも新品でした。走るには最高の状態に、今日の天気は絶好の試乗日和。試走も本当に楽しかったので施主が喜ぶのも納得でした。

 自分でも買いたくなるほどの楽しさ。スズキの750直4は至宝ですね。

 

 

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試験車両のZX-10Rに進展あり。

 BFFシステムを体感しようと購入したZX-10Rに進展がありました。

 一番大きな変更点はスプリングレートです。純正は実測値で1.2Kでとても硬いため、0.95Kへ交換しました。これだけだと実際に使えるストロークが減るのでトップアウトスプリング(伸び切り時に働くバネ)も交換です。

 減衰特性はGSX-R1000Rが街乗りではかなり良さそうなので、それを教科書がわりに大幅に減じるシム組を行ってあります。

 この後は車両に組み込み、実車で評価した後にリアショックの仕様変更を視野に車両をまとめ方を決めるつもりです。連休明けには何かしら報告できるはずなので、動画も含めて注視してもらえると嬉しいです。

 

 

Z1の純正ショック、オーバーホール。

 Z1の純正ショックはオーバーホール可能です。

 他店では断られる場合もあるそうですが、当方では通常業務なので特段、難しい事はありません。これは昨日のブログで話題にしたTS50のリアショックと同じ構造です。

 今回、ロッドは再メッキを施しました。それに加えロッドガイドと呼ばれる、ロッドを保持する部品が焼結材そのままでベアリングが入っていないため、旋盤による切削加工によりドライベアリングを圧入できるようにして、滑りを良くして耐久性を上げつつ作動性も向上しています。

 オイルはHirokoを選び、基本的な性能を上げつつ長期間の仕様でも極力劣化が起こらない選択をしています。

 最近のカシメ型ダンパ、例えばCB400・NC36などは同じカシメを採用していてもシリンダの肉厚が薄く必要最低限の厚みです。しかし古いZ1などは駄肉とも言えるほどの厚みがあります。メッキも頑丈なようで再カシメを行っても剥がれません。これは作業する私としてはとても嬉しい。
 分解、再カシメを気遣いなく行えるので安心です。写真をご覧いただければわかるように、綺麗に再カシメが行えました。純正と全く同じとは申しませんが、同等と言える位に綺麗です。

 O/H、再メッキ、ガイドブッシュ加工など諸々含めると10〜20万円の価格となりますが、純正を使い続けたい方は依頼ください。

 

 

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