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2021年4月

TS50の純正ショックO/H

 おはようございます。

 最近はNIKONのZ6と標準ズームレンズ24-70f4を手に入れ、さらにKIPONの完全マニュアルフォーカスの単焦点75mmの金属の質感に唸っている新保です。

 昨日、スズキのTS50のリアショックがO/Hを終えたので、納品へゆきました。
このショックはカシメ型と呼ばれ安価に作れるが、O/Hをするには非常に手間のかかるダンパです。さらに写真からもわかるようにシリンダの横に見える跡は、横からのカシメで分解が難しい方です。

 TS50純正ショックを作業するのは2度目なので、危なげなく作業は進みました。面白いのはイニシャル調整が機械式のアジャスタで、外部からは判別できませんがボルトらしき物を回すと、段数が変化します。ロッド径は12.5mm。ガイドブッシュはなく焼結材を使った低価格な作りは、カシメ型の王道です。
 減衰を発生するピストン径も小さく、オイルと空気が混在するので熱に弱いうえに気泡が混ざりやすいので、性能が安定しません。排気量の小さな車両には価格を抑えやすいので、作り手も買い手も最初は良いのです。それに意外な点として、性能は低い代わりに低値安定と言いますか、最初から高性能ではないが低い性能を長期間(10年20年といった具合に)保持するのは凄と思います。

 TS50はリアショック周りの空間が小さく、社外品で作るのにも制約があるため純正O/Hはそれなりに価値があるはずです。価格はロッドの再メッキ、ガイドブッシュ加工など一番高い場合で10万円程度。ロッドが再利用可能で7〜8万円しますので、おいそれとは進められませんが、直したい方は連絡ください。

 

 

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2017年型ZX-10Rのフロントフォークを改造中。

 自社の試験車両のフロントフォークを改造中です。

 依頼が多く忙しいので、思うように進行しておりませんが亀の歩みで進めております。
 当該車両のフロントフォークにおいてストローク量が少ない原因はトップアウトスプリングが硬すぎて、120mmのストロークの内で実際には100mm以下になっているのが大きな要因です。そして主スプリングの定数は1.2Kgf /mmと飛び抜けて硬い値を用いています。
 これはなぜかと推察するならば硬いトップアウトスプリングでストロークが少ないので、その短いストロークで衝撃吸収を行うとなれば柔いバネでは不十分なのでレートが高くなったのではないか?と勘ぐっております。であればトップアウトを適切な長さと硬さに変更し、さすれば主スプリングの自由度が増すのは自明の理。

 ということでトップアウトは私が寸法と硬さを決めた独自製品がありそれを用いました。主スプリングは9.5Kgf /mmにしようかと思案しております。

 減衰もかなりキツいのでGSX-R1000Rを参考に割と動くように仕立て直しました。という訳で連休中に車体へ組み付けたいと考えています。

 

 

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内径溝入れバイトを作る

 アッサブの8mm角の完成バイトを削り、溝入れバイトを作りました。

 内径バイトは太さの制約(加工する対象物の穴系に左右される)があり、外丸削りより格段に難しいと思います。
今回のバイトはシールヘッド内側を削り、違う寸法のオイルシールを使えるようにするのを目的としていますが、穴の径は16mmで、溝の内径は22mm。最大で24mmまで削れます。これはなかなかの突出量で、慎重に加工を進めないとビビリやバイトが折れるなどの大きな問題に発展します。
 16mmから22mmならば片肉3mm。24mmなら同4mmです。結構厳しい寸法ですが素材が良いためにバイト自体を薄くしても、加工対象をサラサラと削ってゆきます。

 専業の旋盤職人ではない私にとって、加工に際して気になる点があるとついつい作業を先延ばしにする悪い癖があります。今回のバイトにより内径溝入れが気軽に行えるようになり、今後の仕事にも良い影響を与えるでしょう。

 

 

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VFR800Fのローダウン詳細

 最近は頻繁に話題に上げていたVFR800Fが完成、最後の動画を撮影しました。

 https://youtu.be/pQ-mWNCINR0

 この動画で詳細を話しています。

 前後ショックで50mm下げ、シートで10mm下げました。これだけ下げても想像以上に乗り心地はよく仕上がりました。正直相当いいです。もちろん範囲は限定されており、速度域は100Km/h以下だと思います。なぜ思うなのかと言えば、街乗りだけな上に、新車から走行距離がまだ60Km程度なので、あまり回転数を上げられないからです。

 そう言ってもこれまでの経験からある程度の予測は立ちますので、120Km/h位までは、まあ行けるだろう。と想像します。100Km/h以下なら間違いないだろうと確信がある訳です。もちろんそれ以上の速度を出すと怖いとか危ないではなくて、良い操舵性を担保できるのは。という意味です。

 しかしこれだけ車高を下げてもV4のクランク幅のおかげか?何ら違和感がなく極めて自然は操舵性を感じさせるのはV4エンジンとVFR800Fの素性の良さだと思います。この車両でローダウンではなく走安性を向上させるために20mm程の車高を下げ(これはストロークを下ずに)、前後ショックを仕様変更を行えば街乗りとツーリングでゆったり楽しみながらも、峠道では安定性と機敏性を両立した気持ちの良いバイクに仕上がると思います。

 もし、VFR800で面白い動作性を模索しているなら、ぜひ連絡頂きたいと思います。金額は15万円位から果ては青天井で色々と作り込めると思います。

 

 

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BMW S1000RRのローダウン完成

 スーパースポーツにおいても、割合と人気のあるBMW・S1000RRのローダウンが完成しました。

 シート高で50mm下げるのを希望されており、これまでに何度も行ってきましたから特段の問題もなく作業を終えました。この5年位はローダウンを数多く手掛けるようになったおかげで、手法は手慣れたし仕上がりも徐々に向上しています。ローダウンで難しいと感じているのはフロントです。
 リアショックは案外と下げても問題が起こりづらいのですが、フロントはもともとストロークが大きく、車高を下げる=ストローク量を削る訳で、減速や大きな段差を乗り越える時に不快な動きを感じさせます。それを最小限にするため極力ストロークは削りたくない。そこでこれまでとは違った手法を考案し(といっても大した事はありませんが)、少しでも乗り心地と走安を向上させました。
 実は此の車両の前に完成したGSX-S750とVFR800Fも同じ手法を用いて、フロントの動きを演出しています。

 50mmも下げると当然、差し引きされた問題点も露見します。それでもバイクに安心して乗りたいお客様の希望に添えるよう、そして造り手として最大限乗り心地を担保できるように、新たな手法を日々模索しています。

 50mmは少々きついのですが、それでも純正で疑問に感じた部分をローダウンに伴うバネや減衰特性の変更を逆手にとって、乗り心地を向上させられます。特にシート高で20mm程度の下げ幅なら明らかに良く出来ます。今後もローダウンしても純正より向上させるためその手段を模索してゆきたいと思います。

 

 

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VFR800Fのシート高を60mm下げる

 VFR800Fのローダウンでシート高を下げる仕様が完成いたしました。

 ショック自体で50mm下げ、シート加工で10mm下げることにより合計で60mm下げられました。

 シートに関しは高さだけでなく幅も狭めたので、数字で見るよりも足つきは向上しています。サイドスタンドも同様に切り詰め、車高に合わせたスタンドの高さを出してあります。
 今回は簡単な紹介だけですが、動画とブログでまた試乗の感想を記しますので、お待ちください。

 

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ハンバーグを作りました。

 日曜日、カミさんが友人と出かけると言うので、私は娘と息子の二人を連れて自宅から少々歩いた所にある「こんぶくろ池」まで散歩しながら写真を撮り溜めてきました。

 娘と二人で話をしていたら、料理を作ろうとなり、散歩帰りに食材を買い込みハンバーグを作った次第です。

 私も幼い頃にボウルに入ったハンバーグのネタをコネコネしたのを思い出し、子供達にも同じ経験をして欲しくて一緒に料理を楽しんだのですが、結果はかなり気に入ってくれ、娘は大きなのを4つ。息子はお肉をそれほど好まないのに小さいのを6つも食した次第です。

 玉ねぎは微塵切りが上手にできずにやや大きく、混ぜ合わせる前のレンジでの加熱が足りていなかったようで、焼き上がった後でも若干シャリシャリ感が残っている始末。

 繋ぎはパン粉と牛乳に卵ですが、指定の分量に従いましたがやや牛乳が多かったようで、結果的に水分量が多いために形を作るのに難儀しました。

 焼く段になると最初の数個は焼き過ぎて表面が黒ずんであまり美味しそうではない(これは自分で全部食べました)。しかし焼きなれてくると綺麗な焼き加減で仕上がり、慣れによる勘所を覚えるのは大切だと痛感できました。
料理を手伝う事で、家事を手伝う事に対する抵抗感を減じて、将来良い子に育って欲しいと思いますし、何より子供と一緒に料理を作るのは、上手く行かない事がまた面白く、今後も時間の許す限り料理を楽しむ所存です。

 しかし料理ってのは、作業はたまた人生の全てが詰まっているようです。待つ、我慢する、段取り、下準備など当たり前の事をキッチリこなせば上手に出来上がるし、怠けると後でバタバタして仕上がりもいま一歩。慣れも大切ですが、その段階で可能な限り周到な用意が結果に直結するのは良い経験になりました。

 

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VFR800FとGSX-S750

 GSX-S750とVFR800Fが同時期に入荷しました。

 中間排気量のこの2台。って以前は400〜600ccがそれに当たると感じておりましたが、今では一段階上の排気量に移行したようですね。

 2台を試乗する動画を撮りました。

 VFR800とGSX-S750の比較動画 https://youtu.be/I1GbpioHj9khttps://youtu.be/I1GbpioHj9k

 GSX-Sを主に評価した動画 https://youtu.be/Gyy902XUzBE

 大きく違う2台ですが、その詳細は動画に譲ります。この場では排気量に焦点を合わせて話をして参ります。車名に排気量が示されており、カタログスペックを確認するとGSX-Sの方がやや出力が大きいようです。ですが現代では二台とも極端な高出力ではありませんので、扱いやすく穏やかです。
 低回転からしっかりとトルクが乗り、街乗りに向いています。リッターバイクほど力強くない点が扱いやすさを生み、とても好ましく感じられる。ここ数年GSX-R750RK,2011年型のR750、GSX-S750に今回のVFR800と中間排気量を多く乗る機会を得て、自分の好みもより鮮明になりました。
 私自身、C型9Rを所有しています。速いかどうかといえば、カタログ値で140馬力ほどですから今なら大した性能ではないけれど、度が過ぎない程度にしかし十分力強く、1000cc以下のバイクが自分には合うと認識できました。そういえば昔は900モンスターも乗っていたし、友人の乗るドカテイ996も良い感じでメーカーも大排気量・高出力の傾向を抑えて現実的な速度域で楽しめる車両を持っと作ってもらえるといいなあ。と考えています。
 カワサキのW650も遅いからこそ楽しいバイクで、古めかしい旋回性は乗りつければ飽きそうに思いますが、そこは前後ショックを作り変え、新しい面を演出できればさらに10年楽しめるバイクになると確信していますから、欲しい一台だとここ数年、ずっと羨望の眼差しで眺めています。

 排気量とエンジン出力は、特定の傾向を好ましく感じると最近数値化できました。それは「小さい排気量でトルクの数値が高い」と言う事です。例えばVFRとGSXの2台は排気量の小さなスズキの方が最大トルクは高い。C型9Rは排気量が900ccなれど最大トルクは10.3Kg-mとカタログにあります。エンジンに明るい方には釈迦に説法でしょうが基本的に排気量100ccに対してトルク1Kが相場ですから、特筆すべき高トルクエンジンだと言えます。
 このエンジンは今まで乗ってきた車両の中で一番好きだと言えます。低回転から力強い加速をみせてくれますが、これは馬力では演出できないトルクの強い車両ならではです。

 そう言った意味で低回転でトルクに溢れる二気筒が自分には合っているようなのですが、9Rだけはその中でも別格でした。

 例えば鬼トルクと言えるMT-01はどうなのであろう?と乗ったことのない方は疑問に思うでしょうか。実はMT-01は数値こそ高いのですが、体感ではスルッと加速してあっという間に速度が出てしまい、圧倒的なトルク感、を体感できません。もちろん楽しいバイクなので否定する気はありませんが、私の好みには、トルクの乗り方が今一歩でした(逆に車体はかなり好み)。

 車両の基本配置(要するにジオメトリと呼ばれる代物)は後から変えられない場合がほとんどですから、車両選びには慎重になります。原動機の形状と出力特性が二輪車の基礎をほとんど決定しますから、そう言った意味でカタログスペック、例えばトルクや出力特性、横から見た時の各部の配置をじっくり眺め、バイクを選んで見てはどうでしょうか?と提唱します。

 長い脱線を経て話の本筋に戻ると、VFRとGSXの2台。私にはスズキの方が原動機の特性は好ましいし、車両の軽さも良い点ではあります。ただVFRのややリア下がりで車重が重い鈍重な操舵性もなかなか味がありオツです。この2台のどちらを選ぶかは難しい選択ですが、仕事で同時に比較試乗できたのは、人生の幸運でした。

 また面白い比較ができたら動画やブログにして、皆さんに伝えてゆきます。 

 ちなみに依頼の内容はVFR800Fが50mmシート高を下げる。GSX-Sは30mmシート高下げでした。

VFR800FとGSX-S

GSX-S750を30mmローダウンと前後ショックの改造

 スズキのGSX -S750のシート高30mmローダウンの依頼があり、新車を預かりましたのでその顛末を記します。

 この車両。エンジン特性はとても好ましく感じており、私も好きな車両です。ただしサスペンションを含めた車体には課題があると私は感じましたため、それを話します。

 基本の車体姿勢とスプリング

 前のスプリングは柔らかく、リアスプリングは適度。だがイニシャルがやや多めにかかっていました。この状態、つまりメーカー出荷時の操舵性はアクセルオフ(またはブレーキ)で車両前部が大きく沈み込み、楽にイン側へ曲がってゆきます。その時、リアショックの沈み込む減衰は強く効いており、張り気味なイニシャルと合わせ突っ張った印象です。このリアセクションの動きは楽な向き変えに大きく貢献しています。
 ですがブレーキを強く握りながらの旋回は苦手です。2段バネを採用したフロントセクションは頼りなく、強い入力には答えられません。2段バネにより動き出しは驚くほど軽く、ボトム付近は急激に反力が立ち上がってくるので使いづらさがあり、シングルレートスプリングが好きな私には勝手の悪い仕様です。

 リアはバネ値は良いものの、圧減衰が過剰に強く、これを抜くだけでもかなり改善がみられます。それに加えて純正同等のバネ値を使いながらもイニシャル(バネの圧縮量)を少なめに取れば、動き出しの柔らかさと、奥の反発を両立させられるため、その点に留意してセットし直しました。

 作り変えた後の操舵性

 上記の点を変更した操舵性は如何なるものか、と言えば「普通になった」でお終いです。
 アクセルオフでスッと自然に鼻先(車両前部)が沈み、ブレーキを使い大きく沈ませる時にも思い通りのストロークを取れます。

 リアは乗車1G(車両に跨った時の沈み込み)を必要充分に取れるようになり、減速時に前が沈み後ろが伸びる際、リアタイアの荷重が抜けないために穏やかな特性と強い安定を感じ取れます。
倒し込みでも滑らかにリアが沈み、悪路走破性が大きく向上するとともに、その相乗効果として乗り心地も大きく向上します。そしてスッとリアが沈めば向き変えの準備が整う訳ですから、アクセル開で伸びやかな加速を見せるようになります。

 まとめ

 今回はローダウンとともに前後ショックの仕様変更も行いました。ローダウンをしても乗り心地を純正以上にする事は十分可能です。そうは言ってもローダウンせずに操舵性(ハンドリング)を追求すればもっと上質に軽快性と安定性を両立させられます。

 妄想
 フロントフォークに純正改造か社外品の減衰調整機構を追加し、リアショックは交換しれば最高に楽しめので、もし自分でこの車両を買うならばそうしたいと思いました。

 

 

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