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ダンパー仕様変更

2017年モデルのZX-10Rフロントフォークを改造中

 表題の通りですが、10Rのフロントフォークを分解しています。

 初代ZX-10RからカワサキのリッターSSのフロントフォークにおける設定は常々疑問を感じていました。

 私には分からない、作り手の課題は数多くあるのでしょうが、私の知る限り2011年位から極端な設定となっています。この年式は減衰の設定が強烈で本当に動きません。
 サーキット向け。と言うのも無理がある位、本当に硬い。その後にフロントフォークがSHOWAのBPFを採用しました。BPFはホンダ、スズキ、カワサキ(その他、海外メーカーにも多く)に採用されましたが必ずと言って良いほど、満足のゆく仕上がりになっていませんでした。構造上の問題から油面を一定の高さより下げられない。
 減衰調整の手法が特殊など種田ねの問題を抱えており、根本の発想は良いのですが、要求性能を全て満足させるのは難しかったようです。余談ですが、トップキャップに伸び圧の減衰を集約していると言うことは、一本で伸びと圧の調整が可能なわけです。そしてもう一本にスプリングの調整を行えるようにすれば、フルアジャスタブルとなり、作り手としては安価に「フルアジャスタブル」と銘打てるためSFF-BP等の名前をつけて高機能と感じさせる商売を行っています。

 ここからが本題 

そして現在のZX-10RはBFF(バランスフリー・フロントフォーク)となりました。何がバランスフリーなのかはSHOWAのサイトをご覧いただければわかると思います。
 簡単に申しますとザックスが初めてオーリンズ、FGなど殆どのレースメーカーが追従したツインチューブタイプです。オイルの流れが良く、ダンパー内部の圧力変化が抑えられるため、強い減衰を安定して長期間発生させられます。

 昨年、一昨年とST1000用にGSX-R1000RのBFFを改造しました。そので得た知見を軸にZX-10Rを分析すると「硬い・動かない」となります。GSX-Rが柔らか過ぎるのではなく、カワサキが硬いのです。

 それは何故断言できるのか?まずスプリングが極めて高い。当社の測定では1.2Kgf/mmでした。レースで使うにも極端な硬さといえます。それを街乗りで用いるのはかなり難しい設定です。
 減衰に関してもレース用に変更したスズキと同等でした。ですから街乗りでは過剰減衰です。

 なぜ間違ったのか?

 私はこのZX-10Rのフロントフォークは間違った設定だと思います。それが正しいと仮定して、何故間違ったのかを考察します。結果から記すと、車高の設定を誤り、それを正す手法もまた間違ったからだと思います。それはどう言う意味か?

 フロントの車高を低く設定「したかった」。または「してしまった」。それを低いままなんとかまとめようとすれば硬めて、動き過ぎないようバネ定数を上げる。そうなるとイニシャル量は自ずと小さくなり、低くて(ストローク量の少ない)動かないフロントの完成です。

 どのような解消方法を考えているのか

 まず低いフロントを持ち上げます。これはトップアウトスプリングで解決する問題です。その次に硬過ぎるバネを交換し、イニシャルを掛けても動く仕様とし、動き出しのメリハリを出しつつ底付き近辺の特性を滑らかにします。
 減衰は少し抜いて、動かす事も硬める事もできるようにシムの設定を見直します。

 ここまで行えばフロントフォークが十分な仕事を行えるようになると同時に、後ろも適切な重量配分になりリアセクションの仕事量も増えます。平たく言えばサスペンションが動くようになる訳です。

 エンジン特性、車体の基本的な設定はとても好感触でした。フロントフォークだけで車両の評価を大きく落としていると感じ、とても勿体ない。上手にセッティングすれば更に高評価を得られるはずなので、楽しみつつより良いセットアップを目指します。

 

 

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