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2021年1月

Dトラッカー125のフロントフォークを改造

 名古屋のお客様から預かったDトラッカー125のフロントフォークを改造しました。

 左のフォークはスプリングのみで減衰は発生しません。右のフォークはスプリングがなく、減衰を発生させます。

 右フォークの減衰発生機構は低価格を種にしているため、簡素な作りです。これを中古品ですが高度な機構へと置換し、セッティングを行いました。純正の簡単なチェックバルブだけの仕組みから、積層弁を用いた現代のフロントフォークとしては一般的な仕組みにしましたが、この利点は狙ったストロークスピードで思い通りの減衰を発生させられる点にあります。
 仕様変更も用意で、弁の足し引き、厚み変更、外径の変更などにより多様な乗り味を作り出せます。純正状態はそのような微細な変更はできずオイル粘土に頼るしかない為に、あちらこ立てるとこちらが立たずといった印象の使い勝手が悪いのです。
 今回の構造変更は極めて有益でした。モタードらしくフロントの伸び減衰を強め、圧は足し過ぎないように留意し、上手に仕上げられたと感じます。

 リアショックはこれも中古のFGで仕立てますが、フルサイズボディー(価格を優先する場合φ36ですが、今回はφ46を採用)による大容量の恩恵を受け、余裕のある動きを作り出せそうです。

 試乗は明日の予定です。フロントは突き出ししか調整できませんが、大幅に向上した減衰特性と交換するリアショックでどこまで楽しめる車両にできるのか?明日は勝負の日になりそうです。

 

 

VMax用のSOQIリアショックをO/H

 私もその存在を知りませんでしが、SOQIのVMax用に販売されていたリアショックをO/Hいたしました。

 黒くコーティングされたインナーチューブのような筒と、アウターチューブのようなアルミシリンダをみると、まるでフォルナレスのようなエアスプリング式のショックかと思えます。写真をご覧いただければわかりますが、実は見た目をエアスプリングのように似せた、普通のコイルスプリングショックでした。

 このショックはスプリングレートが2.5Kgf/mmと大柄なVMaxには適正です。他メーカーだとちょっと柔らか過ぎると言える値を用いる場合もありますが、流石にヤマハ直径のSOQI(現YHS)。バネも減衰も良さそうです。O/Hに当たっては難しい部分はありませんが、手順が複雑になり工数が多いために、金額は少々高くなります。

 部品代などを含め6万円程度となります。ただ、消耗品はかなり多く交換できますので、新品よりも良い状態を作り出すことも可能です。作業手順を見直すことでエア抜きを高度化できて性能が向上します。

 オーバーホールに困っている方は、一度相談ください。

 

 

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SR400のリアショック完成、かなり好感触でした

 昨日完成したSR400用のグランドツインを試乗しました。

 横浜へ行く予定があり、丁度良いのでそのお供としてSRで行きました。150Kmの道のりで多くの収穫がありました。昨日、車体へ取り付けた限りでは少々柔らか過ぎるように思えましたが、走ってみるとスプリングイニシャルが若干多く、張りの強い印象です。

 そこでイニシャルを抜き、フワッと動くようにすると、今度は伸びの減衰が強い印象。なので二段ほど弱めると極めて心地よい乗り味を得る事ができました。柔らかく沈み柔らかく伸びる(戻る)この動きは街乗りやツーリングにおいて極めて有効です。疲労を最低限に留められる良い仕上がりだと感じました。

 しばらくその仕立てで走ると、別の事が気になります。減速や旋回時にリアの伸び上がりが強く、舵角がほんの少し付き過ぎるし後ろから前への重心移動が大きくなり過ぎます。
 そこで二段緩めた伸び減衰を、一段強め走行すると良い均衡が保てるようになりました。操舵角度。加速から減速への緩やかな重心移動。ギャップの走破性と収束性は極めて高次元です。

 セカンダリピストンを備え、アルミシリンダを採用するオーリンズ・グランドツインはSRのような軽量で小排気量にこそ強みを発揮すると確信しました。

 XJR1300とSRで重ねた試験により、公表はされていないが実は改訂版と言えるほどの変更を受けたグランドツインの減衰設定をある程度把握する事ができました。これにより四気筒のビッグネイキッド、モトグッツィV9のようなトゥラディショナルな二気筒それにSRのような軽量車両もものに出来ましたので、今後は如何様な依頼にも答えられます。

 

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事務所の猫

 事務所で飼っている茶色ちゃんですが、当社で保護してから一年半が過ぎました。

 最初は落ち着かない様子でしたが、ここのところはかなり落ち着いています。食事や排泄も上手になって穏やかに過ごしています。

 とても人懐っこく、初対面の人でも構わずすり寄ってきます。猫好きの方はぜひお越しください。

 

 

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SR400のリアショックを作る

 XJR1300の余っていたリアショックを使い、SR400のショックを作りました。

 代理店との約束があり、正規部品のみを用いて作り上げました。価格は正直安くありません。グランドツイン¥168,000(税抜き)にスプリング交換と減衰設定変更を行いますから、25万円程は必要になります。

 今回は当社で誤って傷をつけてしまったショックを用いて、アウトレット的に少し安く済ませられました。

 長さ、減衰設定を400ccに合わせて作り込みます。グランドツインを軽量・小排気量向けに仕立て直すのは初めてのことですし、一般にもそのような変更事例は少ないので情報のないところから始めまました。
 スプリングレートはオーリンズの設定を踏襲しています。しかしスポーツ走行を前提とするなら違うレートを選ぶと思います。減衰の設定もフロントを純正で進めるなら動かす方向で考えなければまとまりません。このグランドツインを使う最大の利点は低抵抗による動きの良さと、コンプレッションアジャスタに採用されるセカンダリピストンで、大きな衝撃をしなやかに受け流す事にあります。

 この利点は軽量・小排気量にとっては極めて有益です。写真の状態はとりあえず一発目のセットであり、この後の試乗を行い確認し減衰設定とスプリングのインシャルなどを見直します。気にいらなければ再度分解して設定変更を重ねます。

 楽しみです。

 

 

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CBR1000RR-R/SPの試乗動画

 https://youtu.be/ffCNE6KOeJI

 CBRを試乗した印象を動画で話しています。

 このブログでは要約して説明差し上げますと、純正のサスセットはリアの車高が極めて高く、サーキットであろうが街乗りであろうが全く良い部分を「私には」感じ取れませんでした。
 個人の感想・・・などと言い訳をする気はございません。動画よりも影響力のないこの場の勢いもあり、遠慮会釈なく吐露すれば良い面を見つけられませんでした。無意味に高いリアの車高により、十分に動かないリアショック。反対に重量が載り柔らかく感じてしまうフロントフォーク。

 街乗りを無視したスーパースポーツであったとしても、前後の車高が合っていなければ十分な旋回性は発揮されません。

 リアのローダウンリンクを取り付けた状態で走行したところでは、ややリアの低さを感じつつも純正より車体を動かしやすくなります。

 純正のリアショックは車高調整機能が足し引きできる良い調整位置にあります。0点から±できるのです。スプリングイニシャルも引ける位置にあります。つまり全体としてリアを低くできる設定なので、ホンダはリアの車高が高過ぎると自覚しているのかもしれません。

 車高を整えるとガラッと印象が変わり、乗りやすいバイクになります。経験と技術を持つメーカーは狙わない限り、変な設定の車両を作る方が難しいはずです。基本設定を間違っていなければ、前後ショックの仕様変更など造作もない事ですから、良質な旋回性を持つ楽しいバイクに仕上げるのは難しくなりません。

 一番気になるのは、メーカーが車両を作る基準はどこにあるのか。その点です。多様な要素を盛り込み、安全基準等を満たすのは容易ではないと少しは察しますが、それにしても各メーカーの初期設定には疑問符を突きつけたくなるのも事実。文句を言ったりバカにする気は毛頭ありません。ただ、メーカーの基準とは?を模索し納得できる答えを探してみます。

 その他にはライディングポジションに対する疑義もあります。異様に開いたハンドルがそれです。強力な減速に耐えるために幅広なハンドルが有益なのは十分に理解できますが、あまりに開いており15分程度の試乗でも疲労を強く感じます。
 極めて高い位置にあるステップバーは、深いバンク角を確保するというお題目があるなら理解できます。しかしハンドルの開き角は理解に苦しい。マルク・マルケス選手がそのようなポジションを好むからと、疑いを持たずにそのまま採用した。と邪推したくなります。

 厳し事を連ねましたが、税抜き250万円以上もする車両であれば車両運動や乗車姿勢という極めて基本的な部分くらいはしっかりと造って頂きたいと感じました。

 エンジンの出力特性も6千回転から排気バルブが急激に開き、ターボエンジンのような扱いずらさがあります。これはモード設定で変更できるかもしれませんから、次回の試乗で試してみます。
 ですが、先述の様な特性を設定することの意味はどこにあるのか?かつての2ストロークを彷彿とさせる演出のためかもしれません。私にはチープトリックに思えますが、楽しめる方がいるとすれば面白い演出とも言えます。初心者が乗る事を意識するならもう少し穏やかな出力特性が望ましいと感じました。モード設定でアヴァンギャルド(前衛)とかファン(お楽しみ)ライドにして選択肢として加えておくなら、面白そうです。

 という事で厳しい事を多く書きました。では良い面はないのか?と問われれば、あります。それは前後ショックの動きはとても良い。スプリングレートもフロントはやや硬いのですが、減衰設定とイニシャル量、トップアウトスプリングとの兼ね合いなどが良い状態です。リアショックも車高を変えて行けば動きがよくなり、大きな設定変更を必要としないと思います。

 ポジションは酷評しました。しかし、それは改善すれば相当に高水準な車両に仕上がると確信しています。ハンドル開き角の適正(乗り手に合わせる)化とステップ位置をやや下げ、楽に体を動かせる様にして、前方に行き過ぎないようタンクカバーで補正するなら楽しくなりこと請け合いです。

 ステップが上にあるとバンク角は大きく取れます。これは良い点です。ただし、ステップとシート座面が近い場合、当然足の曲げはキツくなります。そうなると下半身への負担が大きくなり、体を鍛えていない一般ライダーは負担が大きくなります。
 この事は深く腰を落とした状態から立ち上がるのか、少し腰を落とした程度から立ち上がるのか。これを試せば足の負担は理解いただけます。サーキット専用の車両ではありませんから、この部分を考慮しステップ高を決める必要があるはずです。件のCBR1000RR-R/SPはスポーツライディングに焦点を定め、街乗りやツーリングは考慮しない高さです。それ自体は割り切った仕様として好感が持てます。
 疲労が気になる方は何らかの手段でステップ位置を下げれば、かなり快適になるはずなので一考ください。

 ローダウン化を終えたら、前後ショックの作りや乗り味の更なる上質かについて書き記しますので、気になる方はまたご覧ください。

 ※長文のため確認不足による誤字脱字があるやもしれませんが、容赦ください。

 

 

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ワークスパフォーマンス

 リザーブタンクのないワークスパフォーマンスをO/H致しました。

 エマルジョン(気液混合)のショックです。組み立て工程が大幅に減じられますが、性能は気液分離型と比較してかなり落ちます。

 定期的なメンテナンスをこまめに行うのが良いと思いますが、今回のショックは長らく整備を行っておらず、リアロッドの再メッキも必要でした。工賃は概ね6〜7万円となります。
 今回はガイドブッシュを作りました。輸入元に在庫がなくなんとかする必要がありました。純正でもプラスティックなので旋盤で削り出しで作ってあります。

 リザーブタンクのついたワークスパフォーマンスはさらに価格が高くなりますが、O/Hは可能ですから希望される方は問い合わせください。

 

 

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マイクスタンドを購入

 最近のブログは、サスペンションに限らずカメラやPC、編集ソフトなど多様な内容ですが、今回は動画撮影に使うマイクスタンドの話です。

 動画を撮り始めた当初は、ピンマイクと呼ばれる小さな集音器を服につけていましたので、マイク専用のスタンドは不要でした。その次にSH1というマイクを買いました。これは音声だけをマイクロSDに記録するのでカメラとは別の場所にマイクを立てる必要がありました。しかしカメラと同じネジを使うのでカメラの三脚に取り付けて使っていました。

 現在はSHUREのMV7を使っています。メモリカードを使わずPCへ直に記録でき便利です。この集音器は卓上用のマイクスタンドを購入し使っていますが、それの基部(シャコ万の要領で机に固定します)が剛性不足でぐらぐらします。
 そこでマイクスタンドを新たに購入しましたが、息がかかって破裂音がならないようにするタイツのような防護壁(呼び方は知りませんが)もついた品です。基部の剛性もがっちりしており、これからの使用が楽しみです。

 その基部だけしっかりした品も販売されており、それはそれで購入し、これまで使っていたマイクスタンドに用いるつもいです。それはお客様を招いての動画撮影で威力を発揮するはずです。

 カメラは3台。キヤノンのEOS RP、KissX8iとKiss7。全て一眼カメラなのでちょっとした動画撮影には十分です。マイクはオーディオテクニカ、SHUREとSH1を揃え、今後もお客様を招いての動画撮影が充実して行きそうな予感です。

電子制御を少しづつ解読してゆく

 オーリンズの電子制御ユニットを分解しました。

 昔この部分をバラしたことはあります。知識のない私はそれが何かを理解していませんでしが、昨年まで当社で働いていた金岡に見せたところ、ステッピングモーターだと判明しました。

 電子制御サスの流用が進まない理由の一つに、アナログと違い調整ダイアルを変更できない点にあります。ユニットをアナログ式に改めるのは予算の面から非現実的です。

 この電制ユニットをバイクのCPUを通さずに調整できるようになれば面白いと考え、それらの解読をはじめました。メーカーが設定する最小単位よりもさらに微細な減衰設定ができれば、面白さは倍増します。

 これらを進めて行けば自作電制ユニットでリモコン操作や、さらに進めば走行中の制御も考えられます。

 そのためにも近日、BT1100にロガーを取り付けます。やるやる詐欺の面もありましたが、ようやっと使う機材などが決まりましたので、早々に着手します。

 将来のための投資ではありますが、必須の項目だと考えますので次回の報告(どれほど先になるかわかりませんが)を楽しみにしくて下さい。

 

 

CBR1000RR-R 基本特性を考える

 2020年型のCBR1000RR-Rを試乗しました。

 純正状態とTSRのローダウンリンク取り付けた二種類です。
 純正はリアが高く、フロントは低い。前後ショックにおけるバネの硬さは良さそうな印象です。がリアが高いのでフロントの存在感ばかり目立ちます。そうは言ってもリアスプリングが硬い訳ではなく、車高の問題からフロントへ重量が偏っておりそれが影響し、リアの存在感が希薄にさせています。
 なぜそれが分かるのか?ローダウンリンクを入れて走ったからです。リアを下げて走るとしっかり動きます。しかしながらその状態では旋回性能が下がり、気持ちよく走れません。なぜか?リアが少々下がり過ぎているのだと思います。

 リアを20mm(リアアクスルの垂線上)下げるのであれば、フロントは(同)20〜25mmとリアよりも大きく下げる必要がありそうです。

 近日、これを試し兵庫県へ納車へ行きたいと思います。

 

 

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