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2020年6月

CB750Fの純正カシメ、リアショック

 カシメショックの組み立て作業の高品質化

 久しぶりに真面目にリアショック話題を書き記します。

 CB750の純正リアショックを依頼ただきました。これはカシメと呼ばれる金属を折り曲げて形を作るダンパーです。一度分解すると組み立てが困難であり、一般にはオーバーホール不可と言われる品です。九州に一件再カシメを行うショップがある様です。ただし、これは断言しておきますが、日本において商業ベースでこの手法を確立したのは間違いなく当社です。表に出ない範囲で再カシメが行われていたかは判然としないためあえて「商業ベース」と謳っておきます。

 私の父が言うには「真似される技術は秀でた特別な技術力では無い」との教えから、他社に真似される事はなんら厭わないのです。

 重要な点

 このリアショックは伸び、圧の減衰調整があり古い品ですがかなり頑張って造られたと感じます。基本構造は普通の複筒式ですから性能面での特別な長足はありません。気になる点は細い棒(ロッド)を保持するロッドガイドと呼ばれる部分に、ベアリングが無い事です。
 その理由はロッドガイドが焼結剤と呼ばれる金属粉を焼き固め、多くの孔を持った部品であるため、オイルに浸るとそれだけで潤滑性が高まりドライベアリングを必要としないからであります。しかしながら現実には金属同士の摩擦は起こり、ドライベアリング有りよりも寿命は短い様です。

 そこで私はここを旋盤で加工して、ベアリングを圧入し長寿命化を図ります。そうは言っても圧入の誤差で許される範囲は0.05mmです。下手な技術と道具では加工は不可能で、数多く部品を作り慣れているため問題なく切削できますが、加工を失敗し部品を一から作り直した事もあります。

 今回は部品二つともに1/100mmの隙間寸法に仕上げました。かなり良い設定です。2/100mmともなると「ガタ」と形容できるほど部品が揺れます。もちろん量産メーカーの誤差はもっと大きいので致命的な問題にはなりませんが、たった1/100mmが大きな違いを生み出します。

 組み立ては、実は簡単

 このカシメ型ダンパーは、再カシメさえ出来ればそれほど組み立ては難しくありません。オイル量とオイル粘度だけ間違えなければ良いのです。しかし、何か一つ間違えば分解は大きな手間と代償を払う事になりますから、慎重に進めなくてはなりません。

 と言うわけで無事に完成しました。一安心です。

 

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ふふふ・車検は近いですよ。

 E46は世界一格好良い車です

 Ferrari,Porsche,Ramborghiniなど多くのスーパースポーツがある中で、断言しますがBMWのE46が一番格好良いです。318CiでなくともM3も良いです。お金を貯めて4ドアの330iでMTを選べば、奥様も大満足な家車ですよ。

 敷地内を試乗

 車検は今週通す予定です。その前にホイールを取り付け敷地内を動かした印象を話します。

 以前の走行で分かってはいたものの、スプリングレートの高さが若干気になります。減衰設定は組み替えているため、調整は必要ではあるが硬さは感じられませんでした。
新品のコンチネンタルタイアは、空気圧2.5Kから試していますが、極端な突っ張りは無いようです。

 車高は思ったほど低く感じません。これまでも2ドアの車はたくさん乗りましたが、この車は乗降が非常に面倒です。

 ブレーキパッドはエンドレス。ローターは純正交換品。2年近くも放って置いたのにエンジンのかかりが良く、動力系はオイル交換、フィルター交換の基本的な整備で気持ちよく走りそうです。これは前持ち主の方がしっかり整備を行ってくれていたおかげだと思います。

 車検を通した後はE46がメインカーです。しばらくは父が乗っていたミライースを乗り回していました。この車は経済的で良いのですが、やはり面白味が違います。カミさんの車は同じ3シリーズのE90です。将来はカミさんにMT車を運転させ、私も楽しみたいと画策しておりますが、私の残りの人生を費やしても時間は足りなさそうな、壮大な挑戦となりそうです。

 

 

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シフトのチェンジロッドにもレバー比はある

 昨日、Twitterでフレーム設計の図面を見かけ、リンクのレバー比を測定してみました。

 シフトチェンジのロッドにレバー比はある

 表題の様に、ギアチェンジにもリンクがありますので、当然レバー比(テコの比率)はあります。数年前に多くの車種を測定して、その傾向を探りました。
 そこで解ったのは、車種やメーカーでほとんど変化がないという事実です。

 直角が良いわけではない

 この部分のロッド取り付け角度は、メーカー指定はありません。雑誌や市販の整備書などでは九十度が良いと言われたりもします。
 しかし実際にこの数字は誤りです。数年前、茂原サーキットで56レーシングのS80を手伝った際にライダーが「ギアチェンジが硬い」と訴えてきました。

 そこで、私の経験からこれが良いという角度で取り付けを行ったところ、改善し問題はなくなりました。この角度に関しては無頓着であれば、いつまで経っても解決しません。
 知らなければ原因をオイルやミッションに求め、費用ゼロで物の数分もあれば解決します。

 何故着目したのか?

 そも、何故私はこのシフトペダル部分のリンクレバー比に着目したのでしょうか?それは、ビートのバックステップを取り付けたZX-9Rに乗っていたおり、シフトフィールが非常に心地よく感じられました。
 何も考えずに取り付けた部品でしたから、色々試せばもっと良くなるかと、この部分の角度に着目し数多く試してみました。

 試した結果は90度では問題がある。という結論です。この部分の具体的な数値は有料マガジンのnoteで公表しようと思います

 しかし難しい部分ではないし大きな問題も起こらないので、興味のある方はご自身で試して良い感触を探してみてください。

 今度、これを題材に動画をとりますので、その際に図面を書いたら、このブログにも載せる様にいたします。

いよいよ復活しますよ。318Ci

 お待っとさんでした!

 愛川欽也ばりの挨拶から入りましたが、いよいよです。

 318Ci復活の狼煙、しかしその前途は多難・・・

 BMWのE46ですが、もう少しで車検を通せる様になりました。フロントブレーキのエア抜きで躓いていましたが、それも解消できました。2年近く動かしていなかった為に、配管内に汚れが詰まりフルードが流れなかったので、キャリパーからマスターシリンダーへの接続を解消し、そこに高圧のエアガンで汚れを吹き飛ばし、事なきを得ました。

 詰まりを解消すればあっという間にエアが抜け、O/Hしたキャリパー、新品のローターとパッドも相まって、なかなか良いブレーキペダルの踏み心地でした。

 こんなことが起こるとは!

 タイアは一度使ってみたいと切望していた、ドイツのコンチネンタルを選びました。これは従業員がヤフオクで見つけてくれたタイアですが、その交換で悲劇は起こりました。

 なんと、その内の一本が空気を入れている最中に裂けたのです。

 数万本に一本の確率で起こるらしいのですが、腹立たしいのはメーカーの対応です。送り返しテストを行いそれらの費用を購入者が負担した上で、問題が確認できたらタイア代のみ交換や返金になるそうです。

 これはコンチネンタルに限った話ではないと思いますが、自社の製品に責任を取れない様なメーカーは、今後買う気はありません。今回は仕方なく追加で一本仕入れレビューを行いますが、どんなにタイアの性能が良かったとしても、二度とコンチネンタルは買わないと心に決めました。

 こんな無責任な会社にならない様、当社も肝に銘じます。

 そうは言っても楽しみ

 色々と問題は起こりましたが、このBMWのために多くの時間を費やしてきましたから、とても楽しみです。車検を通す前に仮ナンバーを取得し、簡単な試乗とアライメントを取り直します。

 再三書いていることですが、クラッチ交換にエンジンマウントの交換を予定しています。そのあとは内装(ピラーの内装が剥がれている)を修理し、剥がれたクリア塗装をなんとかしなければならず、まだまだ先は長く、予算は青天井です。

 時間をかけて、ゆっくり楽しみながら仕上げてゆく事にします。

 

 

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ムルティストラーダで新たな挑戦

 戦略的受注

 ドカティのムルティストラーダ。ローダウンとオーバーホール、インナーチューブのコーティングに関して受注しました。10月頃の予約ですが、当社は秋が一番の閑散期であり、この時期は短納期が可能な利点があり、お客様とのタイミングも良く、時期が決定しました。

 大阪の方ですが、引取から納車まで一貫して当社が担当します。今風に言うならワンストップと言う手法ですね。

 具体的な内容は?

 前後ショックのローダウンに追加で、インナーチューブのコーティング、前後のスプリング交換、実際に乗ってのセッティングを行います。全て含めて40万円以上の内容ですが、価格に見合った満足いただける内容を提供してゆきます。

 昨年からの潮流

 昨年から広告の手法を変える事で、受注の内容も変わってきました。サスペンションのオーバーホールを主とするのではなく、車両ごと預かりセッティングを行った上で、その乗り味を提供すると言う独自性です。

 これまでも同様の受注はありましたが、自社の品質と独自性に自身を得て、全面的に押し出す様にしたところ、喜んで頂けています。

 私が見る限り、二輪車のサスペンションに関しては、中・低価格帯のサービスはありました。しかし、ハイエンドを臨む層にとっては、その受け皿がなく選択肢は非常に限られていました。
 そこで当社がその受け皿としてハイエンドを多く提案し、ご自分の特別仕様を作りたい方に対して、解決策となりうる存在になれたのです。

 これからが面白い

 上記の事情から、多様な仕様を作ってきました。創業当初から変わらぬのは、全く同じ仕様を作らない。と言う事です。使い方も乗る人も違うので、その時に考えられる最善の仕様を作っています。

 今後もさらに高い質感を求め、最良の仕様を考えてゆきます。

フロントフォークのオーバーホール

 バイク屋さんの個人所有の車両に関して、前後ショックのオーバーホールを受注しました。

 フロントフォークのオーバーホール

 フロントフォークはどのバイク屋さんでも「基本的には」オーバーホールが可能です。しかし、勿論ですがその仕上がり具合は千差万別、だいぶ変わってきます。
先日のXJR1300においては、組み間違いを発見しそれを題材とした動画を上げました。

 https://youtu.be/1A38339UC0U

 上のリンクからその動画へ行けますので、どうぞご覧ください。

 その様な事情もあり、ご自分で作業は可能ですが、仕上がりに期待を持って依頼があった訳です。インナーチューブも再メッキの要望があり施工しました。

 フロントフォークで厄介な事例

 たくさん作業をすれば、沢山の事例を目撃します。その中で多いのはドレンボルトの銅ワッシャーが広がり、ケース側に喰い込んで外れなくなる症例です。これは下手に工具をかけると、部品に傷が入りオイル漏れの原因となります。ですから極力傷が入らない様、丁寧な作業を必要とします。

 分解で重要な点は?

 とにかく洗浄につきます。丁寧に掃除を進めていると問題の箇所を発見する事ができるからです。メンテナンスの基本は洗車と申しますが、ここでも同様だと思います。

 当社は超音波洗浄機はもちろんですが、ウェットブラストや目視、触診で極力問題を発見する様に気をつけています。

 組み立てにおける注意点

 これも丁寧さが重要ではありますが、しかしながら整備書には載っていない独自の組み立て工程を採用する事で、滑らかな作動性を得られる様になりました。手法の詳細は明かしませんが、機械に関して真面目に考えれば自ずと行き着く結論程度の内容です。
 

 リアショックと同様にエア抜きも重要

 フロントフォークにおいても、エア抜きは重要となります。昔からある構造のフォークでも、エア抜きをしっかり行わなければ油面が揃わなくなります。これは左右の不均衡を生むため問題となります。写真の様にアダプタを使い、真空引きで細かな空気も許さない手法を用います。

 

 フロントフォークはご自分でも作業可能ですが、もし一段も二段も上の仕上がりを望むのであれば、ぜひ当社に依頼いただければ、専業の腕を振るって仕上げます。

 

 

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最近の傾向

 どんな仕事が多いのか?

 最近は車両ごと預かり、改造したり乗り味を変える仕事が多くなってきました。それに加え、ダンパー単体でも色々と改造したり、さらにはサスペンションとは無関係な部品の旋盤加工も依頼があります。

 水面下で色々と画策しています

 今はまだ表には出せないのですが、数年先の仕事や秋に向けた準備も進めています。

 全く公表予定はありませんが、ダンパーに関する仕事を受託する可能性もあり、今年も面白くなりそうです。 

XJR1300のフォークスプリング交換

 お久しぶりです。

 今週は作業が忙しく、ブログが疎かになっていました。

 XJR1300のフォークスプリング交換 オリジナル部品も開発

 XJRのフォークスプリングは数多く販売されている様です。ただ、どれを選べば良いのかがわからない。
「それが問題だ」とハムレットも言ったとか言わなかったとか。

 依頼くださったお客様は、当社の動画において一番人気の「CB1300とXJR1300の違い」https://youtu.be/a6mq5n3jNn0

この動画を見て、依頼してくださいました。今回はオーリンズの汎用フォークスプリングを使います。

 オリジナル部品でフォークスプリングを自由に選べる

 そのスプリングは専用品ではないために、長さが合いません。そこでスプリングカラーを自作しました。純正のカラーとスプリングの間に入れて使います。
 今回は9Nm(0.9K強)のバネです。このカラーを使えば、7〜11Nmまで好きに選べます。乗り味を追求するたかや、特に競技に使う方には有益だと思います。

 売価は未定ですが、写真よりも単純化し量産することで価格を抑えようと思います。オーリンズのスプリングはセットで2万円強なので、スプリングカラーは1万円以下に抑えるつもりです。

 喜びのメールが!!

 フォークスプリングの交換に関する顛末は、動画にして細部を報告しますのでここでは細部を論じませんが、乗って帰られたお客様からメールが届きました。

 曰く、会社から道路に出る段差を乗り越える段階ですぐにその良さを理解でき、帰路の国道でその違いを十分に堪能しとても満足できたそうです。

 実車を前に今回のフォークスプリング交換の狙い、リアショックもイニシャルを変更、空気圧も調整。他色々と話をさせていただきました。その効果もあってどの様な変化が起きたのか、理解の助けになったと思います。

 もしXJRやCBのフォークスプリングを交換したいけれど、何を選べば良いのかわからない。という方は是非、一度相談ください。

 

 

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CB400SFの純正ショック、とことん追求してみます

 どこまでできるのか?

 昨年から明確に打ち出しておりますが、当社の方向性は高付加高価格路線です。

 普通のSHOWAのツインショック(CB400SFなど)も、お客様が許容される上限価格の範囲内で、高価格を狙いそれに見合った高品質は一体どの水準なのかを同時に追求しています。

 ロッドの表面処理、部品、オイル、組み立て精度、梱包、伝票、接客対応などそれら全てを最大限へと高めたいと考えています。

 大きな課題と変更点

 これまで当社は納期を最大の売りにしていました。それは今でも大切にしていますが、少数精鋭を押し進める当社にとっては、短納期は無理が生じてきました。

 今後は品質と技術力、開発力、セッティングなどを柱に、見合った納期を提案して参ります。

 価格

 現状はCB400SFを完全に作業すると7万円弱の価格です。他社比較では高額な部類ではありますが、さらなる高品質を提供できる様に考えて行きます。

 

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ステンレスナット製作

急場を凌ぐ

 必要純正部品が破損しており、メーカーの供給もないので作ることにしました。

 対角19mmの六角棒に穴を開け、タップを通して終わりです。角の面取りを行い穴を開け、タップを立ててネジ山をこさえ、そこから切り落として反対の面を仕上げる。

 簡単ですが、実際に作ってみると時間のかかる物です。

 

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