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ダンパー仕様変更

モトグッチを試乗、フレーム考察。

 先週の日曜日はモトグッチのV9Roamerの試乗を行い、無事に納車しました。

 その内容は動画でも話しておりますので、もし良ければご覧ください。
 

 

 果たしてその乗り味は。フレームを横から眺めるとわかりますが、ステムの下から一直線にリアフェンダーまで一本のフレームが通ります。そしてドライブシャフトを採用しているために、スイングアームピボットをフレームと固定できず、好むと好まざるとに関わらず、否応なくピボットレスフレームとなります。
 しかし流石に旧車ではないため、ステムの上側からタンク下あたりのクロスメンバーへ一本補強が入り、縦剛性を稼いでいる様です。

 ショックアブソーバーの性能ははっきりと断言しますが、一も二もなくスプリングが重要です。このモトグッチは前後のバネ定数が合っておらず、各部の仕様変更を施したものの、肝となるのはなんと言ってもスプリングでありました。
 これが決まればサスペンションセッティングは大抵が解決したと表せます。
 しかし、これだけでは私どもの様な業者はそれ程役に立てません。ここからが腕の見せどころです。前後とも摩擦抵抗を調整し、減衰特性を合わせ込み、車体へ組み付けた後は実車においてセッティングを行います。

 なんと言っても一番楽しいのは実際に走り込んで車体を仕上げる工程です。このV9は実走セットにおいて、リアのプリロードを半回転抜いただけで、満足のゆく状態になりました。
 しかし、そこへ至る道程はフロントフォークのプリロードを決めるだけで5〜6回の試行錯誤があり、リアショックの減衰設定にも頭を悩ませました。

 サスが決まると走りに集中して、色々な走り方、入力を試してみます。このバイクはフロント周りの剛性が先述の通りあまり高くありません。
 フレームは貧弱でフォークも直径40mmとこの手の車両としては細身です。

 これで少し高めの速度から強めの減速でブレーキを残しつつ(つまりはフロント荷重を強く残して)フロントタイヤを主体とした減速旋回を試みると、剛性不足からくる不安感を覚えます。そこにギャップがあり振られるとユラユラと減衰しない動きを見せます。

 この様な古臭いとも言えるフレームは、しっかり直線で減速して前後の荷重を均等にして倒し込み、アクセルを開けながら曲がる加速旋回を主体にしなければ、バイクの持ち味を活かせない。すなわち楽しくないのです。

 このV9Roamerと言うバイクは特筆すべき点はありません。縦置きのV2エンジンに騙されますが至って古典的な車両です。しかし、このフレームのおかげで古き良きバイクを知る事ができます。
 特に、先ほども述べたステム周りの弱さが減速から倒し込みへ、捩り剛性の弱さを感じさせ、それが逆に現代バイクのフレームがどの様な事を考え作られているのか知らせてくれました。
 そして昔風の車両が未だ色あせない面白みと楽しさを持っていると、改めて実感できます。最新型にはないおおらかで柔らかく、のどかで牧歌的な安心感があります。

 この仕事を始めた契機は「多様なバイクに乗る機会を得たい」でした。人生で一度は乗ってみたいMoto Guzziでしたから、今回の依頼はとても嬉しかったです。

 

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