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2019年12月

高性能ダンパーの製作

 埼玉県、所沢市のバイクショップANDY様から依頼いただき、CBR250RR/MC22のリアショックを製作しました。

 中古のボディーを使いFGの最高峰であるFFX31で作ってあります。

 純正のダンパー長は実測で282mmとかなり短い部類です。ダンパーストロークが短いので、なんとか成立しましたが、かなり厳しい寸法のやり取りの末に、形になりました。

 純正はリアの車高がかなり低く、サーキット走行でタイムを求めると、低さからくる旋回性の限界が早期に訪れるのは否めません。
 サーキット走行のみとの前提を元に、かなり長めの自由長を設定しました。ここ数年でFFXもかなりの数を製作したので、減衰特性はバネ定数と併せてそれほど悩まずに済みました。

 とりあえず初回の動きとしては満足できる仕様です。今後はサーキットを実走行して問題点を洗い出し、バネ、減衰、車高を併せこんで行き、最良のサスペンションを目指します。

https://www.facebook.com/640650852697004/videos/549404819123176/

 Facebookに動画を上げています。よろしければご覧ください。

年末特別企画

 年末の最後の作業を進めておりましたので、ブログの更新が久しぶりになりました。

 12/31はYouTubeの特別動画をアップロードしますので、楽しみにしていてください。今後は週に3〜5本程度の動画をアップロードしてゆく様、頑張って参ります。

  

価格、排気量で良し悪しは決まらない

 以前、私が書いたブログを紹介してくださった方とTwitter上で知り合いました。その方が紹介してくださった記事はヤマハのSRVという車両に対する、私の評価に関する内容です。


 250ccの小さなバイクですが、これが非常に素晴らしいバイクだと思います。
私がバイクを改造するに足るか否かの判断基準に、素性がどれほど良いのか?という物があります。SRVは安い車両でしたが、外観の美しさ。いかにもヤマハといった流麗な造形と、ロングストロークから生まれる粘り強い回転とトルク特性。
 個人的にはエンジンとフレームの流れが好みです。

 しかし、特筆すべきはその乗り味です。簡素な作りのフロントフォーク。カシメ型で安価に作られたリアショック。それらを上手にまとめあげ、緻密に作り上げた訳ではありませんが、芯を射抜いた仕上げが施され、見識のある方が作り上げたバイクだと、わかります。

 ヤマハは他にもいくつかの車種で安価ながら、バイクを深く理解しているからこそ、作り上げる事ができる車種に乗った事があります。

 これらの車両に乗り分かることは、決してかけたお金と時間だけでなく、安く短時間で仕上げたとしても、わかっている人間がまとめ上げると、素晴らしい素性の乗り物が出来上がる事実です。

 ここ10年で作られた車両は、無為な奇抜さを求め過ぎるため、ストライクゾーンを外した悪球と呼ぶべきヘンテコな車両が多く見られます。
 もっと筋の良いバイクを作り、それをどのように見せて行くかを考えなければ、早晩飽きられてしまい、バイク業界の衰退は加速するのではないかと、心配しています。

 カワサキではゼファー1100の足回りの設定が、安っぽいのに上手にまとめてあり、好感触です。スズキではGSX1400に良い印象を持っています。GSX -R750も良いと思います。

 小排気量で高価格でなくとも、良いバイクはありますので、初心者の方や二台目のバイクに悩む方は、是非SRVを考えられてはいかがでしょうか?

 

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価格で決まらない

 以前、私が書いたブログを紹介してくださった方とTwitter上で知り合いました。

 ヤマハのSRVという250ccの小さなバイクですが、これが非常に素晴らしいバイクだと思います。
私がバイクを改造するに足るか否かの判断基準に、素性がどれほど良いのか?という物があります。SRVは安い車両でしたが、外観の美しさ。いかにもヤマハといった流麗な造形と、ロングストロークから生まれる粘り強い回転とトルク特性。
 個人的にはエンジンとフレームの流れが好みです。

 しかし、特筆すべきはその乗り味です。簡素な作りのフロントフォーク。カシメ型で安価に作られたリアショック。それらを上手にまとめあげ、緻密に作り上げた訳ではありませんが、芯を射抜いた仕上げが施され、見識のある方が作り上げたバイクだと、わかります。

 ヤマハは他にもいくつかの車種で安価ながら、バイクを深く理解しているからこそ、作り上げる事ができる車種に乗った事があります。

 これらの車両に乗り分かることは、決してかけたお金と時間だけでなく、安く短時間で仕上げたとしても、わかっている人間がまとめ上げると、素晴らしい素性の乗り物が出来上がる事実です。

 ここ10年で作られた車両は、無為な奇抜さを求め過ぎるため、ストライクゾーンを外した悪球と呼ぶべきヘンテコな車両が多く見られます。
 もっと筋の良いバイクを作り、それをどのように見せて行くかを考えなければ、早晩飽きられてしまい、バイク業界の衰退は加速するのではないかと、心配しています。

 カワサキではゼファー1100の足回りの設定が、安っぽいのに上手にまとめてあり、好感触です。スズキではGSX1400に良い印象を持っています。GSX ~R750もよかったですね。

 小排気量で高価格でなくとも、良いバイクはありますので、初心者の方や二台目のバイクに悩む方は、是非SRVを考えられてはいかがでしょうか?

 

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SHOWA、BFFの改造

 来年から始まるST1000へ向け、GSX-R1000Rのフロントフォークを改造しています。

 昔から仕事をいただいている千葉県市川市のJ'sファクトリー様からの依頼です。
 街乗りでは適度に動く良いフロントフォークだが、もてぎロード選手権への参加している中でどうにも動きすぎると問題を抱えてらっしゃるようで、仕様変更となりました。

 ガスで加圧されたフロントフォークは、一般の方にはオーバーホールが叶わず、専門店でも特殊工具を別途で用意しなければならないため、どこでもできる訳ではありません。当社も新規に工具を用意しましたが、さらに使い勝手の良い工具を開発したいところです。

 このフロントフォークの課題は部品点数が多く、摩擦抵抗が大きくなることにあります。組み方を間違えるとオイル通路を塞ぐことができないために、工具も手順も気をつけなければなりません。

 減衰調整のユニットは圧と伸びが一体となっており、これが物珍しさを感じさせます。リアショックのバランスフリーも存在し、仕組みも同様です。減衰の仕様変更が一箇所に集まり、楽なのは確かですがおいそれと手が出せなくなったのも事実で、性能が高度化すると専門性が高くなり、改造が難しくなるのはどこの世界でも同じようです。

 近日、動画でも各部の詳細を紹介してみようと考えていますので、楽しみにお待ちください。

 

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オーバーホールサイクルについて

 昨日の動画は、度々質問をいただく「リアショックのオーバーホールサイクル」について、私見を述べました。

 https://www.youtube.com/watch?v=FYQLvobmA3k&t=143s

 動画の文字起こしになりますが、その要点と結論から記しますと以下のようになります。

 要点1 構造の違い 
     気液分離型であるか?

 要点2 分離型であるならば(前提としてガス加圧でもある)、エア抜きの水準に依拠する。

 結論  CB400SFやCB1300SFのようなリザーブタンク付きのツインショックは、きちんとした工程を踏んでいれば、当社のO/Hにより4〜6年は問題なく使い続けることができる。

 

 動画にて概要は述べてありますので重要な二点を解説すれば、分解作業で重要になるのは洗浄、汚れをどれほど落とせるかにかかっています。超音波洗浄機など機械をどれほど使っても中々完璧とは言えないため、細部は人間の※手作業が必要となります。
 ※この手作業をどれだけ省けるかは、企業努力、生産性の向上として常に課題ではあります。

 企業利益のみを追求するのであれば一定の線引きをし「機械を用いてもこの程度なのだから」と、設けたラインでお仕舞いにすれば、単価は下がります。ですがそれは多くのオーバーホールショップが行っている手法であり、とことん追求するのはごく少数に留まります。であれば当社はその少数に入るべく、追求型の姿勢で作業を行っています。

 第二の要素であるエア抜きですが、これは常々書き記し、動画でも話しております。しつこく繰り返しますが、ダンパーの性能はオイルと気体が混ざると所期の性能を発揮できません。ダンパーの減衰とは、大きな抵抗を持つオイル(流体)が通路であるポート、オリフィスなどを通ることで発生します。これらは通路の断面積、通路の長さ、流体の粘性、流体の速度等が関係して発生します。オイルに求められる抵抗を気体は持ち得ません。したがって、気液混合となるとダンパーの発生する減衰力は大幅に低下します。

 このように洗浄とエア抜きが大きな要素を占めているのですが、分解の手順や手法によりダンパーを壊したり、組み作業の工程で摩擦抵抗が大幅に増したり、ガス圧が不適切であれば硬さが露骨になったり、そも減衰力が発生されない事例も起こり得ます。

 二輪、四輪問わず少し注意深く乗って居れば、その感覚は少しづつ磨かれてゆきますので、興味を持たれましたら楽しみながら感性を磨いて欲しいと思います。

 

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求めるのは感性にあうエンジン

 今日はCB1100EXの動画をアップしました。

 https://www.youtube.com/watch?v=zHZ8DLzPn5U&t=44s

 私がバイクや車に求めるのは、結局エンジンフィールなのだと改めて認識しています。

 CB1100のエンジンはボア73.5mm/ストローク67.2mmのショートストロークです。ネットで検索すればすぐに見つかりますが、同エンジンはバルブタイミングに変化を持たせ、回転上昇に独特の味を持たせています。
 この記事を読む前に乗って、私が感じた素直な印象は4千回転位までは2気筒のような、ある種のザラつきやガサツさを持たせていますが、表現がおかしいのは承知で言えば、洗練された雑味とでも言いましょうか、そういった類の新しい感覚です。
 普段2気筒に乗っている私には好ましい特性ですが、これが高回転まで続くとさらに嬉しくなります。それに、余計なお世話と思いますが、個人的に、あんなに高回転まで回らなくても良いと思います。7千回転程度で低速にもっとゴリゴリのトルク感をだし、アイドリングから7千回転まで全域で「洗練された雑味」を表現できれば、信じられないくらいの世界観を表現できると考えました。

 否定しているわけではなく、私の好みを前面に出すとそういった感じになります。ただ、現代に空冷エンジンでこのような車両に挑戦するホンダには尊敬と敬意の念を抱きます。

 これまでに乗った中で特筆すべき好ましいエンジンは、ハーレーの883Rです。何が重要かと言えば、ロングストロークな点です。四輪車のエンジンが良いのはほとんどの場合でロングストロークであり、粘り強いトルクを持っているから、私は好ましいと感じます。

 この観点から論ずれば、ヤマハのMT-01やXV1900のエンジンでスポーツバイクに仕立て、乗ってみたいと夢想します。

 私はサスペンションを主にした仕事をしていますが、二輪四輪問わず車両を決めるのはエンジンだと、その様な結論に至りました。その答えに行き着いたのは、足回りを通じ車両に変化をもたらした際、行き着く先はエンジンなのだと、私自身が感じたからです。

 多くの経験をバイクと車を通じて得てきました。それも全てお客様のおかげです。

 

 

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スプリングとダンパーの関係

 15年以上前の話ですが、NHKのラジオ講座を聴いていたところ「時間と空間の世界史」に当たりました。

 それまで歴史を時間軸だけで捉えていた私には、空間を取り入れた二軸で考える手法に驚かされました。

 ダンパーも実は同じことが言えます。今日の午前中にお客様から「減衰でよくなりますか?」と質問されました。私はそれに、スプリングと減衰は役割が違うと答えました。それを文章にしてみようと考え、筆を取らずにキーボードを叩いている訳です。

 スプリングは”主に”距離を担当します。バネは、かかる荷重に応じてストローク(つまりは移動)しますが、硬ければその距離は短くなり、柔らかくなれば逆に移動距離は長くなります。

 ダンパーは”主に”時間を担当しています。バネが決めた移動距離をどれ程の時間をかけて到達するか。それが役割です。この説明だけで、減衰がスプリングの役割を担当できないと理解いただけると思います。

 上記のスプリングと減衰の役割は、旅と同じです。スプリングは目的地であり、減衰は移動手段です。
 同じ目的地(距離)でも移動手段により、かかる時間は様々です。100Kmの距離を徒歩ではかなり早くても24時間前後かかります。しかしそれが自動車などであれば、1〜2時間で到着します。飛行機なら数分で移動できます。
 ですが「どんなに速く移動できても目的地は変えられない」のです。これが今回の結論です。移動手段(減衰の強弱)では目的地(ストローク量)は変えられない。この事実を踏まえれば、サスペンションセッティングに関して、大きな間違いを犯しません。

 実は移動手段で目的地を変える事は全く不可能ではありませんが、極めて限定的な誤魔化しでしかないので、ここでは敢えて説明しません。しかしそのヒントは時間と空間(距離)にあります。興味のある方は考えてみてください。すぐにでも答えを知りたい方は、面と向かって質問くだされば、その場で返答いたします。

 小野寺が作った図にそのヒント、というよりも答えその物を載せますので、もしかしたら案外簡単に理解可能かもしれません。

 

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なぜ高福祉国家の税金が高いのか

 私はMMTが正しいと認識しています。その意味で税金とは一体何かを論じてみます。

 高福祉国家(社会)において税金が高い理由は簡単です。税率が低ければ消費が拡大し、福祉に回る資本が足りなくなるからです。資本とは金ではありません。資本とは物やサービスを提供しうる能力の事です。
 低い税率の場合、消費が盛んになれば物やサービスを提供する能力が一般の消費に使われ、福祉に回るべき物やサービスが足りなくなる。足りなくなれば価格が上がり、サービスの提供(高福祉)を実現できなくなる。だから消費性向を抑えるために高税率なのです。ならば、税率を上げている現状は高福祉が可能になっていますが、プラマリーバランスという名の世迷言で、税率をあげているにも関わらず、社会保障や福祉は削られる一方です。これは供給能力の飼い殺し。腐らせるだけです。

 急にサスペンションの話題に飛びますが、ここから関係してきます。ある飽和点までは軽快性と安定性は共存可能ですが、その点を超えてくるとトレードオフの関係になってしまいます。高福祉国家も同様です。飽和点までは一般消費も福祉も両立します。しかしある分岐点からはトレードオフとなり、どちらかが増えれば、どちらかを削らなければなりません。
 その飽和点を高めるには設備投資等で生産力を高めるしかありません。ダンパーにおいては容量を増やすか、新しい機構により効率化を達成するかです。それらを達成できればインフレ率の過度な上昇は起こり得ません。
 現状はインフレ(つまりは供給不足)が起こるには、需要が低過ぎます。余りある容量(供給能力)を使わないでいるように思います。これは車両メーカーの純正ダンパーに似た状態です。どういうことかと言えば、容量を変えずとも各部の設定次第で飛躍的に向上する質感を、事情はあるでしょうがその大半を無駄にしています。誠に勿体無い。

 社会現象も捉え方一つでサスペンションに通づると考え、日頃から神経を尖らせ情報を収集しています。

EP3シビックのフロントダンパー完成。

 過日、完成していたリアショックに続き、金岡のEP3シビックのフロントダンパーが完成しました。

 私が長年構想を抱いていた仕組みを取り入れ、リザーブタンクのないダンパーなれどエア抜きを機械で行えるようにし、その性能を飛躍的に高めることに成功しました。
 写真をご覧いただければ分かる通り、すでにオーリンズと呼べない形になってしまいました。

 ロッドとスライドメタルのクリアランスは1/100mmです。これを全数作るにのはなかなか骨の折れる作業でした。13:30頃から作業を始め、終えたのは21:30を過ぎていました。ピストンリングも純正の交換できないものから、旋盤加工で交換可能に作り替えています。
 

 次回はピストンを作りたいと考えています。根本原理はわかっていますが、実際に作れば至る所で問題が起こるでしょうから、それを体感するのが今から楽しみです。

 

 このダンパーを早々に取り付け、金岡がテスト走行を行います。オートランド千葉というダートトラックでこれまでとの差を分析します。私も、時間が許せば同行したいのですが、無理であれば金岡にレポートを送らせようと思います。

 ラリーの過酷な環境で自社の技術を確認し、街乗りやトラックレースにも十分仕様に耐える改造、製品を作って行くつもりです。すぐに何かを販売できるわけではありませんが、地道に積み重ね、皆様の期待に答えられるように致します。

 

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