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2019年10月

探求心

 当社のアルバイト梅山が、学業を怠け落第スレスレなのにハスクバーナを購入し遊んでおります。全くけしからん大学生です。

 そんな彼に提案し、来年はエンデューロに出ようと話しました。
 その目的はただ一つです。下に貼り付けた四輪WRCのYouTubeをご覧ください。33秒付近のジャンプ着地の安定性を二輪車においても実現したい。ただその一点です。

 しかし、二輪と四輪では大きな差があります。その中の一つは駆動方式です。車は四輪駆動で前輪が着地し前がひっぱり安定し、リアも駆動します。しかし、通常バイクは後輪駆動のため、その前輪の引っ張り効果は期待できません。

 もう一つ大きな障壁があり、それはホイールベースと重心高です。短いホイールベースに高い重心を備えた二輪車は少しの重心移動が大きな変動を生みます。それはタイトなコーナーでは素晴らしく半径の小さいコーナーリングを見せますが、安定性を欠きます。
 そこで、エンデューロを題材とする事により、オフロード走行においての強い接地感をどの様に演出するかが今回の企画の焦点となります。商売の秘密となるため公表はしませんが、完成すればその姿から想像できる事と思います。

 前後ショックは可能な限り作り変えて遊んでみたい欲求があります。前後ともWPのサスペンションであり、当社としてはそれほど経験の多くないメーカーです。これを違うダンパーに置き換えるのか、それともそのまま作り変えるのか、楽しみな点でもあります。

 昔モトクロスを1年ほど乗っていた経験から、オフロードバイクは好きですが、会社の商売としては考えておりません。ただ、サスペンションを通して上質な乗り味を探求する意味で、オフロードで作り込むのはとても有意義なはずです。
 ジャンプはオンロードにおいて考慮する必要がない上に、街乗りでの疲労度を経験する意味ではフラットダートの多いエンデューロでテストするのは最前の環境だと考えます。来年の夏が本番となるはずですが、少しづつ自分の体とバイクの準備を進めて参ります。

 参考に二輪のモトクロスもリンクを貼っておきます。これはヨーロッパのモトクロスです。私はSupercrossよりも屋外の自然の地形を利用したコースの方が好みです。路面のあれもこちらのほうが大きい傾向にあり、バイクの基本特性を知るには持ってこいです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=dJpf7VeJOeA

https://www.youtube.com/watch?v=HaDMSoS7Sao

 

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新品ショックを分解

 昨年の末に依頼いただいたBilsteinですが、新品で購入し設定を確認するために試乗を行い、その後すぐに分解しました。

 メーカー設定を確認する意味で、一度そのまま取り付けて試乗を行った後に仕様変更を施しました。

 3回ほどは内部のシム組変えて、その後ブレーキの効力を増したいと相談されたのでパッド交換と、更にマスターバックを自作して対応しましたが、その時にもまたダンパーを組み直しました。

 国産車はマスターシリンダーとキャリパーの比率がどうもおかしい様で、効きかたが唐突です。FFならではの重量バランスの悪さとホイールトラベルの少なさが合わさり、ブレーキ時でリアは早めに限界を迎えます。

 フロントはそこそこ粘るのですが、後20mmくらいストロークが取れると、かなり良くなりそうです。それに合わせてリアもストロークを伸ばせばブレーキの効き方も変わり、かなり変貌しそうです。ちょっとラリー車っぽい雰囲気です。
 更に、エア抜きの道具を改良し機械で完璧に抜ける様にすれば、その面白みと楽しみは長らく楽しめる様になります。次回O/Hの時はそれを課題にします。

 私の所有するBMWにもビルシュタインを用意しましたが、これにはリザーブタンクを取り付け、エア抜きと減衰調整を追加して狙った動きを実現しようと思います。まだまだ完成は遠い様な気がします。が、諦めずに仕上げてまいります。

 

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ワークスパフォーマンス

 ここのところ、ワークスパフォーマンスの依頼が多く入っています。

 以前は代理店のPMC様に純正の交換部品が殆ど在庫されておらず、自作したり代替え品を探したりしましたが、最近はPMC様にかなりの細かい部品まで在庫されているようで、価格も時間も節約できてお客様にも良い事が増えました。

 2セット続けてリザーブタンク有りのツインショックが入庫してきましたが、新型と旧型で大きく構造は違っています。
旧型は昔からあるモノチューブで、ごく一般的な仕組みです。ただ、伸び減衰は積層シムで制御しますが、圧縮行程はボールを使ったチェックバルブが担っており、殆ど減衰を発生させません。昔は路面も悪くタイアもグリップしなかった上に、車体全体が華奢なので、圧縮行程で減衰を強めると簡単にタイアが滑るために、そのような設定が多く見られました。
 現代では路面、タイア共に向上しそのままでは減衰が不足気味だと思いますが、過剰よりは過小な方が問題は少ないと思います。

 もう一方の黒ツインショックはツインチューブです。これはモダンな作りですが、最新の仕組みと比較して違っている点は、オイルの流れを制御するバルブです。
 現代ではピストンと積層シムでコントロールするオイルの流れを、このワークスパフォーマンスはもっと簡単な方法で制御しています。
 こんなので本当に良いのかと思いますが、それなりには機能しているようです。

ワークスパフォーマンスは80年代のAMA好きの方には喜ばれるメーカーなので、部品供給も安定した今、安心してお客様から依頼をいただける環境が整いました。

 オイル漏れ修理からとことん部品交換を行うフルオーバーホールまで選択可能となりましたので、気兼ねなく依頼ください。

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タブレットからPCへ

 今年の2月から、社内の情報統合機構を大きく変えるため、アルバイトに依頼してアプリ開発を進めてきました。

 当初、アプリを開発し各作業員にタブレットを持たせる事で、作業記録等をつけさせる予定でした。実際にアイパッドを二つ用意し、不要になったアイフォーン6を使い普段の作業を進めてきましたが、私自身はそれらのITシステムが面倒であったため、入力業務などはいっさい手をつけませんでした。

 ある時、パソコンのマウスを買いにアルバイトとアリオ柏へ行った際に、アップルのお店へゆき、そこでマウスを買わずにiMacを買いました。常々、大画面PCの重要性を考えていたため、これだと直感し購入した次第です。

 会社へ戻り私の作業台へパソコンを置き、普段から使う中で「タブレットではなく、PCだ」との思いが強くなり、タブレットからPCへ移行し、結局iMacを5台購入し、MacBookも買い足し都合4台のiMacと一台のMacBook、ウィンドウズパソコンが2台に、タブレットが3台となりました。

 アルバイト梅山の知人が、当社のツイッターをみて「タブレットからPCへの切り替えが早かった」と言ってくれたそうです。
 好意的に受け止めてくださったようですが、一見すると朝令暮改のように、言っている事に一貫性を欠くと思わせますが、実はそうではありません。
 つまり、作業や社内における情報の共有で達成される均一化、データ検索の高速化など、システムとしてより洗練された方を選ぶならPC化だったという事です。

 見える形でタブレットかPCか紙かは問題でなく、利便性の高い方を選んだ結果が今に落ち着いたという訳です。使いやすいという本質を追求すれば、見える形は重要でなく、中身を追求した結果が形になるのが重要だと思います。

 サスペンションにおいてもそれが本質です。ダンパーの構造から考えるのではなく、求めた動きの結果が形になる。それを忘れずに車両作りを行ってゆきます。

エア抜き、フリーピストン位置

 今回もエア抜きの重要性を説きつつ、当社の失敗事例を紹介いたします。

 写真はダンパー分解時のオイルを撮影しました。エア抜きが不十分だったり超長期使用で分解時に炭酸の様に泡が溢れ出します。

 雑誌等で散見する「長期間使うとオイルが泡の様になり、性能が劣化する」というのは半分は正しく、半分は誤りがあります。しっかりエア抜きを行えば、写真の様な綺麗な状態を数年単位で持続できるからです。不十分なエア抜きにおいて、前述の炭酸水の様な泡が、たった一度の走行でも発生します。
 ですから、当社はエア抜きを事さらに重視しています。これにより、設計値の性能を発揮できますし、それが長期間持続させられるからです。オイル漏れがなければ数年はそれほどの劣化なしに、その乗り味を楽しめます。

 失敗というのは、当然ですがダンパーはオイルが入っていなければ成り立ちません。しかもその量が十分である必要があります。FGやオーリンズ の様にフリーピストンでオイルとガスを仕切る構造の場合、ピストンの位置によりオイル室とガス室の容量を変化させられます。
 ガス室の容積を大きく取ればロッドストローク時の変化が小さくなる為、一定の作動感を得られます。これはフロントフォークにおける油面高さと同様です。
 このフリーピストンの位置を間違えると、オイルに圧力をかけるはずが、それが達成できない場合があります。これは無知ゆえの産物ですが、構造を理解しないまま作業を行うと犯してしまう失敗です。当社も作業初心者に任せると、この様な失敗をしでかす場合があります。

 そうならない様に、完成後に検査員による完成検査を行う様にしています。

 

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企業理念の動画を作っています

 YouTubeの自社チャンネルを作りました。

 人手の問題と内容と技術的な障害(大体において私自身の能力という意味ですが)もあり、更新頻度は高くありません。しかし、せっかく作るのだから一つ一つの動画を丁寧に仕上げ、継続して更新して行ける様に心がけています。 

 現在制作中の次の動画は、企業理念をナレーションで読み上げる内容です。文章で読むとなかなか頭に入ってこない内容も、音と文字の両方で入力があると理解が早いと感じています。文章を読むことに慣れていない方でも、わかりやすく理解して頂きたいと考えた結果です。
 企業理念のため堅い文言も多いので、文字でも見える様にしておけば、気になる単語も確認で、音声だけに頼らないことも重要だと考えます。

 動画の質を上げるために、ナレーションはプロの声優さんにお願いしています。

 椰凪 @_8nagi_ さんという方です。検索すればTwitterが出てきますので、よろしければご覧ください。

 プロのナレーターの方に読んで頂くことで、心地良い響きを提供したいとも考えています。私は昔アニメが好きで、映像を見ずに音声だけのドラマCDで散々聴き込みました。音楽も好きなのでその為か音に対する執着強いのかもしれません。
 ですから、みなさんにご覧いただく動画でも、音が良ければ楽しくみてもらえるのではないかと考え、声優さんにお願いする事にしました。

 いま構想しているのは、フロントフォークやダンパーの部品構成を説明する内容です。構造に詳しくなければ理解できないのでは、せっかく書いたブログも徒労に終わりますので、それらを動画で説明してブログの理解を深める一助になればと思います。

 亀の歩みの様ではありますが、もし興味をもたれた方は、チャンネル登録して頂けると嬉しく思います。下記リンクを活用ください。
 
https://www.youtube.com/channel/UCBGEnN9Nbcal5phO1yt54KA?view_as=subscriber

 もし、動画の内容に要望がありましたらTwitter、フェイスブック、YouTubeから質問をお願い致します。

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高付加、高価格が生む良質な仕上がり

 今年、当社は高付加・高価格路線をひた走っております。

 デフレの現在は低付加・低価格が蔓延していると感じています。これは価格が安いので、余裕がないため仕上がりも安くなってしまいます。
 それを嫌い、今年の春から高付加・高価格に挑戦しています。これは逆に高い料金をいただけるので、細部にも気がまわり仕上がりも価格に応じた質を得られます。

 先日作業したRG500ガンマですが、スプリングカラーが必要となり、どうしようか考えた末に無垢材から削り出し、一品製作いたしました。フロントフォークの工賃だけで20万円を頂いているので、減衰の設定、部品の作り直し、各部の手直し作業には身が入ります。

 カートリッジのエア抜き作業も、新たな手法を模索し、それを完成し納得できる質を提供できました。天候が悪くほんの少しの試乗しかできませんでしたが、実際にフロントフォークの動きからは摩擦抵抗の少なさ、上手くまとまった減衰設定にスプリングの選択が気持ちよく決まり、とても楽しい車体運動を感じ取れました。

 リアの動きもフロントにうまく追従し、軽量な車体でエンジン重量配分にも合わさった楽しく走らせられる車体でした。

 缶コーヒーも美味しいし、CDで聴く音楽も良い物です。ただ、一流どころの喫茶店で入れたコーヒーや、ライブで聴く音圧を伴った音楽はやはり違います。当社の仕上げたサスペンションやバイク・車も肌感覚のある、手触りが伝わる様な車両にしてゆきたいと考えています。まだその域には到達していませんが、少しでもその様な要素を持った仕上げを目指します。

 写真はオーリンズ純正の引き抜き材と、当社で無垢材から削り出し、最終的にアルミカラーに加工した様です。

 

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RG500ガンマを改造

 今回はスズキの名車、RG500Gammaの前後ショックを改造しました。

 フロントフォーク純正の正立フォークから倒立に変更されていました。リアは以前に当社でFGを作り、別のバイク屋さんを通して取り付けがなされていました。

 リアはシム組やリンクの取り付けを変えレバー比の変更を行い、ひとり乗りに適した、フラットレートの比を狙いました。これはある程度狙い通りに行きましたが、可動部品も多く動きに渋さが感じられました。メンテナンスはもとより、使用部品を置換する事で作動性を上げられそうなので、今後の課題として提案いたしました。
 他にも、FGのTTXやTTX.Tといった最新型のダンパーは作動性が極めて高いので、そちらも提案させていただきました。

 フロントフォークにはかなり注力しました。
 カートリッジはオーリンズのFKRシリーズを大幅に加工し、取り付けしてあります。減衰特性はもとより、トップキャップ のネジを切り直し、スプリングを車重に合わせ交換しています。交換部品の設定がないトップアプトスプリングは、他のオーリンズ純正が使えるように部品を作り直して嵌めました。
 以前、TZR250/3XVで取り入れた手法を再度採用し、インナーチューブは軽量化を考えYZF-R6を旋盤で仕立て直し、TZ250のブラケットに嵌るように改造しています。

 前回の3XV用にFKRを改造した経験から作業に慣れたこともあり、加圧式のFKRのエア抜き精度を上げられたと思います。これは頭を使わなければ必ずエアが入る構造です。スプリング加圧はバキュームポンプなどで真空引きがしづらい(または極めて困難)事もあり、頭を悩ませました。しかし、少し考え方を改めれば簡単に解決策を発見できました。

 TZ250用を流用したフロントフォークはダストシールがない事もあり、抵抗は小さい様です。さらに当社で加工を行いもう一つ上の滑らかな作動性を確保できました。このオーリンズのFKRカートリッジはピストン形状、ロッド寸法などきめ細かい変更があり、値段が高いだけあり他との流用は極力避けている様です。その甲斐あって乗っても素晴らしい動きをすぐに感じられます。予算が許せば、ぜひお客様に提案したい逸品です。

 カートリッジキットでは先日FZ1フェザーに入れたFGKシリーズも良いフィーリングを得られました。うまく合わせ込めば、かなりレベルが高いと思います。

 リアショックもフロントフォークも、現在できる限りの改良を施せば、まるで違うバイクになったと思えるほど、その乗り味は激変します。当社の目指す高級感をぜひ体験していただきたいと思います。

 

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アインシュタインからヒントを得る

 先ごろ、偶然にもアインシュタインの言葉を立て続けて目にする機会があり、とても感銘を受けました。

 一つは柴山佳太さんと中野剛志さんの共著「グローバル恐慌の真相」に出てくる、「問題を起こした時の考え方で、問題は解決できない」です。
 非常に根源的な考えで、当たり前なのですが見落としがちな思考方法だと思います。

 もう一つは、これも何かの本で見かけましたが「これまでと同じ事をしているのに、違った結果を求めるのは狂気である」です。
 これもまた素晴らしいと感じました。いつもと同じ努力(実験、行動など様々)を続けていても、得られる結果は昨日までと一緒といったことです。

 特にバイクや車の問題解決を図ろうとする場合によく耳にする「何べんやっても上手くゆかない」というのは、方法論、技術、環境などの条件が整わないために、狙い通りに事が進まないわけです。であるならば、それらの要素を変えてゆかなければ、求める結果はえられないはずです。

 当社も昨年までとは違った動きをしているため、ここ数か月は思うような受注状況が達成できていませんでした。ならば、思い切って行動を変えるべきだとの結論に至り、営業方法を変更します。

 先ほどのブログにも書いたのですが、営業に悩んでいるから営業に関する本を読む。技術に悩んでいるから専門書を紐解くのでは、対処法しか見つからないような気がしています。

 ならば、ここは基本に立ち返り、文学、芸術、思想から哲学を通り越し物理法則などを見つめなおすほうが、慌てる心にはじれったく思えても、思わぬ解決方法を知ることになるのではないかと、そう思います。

 皆様も何か悩みがあれば、いつもと違った行動をとってみてはいかがでしょうか。 

プロダクトと国語力、文学

 お久しぶりです。

 先週末は作業が重なり、台風が来て、その最中に父の手術のため柏から松戸の病院へ送り、そのまま待機し柏の病院へ戻りそのころにはすっかり日も暮れ、しかも台風が一番ひどくなる時間帯。あわただしくしていたら、ブログの更新も四日ぶりとなってしまいました。

 今日は指揮者の大野和士さんのテレビ番組を見返していて、ふと気づくことがありました。
 大野さんが言うにはクラシック音楽、特にオペラではその曲への深い理解が大切になるそうです。歌詞のない曲では解釈は様々だし色々な崩し方もあるや思いますが、オペラでは物語がある分だけにその世界観は厳然として存在します。そこで詩の内容を理解し音楽に反映させる事が重要になるのではないかと、私自身は解釈しました。

 そこでふと気づいたのは、バイクや車も同じだという点です。
 車両設計から製造、営業に販売まで含めそこには一連の文脈(コンテスト)があります。ターゲット、価格、開拓したいマーケットなどそれらは多くの要素から成立しているはずです。
 然らば、一台の車両を販売するということは、ある種の文学的要素を含んでいるのではないかと、私は仮定します。作者の意図を読み取れば、その車両の容姿、価格と乗り味の仕立て具合もある程度は意図する方向性がわかるようになります。

 この作者の意図を読み解く能力は、端的に言えば「国語力」です。私は学校の勉強はほとんどできませんでしたが(数学は0点を何度もとり、数学と英語の平均点は多分25点前後だったと記憶しています)、生まれ持った資質からか国語は常に80点以上。社会と理科は勉強せずとも50~70点は取れていました。この二分野もテスト前の勉強を怠らなければ80点以上は労せずに取れました。

 唯一といえる取り柄の国語力が、いまバイクや車を評価する際、とても役立っているのではないかと、そのように感じています。

 中学一年の時、ふと読書をしない大人って何かおかしいのではないか?との危機感を覚え、それからどのような分野でもよいから、とにかく本を読もうと思い立ち、今に至ります。
 これも持って生まれた資質が関係しているかもしれませんが、文学に触れるおかげで美意識というものが身についたように思います。これに加え中学三年生からはギターを弾き始め、芸術にたいする素養を作ったはずです。

 20歳ころに音楽学校に通い、音楽理論を学んだのは数学が苦手だった私に、数学的要素を付与してれたと理解できます。

 人に誇るどころか、中学もまともに通わなかった私ですが、このような経験が製品の文脈を読み解く能力に結び付き、人並みに車両を評価できている源泉ではないでしょうか。

 自身の経験から国語、文学や音楽を含む芸術を学ぶほうが、直接的な学習よりも有意義に感じています。それらの教養を得たうえで専門分野を習得するのが、実は一番の近道であろうと考えます。

 製造業といえば、芸術や文学からは一番遠いようにも思いますが、作り手もそれを読み解く立場でも、それらの素養がとても大切だと認識するに至りました。
 

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