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2019年10月

ステッププレート完成

 RG500ガンマのステッププレートが完成しました。

 7075材で削ったので、表面が綺麗に仕上がりました。しかも10mm板なのですがカッターで厚みを整えてあるため、全面に削りの跡もあり寸法もぴっちり出ています。

 もっと見た目を良くするのであれば、12mm位の板材からエンドミルで細かく削り込み、いかにも削り出しといった感じに仕上げれば、格好良くなると思います。ただ、このプレートだけをその様にしても、一部浮いてしまうので、全体との調和が必要かと思います。

 色々な削り部品が作れますので問い合わせくだされば、対応いたします。
 ※フロントフォーク部品の写真は、削り込みの参考例です。

 

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どこへ行っても結局は

 日曜日は大洗へ行きました。

 水族館はかなり久しぶりでしたが、演出も面白く水槽を泳ぐ魚を綺麗な光が透けて、幻想的でした。子供も喜ぶし、カミさんとはデート気分を満喫できました。

 しかし、スケルトンのエレベーターで発見してしまったのです。バンプラバー的な使い方をされるスプリング。これは毎回使われているのか、それともワイアーが切れた時の保険なのか?スプリングの塗装が剥げていないので、使用頻度は高くないように思います。

 スプリングやダンパをみるとやはりサスペンションと結び付けて考えてしまいます。それもまた楽しい事です。

 

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舵を入れる刹那

 昔読んだ本に書いてあったので正確ではないかも知れませんが、「刹那」とは1/60秒程度の事を言うそうです。

 昨日、営業で江戸川区を回ってきました。既存のお客様から新規のお店まで7件ほどに顔を出しましたが、そのうちの一件はBMWのE24専門店であるシルキーシックス様です。
 滑らかな回転フィールを評して、シルクの様な回転をする6気筒という意味で「シルキーシックス」と呼ぶそうです。

 同社の社長、原様とは初対面でしたが事前に電話で約束を取り付け、約束の18時に伺いました。最初は現在懇意にしているO/H店があり、仕事は出せないと仰っていましたが、話が進むうち原様の方から要望が出され、それに対してこちらもアイデアを出しつつ、原様の抱えていた欲求に対しての回答が導き出され、もしかしたら理想の足回りに一歩でも近付けるのではないかと言う事になり、今後も少しづつ話し合いを進めて行く予定です。

 二輪、四輪を問わずにサスペンション(ショック、ダンパーの意で総称としてサスペンションと表現しますが)におて重要な要素を、経験から得た話をする中で抵抗(フリクション)について話が及びました。

 舵を入れる刹那、サスペンションが引っ掛かりなくスッと動き綺麗にロールが始まる車。それがどれ程ハンドリングに影響し、車両の質感を高めるのかを力説しました。それは原様も感じてらっしゃる様で、とても共感くださいました。
 この感覚をあっさりと理解してもらえた事には、大袈裟かもしれませんが少々感動を覚えました。本当に車好きで細部に気を配る方ならば、やはりそこにも気づくのだと解りました。

 エンジンは組む技術の大切さは当然の事とし、その前提条件に部品の仕上がりや精度が扱われます。原様の話では、四輪のダンパー屋でその機械的要素を話す人にはあった事がないそうです。当社は友人が勤める会社に依頼し、エア抜きの精度やシム組の変化、ロッド研磨の仕上がり具合を調べてもらい、それらが実際にどれ位変化をもたらすのかを視覚化し確認しています。

 その友人に色々と教えてもらいながら、スライドメタルやロッドガイドの寸法精度が摩擦抵抗に直接影響し、それを人間は質感の高低としてかなり直接的に感じ取る。と言う点に着目しました。そういった事情から、現在はセッティングの下地として機械的要素の底上げ、充実を測っています。それも原社長に話たところ、エンジンに例えることで容易に理解して頂けました。

 細かい説明なしに話がダイレクトに通じる人は、やはり少数です。それはお互いのレベルが高い低いも関連しますが、生きている世界や考え方がより密接に関係している様な気がします。

 面白い方に出会えるのが、営業の1番の面白味ではないかと、改めて考える良い切っ掛けとなりました。

 

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YouTubeがいよいよ動き出しました。

 ここ数日は動画の編集を行なってきました。

 使っているパソコンがiMacなので、編集ソフトはiMovieを選びました。無料ソフトですが、必要最低限は編集できます。

 編集に凝っても、内容が良くなるわけではありませんから、今のところは十分満足しています。しかし、肝心の内容はいまいちでした。面白み、声の出し方、説明の内容など不届きな部分が多くはありますが、恥ずかしがっていてはいつまで経っても動画を上げることはできませんので、早々にアップしました。

 今回はオーリンズの旧型正立フロントフォークの内部を解説しています。用語として理解しづらいと指摘いただいた「カートリッジ」についても触れておきましたので、是非ご覧ください。

 以下は台本部分です。動画と一緒に読んでいただければ、理解も深まりやすいと思います。

 

 「本日は、オーリンズの旧型正立フォークの内部構造を、紹介いたします。

まず、外から見える部品を説明しますと、インナーチューブ、アウターチューブ、アクスルブラケット、トップキャップ 、調整ダイアルがあります。


 オーリンズのフロントフォークは、アウターとアクスルブラケットを分解しなければ、インナーチューブを取り外せないので、一般の方には作業が難しいと思います。
 無理に引き抜こうとすれば、部品を壊して、余計な費用がかかりますので、自信がなければ、専門店にお任せください。


 次に、内部部品をご覧ください。

 こちらがカートリッジです。サスペンションのストロークに同期して、上下します。その際に減衰力(抵抗)が発生します。

 そして、これがカートリッジを分解した状態です。

 

 減衰力を発生するピストンと積層シム。調整ダイアルのニードル(これは見やすい様に、リアショックの部品です)。

 調整によりニードルが動き、通路の広さが変わる事で、硬さを変化させられます。ダイアルを強く締めすぎると、ニードルが通路に噛み込んで、固着する場合が多々あります。

 ですから、皆様も調整の際は締め過ぎに注意してください。


 減衰力の基本設定は、ピストンの形状とシムの重ね方、オイル粘度により決定します。


 以上が減衰調整式カートリッジフォークの基本的な動作です。


 普段目にする事の少ない内部部品を眺め、その仕組みを理解いただけましたでしょうか?」

 

 リンク  https://youtu.be/Tx-53q9YDIE


 

洗練すると持ち味は薄れるのか?

 昨日、フェラーリのダンパーについてお客様と打ち合わせをしていた際に、自分で発した言葉で気づくことがありました。

 ダンパーオーバーホールに加え、仕様変更、部品作り直しを含め見積もりの額は140万円でした。末端のお客(エンドユーザー)様は、本来の乗り味と変わってしまうのではないか?と心配されている様で、そこのところを説明して欲しいと間に入るディーラーの担当者様から連絡をいただきました。

 私の経験で話をさせていただきますと、エンジンでもサスペンションでもとことん作り込むと、むしろその車両の本質が、より顕著になると感じます。例えば、ハーレーのエンジンはあのドコドコ感が持ち味だとされています。
 綺麗に組み直したエンジンは、その独特の癖というか持ち味を殺すのでしょうか?実はその逆で、アクや臭みが取れ、本来持っていた特性がより前面に出てきます。
 これは日本酒にとても似ている気がします。お米を研いで臭みや灰汁を拭い去り、本来持つ味(本質)をさらけ出す点がです。

 サスペンションにおいても同様のことが言えます。サスで乗り味を変えるのではなく、エンジン形状やフレームが本来持つ乗り味を活かす感覚です。もちろん誤魔化す事もできますが、それは悪癖をなるべく出さない様にして、良い点を引き出すための行為です。
 悪癖が持ち味なのだとしたら、それは悪癖ではないという、単なる良い点です。ただ、長所と短所は紙一重とも言えますので、なんでもやりすぎは禁物です。

 その車の持つエンジン形状、ホイールベース、重心バランス、駆動形式、着座位置などを考慮し作り上げれば、臭みをなくしつつ美味しいさをより際立たせることが出来るはずです。その様なサスペンションに仕上げられる様、日々考え努力してゆきます。

 

 

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メンテナンス、整備

 お久しぶりです。三日ぶりにブログを書きます。

 火曜日の夜から静岡へ向け出発し、夜通し走っていたためブログの更新もままならなかったのですが、昨日はどうも書く気になれず、筆を止めた次第です。

 今日は朝からお客様がお越し下さいました。15年くらいの付き合いになるお客様の、ZZR1200のフロントフォークをシール交換です。先頃、車体周りのメンテナンスと同時にフォークスプリングを交換しましたが、そこで動く様になったフロントがオイル漏れを起こし、結局O/Hとなりました。

 ZZR1200のフォークは減衰を発生するカートリッジを採用しています。しかし完全な非分解型であり、これを分解してメンテナンスや改造を行うのは、とても費用が嵩みます。そのため、減衰発生機構には手を触れず、消耗品の交換程度に留めました。
 インナーチューブに錆がひどく浮いており、それらを旋盤で加え各種の研磨剤を用いて滑らかになるまで削り落としてゆきます。最終的にはなんとかなりましたが、かなり酷いサビが多くあり、次回は再メッキか交換を考える必要がありそうです。

 純正フォークを活かしつつ、減衰調整式に改めることも可能です。イニシャル調整も追加し、完全なフルアジャスタブル化も問題なく行えます。リアショックも少数ですが、いくつかのメーカーから販売されています。当社の扱うFGでも製作可能です。
 リアを交換したら、それに合わせてフロントもアップグレードしたくなるのが人情です。社外品はブレーキやホイールの合わせなど、気を遣う部分もありますので、カートリッジ交換で対応すれば、細かい部分に気を取られなくてすみます。

 私が夢想するのは、当社の改造キットSGCF4Pでフルアジャスタブル化するのか?またはオーリンズのFGKキットなどで上品に仕立ててみたい気がします。ハードなブレーキ操作から、縁石を超える様なギャップをシットリといなす感覚は、正しく上質そのものです。
 これを実現するにはかなりの手間が必要となりますが、それに見合う価値は十分にあると思います。

 先日納車したRG500ガンマのお客様へアフターフォローのメッセージを送りましたら「かなり満足のゆく良いセッティング」と評価してもらえました。相応に費用はかかりましたが、少ししか乗っていない私でも、これはかなりの水準だとすぐに感じ取れるほどの乗り味です。

 これからも楽しみつつ満足感を充分に味わえる、大人のバイク(車)を仕立てて行こうと思います。

 このZZR1200のフロントフォークを外す作業中に、工具を入れるためハンドルを左右に振りました。そこで軽い違和を覚えました。念入りに確認してみましたら、ステムベアリングが摩耗している様です。
 もう少しするとハンドルが突然切れなくなる症状が現れるはずです。これはお客様に伝え、なるべく近いうちにベアリング交換を行う様にしたいと思います。タイアの空気圧も街乗りで2.0K程度と、かなり低かったので、気温とタイアの銘柄を考慮し2.4Kとしました。
 タイアの空気圧等のちょっとした整備で、格段に調子が良くなりますので、皆様も気にかけてみてはいかがでしょうか?

 

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MotoGPの進化を観る。

 昔の本が出てきました。

 MotoGPの遍歴を追った本です。

 電子制御が取り沙汰される昨今ですが、その競争はすでに20年近く前から始まっていました。2ストロークのインジェクション化にも積極的だっホンダですが、実戦ではキャブを重んじる結果となった様です。
 4ストローク化により、四輪でも実績があるフューエルインジェクションが投入され、それらを統合したマネジメントシステムが登場しました。

 サスペンションを触る毎日では、やはりフロントフォークとリアショック に目がゆきます。写真からでも寸法はある程度類推できるため「この車両は何Φのピストンだな」などと予想しています。
 MotoGPや、JSBのワークスマシンに用いるフロントフォーク、90年代のGPフォークなどの内部部品を本当にごく稀に見たことがあります。正直、驚くほど普通の部品を使っています。ピストンなどは削り出しの想像もつかない様な形状かと、勝手に考えていましたが、実は街乗り用の部品と共通だったりする事も多々あります。
 その違いはシムの重ね方だけ、という事もザラです。

 逆を言えば、WGPで使っていた形状を街乗り用に落とし込んだのかもしれません。それにしても何かスペシャルな雰囲気を感じる事はありませんでした。やはり大切なのはバイク、タイア、路面、ライダーに合わせてゆく作業だと今では強く実感します。


 

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問題解決方法。

 私の父は昔小さな会社を経営していました。そのせいか、普段はあまり耳にしない様な言葉を子供の頃から聞かされていました。

 その一つに問題解決方というのがあります。

 先週の金曜日、久しぶりに作業に従事する従業員が全員揃ったこともあり、社内勉強会を開きました。その主な議題は、減衰力を発生する「ピストンを逆さまに組んでしまった」という内容です。

 これは許されない失敗です。本来はエア抜きの時などにそれに気づくのが普通で、そうでなくとも完成後に他の人間に確認させればその違和に気づいたかも知れません。ですが残念なことにそれらの確認がなされず、そのままお客様の手元に届いてしまい、変なので確認してほしいと先方からの連絡により発覚しました。
 ピストンを逆さまに組むと起こりうる問題はいくつかありますが、今回はオイルの通路を塞げないため、減衰力がほとんど発生しないというものでした。

 同じ問題を起こさないためには、どの様な手段が有効か?それを一同で話し合いました。私は自分の中に答えを持っていましたが、一応のヒントを与えあとは皆に意見を出させて、彼らの考えを尊重し早速翌日の作業からその手法を取り入れました。

 問題がおこったらその場で周知し、可能な限り早い段階でその対応策に着手するのが、問題解決法の第一だと思います。 

普通の仕事で差が出る

 こんにちは。

 当社の作業手順は、届いた段階で入荷システムにデータ入力を行い、そこからバネ外し洗浄、分解、組み立て、発送(または納品)となります。
 これらの手順は細かく分ければ20行程以上に分かれますが、ここではそれを論じません。

 一般の方に向けて一番重要視されるのは、先ずその外観です。手元に戻ってきた際、ピカピカで新品の様なダンパーが帰ってくれば、やはり嬉しいと思います。
 しかし、それは心理的な要素を満たすだけで本質はダンパーのオーバーホールにあるはずです。オイル漏れやヘタリの原因を的確に見抜き、丁寧な作業と良質なオイル、グリス、それらの品質を最終的に決定づけるエア抜きがオーバーホールにおいて本当に大切であるはずです。

 写真のCB400SFはその数量の多さから、当社としては一番基本となる構造と捉えています。しかし、数が多いから基本となるだけでなく、多様な要素が含まれていると思うのです。このダンパーをしっかり組めれば、一人前になるための階段を登ったと言えます。

 作業に対する考え方は会社により変わってきますし、違って当然です。当社は個人の能力に頼ることなく、会社という箱で品質を上げてゆこうと考えております。
 作業工程を細かく腑分けし、説明書を用意し、完成度を高めてゆく。誰が作業しても同じ品質を届けられる様にしたい。しかも誰が作業しても同じ「高品質」を提供したいのです。
 それを達成するには、私自身が一人で作業を行い、その全ての品質を整えるのではなく、全行程を管理するシステムを構築し、箱(会社)の力で高品質を多く提供できる様にするのが、目標です。

 しかし、一人で作業すれば確認がおろそかになる場合もあるし、多数の作業者がいれば、それはまた別の問題を起こすことも多々あります。
 システムに頼りすぎず、個人の能力を過信しない、常に自分たちの行動に疑問を持って行動するのが大切だと思います。これは先日、問題が起こりその解消方法を社内勉強会で話し合った時に再認識しました。

 次のブログでは、起こった問題の内容とその対策方法を書き記します。

 

 

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新型ツインチューブのFFX.T

 FGがツインチューブの新型FFXを公表しました。正式にはFFX.Tと呼びます。

 旧型と一番の差はSHOWAのBFF(バランスフリー・フロントフォーク)の様な、伸びと圧の減衰調整が同軸にあり、これまでリザーブタンクがあった場所は何もなくなり、大幅に空間効率が向上しました。

 現在FFXを依頼頂いている方には、FFX.Tを提供する予定です。

 このFFX.Tの調整部分はSHOWAのBFF用にも設定があり、現在アフターマーケットでは交換部品の設定がない同フォークをアップデート可能です。
 交換にはガスを抜いたりエア抜きが必要だったりと、一般の方がご自分で交換することはできませんが、カートリッジまるごとではなく、ピストンのみ交換すれば良いのは大きな利点です。
 このピストン・ダイアルユニットを使い、新たな展開ができないかも考えて行くつもりです。

 ZX-10RやGSX-R1000に乗っていらっしゃる方は、是非相談ください。

 

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