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2019年6月

常に効率化を図る

 過日導入したスナップオンの超音波洗浄機ですが、周波数が狙い所に近く汚れがしっかり落ちます。
 ですがしっかりこびり付いた汚れは、やはり物理的接触に落とさなければならない様です。そこで、シムの洗浄やシリンダー内部はその対象としてます。

 効果的な箇所は焼結材でできた部品です。代表的なのはピストンでしょうか。この材質は多孔構造のため汚れがその孔に詰まってしまいます。そこで、ブラシ等では入らない微細な凹凸の汚れを超音波洗浄で落とせます。
 当社では水溶性の媒介(メディア)は用いずに、揮発性の低い洗浄液を使っています。水溶性はしっかり洗い流せば大丈夫と言われますが、心配な面が多々あります。それほど簡単には水は乾きませんし、少しでも残っていた水分がその後のエア抜きで、バキュームポンプのタンクに入っては大惨事です。
 そのため、水溶性で実験を行なった事はありますが、棄却しました。他社でオーバーホールした品物が、かなり酷く錆びている事例を何度も見たことがあります。もしかしたらこの水溶性の(多分アルカリ性でエンジンのカーボン落としとして重宝される)材料を使っていたのかもしれません。

 スナップオンを買う前に使っていた器具は第二工場へ移し、外部洗浄の質を向上させるために洗浄機を二台使い、お客様の手元に届いた時に喜んでもらえる様にして行きたいと思います。

 

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考える行為を楽しむ

 これは度々申し上げている事でもありますが、私は理論を根本とところで信用していません。
 

 どう言う意味かと申せば、物理法則は絶対的な人の考え方に左右されない事象です。しかし理論とは「理りを論じる」または「論じた理り」を意味しています。つまり人の考えを体系化したと言い換えられます。ですから、模範(パラダイム)を変えれば答えも変わります。これは統計の際に入力する数字が少し違えば、答えが大きく変わるのと似ています。
 

 私どもが提供する乗り味はロードコンタクトテクノロジーと呼ぶパラダイムに立脚しています。その模範の根源には、車両運動を読み解いた物理法則の上に乗っています。詰まる所、当社がお客様に届ける乗り味も私(とその周りの賛助者)の思考の結果です。

 今は最善と考える模範と、読み解いたと感じている車両運動の法則も、さらに詳細に読み解けば違った視点が浮き上がるかもしれません。これは原子が最小単位としていた処から電子、陽子、中性子、素粒子が発見(または理解)され世界が広がった事に似ています。私はこの事を「更なる高次元の発見」と呼んでいます。車両運動の世界にも高次元の発見で大きく変わります。同じダイアルを動かす行為が結果に与える影響は、考えかた次第でまるで違った結果をもたらします。
 ここまで来ると、サスペンションセッティングは哲学なのか思ってしまますが、世の中の全ては捉え方次第で如何様にもなると言えば、もう少し気楽になります。

 更なる高次元への発見・移行は、日本の諺にある「重箱の隅をつつく」に似ています。悪い意味を持つこの諺ですが、重箱の隅をつついていると実はその奥に更なる世界の広がりを知ります。感覚的には隅をつつき狭い世界を探るはずなのに、その奥にある世界は更なる広がりを持ち、空間的にはより広大だと感じています。これを昔の人は無知の知と言ったのでしょうか。閑話休題。

 と言った様な事に思索を巡らせながら、セッティングを行なっている次第です。

 

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XJR1200のフロントフォークO/H

 個人のお客様からXJR1200のフロントフォークを依頼いただき、オーバーホールを行いました。

 初期型はカートリッジの無いフォークのため、極めて単純な作りです。数十年前のチェリアーニ式勃興期の方が、むしろ複雑な仕組みで多機能を追求していた様に思います。その後高機能はカートリッジ式になり、安価に作る場合はピストンバルブ型で落ち着いた様です。

 写真のフロントフォークはピストンバルブ型です。この形式は仕組みが簡単なため部品点数も少なく、工賃も安いのでこれは大きな利点です。性能面では大雑把な制御しか出来ませんが、性能維持は割と容易です。理由を説明すると、構造の限界からガッチリとした減衰を生み出す設定にないため、オイルへの攻撃性(負担)が少なく済む結果、長持ちします。

 反面、狙った動きを作るのはかなり難しく、込み入った動作はほぼ得られないと断言できます。そのため競技用に限らず運動性や乗り心地を追求した場合、カートリッジ式を選びます。ですが、サスペンションの優先順位はバネ定数、長さ、バネに対する減衰の比率で最後に伸びと圧の比率となります(私は考えます)。ですから、簡素なピストンバルブ型でも設定次第で驚くほど楽しいバイクを作ることが可能になります。

 皆様も、良質なオーバーホールに加え、楽しいバイクを求める方は当社に連絡ください。

 

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TZM50のYECなど。

 みなさま、おはようございます。ブログの更新を二日も怠けてしまいました。楽しみに待って下さる方には、申し訳ないことをしたので、またまたタップリと書き記して参ります。

 昨日はTZM50のYECを組みました。このメーカーはあまり対応しているショップが無いそうで、当社に依頼が集中する傾向にあります。数をこなせば経験が増え、工具も作り、時間も短くなるためお客様にも自社にとっても良いこと尽くしです。

 このショックはフリーピストンが鉄のプレス成型であり、当社で作業する際にはアルミのフリピに交換させて頂きます。重量は別にしても寸法の都合で倒れが少なく、滑らかに作動します。
 ピストンリングやガイドブッシュは現YHS(旧創輝)の純正を使いながらも、レース用の高品質な物へと置換することで、可能な限りレースに対応した性能へ高めます。この手法はTZ125でも用いる当社独自の規格です。

 安価に早く仕上げようとすれば、コンプレッションアジャスターを分解しない場合が多く、それでは洗浄も不十分となります。当社はもちろん全数分解いたします。そうしなければエア抜きの際に、タンクに古いオイルが入り込み新油と混ざり、性能が下がります。バンジョーボルトの加工はせずとも、バキュームポンプを使いエア抜きを行う手法を確率しておりますので、高性能を発揮します。外観が変わらないのも純正派の方には喜ばれます。
 見た目を変えたい場合は、社外のバンジョーボルトも用意しておりますので、依頼ください。

 

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QRコード

本日のイヴェントのため、向かう車中で梅山がささっと各種のQRコードを作ってくれました。

私には何が何やらよく分からない事ですが、欲しい物をすぐに具現化できる能力は素晴らしいですね。
会社の自社プログラムもおおよそ完成し、細かい部分は社員の小野寺が補足しております。
私も現金出納帳や各種管理用にスプレッドシートを作成し活用しております。

セッティングデータに限らず、各種データをドライブ内検索する事で発見が容易になり、無駄な時間を大幅に短縮可能となっています。

現在はお客様の各種データを保存する事で、問い合わせに対し迅速に返答できるように社内システムを構築しております。これからもお客様の利便性をより高める努力を継続して参ります。

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忙しい土曜日

皆さま御機嫌よう。

本日はモテギで行われたエリア88・・・ではなくエリアNSRへ出店しました。
NSRではお馴染みのモトールエンジニア様から誘いを受け、NSR専門誌のプロスペック松田様を紹介頂き、実現しました。

NSRの専門店から、タイア専門店、はたまた削り屋さんのスペシャルなアクスルシャフトなど、沢山の面白い情報を得られとても楽しく過ごしました。

大勢のお客様に話しかけて頂けて、とても嬉しく思います。初めて話をするショップ様からも、話を聴かせてもらったりして情報交換ができ、知見を広められ有意義でした。

途中、コースの先導をする中野真矢さんにも会えましたが、とても綺麗な女性と一緒にお茶を飲んでらしたので、話しかけるのは躊躇いました。今度奥様に会ったら言いつけようと心に誓った次第です。

準備不足は否めませんでしたが、イベント参加を経験し、時間の参加が許されたなら、色々と用意を重ねてお越しになったお客様に楽しんで頂けるように心を砕きたいと思います。

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RZ250RのFGを制作、今後の展開

 みなさまごきげんよう。

 本日はFGの仕様変更を進めております。
 以前にも製作実績のあるRZ250R用です。そうだとしても全く同じ仕様は作っても面白くないので、今回も少しは漸進するように努めます。

 今週末はもてぎでNSRの専門誌「プロスペック 」がイベントを開催します。そこに参加するべくNSR250のFGも製作し、数は少ないのですが即売できるようにしようと思います。そこで一名様5分程度を予定し、セッティング相談からサスペンションの疑問などを答える時間も設けます。
 なぜ5分かと言えば、私は元来話が長く1時間でも2時間でも話を続けてしまうために、自分で時間制限を設けなければ沢山のお客様と接する事が出来なくなってしまうからです。

 FGを初めて分解してから早15年が経ちます。ここ6年ほどは年間でかなりの数を触るようになり、FGの良し悪しをかなり把握し、改良すべきポイントから長持ちさせるための手法、メーカー純正よりも動きをよくする方法など、多くの発見がありました。
 今後はプレミアムライン・オーバーホールで培った作動性向上の技術を投入し、上質なダンパーを提供することにより、更に楽しい(凄い)乗り味のバイクを演出してゆきたいと思います。

 

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全日本GP250のコースレコード

 先日の筑波選手権において、予選から決勝の合間で時間が空いていたため、監督の中野真矢さんと話をしました。

 ライディングについて疑問に思う事を中野さんに質問してゆきました。監督が98年に記録した筑波サーキットのレコードタイムは57.430だそうです。レコード狙いでギリギリのライディングの上に成り立ったタイムだそうです。
 具体的な説明をして他のライダーを助ける気もないので詳細は伏せますが、そんな部分に気を使うのか、と驚きました。

 また、電子制御についても意見交換を行いました。これは中野さんが感じる疑問に対して私が答える形でしたが、電制の良い点、悪い点と人間工学に基づいた見解を話たところ、納得していただけました。
世界のトップクラスにおいて、上から数えて何番めで走っていたライダーに質問するだけでなく、議論できるのはとても有意義です。過去7年間の私自身の成長に対し、かなり大きな影響を与えてくれているはずです。

 先日の筑波では、坂田和人さんとも少しだけ話す機会を得ました。バイクに関してではありませんが、ちょっとした会話の端々にワールドチャンピオンになる(人の上に立つ)ための重要な要素を再確認できました。

 

 

マニアでもコレクターでもない

 私は採集癖がありません。必要な物を必要な時に買うだけです。そうは言っても、場面によって使い分けたい気持ちもあり、大抵の物は数種類を購入します。

 写真の時計はKENTEXと呼ばれるメーカーの海上自衛隊仕様です。30歳を越して、腕時計の一本も必要かと考えていたところ、当時アルバイトで働いてくれていた木村くんから購入しました。
外観や重量感も含め好みに合致していた上に、軍隊(自衛隊を軍隊と呼ぶと怒られそうですが)の使う頑丈さも気に入っています。

 私が車よりもバイクにひかれる理由は、機械っぽさがより鮮明だからです。というわけで、クオーツよりも機械式時計に惹かれるのは当然でSMITHSの機械式を購入しました。

 ギターも時計もヴィンテージよりも現行型の方が気楽に使えるため、SMITHSはお出かけ用で普段はKENTEXを使います。そのうち普段使い用に現行販売されている機械式が欲しいと思いますが、時計に詳しくないので良い出会い(人、物、時期の全てが揃って)を待つことにします。
 しかし機械式と一括りにしても、私が欲しいの手巻きです。余計な物を排した簡素な物が好みです。

 

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個性

今日の出勤時途中は、クリストファークロスのベスト盤を聴きながら、車を運転していました。

購入してからだいぶ経ちますが、When she smileaを初めて聴きました。良い曲だなーと感じながらギターソロを聴いた瞬間「何だこれ」と驚愕する程のセンス良いメロディーと技術力でした。
しかし、聴いたことがあるトーンとメロディーラインにハッとして、明記を確認したところ予想した通り、ギターソロはエリック・ジョンソンでした。

世界的に名高い評価を得ているギターリストだけあり、一聴すればすぐに誰かが分かる程の個性と、技術力の高さに加え、主役は音楽であり、曲を際立たせるための個性と技術にまた驚嘆します。

車両セッティングも同様で、主役はライダーと車両であり、サスペンションが個性を主張する必要はありません。それらは舞台、又は舞台装置ではないかと考えます。

車両の素性を引き出し、ライダーの要望に応えてそれでも消せずに残る味が、セッティングを施した人間の個性です。だからこそ自分自身の教養を高める必要があると思います。

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