2018年1月
RVF400・NC35のFG
依頼があり、RVF400/NC35のFGを製作しました。
たまたま下取りでRVF400の実車を持っていた事から、現車合わせが可能でした。過去のHRCオプションスプリングからバネ定数を考え始めたのですが、実際はそれよりも硬い値にしました。トップアウトがあるのも影響していると思います。それだけではありませんが。
実際はRVFの足回りを流用したVF400に取り付けるらしく、乗ったうえで最終調整をお願いするしかありませんが、かなり良い感触に仕上がりました。今後同様の依頼があった場合は、リザーブタンクの置き場所さへ決まれば、製作可能です。少々手間を掛けますが、興味のある方は依頼ください。
価格は定価¥138,000に仕様変更¥30,000の¥168,000です。これに消費税と車両持ち込みの場合は脱着工賃を頂きます。
同業者への注意喚起
何度オーバーホールしても一年前後で漏れると、お客様が困り果て、当社が懇意にしているお店に相談があり、その品物が入荷しました。
ZZR用のオーリンズですが、分解して調べてみたところ、オイルシール(この場合はXリング)のホルダーに傷がありました。これはXリングを抜き取る際にピッキングツールで傷をつけたに違いありません。業界最長の保証期間を謳うお店の作業でしたが、残念ながら質の高い作業とは思えませんでした。ピロボール部分のウレタンシールも交換していませんでした。これはお客様が作業履歴を送って下さり、その作業時期と使う部品で大よその見当がつきます。
このようにXリングを抜き取る際は、手順と工具、それに手法を間違うと簡単にオイル漏れが発生します。もしこのブログをご覧のオーバーホール業者の方がいらっしゃいましたら、注意ください。
ちなみに当社も同様の失敗を犯した経験があるので、容易に問題点を発見できました。関連して、シリンダーの内径も測定しました。これはシリンダーが減るとピストンがガタつき、ロッドの首振りが大きくなりシールの保持機能に影響を与えるため、漏れやすくなるからです。
GPライダーも楽しいらしい
先週の茂原練習の際、中野監督と一緒に移動する機会に恵まれました。車中でバイクについてあれこれと話している時に、中野監督が「思ったように走れた時は気持ちよいし楽しい」と言いました。
好きな事を職業にすると楽しくなくなる、と聞きますが中野さんは楽しいと言いました。そこで再度、やっぱり楽しですか?と問い直したのですが「楽しいですよ」と返事をくれました。その話の流れで教えてくれたのは、排気量が上がり250ccから500ccに乗り、改めて250ccに乗ると物足りなさを感じるらしいです。
逆に500ccやMotoGPはその上を欲しない程に、人間の感覚の上限なのかとも想像します。世界トップクラスの話を直に聴けるうえに、質問に直接メディア(媒介)を通さず応えてもらえるのは、本当に幸せです。人生でこの様な幸運に恵まれ、自分は運が良いな。とつくづく思いました。