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2017年10月

加工方法を考える

 ツインショックのエンドアイにおいて、加工方法を見て楽しみました。

 一本は綺麗に仕上がっていましたが、他方は渦巻きが見て取れます。これは突っ切りか面取りで仕上げたのが分かります。渦巻きの一本は周速一定ではなかったようで、外周部と中心部で回転速度に差がある為に起こった現象です。オペレーターが設定を間違ったのかは分かりませんが、かなり急激に刃が入った印象です。当社の旋盤で手動送りでもここまでの渦巻きにはなりません。

 製品を観ながら、そのような事を考えるのは楽しいものです。

 

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Vツイン・マグナのリアサス

 ホンダのVツイン・マグナのリアサスを依頼頂きました。

 カシメ型のダンパーです。この形は製造の手間が省けるために、価格を落とせる反面、オーバーホールするには手間がかかり作業工賃が高くなります。古いZや現行モデルでも安価に仕上げる車両には採用されています。

 そのため当社の工賃はツインショックの場合、最低でも¥66,000からとなります。左記価格にロッド二本、上下ブッシュにバンプラバーを追加すると概ね10万円になってしまいます。車種によっては新品の購入を勧めますが、販売終了した製品は当社で修理可能なので、問い合わせください。

 

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高知県

 高知県の土佐に住む友人から、お菓子が送られてきました。

 この方は17歳のころから付き合いがあるため、すでに20年以上の関係になります。TRX850乗っていましたが、病気になり今はバイクを降りています。

 元気になってまたバイクに乗る日が来るまで、TRXを預かっています。そのうちリアサにFGを付け、フロントはSGCFのカートリッジを付けて勝手に乗り回そうかなどと、夢想する日々です。そのまえにBT1100を動かさなくてはいけません。

 写真のTRXは昨日納車した、リアにFQT11を取り付けた別のTRX850です。

 

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TRX850のFGが完成

 TRXのリアサスが完成して、試乗を行いました。

 こちらは交換が主な作業なので、それほど熱心にセットアップを行いませんでしたが、それでも幾つかの問題点を発見しました。

 先ず、リアのFGは既に実績があったため、細かいセッティングには困りませんでした。フロントはシングルレートの0.8k程度のバネが入っているとの事で、少々柔らかいとは思いますが、使い方次第で何とかなります。それらの状態から感じたのは、シート高の低さです。あんこ抜きした車両と同様のハンドルの高さ、適切な動作を得ずらい腰の位置が車両の運動性を落としています。

 シート高の低さを車高の低さと勘違いして、車高調整などで上げてしまうとフラフラした落ち着きのない動きになり、怖い面も出てくるはずです。もし自分の車両であれば、30mm程度はシート高を上げたいと思います。

 FGはFQT11と呼ぶホース連結のリザーブタンクを持ち、車高、イニシャル調整、伸び・圧の減衰を調整可能なフルアジャスタブルです。このモデルは定価税別¥138,000の受注生産としています。リザーブタンクのマウントが目立たないように、マフラーステーの裏側にして純正のような収まりの良さを演出しました。

 

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タイアの空気圧

 先日から話題にしているCB1300SFの空気圧について、面白い事を感じました。

 お客様からはタイアの空気圧は、前2.5k、後ろ2.9kの純正が一番最良だったと聞いていたため、とりあえずその数字で試乗しました。セットが纏まってくると妙な感触を覚えました。

 リアの車高は明らかに低いのに、リアタイアの滑りがかなり早期に訪れるのです。一般的にタイアのスライドとは、アクセル開の時に起こると思われるかもしれませんが、実際は倒し込みの時にも表れます。今回のスライドはこの倒し込みのスライドを言っています。この現象が訪れるのは、フロントの車高が極端に低いか、リアの車高が極端に高い場合に、重量がリアに載らずスライドを誘発します。

 しかし、今回は逆にリア車高が低いのにスライドがかなり早くに訪れるため、面白いと感じました。これはタイアの空気圧が高すぎるためトレッド面の変形が少なく、路面への押し付けも弱くグリップ不足があったのだと思います。そこで空気圧を下げ試乗したところ、スライドはなくなりました。そこに至りリアの車高を上げ最良なハンドリングを実現できました。

 それならば、なぜお客様は空気圧を2.9kにしていたのか。そこに疑問が残ります。乗り手は技量もセッティング能力も高い方にあると思います。しかし、だからこそこの空気圧になっていたと言えます。純正のサスペンションはフロントの限界値が低く、ブレーキレバーを強く握りながら車体をコーナー内側へ寄せられません。そこで、リアの空気圧を高いままにしておけば、早い段階でリアが横に流れるため、向きを換えられるのだと考えられます。ノーマルの少ない調整幅の中で、最大限の効果を生む方法です。この手法は私の中に無いセッティングなので、新しい物として取り入れてみようと思います。

 

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優勝と我慢のレース

 土曜日に行われた筑波選手権に、56デザインスポルトのレースサポートへ出かけてきました。

 前日の練習から好調だった桜井芽衣選手と、転倒で怪我をした松山拓磨選手は対照的だったと思います。

 最初に行われたCBR250Rの予選では、桜井選手が3番手の発車位置を獲得しました。タイムも自己ベストを更新する8秒5を記録し、決勝にも期待できそうでした。その決勝ですが、雨が降り始め転倒車が続出する中にあっても、冷静に走り切り総合2位、クラス1位を得ました。

 上手くゆけば総合1位も十分可能性があったのですが、途中の周回遅れのライダーが雨と青旗に驚き、走行ラインを乱し接触寸前の状態になり、外から交わしたのが災いし大きくタイムロスした隙に、抜かれて2位となりました。目の前で見ていた私はかなり憤りを感じましたが、そのような走行ラインを選んだライダー自身に責任があると考え直し、それでも2位の順位を冷静に走り切った桜井選手を見事だと感じました。

 レース後に1位のライダーは2気筒のRRだったと知り、胸をなでおろしたのですが、レースとは本当に怖いと改めて感じた次第です。

 CBRの直後にNSF250Rの松山選手のレースがありました。前日の怪我の影響で切れの無い走りでしたが、決勝は自身初の雨のレースとなり、かなり難しいレースの様でした。その中でもポジションをキープしながらも、前車に対して少しでも近づこうとする挑戦的なブレーキをしているのがわかり、今後につながる走りだと感じました。レースで優勝するのはとても難しいと、人の走りを観てつくづく思いますが、自分の実力通りのポジションで走り切るのもまた難しいと考えています。自身にとって不満な順位であってもそれを受け入れて走り切り、その中でも何か挑戦をしながら次につなげて行くのが、地道な努力だと知りました。

 ライダーの走りを観てセッティングについて考えたり、背景についても考えながら、最近は色々な事がわかってきました。

 

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ボリュームコントロークまたはイコライザー

 ただいまCB1300SF・SC54の試乗を行い、サスペンションセッティングがまとまりました。

 乗り始めではフロントの動きにまだ不満があり、プリロードと圧減衰を増し、最後に伸び減衰をほんの少し強くしました。その後リアの気になる点が浮上したので、イニシャルを掛け、圧ダンパーを抜き、伸びダンパーを足し、車高を上げました。FGの車高調整は一回転で1.25mmです。最初に1/4回転(0.3mm)上げ、少し上げ過ぎたので1/8下げ(0.15mm)かなり良いところで落ち着きました。

 リアの車高を上げない場合は、かなり安定志向でブレーキを強力にかけながら倒し込みが出来ますが、全体的に重い印象なので1/4上げましたが、人によっては丁度良いと感じると思いますが、私の好みよりほんの少し高くなり安定より軽快さが上回るようになりました。そこで1/8下げ、安定感が少し上回るくらいに仕上げました。この上回る感じがどれくらいかと言えば、水の表面張力のような感じです。それくらいギリギリを模索しています。ですが、必ずこのスウィートスポットは存在すると考え、セットを模索します。このスウィートスポットは、探し出すのは慣れと根気と知識とセンスが必要です。入口は狭いのですが、一度その中に入ればかなり広大な範囲を持った領域だと感じています。ダイアルの1クリックが明確感じられ、プリロードや車高調整の0.1mm単位が意味を持ってきます。しかし、それらは神経質ではなく、扱いやすい物です。

 最近考えるのは、サスペンションの調整とはオーディオにおけるボリューム調整やイコライジングと同じではないかと、という点です。低域を増やしたり、高域を絞ったり、中域をまして抜けを良くしたり。全体としてボリューム調整を行う感じが、ダンパーセッティングに酷似しています。この感覚はギターを弾いていた10代から20代前半で養った物かもしれません。ですから、この例えは人によっては変わると思います。

 演奏が上手でも音作りが下手では、二流です。バイクも同じく速く操れても、サスセットが上手くゆかなければトップには立てません。そこにサスペンション専業で仕事を、する私どもの価値が生まれてくるのだと考えます。

 

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明日から筑波

 明日から練習走行が始まる筑波選手権に、当社大槻が56デザインスポルトと共に参加します。

 櫻井芽衣選手と松山拓磨選手の二名が参加しますが、サスセットの全般を大槻が担当し、私は予選決勝の土曜日にコースサイドから走りを確認し、監督や大槻に報告し決勝や今後の方向性を模索します。

 時間のある方は、筑波サーキットへ観戦にお越しください。近くで走るバイクの音やレースの駆け引きは、テレビ画面では分からない興奮があります。

 ちなみに土曜日は、当社のアルバイト梅山君が旗振りで参加しています。

 

日常業務

 バタバタしていますが、日常業務も遂行しています。

 写真はオーリンズのリザーブタンクを持たない36ボディーのツインショックです。性能面ではFGの方が良いと自負していますが、写真のオーリンズは外観がスマートで好きなモデルの一つです。これはZに使用しているとの事ですが、現行のCB1100に使ってもお洒落です。

 リザーブタンクはありませんが、フリーピストンでオイルとガスを分離していますので、性能は安定しています。特筆すべき驚くような造り込みや性能はありませんが、反対に必要十分な性能に主張し過ぎない外観が良いと思います。

 

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TRX850

 またまたFGの話です。

 TRX850のFG,ホース連結のFQT11を製作しています。以前はタンク無しのFQE11を数本販売しましたが、リザーブタンクはないので、取り付けは特段の支障がありませんでした。そのため、初めてのリザーブタンクを備えたモデルの発注でしたので、車体ごと預かりフィッティングを行っています。

 ただついていれば良いのではなく、なるべく美しく取り付けたいと考えているため、無駄のない位置を探します。良さそうな場所にステーを配さず取り付け可能でした。完成写真を楽しみにしてください。

 

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