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2017年6月

滑らかさと抵抗の合間

 KYBのツインショックをオーバーホール致しました。

 ZRX1200Rのリアダンパーです。簡素な作りで最大限の性能を得られるのは、非常に効率的ですが、緻密な制御は難しいと考えます。

 このダンパーのピストンリングはオーリンズのような作りで、ドライ軸受を坂巻にしたような作りです。これを違う材質と寸法の品に置換して、動きを変えてみました。幅を7mmから8mmへとし、面圧を下げつつ倒れを抑制します。次に溝の深さでリングの張力を調整します。純正でリング裏にOリングを入れて自動張り出し機構を備えているので、良い作りでした。

 上記の作り変えは、度が過ぎると抵抗になりますが、純正のフリクションは少ないが倒れが大きく、節度なく動くさまは圧縮抜けを起こしているようで心配になります。リングの張りに関してはもう少し詰める余地がありそうです。

 

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大同メタル

 先週の金曜日に、大同メタルの外回りの方がお越し下さり、見積もり、その他の技術について話を伺いました。

 型番の意味や製造年月の記号、材質と使い方の大まかな部分を教えてもらい、質問もできたのでとても有意義でした。

 今週は工作機械の展示会が東京ビッグサイトで催されるようなので、そこにも顔を出してみます。そこでも機械や切削工具について新しい知見を得られる事を期待しています。

KONIにSHOWA

 東京のお店から依頼頂いた、コニーとZ1000Rのショーワです。

 コニーはロッドを自社製作SGSA12に、ガイドブッシュの加工を施してあります。

 ショーワは再塗装のために分解しましたが、10年程前に当社でオーバーホールした品です。以前には持っていなかった道具と部品を組み合わせ、単なるオーバーホールでもその質を向上しています。

 

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FGのオーバーホールなど

 CBR1000RRのFGが作業依頼で入荷しました。他にも多くの種類を作業しています。

 201761743120.JPG VTR1000ファイアーストーム。エア抜きは機械で行えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

201761743925.JPG FGです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ZRX1200Rのリアサス。構造上、オイル室へガスが流れやすく、写真のように泡立ちます。20176174347.JPG

ZZR1400など

 昨日はZZR1400やオーリンズのリアロッドを製作していました。XJR400も製作しましたが、減衰調整機構を持たない品は1時間強で製作可能です。

 ネジ切もかなり慣れてきたので、最初の頃と比較して綺麗に早く仕上がっています。

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例え

 昨日お客様とセッティングの進め方をメールでやり取りしていた際に、自分の例えがなかなか面白かったのでここにも記してみます。参考になれば幸いです。

 オイルロックピース(バンプラバー)の領域が硬すぎると感じる場合、二つの考え方があります。ロックピースを壁(高さ)に例え、そこまでの道のりを距離と表します。これはよく見るバネや減衰のグラフと同じですが、言い表しが違うだけです。 

 壁(ロックピース)が高すぎるならそれを低くします。壁の高さが問題ないのに、壁に突き当たる感触があるならばそこまでの道のり(スロープ)の角度が浅すぎて壁に突き当たる感覚を得ます。

 仮にバネも減衰もなくオイルロックピースだけあると仮定すると、袋小路の道を歩いて突き当たりの家の壁に行き当るようなものです。

 私が街乗り用のフロントフォークを改造する場合は、壁を低くしてスロープの角度を上げる事がほとんどです。つまりはオイルロックピースの効きを緩やかにして、ばねと減衰を強める方向です。NSF250Rのようなレースベースはまた違った方法です。

 

TDR250

 ヤマハ・TDR250のリアサスをオーバーホール致しました。

 依頼を頂いたのはお馴染みのライダースさんです。松戸市のお店ですが、隣町なので頻繁に依頼を頂いています。

 2~3年前にも一度メンテナンスを行いましたが、ロッドの状態も悪くなかったためそのまま再利用し、フリーピストンだけ純正の鉄のプレス成型品をアルミの品に置き換えました。

 今回はロッドの摩耗も進行していた事を踏まえ、12.5mmから14mmへ当社のSGSA14に交換しました。当然オイルシールのはまるホルダ(シールヘッド)も交換し、各部の寸法も微妙に変えました。

 最近はロッドを造るために多くの品を採寸し、図面に起こしています。そこで各メーカーの狙いも見えてきます。YHSと呼ばれるメーカーは公差が大きな方向の製品が多いようです。大同メタルの設計者の方と話をしたときに聴いた言葉は、要約すれば「クリアランスはダンパー設計者の思想」という事でした。砕けた言い方をすれば「クリアランスに決まりはない」です。

 しかし、14mmのロッドは実寸で13.94mm。対するガイドブッシュの内径は実寸で14.04mmでした。隙間が小さいのが正しくて、大きいのが間違いなわけではありませんが、この14mmロッドで0.10mmの隙間は大きすぎると思います。なぜこのような寸法になっているかと考えますと、製造時の歩留まりを上げるためではないのかと推察します。もちろん、違う狙いかもしれませんがそれは分かりません。

 エア抜きの精度を上げるために、FGの専用ボルトも取り付けました。これはブレーキのバンジョーボルトにエア抜き穴があるのと同様の構造です。この機構を採用すると、ダンパー内の残留空気が少なくなるため、耐久性と品質が向上します。写真のような製造時のバリは取り除いてあります。

 各ショップのホームページには「エア抜きはバキュームポンプで確実に行う」と載せています。しかし、構造上機械が使えない場合があります。当社では予算が許せば説明を差し上げ追加工により、機械によるエア抜きを行えるように改造します。

 

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飛行機の部品

 車に限らず、油圧部品は多くの乗り物に使われています。

 写真は飛行機の着陸時に出てくる車輪を支える部品です。ここも油圧で出し入れしますが表面が荒れた為再メッキを施すために、ナックル部分(アルミ)を外す作業を行いました。

 いくつかの点で難しい部分もありますが、基本は簡素な構造です。実は数年前にも同様の部品を作業した経験があり、悩むことはありませんでした。その時と比較して特殊工具と機械が多くなり、簡単に冶具もつくれるため更に早く済みました。

 飛行機の部品は道路を走る車両以上に問題を起こすわけにはいかないので、圧入部分にはかなり気を使いカシメ作業も慎重に行いました。

 

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昨日は

 昨日は新人アルバイトの初日でした。

 あまりに忙しさで、アルバイト探しに本腰を入れなければならないと思っていた矢先、仕事を頂いた方が大学生でしたので「誰か働きたい方いますか?」と聞いたところ、後輩の方からその場で返答があり、翌日に細かい話をして直ぐに決まりました。

 その仕事を頂いた方は木曜日に連絡があり、日曜日のツーリングに使いたいと希望されました。その週は筑波選手権と重なっていたため、最初は無理かもしれないと返答しましたが、断るのも悔しいので何とかしますと再度連絡し、翌日に持って来て下さりました。筑波選手権を早々に切り上げて、夕方から作業を始め夜には納車となりました。こういうときは、豊富な部品在庫がモノを言います。

 そういった縁で、自分が動けば世界は広がると感じる一件でした。

通常交換不可能な部品

 車両メーカーの部品設定が無い品でも、交換可能な物は多々あります。

 リアサスのオーバーホールそれ自体が、メーカー設定の無い作業ですが、フロントフォークでも同様の部分があります。

 近年増えてきたアウターチューブにスライドメタルが嵌り、インナーチューブ先端にピストンリングを持たない型、これを固定勘合と呼びますが、この固定勘合型はスライドメタルの設定がありません。この様な部品も取り扱い可能です。

 そのほか、カートリッジ内部には通常2つのピストンがあり、動く側のピストンリングも各種設定があり、交換可能な品もあります。

 

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