ホーム>SACRED GROUND STAFF BLOG>2017年3月

2017年3月

VTR1000SP1のサスペンション

 茨城県のウエストウッド井原商会様から紹介頂いたお客様の、ホンダ・VTR1000SP1の前後サスをオーバーホールしています。    

 当初はフロントフォークのオーバーホール、インナーチューブを一本新品に交換とスプリングカラーの変更程度の内容でした。その後、乗り味を調えるべく、試乗を行い車両パッケージを整えるつもりでしたが、リアダンパーに不具合が見つかり同時にそちらもオーバーホールさせてもらえる事になりました。

 前後サスペンションのオーバーホールとなったことで、2月のキャンペーン「オイル交換無料」の対象となり、ヒロコーの飛竜に交換させていただきます。

 前後のオーバーホールとエンジンオイル交換に加え、車両パッケージの再デザインを進めることで、10年以上前の車両もまた素晴らしく楽しい乗り物になると思います。この様な仕事はとても楽しく、喜びを感じています。

 

 20173210563.JPG201732105532.JPG

フロントフォークのピストン

 昨日、第二工場で部品を探していたところ、10年近く前に作ったフロントフォークの圧ピストンが出てきました。

 しばらく使っていたのですが、FGのピストンKITに交換したため余った部品です。CBR954やCB1300SFなどを基に、オリフィスの数を変更した程度の褒められた品ではありませんが、考え、造り、使ってみて理解できることも多く、良い学びになりました。

 オリフィスの大きさや数は重要ですが、更にいくつかの重要な要件があり、造った時にはそこまで目が向いていませんでした。今ならもっと違った形状にします。遠くない時期にピストンなども再度製作してみたいと思っています。

 

 201732102516.JPG201732102457.JPG

NSF250Rの重心位置を考察する

 あるメカニックの方から聞いた内容が頭から離れずに、数分考えた内容があります。

 NSF250Rは製造時出荷状態だと運動性が悪く、それは重量物が集まりすぎて(エンジンやサイレンサーなど)ピッチングが起こしずらくなっているという話でした。

 上記内容を検証できる事例として、サイレンサーをシートカウル近辺に置くアップタイプにすると、ピッチングが起こしやすくなるという事でした。しかし、この仮説には賛同できません。私の考えでは重量物が寄りすぎているのではなく、集まっている場所が悪い(重心の場所良くない)と言うだけの、単純な問題だと考えます。ですから、すべての部品の配置をそのままに、エンジン位置を上方かつ前方へずらせば(ほぼ不可能ですが)解決すると思います。

 しかしこれらの解決方法はあくまで私見であり、正解は他にあるかもしれません。ただ、間違った見方では最良、最善のパッケージは完成しないと考えるので、基本的な車両の運動についてはしっかり考察したいと、日々考えています。

 

201731231357.JPG

 

マルゾッキのインナーチューブ

 マルゾッキの低価格で造られているフロントフォークはスプリングの脱着が行えません。インナーチューブの上端、下端がカシメで出来ており、分解すると元通りに戻せない為です。

 倒立フォークもブラケットを外すと、インナーの先端がカシメられています。このフォークを改造するために、カシメを取り除き分解しました。寸法を変えないで元に戻す方法はありますので難なく作業を終えましたが、やはり大型の旋盤が欲しくなる作業内容でした。現在5~6尺の旋盤を吟味しているところです。早く良い品を見つけたいと思います。

 上記マルゾッキのフォークを採用している車種はイタリア車が主となりますが、アプリリア、ドカテイ、ハスクなどです。それほど性能の良いフロントフォークではありませんが、のっぴきならない事情から改造したいと考えている方は、連絡ください。

 

201731225616.JPG201731225657.JPG

ピストンリング

 ヤマハ・ランツァのリアダンパーをオーバーホール中です。連続して2セット入ったので、紹介します。

 主な減衰を生むピストンと呼ぶ部品があり、これはダンパーの往復運動を支える剛性部品でもあります。往復運動を滑らかにするために通常はピストンリングがあるのですが、ヤマハのダンパー(YHS)はそのピストンリングを省略し、ピストンを直にシリンダーと接触させ、滑らせる構造を多く採用しています。

 NSR50のフロントフォークを分解した方はわかると思いますが、アウターにはガイドブッシュがあるが、インナーの先端にはメタルがないのと同種の構造です。これではシリンダーが摩耗し樽型になってしまい、減衰抜け(圧縮抜け)を起こします。それを緩和するために、ピストンリングがはまる溝を作り、リング裏にOリングを入れる事で隙間の調整を行えるようにしてあります。

 加工費用とピストンリングの部品代も掛かり費用がかさみますが、長持ちして性能も上がるのでお勧めの加工内容です。すでにメーカー欠品のダンパーなので、早めのメンテナンスを行ってください。

 

 201731224121.JPG

ページ上部へ