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2016年10月

1KTのリアサス

 近所にお住いのお客様から、TZRのリアダンパーを依頼頂きました。

 10年以上前に当社でオーバーホールを行い、再度の依頼で作業を行いました。品物が返ってくるのは以前の仕事を納得して下さったと感じ、嬉しいものです。

 ただ会社を開いて12年経ちますと、昔の仕事に恥ずかしさを覚えます。当時は考え抜いた結果、最善と思う方法を実践したつもりでしたが、今の自分には非常に幼稚に感じます。やはり、日々考え研鑽を積まなければと、思いを新たにしました。

 今回のオーバーホールはロッドを自社制作のSGSAにし、耐久性とロッド径を太くし剛性も上がり滑らかな動きを演出しています。

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贈り物

 付き合いも3~4年になろうかというお客様から、手紙と贈り物を頂きました。

 仕事でお金を頂いて作業しているのにも関わらず、感謝してくださりプレゼントも下さるとは、仕上がりを満足いただけてる証左なので、私自身もうれしく思いますし、人生と仕事の意味を再認識する思いです。

 頂いた券は、時間を作って家族で行ってきます。

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機械と使い方

 ダンパーは部品の集合体です。これらは設計者の狙った性能を正確に発揮しなければなりませんが、それを阻害するのが機械的要素です。

 ピストンとシリンダーのクリアランス、ロッドとガイドの隙間など、加工品全てが設計通りに仕上がっていなければ、狙いから外れます。これらは言い換えれば工場の仕事といえます。部品の精度に組み立て精度。ダンパーのエア抜きの加減などです。私はダンパーを度々ブレーキに例えますが、どんなに良いシステムでもエア抜きが十分でなければ、ブレーキは途端に設計上の性能を発揮しなくなります。

 ダンパーもこれと同様です。それらの性能が十分に整ったうえで使い方を議論できます。外部から調整するスプリングやダイアル。内部のシム設定などがこれに当たります。

 サスをオーバーホールしたり改造していると、常にその事が気にかかります。オーバーホールの精度、ダンパーの設定、その後に実写での調整と、三つの要素がまとまると、良い車両に仕上がると考えて、事にあたっています。ですから、おかしいと感じた設定のダンパーを一所懸命作業していると、内部を変更すればもっと良くなるとの思いも募ります。

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高度なエア抜き、スパーダ

 ダンパーのエア抜きは大きく分けると2種類の方法があります。

 一つは機会を使わずに抜く方法。道具を使ったとしても負圧を用いずに行います。

 他方は機械などを用いダンパー内部を負圧にした後に、圧力をかけたオイルを流し込む方法です。

 ダンパーの形状によっては簡単にバキュームポンプを使えないため、手抜きしかできない場合があります。スパーダのリアサスも手抜きしかできない代表的な車種です。最近は多少沈静化したとはいえ、まだまだレースで活躍している車なのに、機械を使ってエア抜きが行えなくては満足な性能は得られません。当社では特別な治具を造り機械抜きが出来る様にしていますので、非常に高度な完成度を誇っています。これにより、街乗りからサーキットまで十分な性能を得られます。

 ロッドもSGSAを使い、耐久性と精度を高めています。

 次回のブログはダンパーにおけるソフトとハードとは、どの様な事かを考察します。

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ロッド表面の硬度

 昨日写真を載せたロッドの表面硬度を簡易的に測ってみました。

 硬度計は持っていないのでポンチを玄能で叩き、その表面の変化を観察します。四枚の写真を比較すると明らかな差があります。まずSGSAはメッキ層が厚いうえに、ロッドの母材がステンレス系なので、かなり硬くほぼ変化がありません。すべてを硬くして摩耗を減らし耐久性を上げるのが目的です。

 再メッキ品は膜厚があるため母材の鉄への影響が小さくなり、かなり変形を抑えられています。しかし経験上、母材との馴染みにやや難があるように感じています。それがSGSAを製作する切っ掛けとなりました。

 オーリンズとCB1300SFの二社のメーカー純正ロッドは、ほぼ同様の状態です。これはメッキ層が薄いため、殆ど母材の鉄を叩いているのと同様だからです。メッキ層が薄いため、ロッドの曲がりに対してハードクロームの膜が剥離しづらいと考えられますし、大きな力が掛かった際に折れるのではなく、曲がることで対応する意図もあるように感じます。ですが、ネジから摺動面への境目は構造上弱く、亀裂が入っているのは数回目撃しています。

 上記の結果と経験から、ロッドは硬いほど長持ちすると判断しました。安全性に関しても純正の構造でも折れたり亀裂が入るので、硬度を高め安全性を上げるのを念頭に置いています。昨年のSGFDDT(筑波TTへ参戦した)ダンパー開発チームで活動した際に、同シャフトを使用し耐摩耗性や曲がりに対する確認を行っていますので、お客様にも自身を持って提供しています。

 201610863033.JPG SGSAのロッド表面。ほぼ変化はありません。手持ちのカメラでは写せませんでしたが、若干凹みが観察できました。

  

 

 

 

 

 

 

 201610863226.JPG 再メッキをしたロッドの表面は、ハードクロームの厚みが増したことで、純正と比較した場合、かなり凹みが少なくなりました。SGSAよりは少々歪みが大きいのですが、かなり改善されています。

 

 

 

 

 

 

 

 201610863416.JPGCB1300SFのロッドです。かなりしっかりと凹んでいるのが見て取れます。硬度の高いハードクロームの層が薄いため、母材の鉄へ簡単に影響を及ぼします。

 

 

 

 

 

 

 

  オーリンズの表面もCBと同様に大きく歪んでいます。201610863629.JPG

メッキ表面の参考画像

201610792416.JPG 自社製ロッドのSGSA(SacredGround stelo ammortizzatore)の表面です。写真中央にピンホールが見えますが、使用上の問題は起こりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

201610710216.JPG オーリンズの新品未使用ロッドの表面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                             201610710343.JPG再メッキの表面は一番目が細かいようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                             

  ホンダのCB1300SF・SC54のロッド表面です。201610710632.JPG

 

 

 

 

             

 

 

 

 

 

白煙祭り、続き

 日曜日に参加した白煙祭りは、非常に楽しみました。

 お客様に会ったり、問い合わせを頂いたりと充実していましたが「ロックンロールライダース」と呼ぶコスプレレースが最高でした。

 GPを走ったライダーのコスプレをし、もちろん車両もそれに合わせたカラーリングで、目の前でGPを観ているような感覚と、お笑いの要素の半々で是非また観戦したいとの思いを抱きました。

 それとは関係ありませんが、VJ22ガンマを依頼くださったお客様の走りとセットを確認し、帰りには子供に飲み物をごちそうして頂きました。その後は宇都宮の駅近辺で餃子を食べ、宇都宮動物園を見学しました。仕事と家庭が半々でしたが、楽しい一日となり幸せな気分で過ごしました。

 バイクに乗るのも良いですが、家族で出かける楽しさも良い物です。しかし、課題もあります。サーキットで過ごした時間は、1歳半の息子は喜んでいましたが、6歳の娘と妻はとても退屈したようです。

 家族でサーキットやバイクイベントに参加する場合は、やはり妻や子供をどのようにして、飽きさせずに遊んでもらえるかが、世の男性の課題なんだと実感した次第です。いつもは56レーシングや56レーシングスポルトのサポートで現場に行きますが、仕事なので殆ど家族同伴はしなかったので、この問題点は頭では理解していても、実感としてわきませんでした。一度鈴鹿サーキットへ家族で行きましたが、鈴鹿は遊園地があるのでこの問題は発生しませんでした。

 

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モトグッツィ、V9

 埼玉県のモトイタリアーナ様から、MotoGuzziのV9の車高を下げたいと依頼があり、対応しました。

 ダンパーはKYBの分解可能な構造だったので、それほど高額にならずに作業可能でした。依頼は20mm下げでしたが問題なく実施できました。以前のカヤバとは明らかに違う部品を多用していましたが、このV9などのOEM部品があったからこそ、某ショップのZ用オリジナルダンパーを安価に造れたのではないかと、邪推した次第です。違ったらすみません。

 

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カシメ型ダンパーNC36、ツインチューブの考察

 CB400Four・NC36のリアサスをドリーム店様から依頼頂きました。

 カシメ型は旧車のZ系やCB系を軸に、スズキやヤマハ(VマックスやSR)にも採用されています。今回はロッドを12.5mmから14mmへ交換し、耐久性と剛性を持たせました。

 圧のダンパーはベースバルブで発生し、伸びはロッドの先端にあるピストンで発生します。フロントフォークのカートリッジと全く同様の仕組みです。違いはスプリングがシステムの中にあるか、外かの違いです。構造を理解すれば減衰の変更も可能です。車などは同様の構造(ツインチューブ)に低圧ガスを入れて、現代でも当たり前のように使っています。オイルとガスを分離しないので、エアレーションと耐久性に難があるのですが、根本的に減衰が強くないので長持ちしやすいと考えられます。

 ツインチューブはFFXやTTxも同様に、外筒に求められる精度を低くできますが、インナーシリンダーには高精度を求めます。外筒には応力が掛かるので、ツインチューブにすれば理論的にはスプリングや外圧からの影響を抑えられるので、ストロークがスムーズになるのではないでしょうか。良い面もありますし、造り込めばスポーツ走行にも使えそうですが、前記のオイルとガスを分離しない構造上、持久力がないのも事実です。コニーなどは左記の問題点を抱えていますが、リザーブタンクを持つマルゾッキはツインチューブの弱点を大幅に改善した、面白いダンパーです。しかし、ツインチューブはピストン径を拡大しようとすれば、外筒は更に大型になるので、空間効率が悪くなり取り付け不可能になります。そのため高い減衰を求める場合は、シングルチューブに移行したのだと思います。FFXとTTxはバルブをシリンダーの外にした事で、ピストン径に制約が少なくなり、機能を優先できるようになっています。

 

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旋盤のチャックを交換

 卓上旋盤のチャックを山出谷の165mm(6インチ)に交換しました。

 メーカー出荷時は80mmか100mmなのですが、アダプタを自作し125mmをつけていました。しかし不便なので、一般的な大きさの6インチにし、さらに新潟県のアーム産業さんの特注生爪を取り付け、ロッドを掴むのも安心して行えるようになりました。

 6インチを使いわかりましたが、将来的には6~7尺で貫通孔が50mm以上でなければ、満足する仕事が出来なさそうです。数年の内に目的の旋盤を買いたいと思います。滝沢のTACが良いのですが、なかなか高価です。

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