2016年9月
WPのZ1用リアサス大改造
松戸市にあるライダースの落合様のZ1の続きです。
フロンフォークの改造と共に、古いZ1用WPツインショックもオーバーホールを依頼頂いていました。
20年程前のダンパーなのでシャフト径が細く、バイアスタイアにとっては、スプリングと減衰ともにキツイと感じたので、両方を変更しました。シャフト径は36シリンダーには一番調子のよい14mmへと交換しました。図面を引き旋盤で造りましたが、減衰調整用のOリング部分は純正とは大幅に違う構造としました。部品点数は同じですが、仕組みが違います。
メインスプリングのレートも変えましたが、トップアウトを長目にして、柔らかいスプリングにプリロードを多めに掛けるセットを狙いました。
明日にはフロントフォークも完成し、週末の納車へ向け試乗を行い、セットを仕上げていきます。
Z1000Rリアサスの改変
宮城県のお客様からカワサキZ1000Rのリアサスをオーバーホール依頼頂きました。
同車種はKYBとSHOWAの2種リアダンパーがあり、知る限りでは各メーカーで更に2種類あるようです。今回はSHOWAの減衰調整付きの作業を行いました。
依頼主の了承をもらいロッド径を12.5mmから14mmへ変更しました。ピストン径33mmに14mmシャフトは若干太いと思うのですが、車格や耐久性を考えて変更となりました。
作業に伴いシールヘッドの加工、オイルシールの変更、バンプラバーの変更、リバウンドスプリングの変更など作業は多岐に渡りますが、そのあたりは作業工賃に込みの価格です。この変更によりスライドメタルの負担が減り、力が掛かった時の動きは滑らかになりますが、負荷の少ない状態では接触面積の増加により、抵抗は大きくなります。
一般向けの価格は税込み送料込みで、¥69,700でした。
GSX-R1100のフロントフォーク
仲介業者のBST様から依頼があり、GSX-R1100の正立フォークを改良しています。
純正なのかわかりませんが、ピストン径25mmの贅沢な造りのカートリッジです。ですが、圧減衰のピストンはシムのない、環状隙間を調整するだけの仕組みで、オイルロックを起こさないようにバイパスが大きく開いています。
伸びは現代的な造りなのですが、調整部分が初めて見る形でした。仕組みは理解できましたが、バイパスポートがないので、どの速度域でも加減衰となっています。シム組を変更してみましたが、思った通り無駄でした。
改良方法は伸びピストンにバイパスを開き、低速域の流量を確保することで穏やかな特性にします。問題はポート径です。大きすぎれば全域で収まりのない動きになり、小さ過ぎれば動きが重くなります。使うオイル粘度とメインピストンのオリフィス径を考慮し、穴径を決めます。
NSR250の車高調整リンクロッド
本日、島根県の方から問い合わせを頂き、当社のオリジナル商品SGIV(車高調整リンクロッド)が売れました。
以前からブログを見て頂いていたようで、販売を待っていたと聴き、日々のブログ更新と製品開発が無駄でなかったと知り、うれしく思いました。
写真はMC21/28の純正よりも、大幅に車高をあげられるようにした仕様です。体格の大きな方が乗るらしいので、リアの沈み込みを補正出来る様にしてあります。一般向けには純正の100mmに対して、±5mm程度を基準にします。
MC18用も在庫がありますが、MC16用はサンプルの純正リンクロッドを提供してくだされば、製作可能か返答いたします。
写真の通常版は、価格改定して定価税別、送料別で¥36,000です。業販も可能ですから、連絡ください。廉価版はベアリングの品質を落とし、¥29,000です。
JP250岡山の決勝日
昨日、JP250の予選、決勝が行われました。
残念ながら雨は降らず、ドライコンディションで行われた決勝は総合9位、クラス5位の結果となりました。予選はRマークをつけ総合5位、クラス4位でした。悔しいですが2気筒勢が速かったようです。
遠征に出向いた後田さん、富本さん、当社大槻は大変な道程だったと思いますが、無事帰宅したようです。ライダーと監督は飛行機で無事移動を終えたようで、遠方のレースに無事に終えられ、安堵しています。
あとは鈴鹿の全日本を残すのみとなりました。そこでは56Racingと共にムクラダ選手、渡辺選手の2人が走ります。その前に56レーシングは筑波のレースがありますので、実のある内容のレースをし、勢いをつけて鈴鹿へ臨みたいと思います。
もてぎでワン・ツー
昨日のもてぎで行われたST250で、当社がサスペンションを調整したR25が表彰台の1位と2位を獲得しました。
一位はマツエセブンでお馴染みの名越家の令嬢、友紀さんです。2位はチームZATOの総帥、小野里さんでした。順位が良いとチームも盛り上がりますし、ライダーもよい顔をするので、勢いがつきます。
二台ともにリアはFGのFQT11で、フロントはCBR250Rのドリームカップ用に造りお蔵入りとなった、フォークスプリングをカラーを用いて使用しています。レートは標準的な0.7~0.8の間に収まっています。
茂木へは行っていなかったので、写真提供は56レーシングにも写真を提供して下さる、川野様の作品です。しかし、川野さんは知ってか知らずか、リアサスのFGが綺麗に映った写真を撮影してくれていました。素晴らしい才能です。