2016年8月
内径加工
スライドメタルの嵌る穴を拡大加工しました。
この寸法はロッドに対するクリアランスと、芯の二点に気を配りますが、旋盤のチャックを改良したので精度が上がり、簡単に作業を終えられました。改良により回転が安定したので、面粗度もかなり向上しました。
購入時のチャック外径は通常80mmか100mmなのですが、アタッチメントを製作し現在は125mmを使用しています。今後は150mmに換装予定です。これはチャック内径を更に拡大し、加工の範囲を広げるのが目的です。他には重量が増す事でフライホイールを重くしたのと同様に、回転が安定します。ですが、始動と制止の時に時間が掛かるようになるのと、ベアリングやベルト等の負担が増えるのでメンテナンスサイクルが早まります。先日主軸のベアリングを交換しましたが、前回日本製のベアリングを用いたことで、ほぼ問題は起こらなくなりました。摩耗具合を確認する意味での交換でした。
こうなると5~6尺で精度の良い旋盤がほしくなりますが、今年度は設備投資の予算を使い切ってしまったので、来年度へ持ち越しです。しかし、手持ちの卓上旋盤用の新たなるチャックとバイトを仕入れたので、それにより作業範囲の拡大と更なる寸法精度の向上を図ります。
イタリアのサスペンション改造。PAIOLI
今日は午前中にCBX用のFGを造り、午後からはパイオリのダンパーを改造していました。一日中イタリアのダンパーを触っていました。
PAIOLIはFGに部品を卸しているので、共通の品も多くあり、今回もFGの部品に助けられました。次にイタリアへ行った際には同じBolognaにあるので、FGに寄るついでにパイオリ社も訪ねてみようと思います。
今回はガスバルブの無いダンパーで、エンドアイが溶接されているのを切り飛ばし、純正のエンドアイを嵌められるように加工し、伸びたエンドアイの長さを吸収するために自由長を17mm短くしました。ダンパーストロークとフリーピストンの余裕は十分なので、安心です。
ラベルダのダンパーやマロッシは、パイオリのダンパーを採用している事が多いようなので、興味のある方は問い合わせください。純正部品を用いて、オーバーホール可能です。一部交換不可能な部品もありますが、今後パイオリ社に問い合わせしようと考えています。
貴重な時間
本日の午前中は、部品回収に東京まで行ってきました。
そこで期せずして、RC213V-Sに触れることが出来ました。跨いだりアクセルを開けたりと貴重な時間でした。その中で手押しだけですがリアサスの動きやスイングアームの剛性、フレームの剛性を確認することもできたので、本当に幸せでした。
オーリンズの新型正立フォークの作動性や、日産ノートの1.2リッター・スーパーチャージャーの乗り味なども、営業責任者の方から話を伺えたので、こちらも楽しい時間となりました。
その分、その後の作業が少々ずれ込んでしまい、あたふたしました。
高効率化
作業の時間短縮により高い効率を実現するために、エア抜きのバキュームポンプの配管を見直しました。
一つの機械で二つのダンパーを同時に作業可能です。更に配管を見直せば同時に三つまで可能ですが、他にも解消しなければいけない問題もあるので、現在は同時に二本を基準とします。
FGのバキュームポンプは200Vでかなり力が強く、大きな空間もあっという間に-1barまで持ってゆきます。あまり圧を下げすぎるとパッキンが傷みます。Oリングはかなりの圧力に耐えられますが、オイルシールやパッキンは内圧の高まりには耐えられますが、外部が高圧(内部の低圧)にはそれほど耐えられないようです。これは、シールの形状に由来する問題です。