2016年6月
WPのツインショック
久しぶりにWPのツインショックをオーバーホールいたしました。
エマルジョン型なので作業はらくなのですが、ガス入れが難点です。メーカーにより思想はさまざまで、イタリアのFGはエマルジョンを嫌い、必ずフリーピストンを備えます。性能面では有利ですが、リザーブタンクを持たない型では、ロッドと同軸上にフリーピストンを配置しなければならず、寸法の制約が大きくなります。その点エマルジョンは絶対性能は大きく劣りますが、組み立て時間の短縮と寸法の自由度が高いので、製作者には楽なつくりです。
極めてみじかい寸法のダンパーでは、リザーブタンクを持たせられなければエマルジョン以外の選択肢はありません。しかし、ストロークが深くなるとピストンがガス室に近づき、多くの問題を起こす事となり減衰が不安定になります。
課題山積
先日のJP250で、新たな課題を抱えることになりました。
車体ではなくエンジン関係で考察を深める事象があり、時を同じくして56レーシングのNSF250でも同様の問題が起こり、解決へ向け早速動き出しました。
今週末の鈴鹿で一部試し、問題の改善を図ります。その後すぐに訪れる筑波選手権へNSF
とCBRでテストを行い、更に完成度を高めようと思います。
MCナイロンの加工
MCナイロンは加工が容易で、外的要因に強いので多くの部分に使います。
以前、五反田の加工屋「桜井電機」の桜井進一さんに教わった、プラスティックの特性を考えつつ、ドリルの刃をつけました。
金属加工用の場合は先端の中心から肩までが、食い込むような、巻き込むとも表現できそうな形状ですが、柔らかい材料をこれで削ると食い込んで機械が止まってしまいます。その部分を平坦にすると食い込みを起こし難くなるので、加工が迅速に行えるようになります。
アルミでもこのまま使用しますが、綺麗に穴あけできます。
FRPカウルや、ABS樹脂、スクリーンなどに穴あけ加工を施す場合に、グラインダで写真のように削って使えば割れ防止になると予想し、次回試してみます。
北へ
小林旭さんの歌と同じく、当社のトラックエンジニア大槻は「北へ」向かいました。
本来ならば、ムクラダ・サラプーチさんは私の担当なのですが、諸事情により代わりに彼に行ってもらいました。
今回は難しい天候になりそうですが、前回の選手権や筑波のテストなど多くの改良を施した車両なので、いよいよ優勝を狙える立ち位置まで来たと考えています。参加できなく口惜しいのですが、優勝か転倒の激しいレースになりそうなので、今から心配と緊張を抱えています。