2015年11月
CBR1000RRの前後サス、オーバーホール
日曜日に受注したCBR1000RRの、前後ダンパーのホーバーホールを行いました。
リアはオーリンズに交換してあり、ばね定数も悪くないのですが、内部の設定が使用目的と合わないので、ガス圧力も含め少変更を施し、ローダウンリンクとダンパーの車高調整を駆使して、一人乗り専用機として再出発です。
フロントは完全な純正なのですが、最初からトップアウトスプリングの入る、なかなかお金の掛かったフロントフォークです。イニシャルアジャスターも954辺りから採用が始まった、空気室(エアボリューム)の変化を起こさないトップキャップを用い、安定した性能を発揮します。ですが、いくつか気になる点がありまして、イニシャルを最強付近までかけないと内部でばねが遊んでしまい、初期荷重不足からくる実ストロークの減少が見られます。トップアウトスプリングの定数もやや高く、乗り味を優先したのではなくウィリー状態でフォークが伸びきらないように配慮しているように思います。この設定は929、954で際立っています。VTR1000RRでも採用しているので、乗り心地が悪い場合はばね等を柔らかくするのではなく、プリロードをかなり掛け突き出しを3~5mmほど多くすれば、柔らかく懐の深いフロントフォークの雰囲気を演出できます。
ZX-12Rとハヤブサも似たようなフロントフォークの設定なので、乗り味が気になる方はご連絡ください。
1000RRのフロントフォークの減衰はかなりしっかり掛かっていますが、絶対値ではなくストローク速度域ごとのメリハリを出す為に、シム組みを変更しオイルロックピースにも簡単な加工を施し有効ストロークを確保しています。
前後サスを車体ごと預かりメンテナンスを依頼いただくと、実車での細やかな調整が可能ですから、お客様の満足度もより高くなり作業者としても嬉しい限りです。
作業代金は、税抜き¥118,244でした。
出発に向け
金曜日から始まるNGK杯、グランドチャンピオンシップに向け、日常業務の追い込みをかけています。
お客様には迷惑を掛けてしまいますが、金曜日は工場長の木村がおりますので、お気軽に連絡ください。
KLX125,Dトラッカー用のリアサス、FG
イタリアから荷物が届きました。
今回はKLX125,Dトラッカー125、GSX-1100R,FZ750,RZ250Rの入荷です。
KLXは車体価格を考え、FQE11(車高調整有り)を税抜き¥70,000と格安で提供予定です。より安価なFQE11pr36もFGに開発依頼をしていますので、今後の仕上がりが楽しみです。
届いたダンパーを下地に、試乗→ばね及び減衰の調整→試乗の流れを繰り返し、製品を仕立ててまいります。フルサイズのFQE11を用いることで最上級の乗り味を提供し、その中から美味しい部分を残しつつ廉価モデルのpr36も開発します。
同時にリザーブタンクを持つFQT11も同時に開発を進め、車体価格との比率を無視し、当社の悪い癖でもある「損得勘定度外視」のスペシャルサスを造ります。合わせてフロントフォークの小改造も行いますので、ちょっとした改造から、好きだからとことん突き詰めてみたい改造、まで一気に突き進みます。
ダンパー開発の続き、JP250
渡辺瑛貴君を起用し進めている、ダンパー開発「SGMFG」シリーズと「SGVF]シリーズのテストで、ツインリンクもてぎを走行しました。
渡辺親子のみで走行してもらいましたが、約2年ぶりとなるもてぎ走行で、ベストを2秒更新し(旧型なのを考慮しても、よいタイムでした)、筑波のセットのまま持ち込んだ車体は、もてぎにより合っていたようです。ライダーと話をしたなかで幾つかの課題を確認できたので、次回の走行にはフロントをもう少し、動く方向に変更しようと思います。
来年から始まるJP250には、全日本の広いコースに合った足回りを提供できそうです。